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2024年6月11日 (火) 01:13時点における版
西武001系電車 Laview | |
---|---|
西武001系 (2019年9月11日 吾野 - 東吾野間) | |
基本情報 | |
運用者 | 西武鉄道 |
製造所 | 日立製作所笠戸事業所 |
製造年 | 2018年 - 2020年 |
製造数 |
7編成56両 (2022年2月19日現在) |
運用開始 | 2019年3月16日[1] |
投入先 | 池袋線・西武秩父線 |
主要諸元 | |
編成 | 8両編成 |
軌間 | 1,067 mm(狭軌) |
電気方式 |
直流1,500 V (架空電車線方式) |
最高運転速度 | 105 km/h |
設計最高速度 | 120 km/h |
起動加速度 | 3.3 km/h/s |
減速度(常用) | 3.5 km/h/s |
減速度(非常) | 4.5 km/h/s |
編成定員 | 422人 |
編成重量 | 283.2 t |
全長 |
先頭車:20,470 mm (連結器使用状態) 中間車:20,000 mm |
車体長 |
先頭車:20,050 mm 中間車:19,500 mm |
全幅 | 2,814 mm(側灯幅) |
車体幅 | 2,800 mm |
全高 | 4,040 mm(空調,パンタ同寸) |
車体高 | 3,752 mm |
床面高さ | 1,135 mm |
車体 |
アルミニウム合金 (A-train) |
台車 | 軸梁式ボルスタレス台車 |
主電動機 | 全閉式三相かご形誘導電動機 |
主電動機出力 | 170 kW |
歯車比 | 87:14 (1:6.21) |
編成出力 | 170×16 = 2720 kW |
制御方式 | フルSiC-MOSFET素子VVVFインバータ制御 |
制御装置 | 三菱電機製 MAP-178-15V322 |
制動装置 | 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ(純電気ブレーキ付) |
保安装置 | 西武形ATS ATC装置 ATO装置 |
西武001系電車(せいぶ001けいでんしゃ)は、2019年3月16日に運行を開始した西武鉄道の特急形電車である[1]。愛称は「Laview(ラビュー)」[注釈 1]。
本項では個別の編成について、「車両番号のローマ字部分+編成」(例:A編成)の表記とする。
概要
老朽化した10000系「ニューレッドアロー」の後継車両として製造された。西武独特の「X01系(X01形)」という形式付番方法は、1981年に701系の改造で登場した新501系以来37年ぶりの採用となる。
8両編成7本計56両が導入され、2019年にはキッズデザイン賞[2]とグッドデザイン金賞[3]を受賞し、2020年にはiFデザインアワード2020[4][5]と鉄道友の会の第63回ブルーリボン賞[6][7][注釈 2]を受賞した。
開発コンセプト
「いままでに見たことのない新しい車両」をコンセプトに掲げ、以下のデザインコンセプトをもとに設計された[8][9]。
- 妹島和世 - 建築家。本形式の基本デザインを監修した。
- 安東陽子 - テキスタイルデザイナー。座席シートや床面などのテキスタイルのデザインを担当した。
- 豊久将三 - 照明家。車内の照明デザインを担当した。
- 棚瀬純孝 - 建築家。デザインコーディネーションとグラフィックデザインを担当した。
愛称の「Laview」は以下の頭文字に由来する[8]。
- L - 贅沢(Luxury)なリビング(Living)のような空間
- a - 矢(arrow)のような速達性
- view - 大きな窓から移りゆく眺望(view)
仕様
外観
球面形状の前面デザインを採用し、前面窓は曲線半径 1,500 mmの三次元の曲面ガラス、客室窓は縦 1,350 mm×横 1,580 mmの大型窓ガラスを使用している。
車体はアルミニウム合金製車体を採用し、周りの風景が溶け込むようシルバーメタリックの塗装が施されている[8][9][10]。塗料は大日本塗料の「スーパーブライト No.2000」を採用した[11]。同製品はこれまで自動車のアルミホイールやホイールカバーなどに使用されてきたが、鉄道車両の外板塗装への採用は初めてである[11]。
前面には非常扉を有し、地下鉄直通が考慮されている[12]。また、前照灯(前部標識灯)の周囲にはイベント時などに「スマイル」を演出するために環状のLEDが取り付けられている[13]。笑い顔を模した表示など4種類の点灯パターンが用意されており、乗務員室内にあるスイッチを操作することで切り替えることができる[14]。
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池袋駅、1号車前面(2019年7月3日撮影)
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飯能駅、8号車前面(2019年7月3日撮影)
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池袋駅、車両側面(2019年7月3日撮影)
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同左、客席側面(2019年7月3日撮影)
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同左、乗車口ドア(2019年7月3日撮影)
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同左、「Laview」のロゴ(2019年7月3日撮影)
車内
大きな窓のある白を基調とした明るい客室には、暖かみのある黄色を基調としたシートが配置されている。シートは身体をやわらかく包み込むソファのようなデザインになっており、背もたれの枕は背丈に合わせて手動で調節できるようになっている[9]。肘掛には小型のインアームテーブルが設置されている[15]。
照明はシンプルな曲面天井からの間接照明になっており、時間帯によって光の色を変えられるようになっている[9]。
エントランスは黄色を基調としており、床にはダークグレーの人造大理石が敷き詰められている。また、一部の壁には曲面デザインを採用し、壁面に寄りかかれる余裕のある空間となっている[9]。
車内自動放送は日本語を久野知美[16]、英語を松代有生[17]が担当している。また、車内チャイムは福嶋尚哉が作曲したオリジナルのものを使用している[18]。
車内案内表示装置には三菱電機が開発した大型液晶2画面一体型トレインビジョンシステムを採用している[19]。
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1号車の乗務員室(2019年7月3日撮影)
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エントランスのドア(2019年7月3日撮影)
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車両連結部のオートドア(2019年7月3日撮影)
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パウダールーム・トイレに面した通路(2019年7月3日撮影)
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パウダールーム(2019年7月3日撮影)
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トイレ(2019年7月3日撮影)
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シート前面から見た車内(2019年7月3日撮影)
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8号車の乗務員室(2019年7月3日撮影)
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シート背面から見た車内(2019年7月3日撮影)
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シートのリクライニング(2019年7月3日撮影)
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シートの背面(2019年7月3日撮影)
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天井面(2019年7月3日撮影)
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連結部上部の車内ビジョン(2019年7月3日撮影)
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シートのインアームテーブル・コンセント(2019年7月3日撮影)
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シート回転レバー(2019年7月3日撮影)
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ブラインド(2019年7月3日撮影)
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照明ボックス・ブラインドレール(2019年7月3日撮影)
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エントランスのAED(2019年7月3日撮影)
主要機器
制御装置は三菱電機製のSiC-MOSFET素子適用パワーモジュールを用いたPGセンサレスベクトル制御(純電気ブレーキ対応)の2レベルVVVFインバータ制御装置を採用した。1台の制御装置に主電動機の4台並列接続を1ユニットとし、これを2ユニット並列接続した1C4M2群構成としている。形式はMAP-178-15V-322[13]。
補助電源装置はIGBT素子を使用した東洋電機製造製[20]の待機2重系静止形インバータ(SIV・定格出力260 kVA)を編成で2台搭載している[20]。形式はRG4085-A-M (補助電源装置としての形式はSVH260-4085A)[20]。
台車は川崎重工業のボルスタレス台車が採用された。軸ダンパ付きの軸梁式で、T車がKW-218T、M車がKW-217Mを使用している。両先頭車には動揺防止装置を取付け、中間車も準備工事がされている[13]。
主電動機は三菱電機製の全密閉式三相かご形誘導電動機(MB-5160-A)を使用している[13]。
集電装置は電磁カギ外し装置と下降検知器を装備した東洋電機製のPT7116-DをM1・T1・M5車の飯能方に搭載している[13]。
電動空気圧縮機は三菱電機製MBU1600Y-3BをM2・M6車に搭載している(T1・T3車にも準備工事がされている)[13]。
空調装置は48.8kW(42,000kcal/h)のHRB354-1[21]を各車1台装備している。
先頭部の密着連結器は伸縮機能を備えるCSD105形で、格納状態と使用状態のストロークは400mmとなっている[13]。
編成表
号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
形式[13] | クハ001-01-00 (Tc1) |
< モハ001-02-00 (M1) |
モハ001-03-00 (M2) |
< サハ001-04-00 (T1) |
サハ001-05-00 (T3) |
< モハ001-06-00 (M5) |
モハ001-07-00 (M6) |
クハ001-08-00 (Tc2) |
搭載機器 車内設備 |
トイレ,洗面台, 車椅子スペース |
VVVF | SIV,CP | BT,(CP) | (CP),トイレ,AED, パウダールーム |
VVVF | SIV,CP | BT |
車両重量 | 32.8 t | 39.0 t | 38.3 t | 31.5 t | 32.1 t | 39.0 t | 38.3 t | 32.2 t |
定員 | 26 | 60 | 60 | 60 | 48 | 60 | 60 | 48 |
車両番号 | 001-A1 : 001-G1 |
001-A2 : 001-G2 |
001-A3 : 001-G3 |
001-A4 : 001-G4 |
001-A5 : 001-G5 |
001-A6 : 001-G6 |
001-A7 : 001-G7 |
001-A8 : 001-G8 |
- VVVF:主制御器(VVVFインバータ/1C4M2群)
- SIV:補助電源装置(静止形インバータ)
- CP:電動空気圧縮機
- (CP):電動空気圧縮機の準備工事
- BT:蓄電池
- <:集電装置(シングルアームパンタグラフ)
- 2021年4月現在、A - G編成の7編成56両が在籍する[22]。
運用
池袋線系統の特急「ちちぶ」「むさし」として運用されている。2019年3月16日のダイヤ改正より定期列車としての運行を開始し[1]、2020年3月14日のダイヤ改正をもって池袋線・西武秩父線の特急は本系列で統一された[23]。
新宿線は本川越駅2・3番線のホーム長が7両分しかない関係で、定期運用は現時点では存在しないが、2019年4月には臨時列車として本川越駅 - 飯能駅間で営業運転を行った。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c 『運行開始日・運転時刻が決定! 2019年3月16日(土)からラビュー新型特急車両「Laview」運行開始!』(PDF)(プレスリリース)西武鉄道、2019年1月29日。オリジナルの2019年10月14日時点におけるアーカイブ 。2020年6月8日閲覧。
- ^ 『001系Laviewが「第13回キッズデザイン賞」「子どもたちを産み育てやすいデザイン部門」を受賞!! 〜30000系・40000系に引き続いて受賞となりました〜』(PDF)(プレスリリース)西武鉄道、2019年8月23日。オリジナルの2020年7月7日時点におけるアーカイブ 。2020年7月7日閲覧。
- ^ 『2019 年度グッドデザイン賞において001系Laview が 「グッドデザイン金賞」(経済産業大臣賞)を受賞!! グッドデザイン・ベスト100に続き、受賞しました』(PDF)(プレスリリース)西武鉄道、2019年11月1日。オリジナルの2020年5月25日時点におけるアーカイブ 。2020年7月7日閲覧。
- ^ 『半世紀以上の歴史を持つ、世界的に権威のあるデザイン賞 001系Laview が「iFデザインアワード2020」を受賞! 国内の鉄道車両では、13年ぶりの受賞』(PDF)(プレスリリース)西武鉄道、2020年2月14日。オリジナルの2020年5月24日時点におけるアーカイブ 。2020年7月7日閲覧。
- ^ “iFデザインアワード2020公式サイト内「Laview / Express train」”. 2021年5月2日閲覧。
- ^ 『鉄道友の会 選定 2020年ブルーリボン賞・ローレル賞決定』(PDF)(プレスリリース)鉄道友の会、2020年6月5日。オリジナルの2020年6月9日時点におけるアーカイブ 。2020年6月9日閲覧。
- ^ 『西武鉄道の車両としては50年ぶり「001系Laview」がブルーリボン賞を受賞 ー「現代の鉄道車両としての完成度が極めて高く、魅力あふれる車両である」と評価―』(PDF)(プレスリリース)西武鉄道、2020年6月5日。オリジナルの2020年6月9日時点におけるアーカイブ 。2020年6月9日閲覧。
- ^ a b c 『『いままでに見たことのない新しい車両』 新型特急車両「Laview」2019年3月デビュー!』(PDF)(プレスリリース)西武鉄道、2018年10月29日。オリジナルの2019年6月1日時点におけるアーカイブ 。2020年6月8日閲覧。
- ^ a b c d e f Laviewカタログ(西武鉄道Laview特設サイト内)
- ^ a b 西武鉄道 Laview特設Webサイト
- ^ a b 『2019年3月にデビューする西武鉄道の新特急「Laview(ラビュー)」の車体外装用塗料に、大日本塗料の「スーパーブライトNo.2000」が採用されました。』(PDF)(プレスリリース)大日本塗料、2019年2月26日。オリジナルの2020年3月28日時点におけるアーカイブ 。2020年6月8日閲覧。
- ^ レイルマガジン2019年5月号pp.126
- ^ a b c d e f g h 「とれいん」2019年4月号(通巻532号) MODELERS FILE
- ^ 西武鉄道 Laview 公式Twitterアカウントによるツイート
- ^ “大きな窓とリビングのような空間 西武の新型特急Laviewに乗車しました”. 鉄道コム (2019-02-22JST18:00:00). 2020年8月5日閲覧。
- ^ 鉄道ダイヤ情報 2019年6月号、26頁「ラビューの魅力を語る」
- ^ “松代有生 Matsushiro Yuhki”. オフィスサッキー. 2021年6月28日閲覧。
- ^ NexTone作品検索データベース(NexTone 2019年9月16日閲覧)
- ^ 三菱電機技報 2018年1月号特集「技術の進歩」 (PDF)
- ^ a b c 西武鉄道株式会社001系特急車用電機品(PDF) - 東洋電機製造『東洋電機技報』No.140(2019年発行)(インターネットアーカイブ)。
- ^ 「鉄道ピクトリアル」2019年5月号(通巻959号)西武鉄道001系"Laview" p.120 - p.128
- ^ 交友社『鉄道ファン』2021年8月号(通巻724号)付録「大手私鉄車両ファイル」
- ^ 『2020年3月14日(土)ダイヤ改正を実施します』(PDF)(プレスリリース)西武鉄道、2020年1月29日。オリジナルの2020年2月29日時点におけるアーカイブ 。2020年6月9日閲覧。
外部リンク
- 001系(ラビュー) :西武鉄道Webサイト
- 西武鉄道新型特急車両「Laview」
- 「西武鉄道001系「ラビュー」新型車両を公開! 試乗会も 」 - マイナビ鉄道ニュース
- 日本地下鉄協会『SUBWAY」2019年8月号車両紹介「西武鉄道新型特急車両「Laview(ラビュー)」の概要」 (PDF) (32-35P掲載)
- 東洋電機製造『東洋電機技報』No.140(2019年発行)「西武鉄道株式会社001系特急車用電機品」 (PDF) (インターネットアーカイブ)
- 『日立評論』2020年4月号「都市や自然と調和する西武鉄道新型特急車両001系「Laview」」
- iFデザインアワード2020「Laview / Express train」