牟知列岩
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牟知列岩(むしるれつがん)とは、千島列島にある4つの岩礁の総称。ロシア名はロヴシュキ列岩(Скалы Ловушки、ロシア語で「罠」の意)。
岩礁の名前の由来は、アイヌ語の「モシリ(島)」が「ムシル」に訛ったもの。
地理
[編集]千島列島の中部に位置し、北東には捨子古丹島、南西には雷公計島がある。
地形は火山島が浸食されてできたもので、現在ではオットセイやトドの繁殖地となっている。
4つの岩礁にはアイヌ語が由来の次の呼び名がある。
- チロモシル/チリ・オ・モシル(小鳥・そこに沢山いる・島→小鳥がそこに群れている島)
- カパリショ/カパル・イショ(平たい・それの岩→平たい(鰈のような)それの岩)
- トポニイショ/トポ・ネ・イショ(水溜り・~である・それの岩→水溜りであるそれの岩)
- オチポケ/オチ・ポケ(突進する・下に<先方に>→潮流が先方に突進する)
牟知列岩は千島列島の中でも潮の流れが速い海の難所であり、アイヌ語の地名もそれを表している。
歴史
[編集]- 1644年(正保元年)、「正保御国絵図」が作成された際、幕命により松前藩が提出した自藩領地図には、「クナシリ」「エトロホ」「ウルフ」など39の島々が描かれていた。
- 1715年(正徳5年)、松前藩主は幕府に対し、「北海道本島、樺太、千島列島、勘察加」は松前藩領と報告。
- 1855年(安政元年)、日露通好条約によりロシア領となる。
- 1875年(明治8年)、樺太・千島交換条約により日本領になる。
かつては、日本の行政区分において、北海道根室支庁(現在の根室振興局)管内の占守郡最南端に位置しており、雷公計島との間で新知郡の境目を成していた。
現在はロシア連邦が実効支配しているが、日本政府は国際法的には所属未定地と主張している。
→詳細は「千島列島 § 領土問題」を参照
関連項目
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参考文献
[編集]- 『北方領土地名考』 北方領土問題対策協会編、1978年、15 - 16頁