無線従事者 (琉球政府)
この記事は特に記述がない限り、琉球政府の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。 |
無線従事者 | |
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資格種類 | 琉球政府資格 |
分野 | 無線 |
試験形式 | その他:筆記 |
認定団体 | 琉球政府 |
認定開始年月日 | 1956年5月4日(初めて免許が与えられた日) |
認定終了年月日 | 1972年5月14日(沖縄の復帰前日) |
等級・称号 |
無線通信士(第一級~第三級、航空級、電話級) |
根拠法令 | 電波法 (琉球政府) |
特記事項 | 終身免許であり、沖縄復帰の時点で有効だった琉球政府発行の免許証は、みなし規定により書換えは不要。 |
ウィキプロジェクト 資格 ウィキポータル 資格 |
琉球政府の法令による無線従事者(むせんじゅうじしゃ)とは、無線設備の操作を行う者であって、行政主席の免許を受けたものをいう[1]。 沖縄の復帰の際には、特例措置が施された。(#沖縄の復帰に伴う経過措置参照)
成り立ち
[編集]1952年4月28日、日本国との平和条約の効力発生により、北緯29度以南の南西諸島は日本の施政から切り離され、アメリカ合衆国の施政下に入った。もっとも、実質的には1945年4月1日(沖縄戦における米軍の本島上陸の日)から、ニミッツ布告第4項により現行法規の施行が持続されており[2]、引き続き無線電信法が適用されてきた。しかし、無線技術が幼稚であった時代に制定されたものである関係上今日の無線界を規律するには不完全であり、また民主主義の精神にそわない点も多々あるとして、行政主席は1955年7月22日付けで立法院に対し電波法案の立法要請を行い[3]、10月19日に可決[4]、11月25日に電波法が公布され、翌1956年1月24日に施行された。その第4章において、無線従事者に関する規定が盛り込まれたものである。
前史
[編集]琉球政府公報(沖縄県公文書館デジタルアーカイブス)によれば、1952年11月、1954年4月及び12月に無線電信法に基づく無線通信士資格検定規則(昭和6年逓信省令第8号)による無線通信士資格検定試験が実施されている[5]。
さらに1954年1月19日には、特殊無線通信士資格検定試験規程が公布・施行され[6]、陸上に開設した無線局の国内通信のための通信操作を行う特殊無線通信士の資格試験及びその合格者への合格証書の交付が行われることとなった[7]。検定試験は、1954年内に3回、1955年に1回実施されている。この規程は下記の電波法の施行日に廃止された[8]。
種別
[編集]施行当初
[編集]電波法施行(1956年1月24日)当初の資格の一覧である。
資格 | 操作範囲 |
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第一級無線通信士 |
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第二級無線通信士 |
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第三級無線通信士 |
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電話級無線通信士 |
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第一級無線技術士 |
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第二級無線技術士 |
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第三級無線技術士 |
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特殊無線技士(レーダー) |
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特殊無線技士(超短波陸上無線電話) |
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特殊無線技士(超短波海上無線電話) |
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特殊無線技士(ファクシミリ) |
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特殊無線技士(超短波多重無線装置) |
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特殊無線技士(簡易無線電話) |
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特殊無線技士(中短波陸上無線電話) |
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特殊無線技士(中短波海上無線電話) |
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特殊無線技士(中短波固定無線電信) |
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特殊無線技士(中短波移動無線電信) |
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特殊無線技士(国際無線電信)[9] |
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特殊無線技士(国内無線電信甲) |
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特殊無線技士(国内無線電信乙) |
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1957年の改正
[編集]電波法施行規則の一部改正(1957年10月8日公布、同年10月15日施行)により、特殊無線技士(中短波陸上無線電話)及び特殊無線技士(中短波海上無線電話)が操作できる無線設備の空中線電力が50W以下となった。
1960年の改正
[編集]電波法の一部改正(1960年6月24日公布、同年8月24日施行)及び無線従事者操作範囲規則の制定(同年10月21日公布、即日施行、遡って同年8月24日から適用)により、種別が次のとおり変更された。
資格 | 操作範囲 |
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第一級無線通信士 |
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第二級無線通信士 |
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第三級無線通信士 |
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航空級無線通信士 |
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電話級無線通信士 |
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第一級無線技術士 |
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第二級無線技術士 |
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第三級無線技術士 |
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特殊無線技士(レーダー) |
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特殊無線技士(無線電話甲) |
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特殊無線技士(無線電話乙) |
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特殊無線技士(多重無線設備) |
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特殊無線技士(国内無線電信) |
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第一級アマチュア無線技士 |
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第二級アマチュア無線技士 |
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第三級アマチュア無線技士 |
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1969年の改正
[編集]電波法の一部改正(1969年8月30日公布、即日施行)及び無線従事者操作範囲規則の一部改正(同年10月29日公布、即日施行、遡って同年8月30日から適用)により、種別が次のとおり変更された。
資格 | 操作範囲 |
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第一級無線通信士 |
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第二級無線通信士 |
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第三級無線通信士 |
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航空級無線通信士 |
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電話級無線通信士 |
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第一級無線技術士 |
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第二級無線技術士 |
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特殊無線技士(レーダー) |
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特殊無線技士(無線電話甲) |
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特殊無線技士(無線電話乙) |
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特殊無線技士(多重無線設備) |
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特殊無線技士(国内無線電信) |
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第一級アマチュア無線技士 |
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第二級アマチュア無線技士 |
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電信級アマチュア無線技士 |
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電話級アマチュア無線技士 |
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取得
[編集]無線従事者になろうとする者は、琉球政府の電波法第42条に基づき無線従事者資格試験(日本の電波法では「国家試験」であるが、琉球政府は「資格試験」と呼んだ。)に合格し、行政主席の免許を受けなければならなかった。ただし、1969年の電波法の一部改正(1969年8月30日公布、即日施行)により、特殊無線技士、電信級アマチュア無線技士及び電話級アマチュア無線技士については養成課程修了による取得が可能となった。なお、日本法に基づく資格・免許を有する者への経過措置については#沿革及び経過措置を参照。
資格試験
[編集]定期試験は、無線従事者資格試験及び免許規則(1955年規則第118号、1960年規則第125号により全部改正、1965年規則第9号により一部改正、1968年規則第101号により一部改正。)に基づき、毎年4月及び10月に沖縄(本島)、宮古及び八重山において実施されることとした。1960年改正後は、無線通信士及び無線技術士については1月及び7月(予備試験はそれぞれ前月)、アマチュア無線技士については4月及び10月(第一級及び第二級アマチュア無線技士の予備試験はそれぞれ前月)、那覇市、平良市及び石垣市で実施されることとした。1965年改正後は、第一級、第二級及び第三級無線通信士については3月及び9月(予備試験はそれぞれ前月)、無線技術士については1月及び7月(同)、航空級及び電話級無線通信士並びにアマチュア無線技士については2月及び8月、那覇市、平良市及び石垣市で実施されることとした。1968年改正後は日本の無線従事者国家試験に合わせ、アマチュア無線技士のみ実施時期が4月及び10月に変更された。ただし、期日及び施行地が変更されたり[11]、定期試験のほか臨時試験が行われたこともあった。なお、特殊無線技士の資格試験については随時行われた。
次に挙げる者は試験の一部が免除された。
- 無線通信士、無線技術士及び特殊無線技士(国際無線電信)の科目合格者は、合格点を得た資格試験の行われた月の始めから1年以内に当該資格を受ける場合に限り、その科目の試験を免除された(同規則第5条)。なお、1960年改正後は予備試験について10年以内、実技試験(電気通信術)について3年以内、第一級若しくは第二級無線通信士の学科試験(学科試験全部の科目に合格点を得た者)又は第一級若しくは第二級無線技術士の学科試験(一部の科目に合格点を得た者)について2年以内に延長された(同規則第6条)
- 一定の無線従事者、またはその資格による一定の業務経歴を有する者は、一部の科目が免除された(同規則第6条及び第7条、1960年改正後は第7条及び第8条)。
- 1960年改正以後、行政主席の認定を受けた教育施設の卒業者は、卒業の日から10年間予備試験を、3年間実技試験を免除された(同規則第9条)。
養成課程修了
[編集]1969年の電波法の一部改正(1969年8月30日公布、即日施行)により、特殊無線技士、電信級アマチュア無線技士及び電話級アマチュア無線技士については養成課程修了による取得が可能となった。なお、これ以前、それらの資格以外を含め琉球政府主催による「無線従事者養成講習」が行われており[12]、講習後に行われる資格試験を受験し、合格すれば免許を取得できた。
無線従事者免許証
[編集]無線従事者免許証の様式は、縦140mm、横75mm(1960年改正後は縦130mm、横80mm、1968年改正後は縦115mm、横70mm)の手帳型。当初は縦書き左開きで、表紙には発行者名が記載されず、当時の日本の無線従事者免許証と異なり本籍の都道府県の記載欄はなく、第3ページに発行者名「琉球政府」及び印が押された。1965年改正(1962年11月6日に遡って適用)により横書き右開きとなり、表紙下に「琉球政府」(国際電気通信条約附属無線通信規則(国際電気通信連合憲章に規定する無線通信規則の前身)に定める通信士の要件を満たす資格については、英文 "GOVERNMENT OF THE RYUKYUS" を併記)と記載され、第3ページに発行者名「行政主席」及び印が押された。
免許証の番号
[編集]1956年当時
[編集]アルファベット2字及び番号(当該年度・資格ごとの通番)で構成された。
- 1字目は免許の年度別記号(1956年度はA)
- 2字目は無線従事者の資格別記号
- A:第一級無線通信士
- B:第二級無線通信士
- C:第三級無線通信士
- D:電話級無線通信士
- F:第一級無線技術士
- G:第二級無線技術士
- H:第三級無線技術士
- Q:特殊無線技士(国内無線電信甲)
- Z:特殊無線技士(国内無線電信乙)
1968年当時
[編集]無線従事者資格試験及び免許事務手続規程(1968年郵政庁訓令第3号)第38条により、アルファベット3字及び番号(当該年度・資格ごとの通番)で構成された。再交付の場合は、旧免許証の番号に「の二」を付したものを使用し、以後再交付のたびに「の三」、「の四」のように更新することとされた。
- 1字目は頭記号K
- 2字目は免許の年度別記号(1956年度はA、1957年度=B、…)
- 3字目は無線従事者の資格別記号
- A:第一級無線通信士
- B:第二級無線通信士
- C:第三級無線通信士
- D:航空級無線通信士
- E:電話級無線通信士
- F:第一級無線技術士
- G:第二級無線技術士
- H:第三級無線技術士
- J:第一級アマチュア無線技士
- K:第二級アマチュア無線技士
- L:第三級アマチュア無線技士
- M:特殊無線技士(レーダー)
- N:特殊無線技士(無線電話甲)
- O:特殊無線技士(無線電話乙)
- P:特殊無線技士(各種無線設備)
- Q:特殊無線技士(国内無線電信)
ただし、その後亡失により無効とされた免許証の告示では、本規程施行後の年度別記号の免許でも頭記号Kを使用せずアルファベットは2字であること、合格者の受験番号の頭に付される記号はDとEが入れ替わっていること(Dが電話級無線通信士、Eが航空級無線通信士)、「特殊無線技士(各種無線設備)」という資格は存在しないこと(多重無線設備の誤植か)から、これらの点について疑問がある。 なお、電信級及び電話級アマチュア無線技士の無線従事者免許証の亡失による無効の告示(1971年郵政庁告示第32号)によれば、電信級アマチュア無線技士の無線従事者の資格別記号はY、電話級アマチュア無線技士はZであった。
無線通信規則の相当資格の表示
[編集]国際電気通信条約附属無線通信規則に定める通信士の要件を満たす資格については、日本語で次のように記載されるとともに、英語の訳文が付された。
施行当初
[編集]- 第一級無線通信士
- この免許証は国際電気通信条約附属無線通信規則に規定する第一級無線電信通信士証明書に該当することを証明する。
- 第二級無線通信士
- この免許証は国際電気通信条約附属無線通信規則に規定する第二級無線電信通信士証明書に該当することを証明する。
- 第三級無線通信士
- この免許証は国際電気通信条約附属無線通信規則に規定する無線電信通信士特別証明書及び無線電話通信士一般証明書に該当することを証明する。
- 電話級無線通信士
- この免許証は国際電気通信条約附属無線通信規則に規定する無線電話通信士一般証明書に該当することを証明する。
1960年改正後
[編集]1960年規則第125号による無線従事者資格試験及び免許規則の全部改正(1960年10月11日公布、即日施行、同年8月23日から適用)後は、次の記載となった。
- 第一級無線通信士
- この免許証は国際電気通信条約附属無線通信規則に規定する第一級無線電信通信士証明書に該当し、かつ、この免許証の名義人は同規則に規定する航空固定業務航空移動業務及び航空無線航行業務の特別規定に関する試験に合格した者であることを証明する。
- 第二級無線通信士
- この免許証は国際電気通信条約附属無線通信規則に規定する第二級無線電信通信士証明書に該当し、かつ、この免許証の名義人は同規則に規定する航空固定業務航空移動業務及び航空無線航行業務の特別規定に関する試験に合格した者であることを証明する。
- 第三級無線通信士
- この免許証は、国際電気通信条約附属無線通信規則に規定する無線電信通信士特別証明書及び無線電話通信士一般証明書に該当することを証明する。
- 航空級及び電話級無線通信士
- この免許証は、国際電気通信条約附属無線通信規則に規定する無線電話通信士一般証明書に該当することを証明する。
- 特殊無線技士(無線電話甲)
- この免許証は、国際電気通信条約附属無線通信規則に規定する無線電話通信士制限証明書に該当することを証明する。
1965年改正後
[編集]1965年規則第9号による無線従事者資格試験及び免許規則の一部改正(即日施行、1962年11月6日に遡って適用)後、特殊無線技士(無線電話甲)については次の記載となった。無線通信士については変更ない。
- 特殊無線技士(無線電話甲)
- この免許証は、国際電気通信条約附属無線通信規則に規定する無線電話通信士制限証明書に該当することを証明し、かつ、同規則第903号の規定により発給したものであることを証明する。[13]
沿革及び経過措置
[編集]年 | 変遷 |
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1945年 |
沖縄戦により米軍が本島上陸。ニミッツ布告により現行法規の施行を持続。 |
1952年 |
日本国との平和条約の効力発生により、北緯29度以南の南西諸島は日本の施政から切り離され、アメリカ合衆国の施政下に入る。 無線電信法に基づく無線通信士資格検定規則による無線通信士資格検定試験を実施。 |
1954年 |
特殊無線通信士資格検定試験規程が制定された。
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1955年 |
電波法が公布された。
なお、無線通信士資格検定規則による航空級無線通信士及び聴守員級無線通信士並びに特殊無線通信士資格検定試験規程による特殊無線通信士については、みなし規定はない。
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1956年 | 2月27日から29日まで、無線通信士及び無線技術士の初めての資格試験が臨時試験として沖縄、宮古、八重山及び南大東において行われた。[16] 5月4日、第二級、第三級及び電話級無線通信士、各級無線技術士及び特殊無線技士(国内無線電信甲、国内無線電信乙)の免許が初めて与えられた。[17]。 |
1957年 | 特殊無線技士(中短波陸上無線電話)及び特殊無線技士(中短波海上無線電話)が操作できる無線設備の空中線電力が50W以下となった(#1956年の改正)。
免許申請及び更新の際必要だった身分証明書が戸籍抄本及び履歴書に変更され、免許更新の際必要だった就離業証明書の写が不要となった。 日本の電波法に基づく無線従事者免許を有する者の申請により付与される免許の有効期間は、日本の免許の有効期間とされた。 |
1960年 |
電波法が改正された(1960年6月24日公布、同年8月24日施行)。
この他の特殊無線技士(超短波海上無線電話、ファクシミリ、超短波多重無線装置、簡易無線電話、中短波陸上無線電話、中短波固定無線電信、中短波移動無線電信、国際無線電信)の操作範囲の根拠は消滅したが、超短波海上電話、中短波陸上無線電話及び中短波固定無線電信については、#沖縄の復帰に伴う経過措置の対象になっている。[21]
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1965年 | 無線従事者資格試験及び免許規則が一部改正された(1965年1月29日公布、一部を除き即日施行)。
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1968年 | 無線従事者資格試験及び免許規則が一部改正された(1968年6月7日公布、一部を除き即日施行)。
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1969年 | 沖縄における免許試験及び免許資格の特例に関する暫定措置法(昭和44年法律第47号。琉球政府でなく日本の法律。6月21日公布、6月23日施行。)が制定された。
電波法が一部改正された(1969年8月30日公布、一部を除き即日施行)。
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1971年 | 無線従事者資格試験及び免許規則が一部改正された(1971年5月21日公布、同年8月1日施行)。
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沖縄の復帰に伴う経過措置
[編集]この節は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。 |
1972年(昭和47年)沖縄の復帰に伴い、昭和47年5月1日政令第153号「沖縄の復帰に伴う郵政省関係法令の適用の特別措置等に関する政令」(以下「復帰政令」と略す。)、および昭和47年5月1日郵政省令第15号「沖縄の復帰に伴う郵政省関係法令の適用の特別措置等に関する省令」(以下「復帰省令」と略す。)が制定され、5月15日施行された。 無線従事者に関する経過措置は、この復帰政令 第25条以降 および復帰省令 第29条以降 に規定されている。
日本の無線従事者免許へのみなし規定
[編集]現に有効な琉球政府の無線従事者免許を有していた者(日本の無線従事者免許に基づく申請により琉球政府の無線従事者免許を受けていた者及び琉球政府の無線従事者免許に基づく申請により日本の無線従事者免許を受けていた者を除く。)は、次の表のとおり日本の電波法に基づく相当の免許を受けたものとみなされ、書換えも不要である。(復帰政令第25条第1項及び第28条)
これらの資格の現在の操作範囲については、該当の日本資格(無線通信士、無線技術士、アマチュア無線技士又は特殊無線技士)の項を参照。
琉球政府の無線従事者資格 | 復帰当時の日本の無線従事者資格 |
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第一級無線通信士 | 第一級無線通信士 |
第二級無線通信士 | 第二級無線通信士 |
第三級無線通信士 | 第三級無線通信士 |
航空級無線通信士 | 航空級無線通信士 |
電話級無線通信士 | 電話級無線通信士 |
第一級無線技術士 | 第一級無線技術士 |
第二級無線技術士 | 第二級無線技術士 |
特殊無線技士(レーダー) | 特殊無線技士(レーダー) |
特殊無線技士(無線電話甲) | 特殊無線技士(無線電話甲) |
特殊無線技士(中短波海上無線電話) | 特殊無線技士(無線電話甲) |
特殊無線技士(無線電話乙) | 特殊無線技士(無線電話乙) |
特殊無線技士(超短波陸上無線電話) | 特殊無線技士(無線電話乙) |
特殊無線技士(中短波固定無線電信) | 特殊無線技士(無線電話乙) |
特殊無線技士(中短波陸上無線電話) | 特殊無線技士(無線電話乙) |
特殊無線技士(多重無線設備) | 特殊無線技士(多重無線設備) |
特殊無線技士(国内無線電信) | 特殊無線技士(国内無線電信) |
特殊無線技士(国内無線電信甲) | 特殊無線技士(国内無線電信) |
特殊無線技士(国内無線電信乙) | 特殊無線技士(国内無線電信) |
第一級アマチュア無線技士 | 第一級アマチュア無線技士 |
第二級アマチュア無線技士 | 第二級アマチュア無線技士 |
電信級アマチュア無線技士 | 電信級アマチュア無線技士 |
電話級アマチュア無線技士 | 電話級アマチュア無線技士 |
※復帰時点で琉球政府の第三級アマチュア無線技士及び第三級無線技術士の免許は失効している。
無線従事者国家試験の一部免除の特例
[編集]- 琉球政府の無線従事者として無線設備の操作に従事した経歴は、日本の無線従事者として無線設備の操作に従事した経歴とみなして、無線従事者国家試験の一部が免除される。(復帰政令第25条第5項)
- 1969年8月30日時点で現に第三級無線技術士の免許を有していた者は、次のとおり無線従事者国家試験の一部が免除される(復帰省令第30条第2項。平成8年度[27]以降のもののみ示す。)。
受験資格 | 免除される試験科目 |
---|---|
航空無線通信士 |
無線工学 |
注 上記以外にも特例措置はあったが、時間経過又は制度改正により失効している。
操作範囲の特例
[編集]いずれも1969年の琉球政府の電波法令改正時に定められた経過措置が復帰後にまたがるため復帰政令に規定されたもので、時限的かつ沖縄県に限られたものであり、現在は失効している。
- 1969年8月30日(琉球政府の電波法の一部改正施行日)に、第三級無線技術士の免許を有していた者は、1974年(昭和49年)8月29日までは、沖縄県において、従前の例により無線設備の技術操作に従事することができた。(復帰政令第25条第2項)
- 1969年8月30日(同上)に、第三級アマチュア無線技士の免許を有し、かつ琉球政府のアマチュア無線局の予備免許又は免許を受けていて、申請により琉球政府の電信級アマチュア無線技士及び電話級アマチュア無線技士の免許証の交付を受けた者は、当該無線局の免許の有効期間の満了の日とされていた日まで、沖縄県において、従前の例により無線設備の操作に従事することができた。(同上)
- 1969年10月29日(琉球政府の無線従事者操作範囲規則の一部改正施行日)に、特殊無線技士(無線電話甲)又は特殊無線技士(無線電話乙)の免許を有していた者は、1974年(昭和49年)10月28日までは、沖縄県において、従前の例により無線設備の操作に従事することができた。(復帰政令第25条第7項)
脚注
[編集]- ^ 琉球政府の電波法(1955年立法第80号)第2条第8号。
- ^ 刑法並びに訴訟手続法典(1955年琉球列島米国民政府布令第144号)1.1.2において、1945年4月1日現在施行されていた現行法はそのまま琉球の法律として有効であることが再確認されている。
- ^ 「琉球立法院会議録」第6回定例 第24号 p.76
- ^ 同第37号 p.59
- ^ 1952年琉球政府告示第35号、1954年同第42号及び同第181号。なお、これら試験後以外にも同規則第5条の規定による無線通信士合格証書の付与が告示されており(たとえば1953年琉球政府告示第177号)、この3回以外の時期にも試験が行われた可能性がある。また無線通信士資格検定規則には、実務経験や講習所修了により無試験で付与を行える銓衡検定の制度があった(同規則第3条及び第4条)。
- ^ 「特殊無線通信士資格検定試験」(1954年琉球政府告示第12号) なお本規程の附則により郵便局職員電気通信術特別検定規程(1950年5月30日郵政庁公達第2号)が廃止されていることから、本規程以前は郵便局職員を対象に特別検定が実施されていたものと推測される。
- ^ 従事範囲などについてもこの試験規程が定めている。なお通信術の送受信試験は、資格検定規則や本土の電波法とは異なり、無線のモールス通信と同様の持続音によるブザー通信とともに、有線電信用の断続音による音響通信でも行なわれた。参照 モールス符号#有線と無線の通信方法
- ^ 「特殊無線通信士資格検定規程の廃止」 (1956年琉球政府告示第33号)
- ^ 操作範囲の規定からは定かでないが、日本の電波法施行規則に基づく同名資格の電気通信術の試験はモールス電信だったのに対し(日本の無線従事者国家試験及び免許規則(昭和25年電波監理委員会規則第16号)第7条)、この資格は印刷さん孔や符号判読だったことから(無線従事者資格試験及び免許規則(1955年琉球政府規則118号)第4条)、印刷電信のための資格と考えられる。
- ^ 1956年琉球政府告示第23号により、伊平屋島、伊是名島、池間島、伊江島、竹富島、粟国島、黒島 (沖縄県竹富町)、渡名喜島、小浜島、久米島、西表島、座間味島、鳩間島、渡嘉敷島、波照間島、南大東島、与那国島、北大東島及び伊良部島が告示された。
- ^ 無線従事者資格試験及び免許事務処理手続規程(1968年郵政庁訓令第3号)により、平良市及び石垣市での試験はそれぞれ年1回と規定されたものの、規則には反映されず、以後も定期試験については、平良市及び石垣市においても那覇市同様年2回実施された。
- ^ たとえば、1962年琉球政府告示第352号において、同年10月20日から11月9日まで石垣において第三級無線通信士の講習を開催し、11月9日に予備試験、12月3日に学科試験、翌4日に電気通信術の試験を実施することが公示されている。
- ^ 1965年規則第9号として公布された内容に、琉球政府公報第16号(1965年3月26日)6ページに掲載された正誤を反映した。
- ^ 沖縄総合通信事務所公式サイトに掲載された沿革(国立国会図書館アーカイブ 2004年12月13日収集)
- ^ 無線通信士資格検定規則に基づく合格証書の附与に関する琉球政府告示では、「第一級無線通信士」のように記載された例(1953年告示第170号)と「無線通信士 第一級」のように記載された例(同第176号)の両方がある。
- ^ 1956年琉球政府告示第24号。なお、実際にすべての資格の試験がすべての試験地で行われたかは不明。
- ^ 1956年琉球政府告示第120号。
- ^ 1956年琉球政府告示第214号。
- ^ 最初の免許付与が1956年であり、有効期間は5年間とされていたためほとんどの免許の有効期限は1961年以降と考えられるが、1957年10月15日(日本の電波法に基づく無線従事者免許を有する者の申請により付与される免許の有効期間を日本の免許の有効期間とする無線従事者資格試験及び免許規則の一部改正施行日)から1958年11月4日(日本の電波法改正により、日本の無線従事者免許の有効期限がなくなった日の前日)までの間は、1960年8月23日以前を有効期限とする無線従事者免許証が発行された可能性がある。
- ^ 特殊無線技士(国内無線電信甲)の免許証の亡失のため、1968年2月17日をもって無効とした事例(同年郵政庁告示第10号)があるほか、沖縄の復帰に伴う経過措置の対象にもなっている。
- ^ これらすべての免許が実際に付与されていたか、付与されていたとしても経過措置が必要な者がいたかどうか(なお有効とされる上位資格を有していれば経過措置は不要である)は不詳。
- ^ 沖縄における免許試験及び免許資格の特例に関する暫定措置法の施行に伴う無線従事者の特例に関する省令(昭和44年郵政省令第18号)第2条第1項。
- ^ 沖縄における免許試験及び免許資格の特例に関する法令の実施に伴い琉球政府が行うべき事務及び免許資格の特例措置に関する立法(1969年立法第148号)第4条。
- ^ 第一級無線通信士については1970年2月2日まで、第二級及び第三級無線通信士については同月3日まで(昭和44年11月27日付け官報掲載)。第一級無線技術士については1969年12月3日まで、第二級無線技術士については同月2日まで(昭和44年9月26日付け官報掲載)。他の資格については復帰まで沖縄で国家試験が行われなかったため、復帰まで。
- ^ 第三級無線技術士については、1968年7月(予備試験は前月)を最後に、資格試験が中止されていた。
- ^ これ以降、航空級無線通信士及び電話級無線通信士の資格試験は、日本で行われる日本の航空級無線通信士及び電話級無線通信士の国家試験と同じ日程で行われるようになった。
- ^ 平成7年郵政省令第14号による無線従事者規則改正の平成8年4月1日施行