水の也清美
みずのや きよみ 水の也 清美 | |
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本名 | 水谷 貞(みずたに さだ) |
別名義 |
左近 八重子(さこん やえこ) 水乃也 清美 |
生年月日 | 1916年8月18日 |
没年月日 | 不詳年 |
出生地 | 日本 兵庫県神戸市 |
身長 | 155cm[注釈 1][1] |
職業 | 女優 |
ジャンル | 歌劇、演劇、劇映画(現代劇・時代劇、トーキー)、テレビドラマ |
活動期間 | 1925年? - 1965年 |
著名な家族 | 水谷八重子(叔母) |
主な作品 | |
『生きものの記録』 『空の大怪獣 ラドン』 「おトラさん」シリーズ |
水の也 清美(みずのや きよみ、1916年8月18日[2][3] - 没年不詳)は、日本の女優である[4][5]。兵庫県神戸市出身。本名は水谷 貞(みずたに さだ)[6](根沢 貞子とも[7])。宝塚歌劇団時代の芸名は左近 八重子(さこん やえこ)。愛称はサアちゃん。
来歴・人物
[編集]兵庫生まれ[7]で兄三人姉一人妹一人がいた[8]。 水谷八重子は叔母で9歳のときに叔母とともに初舞台を踏む[9]。 幼少期は芸術座にいて芸術座童話劇部として活動していた[10]。 東京府立第五高等女学校(現在の東京都立富士高等学校・附属中学校)を三年で中退[7]、宝塚音楽歌劇学校(現在の宝塚音楽学校)に入る。1931年に宝塚少女歌劇団の21期生として入団。同期に轟夕起子、服部富子がいた。1932年4月、『フーピー・ガール』で初舞台を踏んだ。 1936年時点では水谷八重子の姪であることは公表していなかった[11]が1938年では衆知のこととされている[1]。 奈良美也子が八重子の姪ということで特に目をかけて指導した[12]。 尊敬する人物に奈良美也子と佐保美代子[1]、小夜福子[8]を挙げて、仲が良いのは若江つぼみ[8]。 好きな花は矢車草[1]、好きな色は古代紫と黒[1]、役柄は女役の三枚目[1]、体重は11貫200[1]。
1940年に宝塚を退団。ムーランルージュ新宿座などで舞台生活を続けたが、1955年に東宝に入社。同年、水の也清美と改名して黒澤明監督映画『生きものの記録』に端役で初出演。以降、喜劇映画を中心に脇役として活躍した。
しかし、1965年の谷口千吉監督映画『馬鹿と鋏』以降の出演作品が見当たらず、1968年時点では新宿でバー「木偶」の経営者になっている[13]。
叔母に女優の水谷八重子 (初代)がいる。
出演作品
[編集]- 日曜娯楽版 レギュラー[14]
- 生きものの記録(1955年、東宝) - 里子
- 驟雨(1956年、東宝) - 大串夏子
- 逃げてきた花嫁(1956年、東宝) - おとよ
- 愛情の決算(1956年、東宝) - 夫人
- のり平の浮気大学 愉快な家族(1956年、東宝) - 待合の女将
- 新婚第一課(1956年、東宝) - 房子
- 恐怖の逃亡(1956年、東宝)
- 若人の凱歌(1956年、東宝) - 女中・松
- 空の大怪獣 ラドン(1956年、東宝) - お民[15][2]
- 大安吉日(1957年、東宝) - 母・淑子
- 山と川のある町(1957年、東宝)
- 御用聞き物語(1957年、東宝) - トミ子
- 続・御用聞き物語(1957年、東宝)
- 雪国(1957年、東宝) - 女中・おとり
- 憎いもの(1957年、東宝) - 女将
- 大当り三色娘(1957年、東宝) - 小島葉子
- 智恵子抄(1957年、東宝)
- 新しい背広(1957年、東宝) - 叔母・かね
- おトラさんシリーズ(東京映画)
- おトラさん(1957年) - 日野江馬子
- おトラさんのホームラン(1958年)
- 花ざかりおトラさん(1958年)
- おトラさんのお化け騒動(1958年)
- おトラさんの公休日(1958年)
- おトラさん大繁盛(1958年)
- 女殺し油地獄(1957年、東宝) - 女将・おまき
- 続々大番 怒濤篇(1957年、東宝) - むつみ会幹事
- 狙われた娘(1957年、東宝) - とよ
- 草笛の丘(1958年、宝塚映画) - 妻・兼子
- ぶっつけ本番(1958年、東京映画) - アパートの主婦
- 大江戸千両祭(1958年、東宝) - おきよ
- 裸の大将(1958年、東宝)
- 若旦那は三代目(1958年、東宝) - お七
- 僕らの母さん(1959年、東京映画) - 松山たけ子
- 男性飼育法(1959年、東京映画) - こと
- 若旦那大いに頑張る(1959年、東宝)
- 結婚の夜(1959年、東宝) - 津島未亡人
- サラリーマン出世太閤記 課長一番槍(1959年、東宝) - 可奈子
- サラリーマン十戒(1959年、東宝) - 隣家の細君
- アイ・ラブ・ユウ(1959年、東宝) - 神崎せき
- 侍とお姐ちゃん(1960年、東宝) - 影山あき
- 落語天国紳士録(1960年、東宝) - 川上およし
- 電送人間(1960年、東宝) - 管理人のおばさん[15]
- 羽織の大将(1960年、東宝)
- 天下の大泥棒 白狼五人男(1960年、東宝) - 矢場の女将
- 新・三等重役 当るも八卦の巻(1960年、東宝) - 桃山あき
- 恐妻党総裁に栄光あれ(1960年、東宝) - 大川幹事長夫人
- サラリーマン御意見帖 出世無用(1960年、東宝) - 料亭の女将
- 新・女大学(1960年、東宝) - 尾崎琴
- ドラマ「トップ屋」(CX、1960年[16]) - 女社長
- 連続ドラマ「人情買います」(ニッポン放送、1960年6月2日~、月~金[17])
- わが家は一ダース(1960年、NTV[18])
- 別れて生きるときも(1961年、東宝) - 女
- 続・サラリーマン弥次喜多道中(1961年、東宝) - 中年肥りのマダム
- 女ばかりの夜(1961年、東京映画) - 寺の奥さん
- アッちゃんのベビーギャング(1961年、東宝) - 母
- 地獄の饗宴(1961年、東京映画) - 桂木まさ子
- 女難コースを突破せよ(1962年、東宝) - 久仁子
- 私と私(1962年、東宝) - みね
- サラリーマン権三と助十 恋愛交叉点(1962年、東宝) - 酔漢の女
- 続・社長漫遊記(1963年、東宝) - タミエの母
- クレージー作戦 先手必勝(1963年、東宝) - 美容院のマダム・満枝
- わんぱく天使(1963年、東京映画) - みね子
- われらサラリーマン(1963年、宝塚映画) - 藤子
- 天才詐欺師物語 狸の花道(1964年、東宝) - 料亭の内儀
- ひばり・チエミ・いづみ 三人よれば(1964年、東宝) - 花荻ゆき
- 陽のあたる椅子(1965年、東宝) - 渋沢雅江
- われら劣等生(1965年、ワールド・プロモーション) - 君子の母・みつ
- 大工太平記(1965年、東宝)
- 馬鹿と鋏(1965年、東宝) - 仲居
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 原文は5尺1寸7分
出典
[編集]- ^ a b c d e f g エスエス1938年3月号118~119頁
- ^ a b 野村宏平、冬門稔弐「8月18日」『ゴジラ365日』洋泉社〈映画秘宝COLLECTION〉、2016年11月23日、230頁。ISBN 978-4-8003-1074-3。
- ^ スタア1937年3月号36頁
- ^ 『日本映画人名事典 女優篇 下巻』キネマ旬報社、1996年。
- ^ KINENOTE「水の也清美」の項
- ^ スタア1934年12月号28頁
- ^ a b c キネマ旬報1958年6月号118~119頁「テレビ人名鑑 女優」「水の也清美」の項
- ^ a b c スタア1938年5月号32頁
- ^ 主婦の友1935年8月号58~59頁
- ^ 「芸ゆめいのち」、44~45頁、白水社
- ^ 婦人倶楽部1936年5月号459~460頁
- ^ 東陽1936年5月号
- ^ 週刊読売1968年8月9日号34~35頁
- ^ 中央公論経営問題1973年12月号293~294頁
- ^ a b 東宝特撮映画全史 1983, pp. 535–536, 「主要特撮作品配役リスト」
- ^ 月刊明星1960年6月号104~105頁
- ^ 週刊新潮1958年6月9日16~17頁
- ^ 週刊新潮1960年10月10日16~17頁
参考文献
[編集]- 『東宝特撮映画全史』監修 田中友幸、東宝出版事業室、1983年12月10日。ISBN 4-924609-00-5。
- 児玉孝雄「水乃也清美と水谷八重子のこと」『東宝』東宝出版社、1936年3月号、118~119頁。