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橘右橘

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
たちばな 右橘うきつ
本名 中村 泰士やすひと
別名 荒井三鯉さんり
中村真規まさき
生年月日 (1952-08-27) 1952年8月27日(72歳)
出身地 東京都台東区
師匠 橘右近
荒井三禮(2代目)
弟子 橘さつき
活動期間 1971年 -
活動内容 橘流寄席文字書家
江戸文字書家
演芸プロデューサー
配偶者
所属 橘流寄席文字一門
受賞歴
東京都功労者(文化部門、2024年)
備考
橘流寄席文字一門理事
荒川区登録無形文化財保持者

橘 右橘(たちばな うきつ、本名:中村 泰士(なかむら やすひと)[1]1952年(昭和27年)8月27日[2] - )は橘流寄席文字勘亭流文字・江戸文字書家。演芸プロデューサー・演芸評論家。

橘流寄席文字一門理事。有限会社大有企画代表取締役。荒川区登録無形文化財保持者。「駄句駄句会」同人、俳号は「粕利かすり 」。篝火舎心亭の雑俳「つ花連」門下で篝火舎右橘として立机。

来歴

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東京都台東区稲荷町生まれ。台東区立西町小学校卒業後[3]、中学から大学まで青山学院に進学。鈴本演芸場六代目席亭の鈴木寧は高校・大学の同級生[4]。大学では落語研究会に所属。落語研究会では三遊亭円楽(6代目)と一緒だった。

江戸文字書家として(橘右橘・荒井三鯉名義)

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1971年大学入学後、寄席文字橘流の橘右近に師事[5]。1975年「橘右橘」の名前を許される。

1983年勘亭流家元・荒井三禮(2代目)に師事。1990年「中村三鯉」、4年後に「荒井三鯉」の名前を許される。三禮勘亭流主宰。

2003年荒川区登録無形文化財(寄席文字・勘亭流・江戸文字)指定[1]。荒川区伝統工芸技術保存会会長(2013年~)[6]千社札交換会「東都納札睦」江戸文字主筆。

寄席文字・江戸文字の直弟子に橘さつき(荒井三都季さつき[7]、本名:銘苅めかる由佳)[6]

鈴本演芸場の看板とめくり(1996年2月[4]~)・国立劇場初芝居看板[7]・寄席発祥の地の碑(下谷神社)・雑誌「東京かわら版」題字(1999年(平成11年)5月号~)[8]、「笑点」「落語研究会」めくりなど[4][9]、各種商業デザインなどの筆耕、カルチャーセンターなどでの寄席文字・勘亭流教室講師を務める。

2024年10月、「中村泰士(荒川区伝統工芸技術保存会会長)」名義で東京都功労者(文化功労部門)表彰を受ける[10]

演芸プロデューサー・演芸評論家として(中村真規名義)

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星企画[11]、春風亭小朝のマネジメントなどを経て、1983年有限会社大有企画を設立。三遊亭小遊三五街道雲助柳家小菊桂吉坊などの落語家のマネジメントと、「三越落語会」「読売GINZA落語会」などの落語会などの企画を行う。雑誌「落語」編集発行人(弘文出版、第24号(1986年)~第26号(1987年))、BSジャパン今どき落語」のプロデューサーも務めた。

三遊亭円丈によると、1978年三遊亭円生(6代目)落語協会を脱退して三遊協会を立ち上げた時に、三遊亭圓楽(5代目)に事務員にならないかと声をかけられたが断っている[11]

毎日新聞に演芸評を執筆。浅草演芸ホール「禁演落語の会」解説。文化庁芸術祭大衆芸能部門審査員、芸術選奨選考審査員、国立演芸場専門委員、日本文化藝術財団専門委員[12]公推協杯全国若手落語家選手権審査員などを務める。

著書

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  • 荒井三礼(書)、橘右橘(編)「正本勘亭流」(弘文出版、1990年9月)
  • 橘右橘「ふくろうの本 図説 江戸文字入門」(河出書房新社、2007年2月)

外部リンク

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脚注

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  1. ^ a b 看板文字(区指定・登録文化財保持者)”. 荒川区指定・登録無形文化財保持者一覧. 荒川区. 2023年8月13日閲覧。
  2. ^ 教室案内”. 大有企画. 2023年8月3日閲覧。
  3. ^ 橘右橘. “寄席文字・江戸文字と千社札”. 大有企画. 2023年8月3日閲覧。
  4. ^ a b c 五明樓玉の輔『落語協会黙認誌 そろそろ vol.06 「寄席文字はともだち」』虹色社、2024年9月1日、33-39頁。ISBN 9784909045553 
  5. ^ 渡辺寧久「<寄席演芸の人びと 渡辺寧久>客席も目いっぱいに 寄席文字職人・橘右橘さん」『東京新聞』2020年6月19日、朝刊。
  6. ^ a b あらかわ区報Jr.』(pdf)荒川区、2018年6月20日、2-3頁https://www.city.arakawa.tokyo.jp/documents/8221/20180620_0.pdf 
  7. ^ a b 森重達裕 (2022年12月21日). “国立劇場で閉場前最後のお正月…最後の「口上看板」制作進む”. 紡ぐプロジェクト. 讀賣新聞. 2023年8月22日閲覧。
  8. ^ それまでは橘右近の筆によるものだった。
  9. ^ 橘左近(2023年死去)が携わっていた仕事の後継。
  10. ^ 東京都政策企画局総務部秘書課 (2024年9月18日). “令和6年度東京都名誉都民顕彰式及び東京都功労者表彰式について”. 東京都. 2024年9月21日閲覧。
  11. ^ a b 三遊亭円丈『師匠、御乱心!』小学館、2018年3月11日、181頁。ISBN 9784094064995 
  12. ^ 専門委員プロフィール 中村真規”. 日本文化藝術財団. 2023年8月3日閲覧。