森林ネネツ語
森林ネネツ語 | ||||
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нешаӈ вата, nešaŋ vata | ||||
話される国 | ロシア北部 | |||
民族 | ネネツ族 | |||
話者数 | 1,500 (1989年) | |||
言語系統 | ||||
表記体系 | キリル文字 | |||
言語コード | ||||
ISO 639-3 | — | |||
Glottolog |
fore1266 [1] | |||
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森林ネネツ語(しんりんネネツご、Forest Nenets language)は、ロシア北部の アガン川、プル川、リアミン川 、ナディム川流域において、ネネツ人によって話される、ウラル語族サモエード諸語に属す言語である[2]。ツンドラネネツ語に最も近縁であり、両言語は単一言語ネネツ語の方言とされることもあるが、両者間の相互理解可能性は低い。次に近縁なのはガナサン語、次いでエネツ語、セリクプ語である。
音韻論
[編集]母音
[編集]前 | 後 | |||
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短 | 長 | 短 | 長 | |
高 | i | iː | u | uː |
中 | (e) | eː | (o) | oː |
低 | æ | æː | ɑ | ɑː |
非強勢音節では長さの弁別はなく、5つの母音 /æ ɑ ə i u/だけが質的に弁別される。語強勢は語根のある場所に固定はされない。よって強勢中央母音と非強勢高母音の交換がおこる。単音節語では短母音のみが用いられるが、全体的に見れば、長母音は短母音よりもやや用いられやすい。短中央母音/e o/は特に用いられることが少なく、いくつかの単音節語で用いられるのみで、対応する高母音/i u/と融合する。短高母音 /i u/は/ə/の寸前の/e o/まで低まるため、さらに複雑になる。このため、Salminen (2007)は長母音が基本であり、短母音は特殊現象であるとしている。
/æː/とそれに対応する非強勢母音は、非口蓋音節でのみ用いられ、[ae] または [aɛ]の複母音と見なされうる。短母音/æ/は普通は[aj] ( айと表記される。ただしこの表記は/ɑj/と連続するものも表す)であるが、 他の短母音と同じように対応する長母音と入れ替わる。
いくつかの西部の方言では、/æ/を欠き、/e/に置き換わっている[要検証 ]。
子音
[編集]森林ネネツ語は24の子音音素システムを持つ。[3]
両唇音 | 歯茎音 | 軟口蓋音 | 声門音 | ||||||
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中線音 | 側面音 | ||||||||
口蓋化 | 口蓋化 | 口蓋化 | 口蓋化 | ||||||
鼻音 | m | mʲ | n | nʲ | ŋ | ŋʲ | |||
破裂音 | p | pʲ | t | tʲ | k | kʲ | ʔ | ||
摩擦音 | s | sʲ | ɬ | ɬʲ | x | xʲ | |||
接近音 | w | wʲ | l | lʲ | j |
rの音である/r/は最近の借用語のみに現れる。かつての /r/, /rʲ/ は、最近、側面摩擦音/ɬ/, /ɬʲ/に移行した。
口蓋化した歯茎音/tʲ/, /sʲ/ は、典型的には歯茎硬口蓋音[tɕ], [ɕ]と理解される。
正字法
[編集]ネネツ語は、キリル文字にӇ, ʼ, ˮを加えた文字体系で書かれる。
А а
а |
Б б
бе |
В в
ве |
Г г
ге |
Д д
де |
Е е
е |
Ё ё
ё |
Ж ж
же |
З з
зе |
И и
и |
Й й
й |
й й | К к
ка |
Л л
ел |
М м
ем |
Н н
ен |
Ӈ ӈ
еӈ |
О о
о |
П п
пе |
Р р
ер |
С с
ес |
Т т
те |
У у
у |
Ф ф
еф |
Х х
ха |
Ц ц
це |
Ч ч
че |
Ш ш
ша |
Щ щ
ща |
Ъ ъ
ъ |
Ы ы
ы |
|
Ь ь
ь |
Э э
э |
Ю ю
ю |
Я я
я |
ʼ | ˮ |
脚注
[編集]- ^ Hammarström, Harald; Forkel, Robert; Haspelmath, Martin et al., eds (2016). “Forest Yurak”. Glottolog 2.7. Jena: Max Planck Institute for the Science of Human History
- ^ Salminen, Tapani, Ackerman, Farrell (2006). “Nenets”. In Brown, Keith. Encyclopedia of Languages & Linguistics. 8 (2 ed.). Oxford, England: Elsevier. pp. 577–579
- ^ a b Salminen, Tapani (2007). Notes on Forest Nenets phonology. 253. Helsinki, Finland: Suomalais-Ugrilainen Seura