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ウドムルト語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウドムルト語
удмурт кыл udmurt kyl
話される国 ロシアの旗 ロシア
カザフスタンの旗 カザフスタン
地域 ウドムルト共和国
民族 ウドムルト人
話者数 550,000人(1989年調査)
言語系統
ウラル語族
表記体系 キリル文字
公的地位
公用語 ウドムルト共和国の旗 ウドムルト共和国
統制機関 統制なし
言語コード
ISO 639-2 udm
ISO 639-3 udm
消滅危険度評価
Definitely endangered (Moseley 2010)
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ウドムルト語(ウドムルトご、удмурт кыл, ウドムルト語ラテン翻字: udmurt kyl)はロシア連邦ウドムルト共和国ウドムルト人により話されている言語で、ロシア語とともにウドムルト共和国の公用語とされる。民族の他称からヴォチャーク (Votyak) 語とも呼ばれる。話者数はウドムルト人55万人ほど。キリル文字で表記される。

ウラル語族フィン・ウゴル語派に属する。コミ語コミ・ジリエーン語)とコミ・ペルミャク語に近く、まとめてペルム諸語と呼ばれる。

母音に長短の区別はなく、母音調和もない。膠着語で、時制などの文法的性質は接尾辞で表される。名詞には人称によって変化する所有接尾辞を付けることができる。語順は比較的自由。動詞の過去形には話者の経験によるか否かの区別がある(日本語の文語の「き」と「けり」の違いに似る)。

文字

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ウドムルト語はキリル文字38文字で構成されている。

大文字 小文字 名前 発音
А а А 唇を縦長に開けるようにし、舌面を下方に押し下げて発音する「あ」
Б б Бэ 日本語のバ行の音そのもの
В в Вэ ヴ行の子音
Г г Гэ ガ行の子音
Д д Дэ ダ行の子音だが、я, е, и, ё, ю, o, ьが続く場合は口蓋化
Е е Е 「イェ」の音だが、д, т, з, с, л, нが続く場合は口蓋化
Ё ё Ё 「ヨ」の音だが、д, т, з, с, л, нが続く場合は口蓋化
Ж ж Жэ 静かにしてほしい時の「しー」の発音を有声化させた音
Ӝ ӝ Ӝэ 日本語で「おじいさん」と発音する時の「ジ」の子音
З з Зэ 英語の"zero"や母音に挟まれた「ザ」などの頭子音に現れる有声歯茎摩擦音
Ӟ ӟ Ӟе 母音の後ろに置かれた語尾の「ジ」を発音する時に現れる子音(アジ)。有声歯茎硬口蓋摩擦音
И и И 「イ」の音だが、д, т, з, с, л, нが続く場合は口蓋化
Ӥ ӥ 点付きИ "и"に分音符号をつけたもの
Й й 小さいИ 日本語で軽く「あぃ」と言った時などの短い「イ」
К к Ка カ行の音
Л л Эл 英語の"L"の音だが、я, е, и, ё, ю, ьが続く場合は口蓋化
М м Эм 日本語のマ行の子音
Н н Эн 日本語のナ行の子音だが、я, е, и, ё, ю, ьが続く場合は口蓋化
О о О 「オ」の音
Ӧ ӧ Ӧ 日本語の「ア」とほぼ同じ音
П п Пэ 日本語のパ行の子音
Р р Эр 巻き舌のラ行。いわゆる歯茎ふるえ音
С с Эс 日本語の「シ」をのぞくサ行の子音だが、я, е, и, ё, ю, ьが続く場合は口蓋化
Т т Тэ 日本語の「タ、ティ、トゥ、テ、ト」に近い子音だが、я, е, и, ё, ю, ьが続く場合は口蓋化
У у У 口をしっかりしぼめて発音する「ウ」
Ф ф Эф 外来語やロシア由来の名前でのみ使用される。ロシア語のфの音
Х х Ха 外来語やロシア語由来の名前でのみ使用される。撥音・促音後に出てくる喉の奥から息を強めて発音するハ行
Ц ц Цэ 外来語やロシア語由来の名前でのみ使用される。日本語の「ツァ、ツィ、ツ、ツェ、ツォ」の子音
Ч ч Чэ チャ行の子音
Ӵ ӵ Ӵэ 舌端を歯茎の後部に当てて調音するチャ行の子音(英語のchurchを発音すると出てくる)
Ш ш Ша 「シュークリーム」と言うときの「シュ」の子音
Щ щ Ща 日本語のシの子音
Ъ ъ 硬音記号
Ы ы Ы 口を丸めないで平たくして発音する「ウ」若しくは非円唇中舌狭母音
Ь ь 軟音記号
Э э Э 日本語の「エ」の音
Ю ю Ю 「ユ」の音だが、д, т, з, с, л, нが続く場合は口蓋化
Я я Я 「ヤ」の音だが、д, т, з, с, л, нが続く場合は口蓋化

関連項目

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外部リンク

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