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東岡崎駅前駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

東岡崎駅前駅(ひがしおかざきえきまええき)は、かつて愛知県岡崎市にあった、名鉄岡崎市内線

名古屋鉄道(名鉄)名古屋本線 東岡崎駅と接続駅であった。

歴史

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1899年明治32年)に岡崎馬車鉄道が岡崎町内から岡崎停車場(→岡崎駅前駅)まで営業運転開始[1][2][3][4]した際に、龍海院西側[5]の現・名鉄名古屋本線東岡崎駅西側の明大寺本町交差点付近(岡崎市明大寺本町2丁目 [6][7])に設置された停留所である[注釈 1]。停留所名は、開業当初を「明大寺」[8][9]とする文献(通称名としている文献もあり[11])や「是字寺」とする文献[10][11](この名称は「岡崎電気鉄道時代の回数券に記載の名称」とする文献もあり[12])、是字寺の正式名である「竜海院前」とする文献もある[13]

その後、1923年大正12年)愛知電気鉄道(現・名古屋鉄道)が西岡崎駅(現・岡崎公園前駅)- 東岡崎駅間開業時[14][15]に「愛電前駅」に改称、1941年(昭和16年)に「東岡崎駅前駅」に改称した後、1962年(昭和37年)に岡崎市内線及び福岡線大樹寺駅 - 福岡町駅間廃止により廃駅となった[10][16]

年表
  • 1899年明治32年)1月1日:岡崎馬車鉄道の営業運転開始岡崎町内から岡崎停車場(→岡崎駅前駅)まで営業運転開始[1][2][3][4]龍海院西側[5]の現・明大寺本町交差点付近(岡崎市明大寺本町2丁目 [6][7])に停留所を設置[注釈 1]
    • 停留所名は文献毎で違いがあり、「明大寺」[8][9](通称名[11])、「是字寺」[10][11](岡崎電気鉄道時代の回数券に記載の名称[12])、「竜海院前」[13]
  • 1911年(明治44年)10月2日:岡崎電気軌道に改称[17][18]
  • 1912年
    • (明治45年)6月:電化改軌工事に伴い馬車鉄道の運行休止[17][19]
    • 大正元年)9月1日:電化・改軌完了。電車運転を開始[19][20]
  • 1922年(大正11年):岡崎殿橋駅 - 岡崎停車場駅間複線化[21]
  • 1923年(大正12年)8月8日以降 - 愛知電気鉄道(現・名古屋鉄道)西岡崎駅(現・岡崎公園前駅)- 東岡崎駅間開業[14][15]に伴い、愛電前駅に改称[10]
  • 1927年昭和2年)7月19日:岡崎電気軌道が三河鉄道に合併。三河鉄道の駅となる[16][22]
  • 1941年(昭和16年)
    • 6月1日:三河鉄道が名古屋鉄道に合併。名古屋鉄道の駅となる[16]
    • 9月15日:東岡崎駅前駅に改称[10]
  • 1948年(昭和23年)11月1日以前:無人化[23]
  • 1962年(昭和37年)6月17日:岡崎市内線及び福岡線大樹寺駅 - 福岡町駅間廃止により廃駅となる[10][16]

駅構造

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  • 東岡崎駅北西の名古屋本線ガード北に位置していたが、駅舎やプラットホームはなく、乗客は路上から直接乗降した[24][注釈 2]
  • 東岡崎駅前と称しているが、東岡崎駅前駅と東岡崎駅は約300m離れていた[11]。折返し線も設置されていたが撤去されている[11]

隣の駅

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名古屋鉄道
岡崎市内線
岡崎殿橋駅 - 東岡崎駅前駅 - 大学下駅

脚注

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注釈

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  1. ^ a b 一部の文献では、開業区間を「明大寺(後の東岡崎駅前駅)- 岡崎停車場(後の岡崎駅前駅)間」[8][9]と記載しているが、鉄道院出版『鉄道院年報』では、特許区間および距離が「区間:岡崎町明大寺下郷中、岡崎村大字羽根 距離:2哩0分3厘」、営業路線区間および距離が「区間:岡崎町、岡崎村大字羽根 距離:2哩0分3厘」と記載[1]されており、営業距離が2哩0分3厘≒3.26627 km(『鉄道ファンのための私鉄史研究資料』では「岡崎停車場前 - 岡崎町 距離:2M02C」(3.25018 km)と記載。両者1M≒1.609 kmで換算)[1][4]で、東岡崎駅前駅の所在地は前述の位置[5][6][7]であり、ここから岡崎駅前駅までは3.0km [10]なので、前者と後者の文献とでは、開業区間および営業距離の矛盾が生じている。
  2. ^ 岡崎市内線の駅(停留場)は、大樹寺駅と福岡線の各駅を除き、岡崎市内の駅(停留場)は、開業時から廃止時まで白線で囲ったエリアや島のようなプラットホーム状の安全地帯と呼ばれるものはなく、乗客は線路上から直接乗降をしていた[25]。また、駅(停留場)名は、近くの架線柱(または電柱など)に赤字に白抜き文字で掲げられており、その下に前と次の駅(停留場)名が平仮名で書かれていた[26]。なお、前述の状態については、『RM LRBRARY 48 名鉄岡崎市内線 -岡崎市電ものがたり-』p.15に廃止直前の1962年の北羽根停留所の掲載画像や、p.21に1960年の康生町停留所の掲載画像で説明している[27]

出典

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  1. ^ a b c d 『鉄道院年報』明治41 , 42 , 43年度 軌道之部 出版者:鉄道院(国立国会図書館デジタルコレクション)
  2. ^ a b 『岡崎商工会議所五十年史』出版者:岡崎商工会議所 昭和17年 p.71(国立国会図書館デジタルコレクション)
  3. ^ a b 藤井建『名鉄岡崎市内線 -岡崎市電ものがたり-』ネコ・パブリッシング〈RM LRBRARY 48〉、2003年7月1日、4 - 5頁。ISBN 978-4777050055 
  4. ^ a b c 和久田康雄著『鉄道ファンのための私鉄史研究資料』「5552 岡崎馬車鉄道(1911.10.2改称)岡崎電気軌道(1927.7.19合併)三河鉄道」pp.105 , 106 電気車研究会 2014年4月25日
  5. ^ a b c 『岡崎』岡崎市全図(明大寺町・康生町)著者:岡崎市 1925年9月(国立国会図書館デジタルコレクション)
  6. ^ a b c Googleマップ「愛知県岡崎市明大寺本町」
  7. ^ a b c 藤井建『名鉄岡崎市内線 -岡崎市電ものがたり-』ネコ・パブリッシング〈RM LRBRARY 48〉、2003年7月1日、13 , 19頁。ISBN 978-4777050055 
  8. ^ a b c 名古屋鉄道株式会社社史編纂委員会(編)『名古屋鉄道社史』名古屋鉄道、1961年、723頁。 
  9. ^ a b c 新編岡崎市史編集委員会(編)『新編岡崎市史』 4 近代、新編岡崎市史編さん委員会、1991年、300頁。 
  10. ^ a b c d e f g 今尾恵介(監修)『日本鉄道旅行地図帳 全駅・全線・全廃線』 7号 東海、新潮社、2008年11月18日、44頁。ISBN 978-4107900258 
  11. ^ a b c d e f 藤井建『名鉄岡崎市内線 -岡崎市電ものがたり-』ネコ・パブリッシング〈RM LRBRARY 48〉、2003年7月1日、19頁。ISBN 978-4777050055 
  12. ^ a b 藤井建『名鉄岡崎市内線 -岡崎市電ものがたり-』ネコ・パブリッシング〈RM LRBRARY 48〉、2003年7月1日、8頁。ISBN 978-4777050055 
  13. ^ a b 新編岡崎市史編集委員会(編)『新編岡崎市史』 4 近代、新編岡崎市史編さん委員会、1991年、443頁。 
  14. ^ a b 今尾恵介(監修)『日本鉄道旅行地図帳 全駅・全線・全廃線』 7号 東海、新潮社、2008年11月18日、42頁。ISBN 978-4107900258 
  15. ^ a b 和久田康雄著『鉄道ファンのための私鉄史研究資料』「5504 愛知電気鉄道」pp.99 , 100 電気車研究会 2014年4月25日
  16. ^ a b c d 和久田康雄著『鉄道ファンのための私鉄史研究資料』「5505 名古屋電気鉄道(1921.7.1譲渡)名古屋鉄道(1930.9.5改称)名岐鉄道(1935.8.1譲渡)名古屋鉄道」p.101 電気車研究会 2014年4月25日
  17. ^ a b 新編岡崎市史編集委員会(編)『新編岡崎市史』 4 近代、新編岡崎市史編さん委員会、1991年、442頁。 
  18. ^ 『官報』1911年(明治44年)10月14日 出版者:大蔵省印刷局(編)(国立国会図書館デジタルコレクション)
  19. ^ a b 藤井建『名鉄岡崎市内線 -岡崎市電ものがたり-』ネコ・パブリッシング〈RM LRBRARY 48〉、2003年7月1日、5頁。ISBN 978-4777050055 
  20. ^ 市川満「姿を消した岡崎の名鉄線」『鉄道ピクトリアル 1979年12月号』第370巻、電気車研究会、1979年12月、138頁。 
  21. ^ 新編岡崎市史編集委員会(編)『新編岡崎市史』 4 近代、新編岡崎市史編さん委員会、1991年、1078頁。 
  22. ^ 『鉄道統計資料. 昭和2年』著者:鉄道省 編 出版者:鉄道省 昭和4年(国立国会図書館デジタルコレクション)
  23. ^ 名古屋鉄道広報宣伝部(編)『名古屋鉄道百年史』名古屋鉄道、1994年、885頁。 
  24. ^ 藤井建『名鉄岡崎市内線 -岡崎市電ものがたり-』ネコ・パブリッシング〈RM LRBRARY 48〉、2003年7月1日、12 , 19頁。ISBN 978-4777050055 
  25. ^ 藤井建『名鉄岡崎市内線 -岡崎市電ものがたり-』ネコ・パブリッシング〈RM LRBRARY 48〉、2003年7月1日、12頁。ISBN 978-4777050055 
  26. ^ 藤井建『名鉄岡崎市内線 -岡崎市電ものがたり-』ネコ・パブリッシング〈RM LRBRARY 48〉、2003年7月1日、12 , 15頁。ISBN 978-4777050055 
  27. ^ 藤井建『名鉄岡崎市内線 -岡崎市電ものがたり-』ネコ・パブリッシング〈RM LRBRARY 48〉、2003年7月1日、15 , 21頁。ISBN 978-4777050055 

参考文献

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各書籍
  • 今尾恵介(監修)『日本鉄道旅行地図帳 全駅・全線・全廃線』 7号 東海、新潮社、2008年11月18日、42 , 44頁。ISBN 978-4107900258 
  • 藤井建『名鉄岡崎市内線 -岡崎市電ものがたり-』ネコ・パブリッシング〈RM LRBRARY 48〉、2003年7月1日、各頁。ISBN 978-4777050055 
  • 新編岡崎市史編集委員会(編)『新編岡崎市史』 4 近代、新編岡崎市史編さん委員会、1991年、各頁。 
  • 名古屋鉄道株式会社社史編纂委員会(編)『名古屋鉄道社史』名古屋鉄道、1961年、岡崎市内線関連各頁。 
  • 和久田康雄著『鉄道ファンのための私鉄史研究資料』電気車研究会 2014年4月25日
    • 「5504 愛知電気鉄道」、99 , 100頁
    • 「5505 名古屋電気鉄道(1921.7.1譲渡)名古屋鉄道(1930.9.5改称)名岐鉄道(1935.8.1譲渡)名古屋鉄道」、101頁
    • 「5552 岡崎馬車鉄道(1911.10.2改称)岡崎電気軌道(1927.7.19合併)三河鉄道」、105 , 106頁
  • 石野哲(編)「国鉄・私鉄の廃線停車場一覧」、今尾恵介(編)『新・鉄道廃線跡を歩く』 3 北陸・信州・東海編、JTBパブリッシング、p.219 ISBN 978-4533078606
  • 和久田康雄『日本の市内電車 1895-1945』成山堂書店、2009年、106頁。ISBN 978-4425961511 
国立国会図書館デジタルコレクション
  • 『鉄道院年報』明治41 , 42 , 43年度 軌道之部 出版者:鉄道院
  • 『官報』1911年(明治44年)10月14日 出版者:大蔵省印刷局(編)
  • 『岡崎商工会議所五十年史』出版者:岡崎商工会議所 昭和17年、71頁

関連項目

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