ギリュギリャウ・クンクアン
味全ドラゴンズ #4 | |
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AAA級コロンバス時代 (2018年9月2日) | |
基本情報 | |
国籍 | 中華民国(台湾) |
出身地 | 台中市 |
生年月日 | 1994年3月13日(30歳) |
身長 体重 |
180 cm 104 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投右打 |
ポジション | 捕手 |
プロ入り | 2021年 ドラフト1巡目 |
初出場 | CPBL / 2021年8月25日 |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
| |
国際大会 | |
代表チーム | チャイニーズタイペイ |
WBC | 2023年 |
プレミア12 | 2024年 |
この表について
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獲得メダル | ||
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野球 男子 | ||
チャイニーズタイペイ | ||
WBSCプレミア12 | ||
金 | 2024 | |
アジア競技大会 | ||
銀 | 2014 | |
U-15アジア野球選手権大会 | ||
金 | 2010 |
ギリュギリャウ・クンクアン(パイワン語: Giljegiljaw Kungkuan[1]、繁体字:吉力吉撈・鞏冠[注 1]、1994年3月13日 - )は、台湾・台中市出身のプロ野球選手(捕手)。右投右打。中華職業棒球大聯盟の味全ドラゴンズ所属。
漢名および旧登録名は朱 立人(チュウ・リーレン、Chu Li-Jen)[3]。台湾原住民のパイワン族の出身であり、2019年オフシーズンよりパイワン語での民族名をそのまま(漢字の当て字及びローマ字)登録名としている(詳細は以下)。略称はギラウ(Giljaw)。
経歴
[編集]プロ入りとインディアンス傘下時代
[編集]台中市立西苑高級中学から国立台湾体育運動大学に進学。大学在学中の2012年にクリーブランド・インディアンスとマイナー契約を結びプロ入り。傘下ルーキー級アリゾナリーグ・インディアンスでキャリアを開始した。
2017年は傘下A級レイクカウンティで125試合に出場し、打率.269、17本塁打、67打点の成績を残した。ミッドウェストリーグのオールスターゲームにも選出された。
2018年は主に傘下A+級リンチバーグでプレーしたが、シーズン終盤には短期間のみながら傘下AAA級コロンバスまで昇格。AAAへの昇格は台湾出身の捕手では史上2人目であった[注 2][4]。
2020年はCOVID-19の影響でリーグの全試合が中止されたため試合出場機会は無かった。オフにFAとなり、台湾に帰国。
味全時代
[編集]2021年は当初中華職業棒球大聯盟(CPBL)に加盟する味全ドラゴンズ二軍の練習に加わった。シーズン途中の7月12日に行われたCPBLドラフトで味全から1位指名を受け、8月20日に契約を交わし入団[5][4]。契約から5日後の8月25日に早くもCPBL初出場を果たした。最終的に54試合に出場して打率.256、11本塁打、32打点の成績を残した。
2022年は88試合に出場して打率.290、14本塁打、56打点の成績を残した。CPBLでは前年から使用球の反発係数を変更したことで本塁打が激減したため、同年は14本塁打ながら林立(楽天)と同数のリーグ最多本塁打を記録し、最終的に規定上より打数の少なかったギリュギリャウが本塁打王のタイトルを獲得した[6]。
2023年はシーズン開幕前の3月に開催された第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のチャイニーズタイペイ代表に選出された。シーズンでは106試合に出場して打率.284、23本塁打、67打点の成績で、2年連続となる本塁打王のタイトルを獲得した[7]。
人物
[編集]- メディアでの氏名表記および発音
先述の通り台湾原住民であるパイワン族の出身で、ギリギラウが本人の名前である。その意味は「勇敢な戦士」である[8]、コンクアンが彼の所属している家の名前(家名)である[9]。
2019年のオフに登録名を変更している。マイナーリーグで台湾の選手が原住民の母語表記となるのは初だった。CPBL入団後もこの登録名で台湾のプロ野球史上初の母語登録 (アルファベット表記)となった。
2023年のWBCの際には台湾メディアの記者から呼び方を聞かれるなど、原住民の言語や文化などへの認識の低さなどの課題が見え、本人も家族もパイワン語で呼ばれることを望んでいると取材で応じた[9]。
2024年に開催された第3回WBSCプレミア12の際、試合中継を行った日本のTBSやその他の一部メディアでは、繁体字の当て字 (元の発音とは異なる)[注 1]である吉力吉撈・鞏冠を、日本語漢字の音読みであるキチリキキチロウ・キョウカンで字幕表示し、アナウンサーも同様に発音し放送。台湾原住民族青年公共参与協会や原住民族青年陣線など複数の団体が抗議し、元の発音に近い「ギリギラウ・コンクアン」と表記・発音するようにSNSを通じて要望し、後の取材で本人からも同様の要望をした[10][注 3]。これを受け、表記及び発音は既に修正されている[11]。
詳細情報
[編集]年度別打撃成績
[編集]年 度 |
球 団 |
試 合 |
打 席 |
打 数 |
得 点 |
安 打 |
二 塁 打 |
三 塁 打 |
本 塁 打 |
塁 打 |
打 点 |
盗 塁 |
盗 塁 死 |
犠 打 |
犠 飛 |
四 球 |
敬 遠 |
死 球 |
三 振 |
併 殺 打 |
打 率 |
出 塁 率 |
長 打 率 |
O P S |
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2021 | 味全 | 54 | 226 | 203 | 24 | 52 | 8 | 0 | 11 | 93 | 32 | 1 | 0 | 0 | 5 | 17 | 1 | 1 | 46 | 9 | .256 | .310 | .458 | .768 |
2022 | 88 | 354 | 318 | 41 | 91 | 18 | 1 | 14 | 153 | 56 | 0 | 0 | 0 | 3 | 30 | 1 | 3 | 70 | 10 | .286 | .350 | .481 | .831 | |
2023 | 106 | 436 | 388 | 58 | 110 | 21 | 2 | 23 | 204 | 67 | 1 | 1 | 0 | 3 | 37 | 3 | 8 | 89 | 11 | .284 | .356 | .526 | .882 | |
2024 | 120 | 508 | 455 | 60 | 127 | 21 | 0 | 23 | 217 | 78 | 0 | 0 | 0 | 5 | 41 | 4 | 7 | 93 | 10 | .279 | .344 | .477 | .821 | |
通算:4年 | 368 | 1524 | 1364 | 183 | 380 | 68 | 3 | 71 | 667 | 233 | 2 | 1 | 0 | 16 | 125 | 9 | 19 | 298 | 40 | .279 | .344 | .489 | .833 |
- 各年度の太字はリーグ最高
タイトル
[編集]- 本塁打王:2回(2022年、2023年)
背番号
[編集]- 4(2021年 - )
代表歴
[編集]- 第6回 U-15アジア野球選手権大会 チャイニーズタイペイ代表(2010年)
- 2014年アジア競技大会 野球チャイニーズタイペイ代表
- 2023 ワールド・ベースボール・クラシック チャイニーズタイペイ代表
- 2024 WBSCプレミア12 チャイニーズタイペイ代表
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ a b パイワン語の音に近い音を持つ漢字を当てたもので、この漢字を中国語マンダリン読みしたものは、原音との乖離がある。中国語マンダリンには[gi]という音節がないので、漢字の「吉(jí)」を当てている。今までの報道・ネット記事では、漢訳された名前のピンイン(jílìjílāo gǒngguān)を、そのまま日本式のローマ字読みし、ジリジラオ・ゴングァンと書いてあるものもあるが、もとのパイワン語の音とは大きな乖離があるので注意すべきである[2]。
- ^ 1人目は2016年にピッツバーグ・パイレーツ傘下のAAA級インディアナポリスでプレーした張進徳
- ^ 日本統治時代や中国国民党独裁時代以降、氏名表記は(パイワン語ではなく)繁体字での戸籍登録などを強要されたなど言語や文化の長期的な差別や迫害を受けた歴史を持つ中で、近年の台湾では氏名登録の条例改正など原住民族独自の言語や文化が知られつつあるが課題も多く、当該団体も人権や社会的地位の向上につながればと取材に答えている[9]。
出典
[編集]- ^ “棒球》朱立人改回排灣族名 明年連登錄名都會改 - 自由體育”. 自由時報電子報 (2019年12月5日). 2023年3月12日閲覧。
- ^ 張雄風, 楊啓芳 / 編集: 齊藤啓介「プレミア12/プレミア12 話題の選手名は「ギリギラウ」 先住民団体が周知呼びかけ/台湾」『フォーカス台湾』2024年11月21日。2024年11月21日閲覧。
- ^ 林宥辰 (2019年12月5日). “朱立人改回排灣族名 明年連登錄名都會改”. 自由時報. オリジナルの2020年9月29日時点におけるアーカイブ。 2022年10月28日閲覧。
- ^ a b 楊啟芳; 張新偉 (2021年8月20日). “吉力吉撈加盟味全龍 簽2.4年總值1293萬元”. 中央通訊社. オリジナルの2022年2月14日時点におけるアーカイブ。 2022年10月28日閲覧。
- ^ “今年の台湾ドラフトは即戦力の宝庫 元ロッテ・チェンら1位指名5人は全員が元日米プロ”. Full-count. (2021年7月21日) 2022年10月28日閲覧。
- ^ “台湾プロ野球で珍事、14発で本塁打王 “飛ばないボール”で打高投低に異変”. Full-count. (2021年10月27日) 2022年10月28日閲覧。
- ^ 陳宛晶 (2023年10月24日). “中職/個人獎底定…廖健富逆襲失敗 吉力吉撈全壘打王二連霸” (中国語). 聯合新聞網. 2024年1月13日閲覧。
- ^ “「キチリキキチロウ」→「ギリギラウ」TBSが台湾選手『吉力吉撈鞏冠』の呼び名を改め紹介「ギリギラウは勇敢な戦士という意味」【プレミア12】”. 中日スポーツ・東京中日スポーツ (2024年11月23日). 2024年11月24日閲覧。
- ^ a b c 許仁碩 (北海道大学メディア・コミュニケーション研究院助教) (2024年11月22日). “名前が話題の台湾野球選手、本来の読み方に想い”. 東洋経済オンライン. 2024年11月24日閲覧。
- ^ “「キチリキキチロウ」とは呼ばないで…台湾代表選手を先住民・パイワン族の発音で呼ぶよう要望 (園田将嗣)”. 読売新聞オンライン (2024年11月23日). 2024年11月24日閲覧。
- ^ “「キチリキキチロウ」→「ギリギラウ」TBSが台湾選手『吉力吉撈鞏冠』の呼び名を改め紹介「ギリギラウは勇敢な戦士という意味」【プレミア12】”. 中日スポーツ (2024年11月23日). 2024年11月25日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 選手の通算成績と情報 MLB、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
- Giljegiljaw Kungkuan Stats MiLB.com
- 個人成績表 中華職業棒球大聯盟