日本大学通信教育部
日本大学通信教育部(にほんだいがくつうしんきょういくぶ、英:Nihon University Distance Learning Division)は、日本大学に設置されている通信教育課程である。略称は日大通信(にちだいつうしん)。
概要
[編集]文部科学省に認可された正規の大学通信教育課程であり、卒業すると通学課程と同等の学位(学士)が授与される。2021年(令和3年)現在、18歳から90歳までの約8,000人が日大通信で学んでおり、1948年(昭和23年)に開設されて以来、3万6,000人を超える卒業生を送り出している。開設されている科目の履修で教員免許、司書教諭、学芸員の資格[1]が取得できることから、科目等履修生として在籍している学生も多い[2]。
通信教育部単独のキャンパスを持つためスクーリングも充実しており、通学課程の学生と変わらない大学生活を送ることが可能(スクーリングだけでの卒業が可能)。入学式及び卒業式は通学課程と合同で日本武道館で行われる。また、転籍制度があり、希望する学生は試験を受けて合格する事で、日本大学通学課程(法・文理・経済・商)の各学部へ転籍することができる。
沿革
[編集]- 1948年(昭和23年) - 旧制日本大学に通信教育部設置認可。三崎町校舎に開設。
- 1949年(昭和24年) - 新学制に移行。通信教育部法学部・文学部・経済学部開設。
- 1957年(昭和32年) - 経済学部商業学科が独立し、商学部商業学科となる。
- 1958年(昭和33年)
- 1月 - 文学部が文理学部となる。
- 2004年(平成16年) - インターネットによるメディア授業を開始する。通信教育部校舎内に総合生涯学習センターを開設(三崎町キャンパス3号館内)。
- 2014年(平成26年)
- 9月 - 通信教育部・総合生涯学習センターともに三崎町キャンパスから日本大学会館の隣接地(市ヶ谷キャンパス)に新築移転。
教育及び研究
[編集]学部・学科
[編集]教員
[編集]通信教育部では、各学部に数名の専任教員が配置されており、専任教員の研究成果は毎年3月頃に刊行される「研究紀要」で発表されている。なお、スクーリング等の授業は、通信教育部専任教員に加えて、日本大学各学部の教員(兼担教員)及び他大学等の教員(非常勤講師)が担当している。
通信教育部専任教員
[編集]- 関根 二三夫(特任教授・政治学)
- 鍋本 由徳(教授・日本近世史)
- 雨宮 史卓(教授・広告論)
- 古賀 徹(教授・教育学)
- 根本 晋一(准教授・民法)
- 猪野 恵也(准教授・イギリス文学)
- 小澤 賢司(准教授・英語学、英語教育)
- 前野 高章(准教授・国際経済学)
- 中澤 瞳(准教授・哲学、倫理学)
- 鈴木 雅裕(助教・日本古代文学)
通信教育研究所
[編集]開放制教育について研究し、学術の発展に寄与することを目的として、1984年(昭和59年)2月に設置された。公開講座や公開シンポジウムを開催しているほか、世界中の人々が日本文化・日本語を多言語で学ぶことができる優れたeラーニング教材を開発・作製するために、英語・中国語・韓国語の研究者と協力した基礎研究を行っている。
学習方法
[編集]通信授業、スクーリング、メディア授業を組み合わせ、卒業に必要な単位(124単位)を修得する。ただし、1学年入学で30単位以上、2学年編入学で22単位以上、3学年編入学で15単位以上はスクーリングまたはメディア授業で修得しなければならない。
通信授業
[編集]配本申請や購入で指定された教材を入手した後、その教材を用いて自宅で学習し、リポートを提出する。その後、科目修得試験を受験し、試験とリポートの両方で合格した場合、単位が修得できる。科目修得試験は年4回、全国50会場で行われる。
スクーリング
[編集]- 夏期スクーリング
7月末から8月中旬の期間を6つに分け、1期あたり2日間連続の集中講義により授業を行う。1期につき1講座の受講が可能。
- 夜間スクーリング
春期(5月中旬 - 7月上旬)と秋期(10月中旬 - 12月中旬)にそれぞれ最大5講座10単位、年間で20単位の受講が可能。平日の18時30分から21時10分まで行われる。
- 東京スクーリング
平日のスクーリング受講が困難な学生のため、土曜日・日曜日等の休日を利用し、市ヶ谷の通信教育部校舎と水道橋の日本大学三崎町キャンパスを中心に開講される。
- 地方スクーリング
首都圏以外に居住している学生を対象に、全国主要都市(札幌、仙台、名古屋、大垣、大阪、福岡)で夏期・東京スクーリングと同じ形態の授業を開講している。各期とも最大2単位の受講が可能。
- 昼間スクーリング
通学課程と同様に、平日の昼間に半年間ずつ学ぶスクーリング。火曜から金曜の9時から17時50分の時間帯で5時限にわたり実施している。前期(4月 - 7月)と後期(9月 - 翌年1月)に分かれて授業を受ける。
- 国際交流スクーリング
国際交流の一環としての、海外大学との合同スクーリング。毎年2月に開講される。過去には、韓国の新羅大学校や中華民国の国立台湾師範大学、アメリカのハワイ大学マノア校と合同スクーリングを行った。
メディア授業
[編集]インターネット環境が整っていれば、いつでもどこでも授業を受けることが可能。約2ヶ月半の受講期間内に学習し、最後の試験に合格することで単位を修得できる。
取得できる資格
[編集]日本大学通信教育部では、所定のコースを履修することで、教員免許状、司書教諭、学芸員の各資格を取得することができる。ただし、科目等履修生は学芸員コースを履修することはできない。
取得できる教員免許状は以下の通りである。
学部 | 学科・専攻 | 中学校第一種・第二種 | 高等学校第一種 |
---|---|---|---|
法学部 | 法律学科 | 社会 | 地理歴史 公民 |
政治経済学科 | |||
文理学部 | 文学専攻(国文学) | 国語 | 国語 |
文学専攻(英文学) | 英語 | 英語 | |
哲学専攻 | 社会 | 公民 | |
史学専攻 | 地理歴史 | ||
経済学部 | 経済学科 | 地理歴史 公民 | |
商学部 | 商業学科 | 商業 |
所在地・アクセス
[編集]所在地
[編集]1号館・2号館(メインキャンパス)
[編集]3号館(入学課)
[編集]東京都千代田区五番町12-5
アクセス
[編集]関係者
[編集]教員
[編集]- 松重充浩(通信教育部長)
元教員
[編集]- 福田弥夫(元通信教育部長)
著名な出身者
[編集]※中途退学等の離籍者を含む。
政治
[編集]- 園田直(元衆議院議員、元内閣官房長官、元外務大臣)
- 浦田勝(元参議院議員)
- 糸山英太郎(元参議院議員、元衆議院議員、湘南工科大学総長)
- 井上義行(参議院議員)
- 行田邦子(埼玉県行田市長、元参議院議員)[3]
- 中野英幸(衆議院議員)
- 音喜多駿(参議院議員)[4]
- 升田重蔵(元北海道寿都町長)
- スーパークレイジー君(宮崎市議会議員、元埼玉県戸田市議会議員、歌手) - 在学中
学術
[編集]文学
[編集]スポーツ
[編集]- 高畠導宏(元プロ野球選手)
- 阿井英二郎(元プロ野球選手、札幌国際大学スポーツ人間学部教授)
- 吉田道(元プロ野球選手、浜松学院高等学校教諭・硬式野球部監督)
- 岡嵜雄介(元プロ野球選手、武田高等学校教諭・硬式野球部監督)
- 田村岳斗(元フィギュアスケート選手)
- 山本聖子(女子レスリング選手・指導者)
芸能
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ “教職に関する科目(教職専門科目)”. “司書教諭コース”. “学芸員コース”.
- ^ “取得可能な資格” 2015年11月21日閲覧。
- ^ “令和2年9月、日本大学を卒業しました。” (2021年6月16日). 2022年3月31日閲覧。
- ^ “議員で学生?!突然ですが…学生に戻ります!【雑談】” (2014年4月29日). 2022年3月31日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 日本大学通信教育部
- 日本大学通信教育部 (@nichidai_dldass) - X(旧Twitter)
- 日本大学通信教育部 - YouTubeチャンネル
- 日本大学通信教育部校友会