日本の公道における最初の自動車レース
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二輪
[編集]開催日 | 名称 | 場所 | 主催者 | 内容 | 定義 | 出典 |
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1914年(大正3年)4月5日 | 第1回ヒルクライム | 兵庫県三木市 - 小野市 | 神戸モーターサイクル俱楽部 | 山道におけるヒルクライム大会。 | (参考) | [1] |
1924年(大正13年)4月15日 | オートバイ二百哩突破名古屋市伊勢大神宮間神社参拝競走 | 愛知県名古屋市 - 三重県・伊勢神宮 | (不明) | (参考)大正期に長距離ロードレースが開催された例がこの他にも複数ある。どれが最初なのかは定かではない。 | [2] | |
1925年(大正14年)5月3日 - 5月6日 | 大大阪記念帝都訪問自動自転車遠乗競技会 | 大阪府・城東練兵場 - 東京府・代々木練兵場 | 関西オートバイ俱楽部 | 28台が参加し、19台が完走[1]。 | [2][1] | |
1925年(大正14年) | (名称不詳) | 愛知県名古屋市 - 上越地方 | - | |||
1955年(昭和30年)11月5日 - 11月6日 | 第1回全日本オートバイ耐久ロードレース | 群馬県吾妻郡北軽井沢 | 日本小型自動車工業会 | 1周19.2 kmのコースを設定し、周回レースとして開催。 | 史上初[注釈 1]。 |
四輪
[編集]開催日 | 名称 | 場所 | 主催者 | 内容 | 定義 | 出典 |
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1908年(明治41年)5月30日 - 6月 | ニューヨーク・パリレース | 神奈川県横浜市 横浜港 - 福井県敦賀市 敦賀港 | ニューヨーク・タイムズ、 ル・マタン |
ニューヨークからパリまでのラリーレイドの一部。横浜港から敦賀港まで公道を自走。 | (参考)このレースは通過したのみなので、日本で開催された初のレースという位置付けで語られることはない。 | [3][4][5] |
1958年(昭和33年)6月15日 - 6月30日 | 日本一周読売ラリー | 東京 - 仙台 - 青森 - 秋田 - 敦賀 - 鳥取 - 福岡 - 広島 - 大阪 - 名古屋 - 東京 | 読売新聞、大阪読売新聞 | 東京を起点に、東北、九州を回り東京に戻る公道ラリー[注釈 2]。日本で行われた初のラリー競技とされる[注釈 3]。 | (参考)ラリー競技は公道レースの括りには含めないため、初の公道レースと言う位置づけで語られることはない。[注釈 4] | [6] |
1991年(平成3年)9月23日 | ソーラーチャレンジ・イン・北海道'91 | 北海道北見市 | 北見市、北海道新聞 | ソーラーカーによるレース。1周14.1 kmのコースを4周する周回レースとして開催。 | 史上初。「日本初の公道レース」として開催。 | [9] |
2020年(令和2年)9月20日 | A1市街地グランプリ | 島根県江津市 | A1市街地レースクラブ、A1市街地グランプリ江津大会実行委員会 | レーシングカートによるレース。1周783 mのコースを設営し、周回レースとして開催。市街地の一般道を封鎖し、かつ日本自動車連盟(JAF)の公認を得て開催。 | 都市部で開催されたものとして初。「日本初の市街地レース」として開催。 | [10][8] |
2024年(令和6年)3月30日 | 2024年東京 E-Prix | 東京都江東区 東京ストリートサーキット | フォーミュラE・オペレーションズ | レース専用電動シングルシーター(フォーミュラE)によるレース。私有地と封鎖した公道を使用して1周2.585 kmのコースを設営し、周回レースとして開催。 | 国際レース、本格的なレーシングカーを用いたものとして初。「日本初の本格的な公道レース」として開催。 | [8] |
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ このレースは戦後初の開催で、戦前には公道を使用した周回レースとして知られている例がない。
- ^ 公道を封鎖して開催されたものではないが、開催にあたり、通商産業省、運輸省、外務省といった中央省庁や、警察庁、各都道府県庁が協力した[6]。
- ^ 日本初のラリーは1953年10月24日・25日に開催された「JAAメープル・ラリー」だという説もある[7](公道部分があったのかは不明)。
- ^ 公道レースは、開催するにあたって警察から道路使用許可を得ることが最大の障壁となる。ラリーについては、マラソンや自転車ロードレースと同様、道路を使用(封鎖)する時間が限定的で、競技が行われるのも市街地から離れた場所(山林など)の公道であることが専らであるため、地域によっては道路使用許可が下りていた[8]。許可を取ることの難しさが周回レースとは異なるため、別扱いで語られることが常となっている。
出典
[編集]- ^ a b c 戦前自動車競走史-3 関西競走界と鳴尾競馬場の記録(岩立)、『Old-timer』No.71(2003年8月号)
- ^ a b 戦前自動車競走史-1 追想オートバイ競走会(岩立)、『Old-timer』No.69(2003年4月号)
- ^ 日本自動車史の資料的研究 第8報 「New York・Paris間2万マイル,史上最長自動車耐久レース」その概要と日本通過の記録(大須賀1983)
- ^ 日本自動車史II(佐々木2005)、pp.100–102
- ^ 戦前日本の自動車レース史(三重2022)、「トーマス・フライヤー、上陸」 pp.234–235
- ^ a b トヨタ モータースポーツ前史(松本2018)、「3 日本一周読売ラリー」 pp.88–94
- ^ トヨタ モータースポーツ前史(松本2018)、p.110
- ^ a b c オートスポーツ 2024年6月号(No.1596)、「ぼくの大好きな競争自動車 - 20年目の国内初4輪公道レース この先の道のり」(大串信) p.97
- ^ 週刊読売 1991年10月13日号、「北海道で、わが国初の公道レース」
- ^ オートスポーツ 2020年10/30号(No.1539)、「できた前例 つながる道」(大串信) pp.30–33
参考資料
[編集]- 書籍
- 佐々木烈『日本自動車史II ─日本の自動車関連産業の誕生とその展開─』三樹書房、2005年5月20日。ASIN 4895224546。ISBN 978-4-89522-454-3。 NCID BA72460305。
- 松本秀夫『トヨタ モータースポーツ前史 トヨペット・レーサー、豪州一周ラリーを中心として』三樹書房、2018年4月18日。ASIN 4895226875。ISBN 978-4-89522-687-5。 NCID BB26001407。
- 三重宗久『戦前日本の自動車レース史 藤本軍次とスピードに魅せられた男たち』三樹書房、2022年4月20日。ASIN 4895227723。ISBN 978-4-89522-772-8。 NCID BC14200480。
- 論文
- 大須賀和美『日本自動車史の資料的研究』(中日本自動車短期大学『論叢』より)
- 「第8報 「New York・Paris間2万マイル,史上最長自動車耐久レース」その概要と日本通過の記録,1908年(明治41)」『論叢』第13号、1983年3月10日、55-81頁、NAID 40002771185。
- 定期刊行物
- 『オートスポーツ』(NCID AA11437582)
- 『2020年10/30号(No.1539)』三栄、2020年10月16日。ASIN B081G85GW6。ASB:AST20201016。
- 『2024年6月号(No.1596)』三栄、2024年4月26日。ASIN B0C6XLQPPZ。ASB:AST20250426。
- 『Old-timer』各号中の記事
- 岩立喜久雄「轍をたどる(18) 戦前自動車競走史-1 追想オートバイ競走会」『Old-timer』第69号、八重洲出版、2003年4月1日、166-171頁。
- 岩立喜久雄「轍をたどる(20) 戦前自動車競走史-3 関西競走界と鳴尾競馬場の記録」『Old-timer』第71号、八重洲出版、2003年8月1日、166-171頁。
- 『週刊読売』(NCID AN10051639)
- 『1991年10月13日号』読売新聞社、1991年10月13日。