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成金 (落語家ユニット)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
成金なりきん
メンバー 柳亭小痴楽
六代目神田伯山
昔昔亭A太郎
瀧川鯉八
桂伸衛門
三遊亭小笑
春風亭昇々
笑福亭羽光
桂宮治
春風亭柳雀
春風亭昇也
結成年 2013年
解散年 2019年
事務所 落語芸術協会
活動時期

2013年 - 2019年(定期公演として)

2019年 - (特別公演として)
師匠 柳亭楽輔(小痴楽)
三代目神田松鯉(伯山)
昔昔亭桃太郎(A太郎)
瀧川鯉昇(鯉八、柳雀)
三代目桂伸治(伸衛門、宮治)
三遊亭笑遊(小笑)
春風亭昇太(昇々、昇也)
笑福亭鶴光(羽光)
現在の活動状況 解散
年に一度「大成金」
芸種 落語
講談
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成金(なりきん)は、落語芸術協会所属の二ツ目落語家講談師11名をメンバーとして、2013年9月から2019年9月まで毎週金曜日に開催していた自主公演及びユニットの名称[1]。ミュージックテイト西新宿店で行われていた。

年末に全メンバー出演の特別公演「大成金」を開催している。その他の派生した「◯◯成金」と名付けた会は、様々な主催者が入ったり、メンバーの個人活動の延長である。

概要

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「成金」の名づけ親は昔昔亭A太郎[2][3]

東京・西新宿ミュージックテイト(演芸CDショップ)を会場に、2013年9月~10月は「成金プレリュード」として定期的に会を開催し、同年11月からは毎週金曜日に定例落語会「成金」を開催していた。プレリュードの開口一番は昔昔亭A太郎の「文七元結」[2]。また企画公演として、地方公演の「旅成金」、ネタおろしの「成城成金」なども行われていた[4]

落語協会に対する反骨精神を胸に[5]、真打昇進していない二ツ目でありながら、「成金」の名前で地方公演ができるまでに成長した。2019年9月8日に札幌市で開かれた「大札幌成金」は、650人収容のホールが昼夜ともほぼ満席となった[5]

「メンバーの誰かが真打になったとき、毎週金曜の成金(通常成金とも呼ばれる)を終了する[5]」ことを前提としていたが、2018年12月の落語芸術協会理事会で、2019年9月下席より柳亭小痴楽、2020年2月中席より神田松之丞の真打昇進(9人抜きの抜擢真打、6代目神田伯山を襲名)が決定し、小痴楽の真打昇進前日となる2019年9月20日をもって「成金」は終了した[6]。なお、毎年末の「大成金」については継続する方向[4]であり、コロナ禍の影響もあり2020年は休止となったが、2021年12月30日にはイイノホールで2年ぶりに「大成金」が開催されている[7]

成金メンバーでは、桂宮治(2012年・NHK新人演芸大賞落語部門)と笑福亭羽光(2020年・NHK新人落語大賞)の2名が、NHKの東西落語家を対象としたコンクールで大賞を受賞している[注釈 1]

成金活動当時はツイッター・webなどを使った積極的なPR活動を行っていたが、関連アカウントやwebページは2021年3月までにすべて削除されている。

成金メンバーは、全員笑点」(日本テレビ)での真打昇進披露口上を行っていない[注釈 2]

成金の実質的な後継として、落語芸術協会所属の二ツ目落語家10名によるユニット「芸協カデンツァ」が結成された[8]。2019年10月より毎週金曜日に定例落語会を開催しているほか、YouTubeで動画配信を行っている。

小痴楽、伯山の真打昇進以後も順次、成金メンバーの真打昇進が行われており、2022年5月上席に春風亭柳若改め春風亭柳雀春風亭昇也の真打昇進および披露興行をもって成金メンバー全員が真打となった。個々の真打昇進披露興行以降も成金のメンバーが定席での主任を務める機会も多くなっており[7]、2022年2月の新宿末廣亭中席夜の部では、成金メンバーのほぼ全員が出演する番組が組まれている[注釈 3]

全員が真打になったことでメンバーのうち、弟子を採った者も散見される。一番最初に弟子を採ったのが伯山で、2021年以降に3人の弟子(神田梅之丞・青之丞・若之丞)を相次いで採った。その後、2023年に小痴楽が柳亭いっち、羽光が笑福亭羽太郎とそれぞれ1名ずつ弟子を採っている。

メンバー

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香盤順。太字は真打。(2022年5月現在)

現在の名前 よみ 師匠 二ツ目当時の名前 真打昇進 真打昇進同期 備考
柳亭小痴楽 りゅうてい こちらく 十一代目桂文治
五代目柳亭痴楽
柳亭楽輔
2019年9月 単独
六代目神田伯山 かんだ はくざん 三代目神田松鯉 神田松之丞 2020年2月 単独 講談師
抜擢真打
昔昔亭A太郎 せきせきてい えーたろう 昔昔亭桃太郎 2020年5月 瀧川鯉八
桂伸衛門
「成金」名付け親
披露興行は2020年10月中席
(新型コロナウイルスの影響による)
瀧川鯉八 たきがわ こいはち 瀧川鯉昇 2020年5月 昔昔亭A太郎
桂伸衛門
披露興行は2020年10月中席
(新型コロナウイルスの影響による)
桂伸衛門 かつら しんえもん 四代目春雨や雷蔵
三代目桂伸治
春雨や雷太
桂伸三
2020年5月 昔昔亭A太郎
瀧川鯉八
披露興行は2020年10月中席
(新型コロナウイルスの影響による)
桂宮治 かつら みやじ 三代目桂伸治 2021年2月 単独 抜擢真打
三遊亭小笑 さんゆうてい こしょう 三遊亭笑遊 2021年5月上席 春風亭昇々
春風亭昇吉
笑福亭羽光
披露興行は2021年6月中席

(新型コロナウイルスの影響による)

春風亭昇々 しゅんぷうてい しょうしょう 春風亭昇太 2021年5月上席 三遊亭小笑
春風亭昇吉
笑福亭羽光
披露興行は2021年6月中席

(新型コロナウイルスの影響による)

笑福亭羽光 しょうふくてい うこう 笑福亭鶴光 2021年5月上席 三遊亭小笑
春風亭昇々
春風亭昇吉
披露興行は2021年6月中席

(新型コロナウイルスの影響による)

春風亭柳雀 しゅんぷうてい りゅうじゃく 瀧川鯉昇 春風亭柳若 2022年5月上席 春風亭昇也
春風亭昇也 しゅんぷうてい しょうや 春風亭昇太 2022年5月上席 春風亭柳雀

メディア・書籍

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  • らんまんラジオ寄席TBSラジオ)-
    • 2016年1月1日「ラジオ寄席新春スペシャル」出演:柳亭小痴楽・瀧川鯉八・桂宮治・神田松之丞・春風亭昇也[9]
    • 2016年12月29日[注釈 4]「ラジオ寄席年忘れスペシャル ラジオ成金リターンズ」出演:柳亭小痴楽・昔昔亭A太郎・瀧川鯉八・桂宮治・神田松之丞・春風亭昇也[10]
  • ラジなり…毎週金曜11時30分配信。成金メンバーのうち、柳亭小痴楽、昔昔亭A太郎、瀧川鯉八、春風亭昇々、春風亭柳若の5名が出演するポッドキャスト。
  • 成金本…2016年発売。メンバーの芸論、コラム、小説や、オフショットなどが詰まった本。成金メンバー全員の師弟対談が収録されている(発行元:東京かわら版)[11]
  • イケメン落語…2017年5月発売。「成金」メンバー全員のインタビューとからめた初心者向けの寄席落語案内本。ゲストナビゲーターとして桂米助が成金メンバー全員を紹介。ページ内にあるQRコードから各自の落語を配信するYouTubeページ(限定配信)に飛ぶことができる。一般書店では扱いのない、ファミリーマートだけで販売されたムック本(発行元:アントレックス)[12]
  • 成金の正体[13]…2018年10月からスポーツ報知(電子版)に掲載。メンバー全員のインタビュー等を掲載。執筆はコンテンツ事業部の高柳義人記者。

関連項目

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  • TEN落語協会の若手二ツ目ユニット。
  • 芸協カデンツァ…2019年4月に結成された落語芸術協会の若手二ツ目ユニット。
  • ルート9…2021年4月に結成された落語芸術協会の若手二ツ目ユニット。

外部リンク

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脚注

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注釈

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  1. ^ 桂宮治はユニット結成前の受賞、笑福亭羽光はユニット活動終了後の受賞。
  2. ^ 2020年3月からのコロナ感染防止のための緊急事態宣言による自粛のため、2020年3月~2023年6月まで真打昇進披露口上が収録で行われなかった影響。成金メンバー以外の落語芸術協会真打昇進者では春風亭昇吉が該当する。なお、笑点特大号BS日テレ)でパーティー・記者会見などの紹介は行われている。また、緊急事態宣言前の2019年9月、成金メンバーで一番早く真打に昇進した柳亭小痴楽は真打昇進披露口上の収録を仕事のため欠席した。地上波の笑点での真打昇進披露口上は、落語芸術協会では昇也・柳雀の一年後に真打に昇進した桂翔丸柳亭明楽春風亭吉好から復活した。
  3. ^ 当初は宮治が主任予定であったが、新型コロナウイルスのみなし陽性者判定を受けて休演となったため、成金メンバーによる日替わりの主任となった(11日:伯山、12日:鯉八、13-15日:小痴楽、16日:伸衛門、17日以降:宮治)。また、当初は伯山のみ玉川太福との交代出演予定であった。
  4. ^ 通常とは異なる木曜日の18:00~19:00の放送。
  5. ^ 公演は2020年11月21日、よみうりホール。他に柳亭楽輔春風亭昇太が出演。

出典

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  1. ^ 弁財亭和泉 その先が面白い」『産経ニュース』(産経新聞社)2021年12月2日。2021年12月2日閲覧。
  2. ^ a b 高柳義人「【成金の正体】昔昔亭A太郎がタップダンスを始めたきっかけ すべては落語のために…」『スポーツ報知』2018年11月13日。2019年4月15日閲覧。
  3. ^ 春風亭昇也 [@shunpuuteishoya] (2020年4月12日). "引っ越しで荷物整理してたら珍しい物が出てきた。". X(旧Twitter)より2020年6月2日閲覧
  4. ^ a b 小痴楽、松之丞の真打ち昇進決定で「成金」の活動はどうなる?」『スポーツ報知』2018年12月28日。2023年7月8日閲覧。
  5. ^ a b c 井上秀樹、山本悠理「二つ目集団「成金」、成り上がった! 競争しながら芸磨き、真打ち誕生し今月解散」『朝日新聞デジタル』(朝日新聞社)2019年9月19日。2019年10月1日閲覧。
  6. ^ 「成金」最終回は11人勢ぞろいでトーク&小痴楽「湯屋番」でファイナル飾る」『スポーツ報知』2019年9月21日。2019年9月21日閲覧。
  7. ^ a b 「大成金」の観客の熱気で感じた成金メンバーの躍進 2月中席の桂宮治初トリは“オール成金”が実現」『スポーツ報知』2021年12月30日。2023年7月8日閲覧。
  8. ^ 二つ目落語家でつくる「芸協カデンツァ」始動! 令和時代も盛り上がる落語人気」『Iza!』(産経新聞社)2019年7月3日。2020年6月19日閲覧。
  9. ^ 「話芸×ラジオ」 [@wagei954] (2015年12月27日). "元日の「ラジオ寄席新春SP」(20時~)は今、話題の芸協若手ユニット「成金」から5人が登場!". X(旧Twitter)より2022年9月12日閲覧
  10. ^ TBSラジオ FM90.5&AM954 [@TBSR_PR] (2016年12月29日). "この後【ラジオ寄席 年忘れスペシャル「ラジオ成金リターンズ」】". X(旧Twitter)より2022年9月12日閲覧
  11. ^ 成金本 東京かわら版 http://kawaraban.theshop.jp/items/4973969
  12. ^ サプライズビジュアル イケメン落語(サプライズブックス)”. 株式会社アントレックス. 2018年7月1日閲覧。
  13. ^ 成金の正体」『報知新聞社』。2019年1月15日閲覧。