志摩則正
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志摩 則正(しま のりまさ、明和5年〈1768年〉 - 天保9年〈1838年〉)は、江戸時代後期の関流和算家(数学者)。旧姓は丹後、通称は吉左衛門。
生涯
[編集]能登部上村の加賀藩御用商人、丹後屋に生まれ、幼少期より和算を好んだ。則正も藩の出入商人を務め、富豪となった。その後、作事町(現在の七尾市)に移住し、廻船業に転職。七尾から富山湾の航路を使って航海し、富山の高木允胤を師として和算を学ぶ。1831年(天保2年)に和算の奥義を極めた。
業績
[編集]- 6次方程式が解ける「開方盤」と呼ばれる大型そろばんを発明し、航海中も携帯して研究していた。24桁、8段。仕組みは天元術・ホーナー法による。現在は石川県立歴史博物館に収蔵されている。
- 1831年(天保2年)版の関流高木門人諸方算者見立角力(せきりゅうたかぎもんじんしょほうさんじゃみたてずもう)によると、則正は「行司」に格付けされている。
- 1823年(文政6年)、久麻加夫都阿良加志比古神社に算額を奉納。
- 1830年(文政13年)、美麻奈比古神社に算額を奉納。
- 1834年(天保5年)、天日陰比咩神社に算額を奉納。
参考文献
[編集]- 吉住 雅佳, 久麻加夫都阿良加志比古神社の算額聞書, 1999.
- 吉住 雅佳, 美麻奈比古神社の算額聞書, 2000.
- 石川県の現存算額総集, 2009.
- 田中 鈇吉, 郷土数学, 1935.
- 田中 鈇吉, 加越能に於ける数学, 1936.
- 林 鶴一, 和算研究集録 下巻, 1937.
- 七尾市史編さん専門委員会, 新修七尾市史11(教育文化編), 2002.
- 清水 一布, 能登部町誌, 1936.