鹿児島市平川動物公園
鹿児島市平川動物公園 Kagoshima City Hirakawa Zoological Park | |
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施設情報 | |
前身 | 鴨池動物園 |
専門分野 | 総合 |
所有者 | 鹿児島市 |
管理運営 | 公益財団法人鹿児島市公園公社(指定管理者) |
開園 | 1972年10月14日 |
所在地 |
〒891-0133 鹿児島県鹿児島市平川町5669-1 |
位置 | 北緯31度27分51秒 東経130度30分5.1秒 / 北緯31.46417度 東経130.501417度座標: 北緯31度27分51秒 東経130度30分5.1秒 / 北緯31.46417度 東経130.501417度 |
公式サイト | http://hirakawazoo.jp/ |
鹿児島市平川動物公園(かごしましひらかわどうぶつこうえん)は、鹿児島県鹿児島市平川町にある動物園。同園には遊園地が併設されている。
概要
[編集]鹿児島市平川町に位置し、園内の東側に五位野川が流れている。
園内に入ると、桜島、錦江湾を背景にマサイキリンなどがいるアフリカ園、フライングケージやリスの森などの無柵放養式展示の施設が多い。
1984年(昭和59年)には、多摩動物公園、東山動物園とともに日本で初めてクイーンズランドコアラが来園し、1997年(平成9年)5月には、コアラ6世が誕生し話題になった。
園では、特別天然記念物のアマミノクロウサギやルリカケス・ナベヅル・エラブオオコウモリなどの郷土特有の動物の繁殖にも成功している。
2009年度から2015年度まで7年計画で総額約43億円を投じ、生態観察展示にリニューアルを行っている[1]。改修は、カバ舎、世界のクマゾーン、マントヒヒ・バーバリーシープゾーン、アフリカの草原ゾーン、野生のイヌ・ネコゾーン、インドの森ゾーンなど[1]。ゾウ舎前では温泉の掘削を行う[1]。この改修により、集客が増加に転じ、2011年度は63万人となった[1]。
- 総面積:314,000m2
- 飼育動物数:140種1,000頭
- 入園料:一般(高校生以上)500円、小・中学生100円。団体割引あり(20人以上)。未就学児・70歳以上の鹿児島市民、身体障害者(条件あり)は無料。
※鹿児島市、北九州市、福岡市、熊本市による交流連携協定に基づき、70歳以上の北九州市民、福岡市民、熊本市民も無料。
歴史
[編集]鴨池動物園
[編集]前身の鴨池動物園は鹿児島市鴨池二丁目にあり、島津家の別荘があった場所で、1916年(大正5年)に鹿児島電気軌道によって開設された日本で4番目の動物園であった[2]。
1928年(昭和3年)に鹿児島電気軌道が鹿児島市に買収され動物園も市営となった[2]。
1956年(昭和31年)には「誰にもわかる科学博覧会」を開催し、その益金で水族館が併設されることになり、1957年(昭和32年)に着工し、1958年(昭和33年)6月に開館した[3]。
動物園の移転が取り上げられるようになったのは1966年(昭和41年)頃のことである[3]。1960年(昭和35年)2月の都市計画事業で園内を高架で横切っていた鹿児島市電が路面に敷設した軌道敷となり、同年6月の工事の完成で園内は完全に二分された[3]。敷地は手狭になり周囲も市街地化が進んだため、1969年度(昭和44年度)に動物園移転調査費が計上された[3]。鹿児島市都市計画部は古屋敷、平川、慈眼寺、吉野、伊敷の5箇所を候補地とし、最終的に古屋敷地区が選定されたが土地価格で折り合いがつかず、平川の五位野地区平床で土地買収が進められた[3]。
東京農業大学育種学研究所の近藤典生に設計を依頼し、1970年(昭和45年)3月31日に「鹿児島市動物公園の基本設計構想」が提出され、1971年(昭和46年)4月5日に着工式が行われた[3]。
そして、鴨池動物園は1972年(昭和47年)2月29日で閉園となった[3]。平川町移転でモノレールや飛行塔、ミラーハウスなど遊園地の遊具は移設されたが、水族館は移設されなかった[2](飼育していた魚類は与次郎ヶ浜埋立地に建設中だった水中レストランに運ばれた[3])。
跡地は1975年(昭和50年)5月16日に一般競争入札が行われ竹中工務店が落札した[3]。そして同年7月11日に大型商業施設・鹿児島ショッパーズプラザが開業した(のちにダイエー鹿児島店を経て、イオン鹿児島鴨池店)が、イオン鹿児島鴨池店は2024年(令和6年)8月31日に閉店し、跡地はイオングループにより再開発が行われる事になった[4]。跡地のうち北西の一角は鴨池児童公園(鹿児島市鴨池2丁目)として残されており当時の門柱が残っている[2][3]。
開園
[編集]当初、1972年4月開園の予定だったが、いったん同年8月となり、最終的に同年10月14日に決定した[3]。動物輸送は前月の9月20日に開始し9月27日に終了した[3]。
開園を記念し、1972年10月6日にローランドゴリラとクロサイ、同7日にキリン、同9日にホッキョクグマ、ワニ類、フラミンゴが加わり、新規購入した21種類128点を加えた142種類601点での開園となった[3]。
沿革
[編集]- 1916年 - 鹿児島電気軌道が鴨池動物園として開園(日本で4番目の動物園)[2]。
- 1928年 - 鹿児島市の鹿児島電気軌道買収により市営となる。
- 1972年10月14日 - 平川町に移転し、平川動物公園としてリニューアルオープン[3]。
- 1974年 - 国内で初めてセイケイの繁殖に成功する。
- 1975年 - 国内で初めてヘラサギの繁殖に成功する。
- 1977年 - 国内で初めてカピバラの繁殖に成功する。
- 1981年 - 世界最高齢のツキノワグマの雌(推定36歳)が死亡。
- 1982年 - 国内で初めてナベヅル、ルリカケスの繁殖に成功する。
- 1984年 - オーストラリアからコアラ来園。これを記念してソフトクリームの「コアラこんにちは」「コアラ音頭」という楽曲が制作された。
- 1986年 - コアラ繁殖。
- 1990年 - 世界最高齢のヒマラヤグマ「サチコ(推定36歳)」が死亡。
- 1992年 - アマミノクロウサギの飼育研究で古賀賞を受賞。
- 1993年 - 国内で初めてエラブオオコウモリの繁殖に成功する。
- 1999年 - 国内で初めてヨツユビハリネズミの繁殖に成功する。
- 2000年 - 国内で初めてソデグロヅルの人工授精に成功する。
- 2002年 - コアラふれあいの森が完成。
- 2007年 - 入園者が2,000万人に達成。
- 2009年 - リニューアル工事開始。
- 2012年 - 日本最高齢オランウータン「エミ」メスが死亡。推定49歳。[5]
- 2018年 - ホワイトタイガー2匹と交換し、コアラ2匹が来園。[6]
- 2024年5月28日 - ライオンの「ジオン」が死亡し、当園にライオンがいなくなる[7]。
施設と飼育動物
[編集]- アフリカの草原ゾーン
- 飼育動物 - エジプトガン、ヨーロッパフラミンゴ、カバ、マサイキリン、チャップマンシマウマ、ミナミシロサイ、ダチョウ、ヒガシクロサイ
- 野生のイヌ・ネコゾーン
- 世界のクマゾーン
- インドの森ゾーン
- シカ展示場
- 南米の自然(草原)ゾーン
- 世界のサルゾーン
- かごしまの動物ゾーン(平成25年春オープン)
- 不思議な動物ゾーン(平成25年春オープン)
- オーストラリア園・コアラ舎
- ふれあいランド
- 南アメリカの自然(森)ゾーン(平成25年整備予定)
- フライングケージ
- 世界のツルゾーン(平成26年秋オープン予定)
- しょうぶ園
- こども動物図書館
- 休養広場
- 遊園地
事件・事故
[編集]- 2018年10月8日、男性職員1名が飼育しているホワイトタイガー「リク」に襲われ、救急搬送されたが[9]、その後死亡する事故が発生した[10][11]。尚、翌日はトラ舎を含む一部のエリアで客の立ち入りを規制した上で通常営業した[12]。 園長は遺族から「(リクを)平川で飼育してください」と言われたことを明らかにし、殺処分せずに飼育を続ける考えを示した[13]。公園内での死亡事故は1972年の開園以来、初のことである[14]。
遊園地
[編集]- 大型遊具にメリーゴーランド、観覧車、ゴーカート、チェーンタワー、飛行塔、ミラーハウスがある(のりもの券の販売は16時40分まで)[16]。
- 園内にある遊園地には、国鉄C57形蒸気機関車151号機と鹿児島市交通局500形510号が保存されている。
交通アクセス
[編集]自家用車
[編集]バス
[編集]鉄道
[編集]周辺施設
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c d 「平川動物公園リニューアル工事始まる/鹿児島市 47NEWS(よんななニュース) 2009/08/01 06:30 南日本新聞」、「水中のシロクマ観察 平川動物公園 3展示施設を新装開業/九州どうぶつランド/西日本新聞社 2011/03/26」、「鹿児島市の平川動物公園 来年4月、入園料値上げ 小・中学生は開業後初めて 慢性赤字 年間4億円/消費者ニュース 値上げ↑・値下げ↓/西日本新聞 2010/09/10」、「平川動物公園 19年ぶり60万人突破/九州どうぶつランド/西日本新聞社 2012/04/12」 いずれも2013年1月12日閲覧。
- ^ a b c d e 目の前にトラ舎、だから屋号は「とら屋」… 街中から「自然の中の動物園」へ 平川動物公園(鹿児島市)50年前の移転ストーリー 南日本新聞 2022年4月6日
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 川畑純徳「平川動物公園のあゆみ(鴨池動物園の移転から開園まで)」ひらかわ No.28、鹿児島市動物公園協会、1989年12月(2024年6月16日閲覧)
- ^ “イオン鹿児島鴨池店 8月末閉店、再開発へ 商業、複合型施設を視野 築49年、設備が老朽化”. 南日本新聞 373news.com. 2024年8月31日閲覧閲覧。
- ^ 「国内最高齢スマトラオランウータン大往生 平川動物公園 鹿児島のニュース 都道府県別 47NEWS(よんななニュース) 2012/06/29 21:04 南日本新聞」、「おしゃれオランウータンのエミ人気/鹿児島市・平川動物公園 鹿児島のニュース 都道府県別 47NEWS(よんななニュース) 2010/06/09 11:18 南日本新聞」 いずれも2013年1月12日閲覧。
- ^ 「コアラ2匹が仲間入り 飼育コアラ2匹が仲間入り 飼育数は国内最多10匹 鹿児島・平川動物公園鹿児島のニュース 都道府県別 47NEWS(よんななニュース) 2018/04/1513:23 西日本新聞 」
- ^ “ライオンの死亡について”. 鹿児島市平川動物公園 (2024年5月28日). 2024年5月30日閲覧。
- ^ 2013年春平川動物公園リニューアルオープンパンフレットへのリンク (PDF) 平川動物公園
- ^ “「ホワイトタイガーに襲われた」 動物園職員が心肺停止”. 朝日新聞デジタル (2018年10月8日). 2018年10月8日閲覧。
- ^ “ホワイトタイガーに襲われ職員死亡 鹿児島市平川動物公園”. 373news.com(南日本新聞社) (2018年10月9日). 2018年10月9日閲覧。
- ^ “「ホワイトタイガーに襲われた」動物園職員の死亡確認”. 朝日新聞デジタル (2018年10月8日). 2018年10月9日閲覧。
- ^ “職員死亡の動物園、通常通り営業 トラ舎は立ち入り規制”. 朝日新聞デジタル (2018年10月9日). 2018年10月9日閲覧。
- ^ “飼育員襲ったトラ、殺処分せず 遺族「飼育して下さい」:朝日新聞デジタル” (日本語). 朝日新聞デジタル 2018年10月9日閲覧。
- ^ “飼育員死亡 原因究明し再発防止を”. 373news.com(南日本新聞社) (2018年10月11日). 2018年10月16日閲覧。
- ^ “女性飼育員がクロヒョウにひっかかれる…過去にはホワイトタイガーに襲われる死亡事故も”. 読売新聞オンライン. 2020年12月16日閲覧。
- ^ 遊園地案内 鹿児島市平川動物公園
外部リンク
[編集]- 鹿児島市平川動物公園
- 鹿児島市平川動物公園 (@hirakawazoo) - X(旧Twitter)