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カリガネソウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
帆掛草から転送)
カリガネソウ
カリガネソウ、横山岳(滋賀県長浜市にて、2016年9月14日撮影)
カリガネソウ、横山岳滋賀県長浜市にて)
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
: シソ目 Lamiales
: シソ科 Lamiaceae
亜科 : キランソウ亜科 Ajugoideae
: カリガネソウ属 Tripora[1]
: カリガネソウ T. divaricata
学名
Tripora divaricata
(Maxim.) P.D.Cantino[2]
シノニム

Caryopteris divaricata Maxim.

英名
blue mist spiraea

カリガネソウ(雁草、雁金草、学名Tripora divaricata (Maxim.) P.D.Cantino)は、シソ科分類される多年草の1ホカケソウ(帆掛草)とも呼ばれる。和名は花の形状がに似ているであることに由来する[3]

かつてはダンギク属Caryopteris)に分類されていたが[3]分子系統解析によりこの属は多系統であると分かったため、単型Tripora に分離された[4]

分布

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東アジア日本朝鮮半島中国)に分布する。

日本では北海道本州四国九州山地に自生する[3]

特徴

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よく日が当たるが乾燥しない場所を好み、夏場に草丈 80cm 前後に生長する。対生し、広卵形で縁にギザギザがある鋸葉である。生長し開花期が近づくと独特の匂いを放つ。

花期は8-9月[3]、葉腋から集散花序を伸ばし、青紫色で球状のつぼみをつけ、上写真のような花を咲かせる。5枚の花弁は凹形で縁がひだ状になり、上に2枚、下左右へは各1枚ずつ大きく広がり、下側の花弁が舌状になり紋様が入る。花柱雄蘂は花の上に伸び、その先が花の手前に回り込むように垂れる。

ハナバチなどの花粉を媒介する虫が花を訪れると、左右の花弁に脚をかけるようにして留まるが、花に虫の重みが加わると花序が垂れ下がって花が首をもたげるように角度を変え、虫の背中に花粉と柱頭が付いて花粉を付けるとともに受粉する仕掛けになっている。

秋深くになると、萼の中に黒く小さな種子が2-4個ほど結実する。

脚注

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  1. ^ 伊藤元己井鷺裕司『新しい植物分類体系 APGでみる日本の植物』文一総合出版、2018年、xix頁。ISBN 978-4-8299-6530-6 
  2. ^ Tripora divaricata in GRIN
  3. ^ a b c d 林 (2009)、233頁
  4. ^ Cantino, Philip D.; Wagstaff, Steven J.; Olmstead, Richard G. (1998). Caryopteris (Lamiaceae) and the Conflict between Phylogenetic and Pragmatic Considerations in Botanical Nomenclature”. Systematic Botany 23 (3): 369–386. doi:10.2307/2419511. https://www.jstor.org/stable/2419511. 

参考文献

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外部リンク

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