小樽堺町ゆかた風鈴まつり
小樽堺町ゆかた風鈴まつり Otaru Sakaimachi Yukata Furin Festival[1] | |
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メインイベントの一つ「ゆかたコンテスト」(2023年8月6日) | |
旧イベント名 | 堺町ゆかた提灯祭り[2] |
開催時期 | 8月初旬の週末[3] |
初回開催 | 2013年8月13日 - 8月18日[4][5] |
会場 | 北海道小樽市 堺町通り、色内大通り、メルヘン広場[6] |
主催 | 小樽堺町ゆかた風鈴まつり実行委員会[7] |
共催 | 小樽堺町通り商店街振興組合[8] |
後援 | 小樽市、北海道新聞社小樽支社、エフエム小樽放送局、他(第13回)[6] |
協力 | 小樽芸術村、小樽商科大学 翔楽舞、他(第13回)[6] |
最寄駅 | JR北海道 小樽駅、南小樽駅 |
公式サイト |
小樽堺町ゆかた風鈴まつり(おたるさかいまちゆかたふうりんまつり)は、北海道小樽市のイベント。小樽市堺町の商店主たちによる小樽堺町ゆかた風鈴まつり実行委員会の主催により[9]、毎年8月初旬の週末に[3]、小樽市の観光名所である堺町通りで開催される[10]。夏季の堺町通りを歩行者天国として風鈴や風車を飾りつけ、来場者が浴衣姿で楽しむイベントであり[10]、浴衣の着こなしを競う「ゆかたコンテスト」や[10]、撮影スポットとして作られた「風鈴トンネル[11][12]」や「和傘通り[7]」などで人気を集めている。
沿革
[編集]小樽市堺町の夏季のイベントとしては、過去には「堺町ゆかた提灯祭り」があった[13]。堺町通りを歩行者天国として、沿道の店舗を提灯や浮き玉で作った風鈴で飾り、小樽市民や観光客に浴衣姿で散策を楽ませるイベントである[13]。
2012年(平成24年)に、小樽市内の商店街で9番目の振興組合である「小樽堺町通り商店街振興組合」が設立され、この組合の支援のもとで[14]、「堺町ゆかた提灯祭り」を「ガラスの街」として知られる小樽らしい名称と内容に衣替えしる[9]、堺町地区の魅力を発信するイベントとしたものが、「小樽堺町ゆかた風鈴まつり」である[9][10]。
「風鈴で街を彩る」というコンセプトは、若手経営者により発案された[14]。開催にあたって、小樽市の助成を受けることは叶わなかったが、「商店街振興組合を対象とした北海道からの成金がある」との情報をもと、組合が小樽市や北海道の担当者と相談し、事業費の半額助成を2012年度から3年間にわたって受けられる見通しが立ったことで、開催に至った[14]。
新型コロナウイルス感染防止のため、2020年(令和2年)[15]、翌2021年(令和3年)は中止され、2022年(令和4年)には3年ぶりに開催された[12]。
開催内容
[編集]2012年の第1回では、小樽市内のガラス工房の協力のもと、実行委員会のメンバーが手作業で制作した約千個の風鈴が堺町通りを飾った[9]。メルヘン交差点には、クリスマスツリー状の板に風鈴を吊した「風鈴ツリー」が設置された[9]、小樽観光協会による冬季のイベント「ロングクリスマス」用のイルミネーションを借用したもので、堺町通り商店街振興組合が任意団体ではなく正式な組合組織のために、借用に成功した[14]。ツリーには、実行委員会メンバーの1人がデザインしたイベントキャラクター「ふうリン子ちゃん」と「ふうリン坊くん」が飾られ[16]、夜間にはLED照明でライトアップされた[9]。
浴衣の着こなしを競う「ゆかたコンテスト」は、ゆかた提灯祭りの頃から実施されており[13]、ゆかた風鈴まつりのメインイベントである[17]。多くの観客が詰めかける人気イベントであり[7][18]、参加者が百人以上に及んだこともある[19]。
あまとうやルタオなどの小樽市内の製菓店の菓子の早食いを競うイベント「スイーツ早食い対決[8]」も、ゆかた提灯祭りの頃からの恒例である[9][20]。東京や岐阜などの北海道外、さらには香港からの参加者もおり[21]、常連の参加者もいる[11]。2013年(平成25年)には、岐阜市から参加した大学生が優勝した[22]。
2014年(平成26年)開催時には、今年は全国のガラス工房が参加する「全国がらす風鈴コンテスト」が初めて実施された[23]。日本全国300か所のガラス工房に風鈴の製造を依頼して、製作された風鈴を会場に飾り、来場者が気に入った作品に投票するものである[23][24]。2014年には小樽を始め、東京、大阪、沖縄など、日本各地の工房から42人から応募があり[23]、観光客776人に投票の結果、第1位は群馬県藤岡市の工房の夫妻の製作した製品、第2位は富山県朝日町、第3位は長野県安曇野市と、いずれも道外の製品が上位に選ばれた[25]。
2015年(平成27年)と2016年(平成28年)には、このイベントで用いられた風鈴が、同じく小樽の夏のイベントである「小樽がらす市」に提供されて、会場随所に展示され、がらす市を盛り上げた[26][27]。
2017年(平成29年)には、200メートル以上にわたって数千個の風鈴を飾りつけた「風鈴トンネル」が設置され、その後も人気の撮影スポットとなり[11][12]、浴衣姿で記念撮影する来場者の姿も見られるようになった[28]。
2022年(令和4年)には、堺町の人気スポットの一つ「出世前広場」に、「酒い街(さかいまち)通り」をコンセプトとして、百本の和傘を天井から吊るした「和傘通り」が登場した。大学生スタッフがSNSで演出するなど、写真映えスポットを演出し[19]、夜間にはナイトバーが運営された[29]。翌年にも撮影スポットして人気を集めた[7]。
他にも、メルヘン広場でのビアガーデン、おたる潮太鼓保存会による和太鼓の打演[18][30]、小樽商科大学翔楽舞によるYOSAKOIの演舞[7]、ビンゴ大会[31]、寿司の早食い対決[11][32]、小樽市内のローカルアイドルや市内外の学生グループによるストリートライブなど[18][19]、多くのイベントが実施されている。家族連れでイベントを楽しむための的当て、輪投げ、ヨーヨー釣りなどの縁日も行われている[7]。
浴衣姿での来場を促すために、レンタルの浴衣も用意されている他、浴衣姿での来場者はドリンクサービスや買物の割引きなどを受けられる特典も用意されている[3]。2021年(令和3年)には、浴衣姿での来場者を対象として、先着50名に宿泊券や食事券など豪華な景品が当選する抽選会が実施され、初日は開始から2時間ほどで完配する盛況ぶりであった[33]。
2020年のコロナ禍による中止時には、代替として、浴衣姿で堺町通りを散策すると特典などを受けることができるキャンペーン「浴衣でGo To さかいまち」が行われた[15]。2023年(令和5年)には、メルヘン広場以外にも賑わいを出すことを目的として、数台のキッチンカーが配置された[18]。
脚注
[編集]- ^ “小樽堺町ゆかた風鈴まつり (Otaru Sakaimachi Yukata Furin Festival)”. センチュリー21. ハウスバンク (2023年). 2023年8月18日閲覧。
- ^ 西出真一朗「後志観光は今 客数道内第2位 小樽の実力 堺町の危機感 問屋街 レトロな名所に 運河再生機に変貌」『北海道新聞』北海道新聞社、2017年5月23日、樽A朝刊、16面。
- ^ a b c 渡辺佐保子「きょう開幕 浴衣姿で歩こう」『北海道新聞』2018年7月27日、樽A朝刊、16面。
- ^ 志村直「13日から堺町ゆかたまつり 風鈴探しやショーも」『北海道新聞』2013年7月11日、樽A朝刊、30面。
- ^ 斉藤高広「ゆく夏 祭りで惜しむ 自慢の浴衣姿競う 小樽」『北海道新聞』2012年8月19日、樽B朝刊、31面。
- ^ a b c “【開催告知】第13回 小樽堺町ゆかた風鈴まつり”. 小樽堺町通り商店街公式HP (2023年). 2023年5月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月18日閲覧。
- ^ a b c d e f “小樽堺町通り“ゆかた風鈴まつり”で賑わう”. 小樽ジャーナル. 小樽ジャーナル社 (2023年8月5日). 2023年8月18日閲覧。
- ^ a b “小樽堺町ゆかた風鈴まつり! 目白押しのイベント”. 小樽ジャーナル (2013年8月2日). 2023年8月18日閲覧。
- ^ a b c d e f g 斉藤高広「風鈴彩る堺町 浴衣姿で まつり内容一新 14日から1カ月間 ガラス1000個、有志手作り」『北海道新聞』2012年7月12日、樽A朝刊、28面。
- ^ a b c d “浴衣と風鈴で夏の風情彩る「ゆかた風鈴まつり」開催 小樽市”. 札幌テレビ放送 (2023年8月5日). 2023年8月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月18日閲覧。
- ^ a b c d “ゆかた風鈴まつり! 賑わうイベント”. 小樽ジャーナル (2017年8月5日). 2023年8月18日閲覧。
- ^ a b c 谷本雄也「涼しい音色に揺られて 小樽堺町通りで風鈴まつり」『北海道新聞』2022年8月7日、樽B朝刊、17面。
- ^ a b c 斉藤高広「土日は催しざんまい 小樽 堺町ゆかた提灯祭り コンテストにライブ」『北海道新聞』2011年8月4日、樽B朝刊、27面。
- ^ a b c d 米林千晴「トレンド 経済「小樽堺町通り」5カ月目“観光商店街”軌道に 組合加盟数の拡大が鍵」『北海道新聞』2012年8月7日、樽B朝刊、29面。
- ^ a b 宮本夕梨華「小樽堺町通り 浴衣で歩こう 商店街振興組合 16日まで 割引などキャンペーン」『北海道新聞』2020年8月1日、樽A朝刊、14面。
- ^ 斉藤高広「キャラ風鈴完成 祭りきょうから」『北海道新聞』2012年7月14日、樽A朝刊、32面。
- ^ “10回記念 小樽堺町ゆかた風鈴まつり開幕”. 小樽ジャーナル (2019年8月3日). 2023年8月18日閲覧。
- ^ a b c d “小樽堺町“ゆかた風鈴まつり”8/5・6開催”. 小樽ジャーナル (2023年7月20日). 2023年8月18日閲覧。[リンク切れ]
- ^ a b c “小樽堺町通り商店街 3年ぶりのゆかた風鈴まつり”. 小樽ジャーナル (2022年8月6日). 2023年8月18日閲覧。
- ^ 宮本武「ロールケーキ一気に ルタオで早食い競争 高校教諭・兼田さんV 小樽」『北海道新聞』2010年8月17日、夕後夕刊、11面。
- ^ “小樽堺町ゆかた風鈴まつり ファイナルステージ”. 小樽ジャーナル (2013年8月17日). 2023年8月18日閲覧。
- ^ 竹中達哉「小樽で「ゆかた風鈴まつり」早食い甘く!熱く!」『北海道新聞』2013年8月18日、樽B朝刊、31面。
- ^ a b c 志村直「ゆかたの美競う がらす風鈴コン初開催 9、10日 小樽・堺町でまつり」『北海道新聞』2014年8月7日、樽A朝刊、30面。
- ^ 志村直「浴衣に風鈴 粋だねぇ 小樽堺町通り まつり開幕」『北海道新聞』2014年8月10日、央広朝刊、30面。
- ^ 志村直「がらす風鈴コンテスト 群馬の工房1位 小樽」『北海道新聞』2014年8月19日、樽B朝刊、23面。
- ^ “個性きらめく“がらす市”! 市内外から37社出店”. 小樽ジャーナル (2015年7月24日). 2023年8月18日閲覧。
- ^ “多彩なガラス“小樽がらす市”全国38店舗集結”. 小樽ジャーナル (2016年7月5日). 2023年8月18日閲覧。
- ^ 徳留弥生「「風鈴まつり」中止で代替キャンペーン 浴衣散策 堺町に夏の彩り 商店街で特典、風鈴トンネルも」『北海道新聞』2020年8月2日、樽B朝刊、15面。
- ^ “8/6・7開催 第12回小樽堺町ゆかた風鈴まつり”. 小樽ジャーナル (2022年7月26日). 2023年8月18日閲覧。
- ^ “おたる花街サマーフェスタ2019! 北観協”. 小樽ジャーナル (2019年7月17日). 2023年8月18日閲覧。
- ^ 中野訓「粋な浴衣姿 小樽でまつり始まる」『北海道新聞』2015年8月9日、樽B朝刊、27面。
- ^ “堺町通りが賑やかに! ゆかた風鈴まつり”. 小樽ジャーナル. 2023年8月18日閲覧。
- ^ “浴衣でGO! 小樽堺町通りゆかた風鈴まつり”. 小樽ジャーナル (2021年8月7日). 2023年8月18日閲覧。
外部リンク
[編集]- 公式ウェブサイト - 2023年開催分