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ツブラジイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
小椎から転送)
ツブラジイ
ツブラジイ
ツブラジイ
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : 真正バラ類I eurosids I
: ブナ目 Fagales
: ブナ科 Fagaceae
: シイ属 Castanopsis
: ツブラジイ C. cuspidata
学名
Castanopsis cuspidata (Thunb.) Schottky (1912)[1]
シノニム
変種
  • タカサゴジイ C. c. var. carlesii
  • C. c. var. cuspidata
金華山ドライブウェイ途中のツブラジイの金色の花
篠村八幡宮ツブラジイ

ツブラジイ(円椎、学名: Castanopsis cuspidata)は、ブナ科シイ属に属する常緑高木コジイ(小椎)とも呼ばれる[5]

名称

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和名の「シイ」に当てられている漢字「椎」は、スイと読まれるものが転訛したものである[6]。また、シイの語源は、葉に飯を「敷く」「敷き」というのからきたという説もある[6]。「ツブラ」は「円ら」の意味で、果実が円いことからきた呼び名であろうと、植物学者の辻井達一 (1995) が述べている[6]

分布

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日本関東地方南部以西から四国九州)及び朝鮮半島南部に自生している。日本では、シイの中でも南方の地方のほうに多く分布している[7]

形態・生態

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樹皮は灰黒褐色でなめらか、普通は裂け目は出来ない[8]。葉は卵状楕円形でスジダイより質が薄く、裏面は灰褐色をしている[8]。枝も葉も、シイの仲間の中では、比較的小柄である[6]。 開花期は5月から6月。 果実はスダジイよりも短くて丸く[6]、食べることができる[8]。樹高は最大25mに達する。

人間との関わり

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シイの果実は「椎の実」とよばれ、あく抜きしないで、そのまま香ばしく炒って食べることができる[7]。その食味は、スダジイよりもツブラジイのほうが優れていると評されている[7]。食用利用は古く、遺跡からもよく出土している[7]

古くは単に椎(しい)とよばれ、『万葉集』にも歌われている。

  • 家にあれば 笥(け)に盛る飯(いい)を 草枕 旅にしあれば の葉に盛る(有間皇子

岐阜県岐阜市の市の木となっている。

脚注

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  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Castanopsis cuspidata (Thunb.) Schottky ツブラジイ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年9月9日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Pasania cuspidata (Thunb.) Oerst. ツブラジイ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年9月9日閲覧。
  3. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Castanopsis thunberii (Makino) Hatus. ツブラジイ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年9月9日閲覧。
  4. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Castanopsis cuspidata (Thunb.) Schottky f. angustifolia Nakai ツブラジイ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年9月9日閲覧。
  5. ^ 春日山原始林ガイド”. 奈良県. 2021年3月1日閲覧。
  6. ^ a b c d e 辻井達一 1995, p. 109.
  7. ^ a b c d 辻井達一 1995, p. 110.
  8. ^ a b c 金田初代、金田洋一郎(写真)『ひと目でわかる! おいしい「山菜・野草」の見分け方・食べ方』PHP研究所、2010年9月24日、151頁。ISBN 978-4-569-79145-6 

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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