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小林俊行

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小林 俊行
(こばやし としゆき)
生誕 1962年9月
日本の旗 日本 大阪府大阪市
研究機関 東京大学
プリンストン高等研究所
スウェーデン王立科学アカデミー
ハーバード大学
京都大学
ハーバード大学
パリ第6大学
出身校 東京大学
主な受賞歴 日本数学会建部賞1997年
日本数学会春季賞1999年
大阪科学賞2006年
日本学術振興会賞2007年
サックラー・レクチャー(2007年)
フンボルト賞2008年
紫綬褒章2014年
アメリカ数学会フェロー(2017年
プロジェクト:人物伝
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小林 俊行 (こばやし としゆき、1962年9月- )は、日本数学者東京大学教授理学博士1990年)。専門は解析学幾何学表現論、不連続群論等。大阪府大阪市出身。

略歴

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1981年灘高等学校を卒業。高校時代は卓球部。1985年東京大学理学部数学科卒業。1987年東京大学大学院理学系研究科修士課程修了。24歳で東京大学理学部助手になり、4年後、東京大学助教授。1990年理学博士。その後、プリンストン高等研究所スウェーデン王立科学アカデミーハーバード大学京都大学数理解析研究所教授などを経て、2007年より東京大学大学院数理科学研究科教授。1999年パリ第6大学客員教授、2008年ハーバード大学客員教授。2011年2022年東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構主任研究員(兼任)[1][2][3][4]

招待講演

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業績

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工学者からの質問をきっかけとして、積分幾何学の問題に取り組み、領域の変形の立場で、Pompeiu予想(1900年代初頭より未解決の問題)が正しいことを小林が証明したとき、小林はまだ修士の学生であった。さらに領域の特性関数のフーリエ像の零集合の無限遠での漸近挙動から領域の形状を記述するという問題に発展させ、その非線形偏微分方程式を導いた。

正の定曲率を持つ完備なローレンツ多様体は決してコンパクトにはならないが、その一方で基本群は必ず有限群になる。この奇妙な現象はカラビ・マルクス現象と呼ばれるが、小林はこの現象の必要十分条件を示した。これをきっかけとし、リーマン幾何の枠組みを超えた等質空間の不連続群論に小林は世界で最初に本格的に取り組み、その基盤作りを行った。

ユニタリ表現論における分岐則の離散分解可能モデルを提唱し、ユニタリ表現論における離散的分規則の理論を創始した。同理論を非可換調和解析に応用し離散系列表現を構成した。さらに保型形式論に応用しモジュラー多様体における消滅型定理の証明を与えた。

また離散群等質空間にどう作用するかを研究し、そこから非リーマン等質空間における不連続群の変形を研究した (ローレンツ多様体に関するゴールドマン予想を一般化した上で解決を含む) 。

複素多様体における「可視的な作用」という概念を導入し、この新しい幾何学的立場の視点から、無限次元の場合と(組合せ論が絡む)重複度1の表現の統一理論を構築した。

無限次元の根源的な対称性である極小表現をモチーフとし、共形幾何学・シンプレクティック幾何学調和解析微分方程式などに多くの分野にまたがる大域解析学の理論を興した[8][9][10][11][12][13]

受賞歴

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著書

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単著

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  • 『Singular unitary representations and discrete series for indefinite Stiefel manifolds U(p,q;F)/U(p-m,q;F)』、アメリカ数学会、1992年 ISBN 0-8218-2524-0
  • 『岩波講座 現代数学の基礎7』 岩波書店、1999年3月 ISBN 4-00-011007-1
  • 『岩波講座 現代数学の基礎13 Lie群Lie環2』 岩波書店、1999年3月 ISBN 4-00-010647-3

共著

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  • 『岩波講座 現代数学の基礎12 Lie群とLie環1』 岩波書店、1999年3月 ISBN 4-00-010647-3大島利雄との共著)
  • 『リー群と表現論』 岩波書店、2005年4月 ISBN 4-00-006142-9 (同上)
  • 『数学の最先端 21世紀への挑戦 第1巻』 シュプリンガー・ジャパン、2002年7月 ISBN 978-4-431-70962-6グロモフコンツェビッチ等との共著)
  • The Schrodinger model for the minimal representation of the indefinite orthogonal group O(p, q). (2011). アメリカ数学会.(G. Mano との共著)ISBN 978-0-8218-4757-2
  • Symmetry breaking for representations of rank one orthogonal groups. (2015). アメリカ数学会.(B. Speh との共著)ISBN 978-1-4704-1922-6
  • Conformal Symmetry Breaking Operators for Differential Forms on Spheress. Springer. Lecture Notes in Mathematics vol.2170 (2016). ISBN 978-981-10-2656-0
  • Symmetry Breaking for Representations of Rank One Orthogonal Groups II. Springer. Lecture Notes in Mathematics vol.2234 (2018). ISBN 978-981-13-2900-5

出典

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  1. ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p. 407.
  2. ^ 第3回日本学術振興会賞受賞者 "第3回(平成18年度)日本学術振興会賞受賞者及び授賞理由"
  3. ^ 『小林俊行教授がIPMU主任研究員に就任』 https://www.ipmu.jp/en/node/1058f
  4. ^ Newsmakers – Harvard Gazette "HUMBOLDT FOUNDATION ELECTS VISITING PROFESSOR KOBAYASHI"
  5. ^ a b ICM Plenary and Invited Speakers 国際数学者連合公式サイト(英文)
  6. ^ http://www.math.tifr.res.in/sites/default/files/kobayashi.pdf "Branching laws for infinite dimensional representations of real Lie groups Mathematical Panorama Lectures"
  7. ^ The Kemeny Lectures | Mathematics at Dartmouth
  8. ^ 『1999年度日本数学会春季賞受賞者、小林俊行氏の業績』、日本数学会 http://www.mathsoc.jp/ 『数学』 https://mathsoc.jp/publication/sugaku/ 第51巻第4号 pp.422-426
  9. ^ 『第3回(平成18年度)日本学術振興会賞 授賞理由』 https://www.jsps.go.jp/jsps-prize/data/ichiran/3rd_JSPSprize_reason_jp.pdf
  10. ^ 『小林俊行氏の大阪科学賞および日本学術振興会賞受賞によせて』 日本数学会季刊誌『数学通信』第11巻第4号
  11. ^ 『小林俊行氏のフンボルト賞受賞によせて』 日本数学会季刊誌『数学通信』第13巻第3号
  12. ^ 『新理論を創始する』(日経BP書店 「リガクル02」 2010)
  13. ^ 『無重複表現と可視的作用』, 日本数学会 『数学』第74巻第3号
  14. ^ 小林俊行 数理解析研究所教授が第24回大阪科学賞を受賞 https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/archive/prev/profile/intro/honor/award_b/other/2006/061120
  15. ^ 平成26年春の褒章受章者 東京都” (PDF). 内閣府. p. 2 (2014年4月29日). 2014年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月11日閲覧。
  16. ^ http://www.ipmu.jp/ja/20161101-AMS-Kobayashi
  17. ^ 『小林俊行先生へのランス大学名誉博士号授与に寄せて』 日本数学会季刊誌『数学通信』第27巻第3号 https://www.mathsoc.jp/assets/file/publications/tushin/2703/kobayashi-oshima.pdf

関連項目

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外部リンク

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