宮川将
楽天時代 (2018年、ロッテ浦和球場にて) | |
基本情報 | |
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国籍 | 日本 |
出身地 | 大阪府泉南市 |
生年月日 | 1990年10月19日(34歳) |
身長 体重 |
184 cm 87 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投右打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | 2012年 育成選手ドラフト1位 |
初出場 | 2013年6月5日 |
最終出場 | 2016年8月13日 |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
選手歴 | |
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コーチ歴 | |
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この表について
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宮川 将(みやがわ しょう、1990年10月19日 - )は、大阪府泉南市出身の元プロ野球選手(投手)。右投右打。
経歴
[編集]プロ入り前
[編集]小学校2年生から野球を始めると、大体大附中学校では準硬式野球部に所属。大体大浪商高校時代は「大阪No1ピッチャー」と評されるも、春夏とも阪神甲子園球場の全国大会に出場できなかったため、プロ志望届を日本学生野球協会へ提出せず[1]大阪体育大学へ進学した。
大阪体育大学では、1年次の阪神大学野球春季リーグ戦で開幕投手に抜擢されると、ベストナインを獲得[2]。1年次の秋に右肘を痛めてからは、同期の松葉貴大と並んで、エースとして活躍した[2]。リーグ戦では、通算29勝9敗、防御率2.00、274奪三振を記録。リーグMVPを3回、最優秀投手賞を1回受賞している。
2012年のNPB育成ドラフト会議で、東北楽天ゴールデンイーグルスから1巡目で指名。支度金300万円、年俸240万円(金額は推定)という条件で、育成選手として契約した[3]。背番号は「121」。なお、ドラフト会議の直前からTBSテレビ制作の『ドラフト緊急生特番!お母さんありがとう』の取材クルーが宮川に密着。同番組への出演中に指名を受けた。
楽天時代
[編集]2013年、イースタン・リーグの公式戦で、主に中継ぎとして、6月までに3勝0敗、防御率2.89を記録した[4]。6月2日に支配下選手契約へ移行すると[5]ともに、背番号を90へ変更[5]。さらに、同日の出場選手登録[6]を経て、6月5日の対東京ヤクルトスワローズ戦(明治神宮野球場)に救援投手として一軍デビューを果たした[6]。8月4日の対北海道日本ハムファイターズ戦(札幌ドーム)では、先発の戸村健次が4回3失点で降板したにもかかわらず、打線が5回表にNPB新記録の1イニング7二塁打で7点を挙げて逆転。5回裏から2番手で登板した宮川は、残りの3イニングを5安打1失点で凌ぐと、一軍でのプロ初勝利を記録するとともにチームの7連勝(球団タイ記録)に貢献した。育成選手としてNPBの球団へ入団した投手が、1年目に一軍公式戦で勝利投手になった事例は初めてであった[7][8][9][10]。8月27日の対オリックス・バファローズ戦(京セラドーム大阪)では、2番手で登板すると、大学時代にエースの座を争った松葉との投げ合いが初めて実現した[11]。9月23日の対日本ハム戦(札幌ドーム)で一軍初先発を果たすと、7回を1安打無失点に抑えて2勝目を挙げた[12]。一軍公式戦全体では、17試合の登板で2勝0敗1ホールド、防御率2.45をマーク。レギュラーシーズン終盤の10月19日には、TBSテレビで放送の『バース・デイ』で、プロ入りまでの半生が改めて紹介された。
巨人との対戦になった日本シリーズへの出場資格者名簿にも登録され[13]、第4戦(10月30日・東京ドーム)の4回裏に、2番手投手としてポストシーズン初登板を果たした。しかし、先頭打者からの2連続四球と長野久義の適時打で1点を失い、4人目の打者・寺内崇幸に対する頭部付近への死球で日本シリーズ史上3人目(球審からの危険球宣告では2人目)の退場処分を受けた[14]。日本シリーズで登板できたのはこの試合だけで、1アウトも取れなかったため、シリーズでの防御率は記録上無限大になっている。
チームの日本シリーズ初制覇によって進出した台湾でのアジアシリーズでは、地元の統一セブンイレブン・ライオンズ(中華職業棒球大聯盟での優勝チーム)と対戦した11月19日の準決勝に先発。しかし、2回途中3失点という内容で敗戦投手になり、チームも決勝進出を逃した[15]。
2014年、オープン戦で出遅れた影響で、5月20日にシーズン初の出場選出登録。登録後の一軍公式戦には、主にロングリリーフで起用された。7月2日の対オリックス戦からは、先発陣の一角に定着。一軍公式戦では、前年と同じ17試合の登板で、3勝1敗1ホールド、防御率4.29という成績を残した。しかし、右肘頭の疲労骨折が判明したことから、レギュラーシーズン終了後の10月15日に骨の移植手術を行った[16]。その影響で、手術後の10月28日には、球団から支配下選手契約の解除を通告[17]。11月10日には、再び育成選手契約を結ぶとともに、背番号も入団時の121に戻した[18]。
2015年、前年の手術からのリハビリへ専念したことに加えて、夏場に右肘のクリーニング手術を受けた[19]。二軍でも実戦登板の機会がなく、支配下登録選手への復帰も見送られた。
2016年、二軍救援陣の柱として、イースタン・リーグ公式戦17試合に登板すると、防御率2.95をマーク。7月17日には、支配下登録選手へ復帰するとともに、背番号を再び90に変更した[20]。7月18日には、自身2シーズン振りの出場選手登録を経て、対日本ハム戦(札幌ドーム)への救援登板で一軍公式戦への復帰を果たした[21]。
2017年、イースタン・リーグ公式戦12試合の登板で、2勝3敗、防御率3.91を記録した。しかし、一軍公式戦への登板機会がなく、シーズン終了後には三たび育成選手契約を締結。背番号も121に戻った[22]。
2018年、イースタン・リーグ公式戦6試合に登板したが、勝敗は付かず、防御率は10.80にまで達した。支配下登録選手への復帰や一軍公式戦への登板に至らないまま、10月1日に球団から戦力外通告を受けた[23]。10月31日付でNPBから自由契約選手として公示された[24]が、育成選手契約関連の規約に沿った過去の公示と違って、球団は宮川との再契約に至らなかった。11月13日に12球団合同トライアウト(タマホームスタジアム筑後)へ参加。シートバッティング方式で3人の打者と対戦したところ、最速148km/hのストレートで三者凡退に抑えた[25]。
BCリーグ・武蔵(埼玉)時代
[編集]※チームの略称は2019年までが「武蔵」、2020年以降は「埼玉」。
2018年12月7日に、埼玉武蔵ヒートベアーズが、投手コーチとの兼務扱いで宮川と契約したことを発表した[26]。背番号は「18」。
2シーズン在籍し、2020年シーズン終了後の11月16日に埼玉武蔵ヒートベアーズを退団することが発表された[27]。
引退後
[編集]2021年1月31日、古巣である東北楽天ゴールデンイーグルスの打撃投手に就任した[28]。
選手としての特徴
[編集]ストレートと変化球はカーブと2種類のスライダーが武器の本格派右腕[29]。制球力に課題を残す[30]。
楽天への入団後は、2度にわたる右肘の手術や投球フォームの改造によって、ストレートの最高球速が147km/hから151km/hにまで向上。ストレートで常時140km/h台の後半を計測するようになった[20]。
詳細情報
[編集]年度別投手成績
[編集]年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2013 | 楽天 | 17 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | 177 | 40.1 | 41 | 5 | 21 | 0 | 0 | 33 | 2 | 0 | 11 | 11 | 2.45 | 1.54 |
2014 | 17 | 4 | 0 | 0 | 0 | 3 | 1 | 0 | 0 | .750 | 183 | 42.0 | 44 | 5 | 17 | 0 | 3 | 32 | 2 | 0 | 23 | 20 | 4.29 | 1.45 | |
2016 | 9 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | ---- | 35 | 9.2 | 5 | 0 | 3 | 0 | 1 | 9 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.93 | 0.83 | |
通算:3年 | 43 | 6 | 0 | 0 | 0 | 5 | 1 | 0 | 1 | .833 | 395 | 92.0 | 90 | 10 | 41 | 0 | 4 | 74 | 4 | 0 | 35 | 32 | 3.13 | 1.42 |
- 2019年度シーズン終了時
記録
[編集]- 初登板:2013年6月5日、対東京ヤクルトスワローズ3回戦(明治神宮野球場)[6]、7回裏に5番手で救援登板、2回無失点[31]
- 初奪三振:同上、7回裏に飯原誉士から空振り三振
- 初勝利:2013年8月4日、対北海道日本ハムファイターズ14回戦(札幌ドーム)[32]、5回裏に2番手で救援登板、3回1失点[33]
- 初先発・初先発勝利:2013年9月23日、対北海道日本ハムファイターズ22回戦(札幌ドーム)[12]、7回無失点(被安打1)[34]
- 初ホールド:2016年7月23日、対千葉ロッテマリーンズ12回戦(楽天Koboスタジアム宮城)、11回表に5番手で救援登板、1回無失点
独立リーグでの投手成績
[編集]年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2019 | 武蔵 埼玉 |
21 | 18 | 2 | 0 | 0 | 10 | 3 | 0 | - | .769 | 496 | 124.0 | 98 | 3 | 40 | - | 6 | 101 | 3 | 1 | 30 | 30 | 2.18 | 1.11 |
2020 | 28 | 3 | 0 | 0 | 0 | 3 | 1 | 4 | - | .750 | 167 | 39.0 | 31 | 2 | 29 | - | 2 | 29 | 1 | 0 | 10 | 8 | 1.85 | 1.28 | |
通算:2年 | 49 | 21 | 2 | 0 | 0 | 13 | 4 | 4 | - | .765 | 663 | 163.0 | 129 | 5 | 69 | - | 8 | 130 | 4 | 1 | 40 | 38 | 2.10 | 1.21 |
- 2020年度シーズン終了時
背番号
[編集]- 121 (2013年 - 同年6月1日[5]、2015年 - 2016年7月16日、2018年)
- 90 (2013年6月2日[5] - 2014年、2016年7月17日 - 2017年)
- 18 (2019年 - 2020年)
登場曲
[編集]- 「ultra soul」B'z(2013年 - )[35]
脚注
[編集]- ^ “マウンドに立つ背番号「90」と「70」。楽天・宮川、ヤクルト・八木の再出発。”. Number Web. 文藝春秋. p. 1 (2013年6月19日). 2013年7月2日閲覧。
- ^ a b “マウンドに立つ背番号「90」と「70」。楽天・宮川、ヤクルト・八木の再出発。”. Number Web. 文藝春秋. p. 2 (2013年6月19日). 2013年7月2日閲覧。
- ^ “育成1位宮川と契約”. nikkansports.com. (2012年11月20日) 2012年11月20日閲覧。
- ^ “育成の宮川が支配下へ背番号90”. nikkansports.com. (2013年6月2日) 2013年6月2日閲覧。
- ^ a b c d “【宮川将選手】支配下登録に関して”. 東北楽天ゴールデンイーグルス (2013年6月2日). 2013年6月2日閲覧。
- ^ a b c “宮川1軍デビューは2回無失点”. nikkansports.com. (2013年6月5日) 2013年8月6日閲覧。
- ^ 記録ラッシュの楽天 11二塁打はプロ野球タイ 4連続はリーグタイスポーツニッポン2013年8月4日配信
- ^ 7連勝の楽天 最短9日にマジック39点灯スポーツニッポン2013年8月5日配信
- ^ 楽天 記録ずくめ!球団タイ7連勝、プロ野球新1イニング7二塁打スポーツニッポン2013年8月4日配信
- ^ 育成出身ルーキー宮川がプロ初勝利 ウイニングボールは最愛の父へスポーツニッポン2013年8月4日配信
- ^ 東北楽天ひと休み 新人左腕に打線沈黙 連勝「3」で止まる河北新報「羽ばたけイーグルス」2013年8月28日配信
- ^ a b 楽天4連勝でM3!育成ドラ1宮川、プロ初先発で7回1安打零封スポーツニッポン2013年9月23日配信
- ^ 楽天VS巨人 日本シリーズ出場資格者を発表スポーツニッポン2013年10月24日配信
- ^ 宮川 危険球で退場…日本シリーズでは多田野以来2人目スポーツニッポン2013年10月30日配信
- ^ 宮川2回途中でKO「悔しい」/アジアシリーズ日刊スポーツ2013年11月19日配信
- ^ “楽天宮川が右肘手術 育成選手でリハビリ”. nikkansports.com (2014年10月18日). 2015年3月17日閲覧。
- ^ 来季の支配下選手契約に関して平成26年10月28日 東北楽天ゴールデンイーグルス・オフィシャルサイト
- ^ 来季の育成選手契約に関して平成26年11月10日 東北楽天ゴールデンイーグルス・オフィシャルサイト
- ^ “楽天が育成の宮川将を支配下選手登録 右肘手術から復活”. デイリースポーツ (2016年7月17日). 2016年7月19日閲覧。
- ^ a b “楽天、育成の宮川将を支配下登録、背番90”. nikkansports.com (2016年7月17日). 2016年7月19日閲覧。
- ^ “楽天宮川、育成から復帰マウンド2年ぶり1軍で0封”. nikkansports.com (2016年7月18日). 2016年7月19日閲覧。
- ^ “【楽天】久保裕也投手ら4選手と育成契約”. スポーツ報知 (2017年11月17日). 2018年11月19日閲覧。
- ^ “楽天が元G小山、育成の横山、宮川、入野、匠、向谷の計6選手に戦力外通告”. FullCount (2018年10月1日). 2018年11月19日閲覧。
- ^ “自由契約選手(育成選手)|2018年度公示”. NPB.jp 日本野球機構 (2018年10月31日). 2018年11月10日閲覧。
- ^ “48人が参加 プロ野球合同トライアウト/詳細”. 日刊スポーツ (2018年11月13日). 2018年11月16日閲覧。
- ^ “投手兼任投手コーチ就任のお知らせ”. 埼玉武蔵ヒートベアーズ (2018年12月7日). 2018年12月8日閲覧。
- ^ 退団選手のお知らせ (PDF文書) - 埼玉武蔵ヒートベアーズ(2020年11月16日
- ^ “スタッフ契約に関して”. 東北楽天ゴールデンイーグルス (2021年1月31日). 2021年1月31日閲覧。
- ^ 週刊ベースボール2013年10月28日号 P128
- ^ “大体大・宮川 同期ドラフト候補にメラメラ「自分が抜かれた形なので」”. Sponichi Annex. (2012年1月1日) 2012年11月20日閲覧。
- ^ “2013年7月28日 楽天 対 千葉ロッテ 成績詳細”. 東北楽天ゴールデンイーグルス (2013年7月28日). 2013年8月6日閲覧。
- ^ “宮川、球団初の育成出身白星飾った!”. スポーツ報知. (2013年8月4日) 2013年8月6日閲覧。
- ^ “2013年8月4日 北海道日本ハム 対 楽天 成績詳細”. 東北楽天ゴールデンイーグルス (2013年8月4日). 2013年8月6日閲覧。
- ^ “2013年9月23日 北海道日本ハム 対 楽天 成績詳細”. 東北楽天ゴールデンイーグルス (2013年9月23日). 2013年9月23日閲覧。
- ^ “2013シーズン 楽天イーグルス 選手登場曲リスト”. 東北楽天ゴールデンイーグルス. 2015年9月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年8月6日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 個人年度別成績 宮川将 - NPB.jp 日本野球機構