宮城県道218号大島浪板線
一般県道 | |
---|---|
宮城県道218号大島浪板線 | |
実延長 | 29,549.0m |
起点 | 気仙沼市大島外浜 |
終点 | 気仙沼市東八幡前 |
接続する 主な道路 (記法) |
宮城県道26号気仙沼唐桑線 三陸沿岸道路(気仙沼道路) 国道45号 |
■テンプレート(■ノート ■使い方) ■PJ道路 |
宮城県道218号大島浪板線(みやぎけんどう218ごう おおしまなみいたせん)は、日本の東北地方の気仙沼市域を通る、宮城県の一般県道である。
2019年3月29日に廃止された宮城県道208号大島線は、当路線に組み入れられている。
概要
[編集]気仙沼市の離島大島と気仙沼市東部を結ぶ路線である。気仙沼大島大橋(愛称:鶴亀大橋)の架橋工事が進められ、2019年(平成31年)4月7日に開通[1]。
橋の開通に先立ち、同年3月29日付で大島を網羅していた県道208号大島線が廃止され、当路線に組み入れられた[2]。
路線データ
[編集]2021年(令和3年)3月30日、気仙沼市磯草地内の760mが開通したことにより全線開通となった[4]。
気仙沼大島大橋
[編集]気仙沼大島大橋 (鶴亀大橋) | |
---|---|
(大島側から撮影) | |
基本情報 | |
国 | 日本 |
所在地 | 気仙沼市 |
交差物件 | 大島瀬戸 |
用途 | 道路橋、電気・水道 |
路線名 | 宮城県道218号大島浪板線 |
設計者 | 大日本コンサルタント[5] |
施工者 | JFE・橋本店・東日本建設工事共同体企業 |
着工 | 2013年(平成25年)9月5日 |
竣工 | 2017年(平成29年)3月21日 |
開通 | 2019年(平成31年)4月7日 |
座標 | 北緯38度52分43.2秒 東経141度36分22.3秒 / 北緯38.878667度 東経141.606194度座標: 北緯38度52分43.2秒 東経141度36分22.3秒 / 北緯38.878667度 東経141.606194度 |
構造諸元 | |
形式 | 鋼中路式アーチ橋 |
全長 | 356.000 m |
幅 | 9.5 m |
桁下高 | 32 m以上 |
最大支間長 | 297 m |
関連項目 | |
橋の一覧 - 各国の橋 - 橋の形式 |
気仙沼大島大橋(けせんぬま おおしま おおはし)は、宮城県気仙沼市の本土と離島である大島とを結ぶ道路橋である[6]。愛称は鶴亀大橋。東北初の「離島に架かる橋」[7]。全長356m[7]。最大支間長は東日本で最長の297m[8]。
1967年(昭和42年)以来、大島への架橋は50年以上も望んで叶えられなかった悲願であったが[7]、2011年(平成23年)3月中旬に東日本大震災が発生すると、日本に、とりわけ東北地方の太平洋側3県(“被災3県”)を中心とした地域に災害復旧復興の機運が湧き上がるなか、大規模被災時の孤立化が避けられない大島[7]の置かれた状況も大きく変化し、「復興のシンボル」として宮城県を主体とした整備事業が推し進められる運びとなり[6][7]、大震災からおよそ8年後、橋本体の着工からは約4.5年後の2019年(平成31年)4月7日に開通した[9][6]。架橋事業の費用は、橋単体で約60億円[9]、総事業費は約270億円であった[9]。
橋の歴史
[編集]2011年(平成23年)10月20日に宮城県庁で開催された第1回県道大島浪板線大島架橋設計検討委員会で、橋梁形式を中路アーチ橋にすることが決定された[10]。2012年(平成24年)4月に用地買収が始まり[11]、2013年(平成25年)1月23日に大島架橋事業起工式が[12]、2014年(平成26年)11月15日に橋梁本体の起工式が行われた[13]。また、本体工事起工式では施設の名称と愛称名が発表された[13]。
- 一般県道大島浪板線 - 愛称:気仙沼大島龍宮海道(けせんぬま おおしま りゅうぐうかいどう)
- 大島架橋 - 気仙沼大島大橋(けせんぬま おおしま おおはし)、愛称:鶴亀大橋(つるかめ おおはし)
- 二ノ浜1号トンネル - 浦島1号トンネル
- 二ノ浜2号トンネル - 浦島2号トンネル
- 磯草3号トンネル - 乙姫1号トンネル
- 磯草4号トンネル - 乙姫2号トンネル
- 磯草5号トンネル - 乙姫3号トンネル
2017年(平成29年)3月29日12時30分、気仙沼大島大橋の架設が完了[14]、10月17日に本体工事が終了した[15]。2019年(平成31年)1月4日、宮城県から同年4月7日15時に供用開始することが発表された[9]。
なお、それまで大島の暮らしを本土と繋いできた大島航路(気仙沼港と大島の間を運航する一般旅客船定期航路で、大島汽船が運営してきた)は、大橋の開通に合わせて、開通日の気仙沼港発19:00の最終便をもって1906年(明治39年)以来110年以上に亘る定期航路の歴史に幕を下ろした[16][17][18]。
橋の年表
[編集]- 1917年(大正6年) - 架橋を切望する内容の島甚句(島節)「島と唐桑にそり橋かけて 渡りたいぞや今(もしくは 只)一度」は、もっと前からあったと見られるが[18]、『大島村誌』が編纂されたこの年に初めて記録された[18]。「唐桑」は本土にある唐桑半島のことで、島民が昔から架橋を望んでいたことが窺い知れる[18]。架橋の悲願は「1967年以来」と称されることが多いが、それはあくまで事業が具体化してからの話である。
- 1967年(昭和42年) - 宮城県勢発展計画に大橋の架橋事業が盛り込まれる[19]。
- 1987年(昭和62年)4月 - 気仙沼大島大橋架橋促進期成同盟会の結成[19]。
- 1993年(平成5年) - 基本ルートの決定[19]。
- 2008年(平成20年) - 架橋ルートの提示[19]。
- 2010年(平成22年)9月 - 村井嘉浩宮城県知事が、2011年度の事業着手を表明する[19]。
- 2011年(平成23年)
- 2012年(平成24年)4月 - 用地買収の開始[11]。
- 2013年(平成25年)1月23日 - 架橋事業の起工[12]。
- 2014年(平成26年)11月15日 - 橋梁本体の着工[13]。
- 2015年(平成27年)7月22日 - 大橋の開通に合わせて大島航路(気仙沼港・大島間の一般旅客船定期航路)が廃止されることが発表される[17]。
- 2017年(平成29年)
- 2018年(平成30年)7月 - 高欄(手摺)・袂(たもと)・桁内部などへの照明の設置工事が完了[21]。
- 2019年(平成31年)
通過する自治体
[編集]交差する道路
[編集]- 宮城県道26号気仙沼唐桑線(気仙沼市浪板)
- E45 三陸沿岸道路(気仙沼道路)
脚注
[編集]- ^ a b “気仙沼大島大橋の開通について”. 宮城県 (2019年1月4日). 2019年1月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年1月5日閲覧。
- ^ 平成31年3月29日宮城県告示 第304号「県道の路線廃止」、第305号「県道の区域決定」 (PDF) 『宮城県公報』第3046号
- ^ “令和2年度 みやぎの道路” (PDF). 宮城県土木部. p. 43. 2022年1月5日閲覧。
- ^ “県道大島浪板線 30日全通 2年遅れで事業完了 気仙沼”. 河北新報. (2021年3月28日) 2021年4月2日閲覧。
- ^ “気仙沼大島大橋”. 大日本コンサルタント. 2019年1月12日閲覧。
- ^ a b c d “『大島かけはし 第43号』、大橋架橋事業の歩み、ほか” (PDF). 公式ウェブサイト. 宮城県、気仙沼市 (2019年1月7日). 2019年4月23日閲覧。
- ^ a b c d e f “「気仙沼大島大橋」が開通 開通は50年以上前からの悲願”. FNN PRIME(公式ウェブサイト). フジニュースネットワーク (FNN) (2019年4月8日). 2019年4月23日閲覧。
- ^ “<回顧17みやぎ>(14完)気仙沼大島大橋/祝賀機運 行政水差す”. 河北新報 (河北新報社). (2017年12月29日) 2019年1月12日閲覧。[リンク切れ]
- ^ a b c d “気仙沼大島大橋の供用開始について” (PDF). 宮城県 (2019年1月4日). 2019年1月12日閲覧。
- ^ “大島かけはし 第21号” (PDF). 宮城県、気仙沼市 (2011年11月4日). 2019年1月12日閲覧。
- ^ a b “大島かけはし 第24号” (PDF). 宮城県、気仙沼市 (2012年6月1日). 2019年1月12日閲覧。
- ^ a b “大島かけはし 第26号” (PDF). 宮城県、気仙沼市 (2013年1月29日). 2019年1月12日閲覧。
- ^ a b c “大島かけはし 第32号” (PDF). 宮城県、気仙沼市 (2014年11月28日). 2019年1月12日閲覧。
- ^ a b “大島かけはし 第40号” (PDF). 宮城県、気仙沼市 (2017年3月31日). 2019年1月12日閲覧。
- ^ a b “大島かけはし 第41号” (PDF). 宮城県、気仙沼市 (2017年12月4日). 2019年1月12日閲覧。
- ^ a b “定期航路の歴史に幕”. 公式ウェブサイト. 大島汽船株式会社 (2019年4月). 2019年4月23日閲覧。
- ^ a b c “離島復興支えた大島旅客航路18年度に廃止”. 河北新報 (河北新報社). (2015年7月23日). オリジナルの2015年7月29日時点におけるアーカイブ。 2016年11月28日閲覧。
- ^ a b c d “<気仙沼大島大橋>4月7日開通、島民に期待と寂しさと 船での帰省は今年で最後に”. 河北新報 (河北新報社). (2019年1月1日) 2019年1月12日閲覧。
- ^ a b c d e f “<気仙沼大島大橋>開通日発表に住民歓喜「夢が現実に」”. 河北新報 (河北新報社). (2019年1月5日) 2019年1月12日閲覧。
- ^ “東日本大震災の被害状況”. 平成24年版 防災白書. 内閣府. 2017年9月14日閲覧。
- ^ “大島かけはし 第42号” (PDF). 宮城県、気仙沼市 (2018年8月31日). 2019年1月12日閲覧。