石廊崎
石廊崎 | |
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石廊崎 | |
場所 |
日本 静岡県賀茂郡南伊豆町 |
座標 | 北緯34度36分08秒 東経138度50分47秒 / 北緯34.6021度 東経138.8464度座標: 北緯34度36分08秒 東経138度50分47秒 / 北緯34.6021度 東経138.8464度 |
沖合水域 | 太平洋(駿河湾・相模灘) |
石廊崎(いろうざき)は、静岡県伊豆半島最南端の賀茂郡南伊豆町にある岬である。荒々しい海岸の景色で観光地になっている。
概要
[編集]太平洋に突き出たこの岬より西は駿河湾および広義の遠州灘、東は相模灘である。また、太平洋とフィリピン海の境界でもあり、相模灘側が太平洋、駿河湾側がフィリピン海である。岬の先端付近には石廊埼灯台、その先には石室神社、最突端には熊野神社の祠(ほこら)がある。一帯の地質は、海底火山が噴出した溶岩流で[1]、約700万年前の浅海底に噴出したもの[2]。
1950年代から1960年代にかけては「新婚旅行のメッカ」と呼ばれ、1994年(平成6年)時点でも年間100万人の来遊客があったが、2019年(平成31年/令和元年)時点では観光客数は1994年時点の10分の1以下に下落していたと見られる[3]。1969年(昭和44年)から石廊崎ジャングルパークという熱帯植物園があったが、海外旅行の一般化や長期化した不況、伊豆観光の低迷などの影響を受けて入園者数が減少しており[4]、2003年(平成15年)9月30日限りで閉園した[5]。閉園後も跡地は長年放置されていたが、後に南伊豆町が敷地内の廃墟を解体した上で再開発を行い[6]、ジャングルパーク閉園から15年6か月後の2019年(平成31年)4月1日に「石廊崎オーシャンパーク」として再オープンさせた[3]。これに伴い、奥石廊崎の愛逢岬(後述)にあったジオパーク・ビジターセンターをオーシャンパーク内の休憩棟に移転している[7]。
気候
[編集]冬は温暖な気候で、気温が氷点下になることはめったにない。雪も年に1度降るかどうかなほど。夏の気温は他のところと比べると低く、静岡、網代(熱海市)のように35℃を超えることはない。石廊崎測候所が気象観測を続けてきたが、2003年10月に無人化された。
石廊崎(1981 - 2010年)の気候 |
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周辺
[編集]石廊崎の東方にある石廊崎港は釣り場としても知られており、遊覧船などの発着地点にもなっている。石廊崎港から出港している遊覧船「伊豆クルーズ」は、風向きによって西方の奥石廊崎(ヒリゾ浜近くなど)を周るコースと、石廊崎港より東方にある蓑掛島(座標)を周るコースのどちらかを運行する[9]。
奥石廊崎
[編集]石廊崎の西方に広がる伊豆半島の海岸線は奥石廊崎[10]、または奥石廊と呼ばれる[11]。奥石廊は2012年(平成24年)から約数百年前、海底火山の噴出によって誕生した複雑な海岸線や、陸上火山が生み出した高原が存在する[11]。その一帯は富士箱根伊豆国立公園や名勝「伊豆西南海岸」として指定されており[11]、半島南端の景勝地として知られている[12]。
奥石廊の一帯を走る県道下田石廊松崎線沿線には2019年(令和元年)12月時点で、約300本のココスヤシの木が立ち並んでいる[13]。これらのヤシの木は静岡県グリーンバンクが温暖な南伊豆のイメージアップを図るため、1979年(昭和54年)に植樹したもので[14]、一帯は冬になると激しい西風が吹くことから、風と塩害からヤシの葉を守るため、毎年12月にこも巻き作業を行い[13]、翌年3月初旬にこもを外している[15]。かつては後述の「愛逢岬」(座標)に近接するバス停が「奥石廊崎」(座標)という名称だったが[16]、このバス停は後に「愛逢岬」に改称した[17]。
奥石廊の主な観光地としては、波勝崎や駿河湾を眺望できる名勝地「愛逢岬」や[18]、日本有数のユウスゲ(ユリ科ワスレグサ属の多年草)の群生地である「ユウスゲ公園」(座標)[19]、そして愛逢岬から見下ろせる「ヒリゾ浜」(座標)がある[18]。ヒリゾ浜は夏に中木港(座標)から運航される渡船でしか行けない海岸で、海水の透明度の高さ、生息している魚の種類の多様さなどの理由から、シュノーケリング・ダイビングの名所となっている[20]。
愛逢岬には2012年(平成24年)7月14日、伊豆半島ジオパーク構想と連携した伊豆地区初のジオパークビジターセンターが開設されたが[11]、2019年4月1日に石廊崎オーシャンパークが開園したことに伴い、ビジターセンターはオーシャンパーク内に移転した[7]。
交通
[編集]東海バスが「下田駅」バス停(座標、伊豆急行線の伊豆急下田駅前)から「石廊崎オーシャンパーク」(座標)もしくは「石廊崎港」(座標)行きの路線バスを運行している[21]。かつては伊豆急下田駅から伊豆急行線を石廊崎まで延伸する構想があったが、その構想は実現していない[22]。
ギャラリー
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石廊崎の先端
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石廊崎から東北東を望む
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石廊崎漁港
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石廊崎オーシャンパーク
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ヒリゾ浜と大根島
脚注
[編集]- ^ 出典(地質): 石廊崎・石室神社 - 伊豆半島ジオパーク、2017年3月閲覧
- ^ 出典 : 石廊崎安山岩: 中新世の小型海底火山(1983年) - 荒牧重雄ら、2017年3月閲覧
- ^ a b 『伊豆新聞』2019年4月1日下田版1頁「自然公園きょうオープン 南伊豆町が石廊崎オーシャンパーク 半島最南端が復活」(伊豆新聞本社)
- ^ 『静岡新聞』2003年9月27日朝刊19頁「ジャングルパークの跡地利用へ 町と企業、検討進む―南伊豆 今月末に閉園、駐車場と園路を賃貸」(静岡新聞社)
- ^ 『静岡新聞』2003年7月4日朝刊1頁「「石廊崎ジャングルパーク」が9月末に閉園 伊豆の観光けん引30年」(静岡新聞社)
- ^ 「南伊豆の夏を満喫しよう 南伊豆の夏を満喫しよう! ~町内夏季イベント情報 ~町内夏季イベント情報~」(PDF)『広報みなみいず』第6004号、南伊豆町、2020年10月1日、6頁、2023年12月31日閲覧。 - 2020年10月号。
- ^ a b 『伊豆新聞』2018年4月27日下田版3頁「ジオセンター、石廊崎へ 来年4月オーシャンパーク内―南伊豆」(伊豆新聞本社)
- ^ “気象庁|過去の気象データ検索”. 2014年9月7日閲覧。
- ^ 『伊豆新聞』2011年2月1日伊東版1頁「伊豆ジオパーク 世界認定を目指して(10)=第1部・主なジオサイト 伊豆最南端の得意な海岸美 石廊崎・池の原 (南伊豆エリア)」(伊豆新聞本社)
- ^ “奥石廊崎”. 南伊豆町ホームページ. 南伊豆町 (2002年4月25日). 2023年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月31日閲覧。
- ^ a b c d 『伊豆新聞』2012年7月7日下田版1頁「奥石廊にジオ拠点―伊豆初のビジターセンター、14日開設」(伊豆新聞本社)
- ^ 『伊豆新聞』2012年7月15日下田版1頁「伊豆初のジオ案内所を奥石廊に開設、ツアー窓口も―南伊豆」(伊豆新聞本社)
- ^ a b 『伊豆新聞』2019年12月5日下田版1頁「ヤシの木“冬支度”47本をこも巻き 南伊豆、石廊崎の県道沿い」(伊豆新聞本社)
- ^ 『静岡新聞』1989年12月19日朝刊18頁「“南国”南伊豆町でココスヤシ(ヤシ)のこも掛け作業」(静岡新聞社)
- ^ 『伊豆新聞』2023年12月6日下田版1頁「ココスヤシ“冬支度” 47本に身守るこも掛け―南伊豆奥石廊」(伊豆新聞本社)
- ^ 『ゼンリン住宅地図2000 静岡県 賀茂郡 南伊豆町』2000年2月、ゼンリン東海、52頁E-5「入間1839-1 あいあい岬」「奥石廊崎〔バス停〕」
- ^ 『ゼンリン住宅地図 200206 静岡県 賀茂郡 南伊豆町』2002年6月、ゼンリン東海、52頁E-5「入間1839-1 あいあい岬」「愛逢岬〔バス停〕」
- ^ a b 『伊豆新聞』2012年7月12日下田版3頁「記者コラム=奥石廊にジオビジターセンター」(伊豆新聞本社)
- ^ 『静岡新聞』1999年7月7日朝刊17頁「夏の夕を彩る、かれんな花 ユウスゲ花壇が満開に―南伊豆」(静岡新聞社)
- ^ 「南伊豆・ヒリゾ浜で海開き 異例の「梅雨明け後」海開き」『沼津経済新聞』みんなの経済新聞ネットワーク、2022年7月1日。オリジナルの2023年6月18日時点におけるアーカイブ。2023年6月18日閲覧。
- ^ “下田駅~休暇村~石廊崎港・石廊崎オーシャンパーク(石廊崎灯台)” (PDF). 東海バス (2021年7月22日). 2023年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月31日閲覧。 - 時刻表。
- ^ 森信勝『静岡県鉄道興亡史』(初版発行)静岡新聞社、1997年12月27日、306頁。ISBN 978-4783813675。 NCID BA35053889。国立国会図書館書誌ID:000002655908・全国書誌番号:98067500。