コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

塩化鉄(II)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
塩化第一鉄から転送)
塩化鉄(II)
IUPAC名 塩化鉄(II)
別名 塩化第一鉄
組成式 FeCl2
式量 無水物:126.751 g/mol
四水和物:198.8102 g/mol
形状 淡黄色粉末(無水物)

淡緑色~黄緑色の結晶(四水和物)

CAS登録番号 [7758-94-3](無水物)
[13478-10-9](四水和物)
密度 3.16 g/cm3, 固体
水への溶解度 64.4 g/100 mL (10 °C)
融点 677 °C

塩化鉄(II)(えんかてつ(II)、Iron(II) chloride)は、組成式 FeCl2無機化合物である。かつては塩化第一鉄(えんかだいいちてつ、ferrous chloride)と呼ばれた[注釈 1]。水に易溶で溶解度は64.4 g/100 mL (10℃)、105.7 g/100 mL (100℃)である。潮解性がありエタノールにも可溶である。無水物は淡黄色粉末で、四水和物は黄緑色をしている。溶液を空気に放置すると酸素により酸化され塩化鉄(III)に変化する。[1]植物染料の媒染剤として用いる。

合成

[編集]

塩化鉄(II)は鉄と塩化水素との反応で得られる。これはハロゲン金属の典型的な製法である。

塩化鉄(II)の合成には濃塩酸のメタノール溶液を使った方法がよく使われている。この反応では錯塩 [Fe(MeOH)6]Cl2が生成し、これを真空状態で160℃まで加熱すると純粋なFeCl2が得られる[2]。臭化鉄(II)[FeBr2]とヨウ化鉄(II)[FeI2]も同じような方法で作ることができる。

また、塩化鉄(III)クロロベンゼンから塩化鉄(II)を合成する方法もある[3][4]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 現在この呼称の使用は推奨されない

出典

[編集]
  1. ^ 柴田 村治、「塩化鉄」、『世界大百科事典』、CD-ROM版、平凡社、1998年。
  2. ^ G. Winter, Inorganic Synthesis, 1973, volume 14, pp. 101-104.
  3. ^ P. Kovacic and N. O. Brace, Inorganic Synthesis, 1960, volume 6, p. 172.
  4. ^ P. Kovacic and N. O. Brace, J. Am. Chem. Soc., 1954, volume 76, p. 5491.

関連項目

[編集]