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国鉄6150形蒸気機関車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
鉄道作業局 221(後の鉄道院 6165)

6150形は、かつて日本国有鉄道の前身たる鉄道作業局・鉄道院・鉄道省に在籍したテンダ式蒸気機関車である。

概要

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元は、鉄道作業局1897年(明治30年)7月にアメリカボールドウィン・ロコモティブ・ワークスで18両(製造番号15402 - 15419)を製造した車軸配置2-4-0(2B)形で2気筒単式の飽和式テンダ機関車である。同社での種別呼称は8-26Cであった。当初の形式はAM形、番号は206 - 223で、後にD8形(番号不変)と称した。私鉄国有化を受けて1909年(明治42年)に実施された鉄道院の車両形式称号規程では、6150形6150 - 6167)に改番された。

形態は、一般的なアメリカ古典機タイプで、ボイラーはワゴントップ型、第1缶胴上に砂箱、第3缶胴上に蒸気ドームとそれに付属した安全弁を備える。これらは3ピース形となっている。煙室は短く、その側面から前端梁に支柱(ブレース)が渡されている。動輪径は5フィート(1,524mm)で、官設鉄道としては初採用の大径のものである。ボイラの性能は、同時期に製造された山陽鉄道12形(後の鉄道院5900形)とほぼ同等であるが、本形式の運転台は木製であった。

当初は、京浜間や東京・山北間で使用され、鉄道院となってからは山陽線の三田尻・下関間で使用された。その後は、鉄道院標準型の8620形の進出にともなって、福知山線山陰線関西線に分散した。廃車1925年(大正14年)5月から1928年(昭和3年)3月にかけてで、全車が解体された。民間に払下げられたり、保存されたものはない。 

主要諸元

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  • 全長 : 14,427mm
  • 全高 : 3,734mm
  • 全幅 : 2,438mm
  • 軌間 : 1,067mm
  • 車軸配置 : 4-4-0(2B)
  • 動輪直径 : 1,524mm
  • 弁装置 : スチーブンソン式アメリカ型
  • シリンダー(直径×行程) : 406mm×610mm
  • ボイラー圧力 : 13.4kg/m2
  • 火格子面積 : 1.30m2
  • 全伝熱面積 : 90.9m2
    • 煙管蒸発伝熱面積 : 84.5m2
    • 火室蒸発伝熱面積 : 6.4m2
  • ボイラー水容量 : 3.5m3
  • 小煙管(直径×長サ×数) : 50.8mm×3,251mm×163本
  • 機関車運転整備重量 : 33.93t
  • 機関車空車重量 : 30.68t
  • 機関車動輪上重量(運転整備時) : 23.35t
  • 機関車動輪軸重(第1動輪上) : 11.94t
  • 炭水車重量(運転整備) : 23.41t
  • 炭水車重量(空車) : 11.51t
  • 水タンク容量 : 11.35m3
  • 燃料積載量 : 3.05t
  • 機関車性能
    • シリンダ引張力 : 6,280kg
  • ブレーキ装置 : 手ブレーキ真空ブレーキ

参考文献

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  • 臼井茂信「国鉄蒸気機関車小史」1956年、鉄道図書刊行会
  • 臼井茂信「日本蒸気機関車形式図集成」1969年、誠文堂新光社
  • 臼井茂信「機関車の系譜図 3」1972年、交友社
  • 金田茂裕「形式別 日本の蒸気機関車 III」エリエイ出版部刊
  • 金田茂裕「日本蒸気機関車史 官設鉄道編」交友社刊