古瀬信号場
古瀬信号場 | |
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旅客営業末期の1番線ホーム出入口 建物は駅舎ではなく信号場詰所 (2018年9月) | |
ふるせ Furuse | |
◄K45 音別 (9.7 km) (6.3 km) 白糠 K47► | |
所在地 | 北海道白糠郡白糠町和天別 |
駅番号 | ○K46 |
所属事業者 | 北海道旅客鉄道(JR北海道) |
所属路線 | ■根室本線 |
キロ程 | 138.5 km(新得起点) |
電報略号 | フセ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 2線 |
開業年月日 | 1954年(昭和29年)7月1日[1] |
備考 | 2020年(令和2年)3月14日に旅客扱いを廃止し[2][3]、信号場化[4] |
古瀬信号場(ふるせしんごうじょう)は、北海道白糠郡白糠町和天別(わてんべつ)にある北海道旅客鉄道(JR北海道)根室本線の信号場である。事務管理コードは▲110431[5]。電報略号はフセ[6]。旅客営業末期の駅番号はK46。 廃止前までは大半の普通列車が当駅を通過していた。
歴史
[編集]開業時から2020年(令和2年)までは一部の普通列車が旅客扱いを実施(1987年国鉄分割民営化までは仮乗降場、以降は扱い廃止まで正規の駅の扱い)した。
年表
[編集]- 1954年(昭和29年)7月1日:日本国有鉄道(国鉄)の古瀬信号場として開設[1][7]。係員配置。仮乗降場として旅客を取り扱い。
- 1960年(昭和35年)12月:有効長延伸と重軌条化を実施[8]。
- 1971年(昭和46年)8月1日:根室本線昭栄信号場 - 新富士駅間にCTC-4型を導入し無人化[9]。
- 1978年(昭和53年)10月:隣接の古瀬トンネル老朽化に伴う修繕工事のため、当信号場構内にズリ出し・資材搬入出用の岐線を設置(翌年1月中旬に工事終了のため撤去)[10]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、北海道旅客鉄道(JR北海道)に承継。このとき全道の仮乗降場および仮乗降場として旅客扱いを行う信号場はすべて旅客駅に昇格となったため、古瀬駅となる[1]。この時点では営業キロ設定なし。
- 1990年(平成2年)3月10日:営業キロ設定。
- 1995年(平成7年):廉価版PCまくらぎ(後年、宗谷本線高速化で採用)の試験敷設を実施[11]。
- 1996年(平成8年)度:石勝線・根室線高速化工事に伴い同年度に構内改良[12]。
- 2019年(令和元年)12月11日:JR北海道が白糠町に対して、当駅を2020年3月に実施予定のダイヤ改正で廃止する通知をしたと報道される[13]。
- 2020年(令和2年)3月14日:利用者減少とダイヤ改正に伴い、旅客扱いを廃止[2][3]。再び古瀬信号場となる[4]。
信号場名の由来
[編集]アイヌ語の「フㇽセンピㇼ(fur-senpir)」(丘の・陰)からとされる[14]。
なお、所在地の字は現在「和天別」となっているが、これはアイヌ語の「ウワッテペッ(uwatte-pet)」(〔支流が〕多い・川)からとされている[14]。
構造
[編集]当地はほとんど平坦な海岸沿いを走る音別駅 - 白糠間にあって、海岸沿いを進まず内陸側の馬主来峠に入って山越えをする区間であり、その頂点となる位置である[6]。
構内は列車交換が可能で、もともと信号場建屋側(釧路方に向かって左手)が下り本線、対向が上り本線の形態であったが[15]、後年の高速化により建屋側を本線、対向を副本線とした一線スルーとなっている。
旅客駅時代はそれぞれの線に構内踏切で結ばれたプラットホーム(相対式)を持ち、旧2番線のホームは釧路(下り)方にずれた千鳥配置であった。
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旅客営業末期の1番線ホーム(2018年9月)
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旅客営業末期の2番線ホーム出入口および構内踏切(2018年9月)
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旅客営業末期の2番線ホーム(2018年9月)
利用状況
[編集]かつては信号場に併設された官舎に住んでいる職員の家族が主な利用客であった[16]。
旅客営業廃止前の利用状況は以下のとおり。
乗車人員の推移は以下のとおり。年間の値のみ判明している年については、当該年度の日数で除した値を括弧書きで1日平均欄に示す。乗降人員のみが判明している場合は、1/2した値を括弧書きで記した。
また、「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去5年間の各調査日における平均である。
年度 | 乗車人員 | 出典 | 備考 | ||
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年間 | 1日平均 | JR調査 | |||
1992年(平成 | 4年)(3.0) | [15] | 1日乗降客数6人 | ||
2015年(平成27年) | 「10名以下」 | [JR北 1] | |||
2018年(平成30年) | (0) | 「3名以下」 | [17][JR北 2] | [注釈 1] |
周辺
[編集]周囲は森林に囲まれており酪農家がわずかに見えるのみであり、信号場への道も舗装されていない。
隣の施設
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、880頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ a b 『2020年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2019年12月13日。オリジナルの2019年12月13日時点におけるアーカイブ 。2019年12月13日閲覧。
- ^ a b “寂しいけどありがとう 白糠・古瀬駅、南弟子屈駅が最後の営業 ファンら別れ惜しむ”. 北海道新聞. (2020年3月14日). オリジナルの2020年3月27日時点におけるアーカイブ。 2020年3月26日閲覧。
- ^ a b 「駅廃止から1か月 寂しさを漂わせる 速度落とさず列車通過 豊清水信号場は名残も」『名寄新聞』2021年4月13日、3面。
- ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、233頁。doi:10.11501/1873236 。2022年12月10日閲覧。
- ^ a b 宮脇, 俊三、原田, 勝正 編『函館線・根室線・宗谷線』 1巻(1版)、小学館〈日本鉄道名所 : 勾配・曲線の旅〉、1987年2月10日、110頁。doi:10.11501/12065956。ISBN 4-09-395201-9。
- ^ 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、128頁。ASIN B000J9RBUY。
- ^ 中村, 植作「乗越分岐器の転てつ減摩器」『信号保安』第16巻第8号、信号保安協会、1961年8月、329頁、doi:10.11501/2369931、ISSN 0286-3006。
- ^ 『JR釧路支社 鉄道百年の歩み』北海道旅客鉄道株式会社釧路支社、2001年12月25日、103, 162頁。
- ^ 安原, 章一、鍛冶, 博「厳寒地におけるトンネル修繕 根室本線古瀬トンネル(施工研究)」『土木施工』第20巻第12号、オフィス・スペース、1979年11月、146-154頁、doi:10.11501/3308393、ISSN 0387-0790。
- ^ 小室, 俊一「施工記録 低廉化PCまくらぎの投入」『日本鉄道施設協会誌』第36巻第9号、日本鉄道施設協会、1998年9月、30-32頁、doi:10.11501/3255434、ISSN 0913-2643。
- ^ 藤島, 茂「JR北海道における130km/h高速化」『鉄道と電気技術』第8巻第4号、日本鉄道電気技術協会、1997年3月、68-71頁、doi:10.11501/3314045、ISSN 0915-9231。
- ^ “JR根室線・古瀬駅 来年3月廃止”. 北海道新聞. (2019年12月11日). オリジナルの2019年12月11日時点におけるアーカイブ。 2019年12月11日閲覧。
- ^ a b 本多 貢 著、児玉 芳明 編『北海道地名漢字解』北海道新聞社、札幌市、1995年1月25日、81,98頁。ISBN 4893637606。OCLC 40491505 。2018年10月16日閲覧。
- ^ a b 宮脇, 俊三、原田勝正 著、二見, 康生 編『北海道630駅』小学館〈JR・私鉄各駅停車〉、1993年6月20日、116頁。ISBN 4-09-395401-1。
- ^ 「北海道駅めぐり 古瀬駅(JR根室線)」『北海道新聞』2018年7月23日、夕刊2。
- ^ a b “委員会の動き”. 白糠町議会だより (白糠町議会) (146): pp.20-21. (2019-10-25). オリジナルの2019-12-16時点におけるアーカイブ。 .
JR北海道
[編集]- ^ “極端にご利用の少ない駅(3月26日現在)” (PDF). 平成28年度事業運営の最重点事項. 北海道旅客鉄道. p. 6 (2016年3月28日). 2017年9月25日閲覧。
- ^ “駅別乗車人員” (PDF). 全線区のご利用状況(地域交通を持続的に維持するために). 北海道旅客鉄道. 2020年1月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月20日閲覧。