北尾吉孝
きたお よしたか 北尾 吉孝 | |
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生誕 |
1951年1月21日(73歳) 日本 兵庫県 |
出身校 |
慶應義塾大学経済学部経済学科 ケンブリッジ大学経済学部 |
職業 | 実業家 |
北尾 吉孝(きたお よしたか、1951年1月21日 - )は、日本の実業家、SBIホールディングス代表取締役会長兼社長兼CEOで、SBIインベストメント代表取締役執行役員会長兼社長。SBIグループの創業者でもある[1]。
人物
[編集]2005年のライブドアによるニッポン放送買収問題でフジテレビのホワイトナイトとなった[2]。北尾自ら経営戦略等を語りIRにも力を入れている[要出典]。
2021年のSBIホールディングスによる新生銀行への日本の金融業界では極めて異例となる事前通告なしの初の敵対的買収(ブラックナイト)を仕掛けた際には、工藤英之社長を「信義にもとる男だな[3]」や「泥棒と一緒だ[4]」などと痛烈に批判するも[5]、中国古典に親しんでいることから孫子 (書物)の言葉「百戦百勝は、善の善なる者に非ざるなり」に従い[6]、土壇場でホワイトナイトとして[7] 工藤英之社長を安心させ[8]、新生銀行への株式公開買付け(TOB)を成立させた[9][10]。
又、2022年には前述のニッポン放送買収問題で対立していた元ライブドア社長の堀江貴文とも和解し、堀江が経営に携わっているロケット開発ベンチャー企業のインターステラテクノロジズにSBI傘下のSBIインベストメントが出資することを同年12月に発表した[2][11]。
来歴
[編集]- 1951年1月21日生まれ[12]。兵庫県出身[13]。兵庫県立神戸高等学校卒業[14]。
- 1974年 慶應義塾大学経済学部経済学科(気賀ゼミ[15])卒業[16]、野村證券株式会社入社[16] 総合企画室。
- 1978年 ケンブリッジ大学経済学部卒[13]、野村證券株式会社海外投資顧問室。
- 1982年 同ニューヨーク拠点(NSI)。
- 1987年 同第二事業法人部次長。
- 1989年 ワッサースタイン・ペレラ社常務取締役(ロンドン)[12]。
- 1991年 野村企業情報株式会社取締役[12](兼務)。
- 1992年 野村證券株式会社 事業法人三部長[12]。
- 1995年 野村證券がソフトバンクの株式公開を担当したことが縁でソフトバンク株式会社の孫正義に出会い、スカウトされる。ソフトバンク株式会社常務取締役[16]。
- 1999年 ソフトバンク・インベストメント株式会社(現・SBIホールディングス株式会社)代表取締役社長CEO[13]。
- 2005年 財団法人SBI子ども希望財団 理事[12]。
- 2008年 SBI大学院大学 学長。
- 2019年 一般社団法人日本STO協会会長[17]。
家系
[編集]幼少期から「論語」をはじめとした中国古典に親しみ、貪るように多くの文献に目を通し、以後の人生観に大きく影響したという。
孫正義との関係
[編集]ソフトバンク・インベストメント株式会社(現・SBIホールディングス株式会社)はソフトバンク株式会社の子会社であるソフトバンク・ファイナンス(のちのソフトバンク・エーエム、現在はソフトバンクテレコム株式会社)の子会社だった。2006年8月2日、ソフトバンク・エーエム株式会社が保有するSBIホールディングス株を全株ゴールドマンサックス証券に売却。このことにより、資本的には完全にソフトバンクとの関係はなくなったことになる[19][20][21]。
北尾はTV番組で「堀江貴文と孫正義の違い」を尋ねられた際に「人々のために役立つことをしようという意識を常に孫さんは持っている。その結果として儲かっているだけ。」と評している。また孫も「定期的にメシを共にする約束で資本関係の解消に応じた」と冗談交じりに語っている[要出典]。
リーダー論
[編集]現在の日本の道徳教育、その背景を問題視し、第二次世界大戦後の占領政策の影響があって、「過去の一切の日本的精神、武士道のような精神が否定された」と指摘、ゆえに「日本人が持っていた強靭な精神力、厳しい時代を生き抜ける力を身につけたリーダーでなければこの難しい時代の日本を任せられません」[22] と主張する。
著書
[編集]- 『実践FinTech フィンテック革命の戦士たち』(日経MOOK)(日本経済新聞出版社、2017年)
- 『古教 心を照らす』(経済界、2017年)- ブログ書籍化第10弾
- 『成功企業に学ぶ 実践フィンテック』(日本経済新聞出版社、2017年)
- 『修身のすすめ』(致知出版社、2016年)
- 『日に新たに』(経済界、2016年)
- 『自修自得す』(経済界、2015年)
- 『実践版 安岡正篤』(プレジデント社、2015年)
- 『強運をつくる干支の知恵』(致知出版社、2014年)
- 『人生を維新す』(経済界、2014年)
- 『時弊を匡正す』(経済界、2013年)
- 『出光佐三の日本人にかえれ』(あさ出版、2013年)
- 『先哲に学ぶ』(経済界、2012年)
- 『仕事の迷いにはすべて「論語」が答えてくれる』(朝日新聞出版、2012年)
- 『日本経済に追い風が吹いている』(産経新聞出版、2012年)
- 『ビジネスに活かす「論語」』(致知出版社、2012年)
- 『北尾吉孝の経営問答!』(廣済堂出版、2012年)
- 『時務を識る』(経済界、2011年)
- 『日本人の底力』(PHP研究所、2011年)
- 『森信三に学ぶ人間力』(致知出版社、2011年)
- 『活眼を開く』(経済界、2010年)
- 『起業の教科書 次世代リーダーに求められる資質とスキル』(東洋経済新報社、2010年)
- 『安岡正篤ノート』(致知出版社、2009年)
- 『逆境を生き抜く名経営者、先哲の箴言』(朝日新聞出版、2009年)
- 『窮すればすなわち変ず』(経済界、2009年)-ブログ本の第二弾
- 『君子を目指せ、小人になるな』(致知出版社、2009年)
- 『時局を洞察する』(経済界、2008年)- ブログの内容を単行本化
- 『何のために働くのか』(致知出版社、2007年)
- 『進化し続ける経営-SBIグループそのビジョンと戦略』(東洋経済新報社、2005年)
- 『中国古典からもらった「不思議な力」』(三笠書房、2005年)
- 『人物をつくる―真の経営者に求められるもの』(PHP研究所、2003年)
- 『不変の経営・成長の経営―伸びる会社はどこが違うのか』(PHP研究所、2000年)
- 『E-ファイナンスの挑戦 II』(東洋経済新報社、2000年)
- 『E-ファイナンスの挑戦 I』(東洋経済新報社、1999年)
- 『「価値創造」の経営』(東洋経済新報社、1997年)
メディア出演
[編集]- 日経スペシャル カンブリア宮殿 (テレビ東京)
- この国の行く末 第2回 北尾吉孝×安藤忠雄(2017年4月22日、BSフジ)
- この国の行く末2〜テクノロジーの進化とオープンイノベーション〜(2018年4月 - 、BSフジ)
脚注
[編集]- ^ “SBIホールディングス株式会社 代表取締役執行役員CEO 北尾 吉孝” (jp). ニッポンの社長 (2015年4月16日). 2021年12月29日閲覧。
- ^ a b “堀江貴文氏、「犬猿の仲」SBI北尾氏と「歴史的和解」 ロケット開発でタッグ、関係者「非常に感慨深い」”. J-CASTニュース (2022年12月27日). 2022年12月31日閲覧。
- ^ SBIの新生銀TOB、緊迫の7カ月 引き金はマネックス提携日本経済新聞 2021年9月9日
- ^ 北尾SBI社長、新生銀経営陣を痛烈批判時事通信社 2021年10月28日
- ^ 新生銀行 SBIによるTOB反対を決定 銀行業界で初の敵対的TOBへ日本放送協会 2021年10月21日
- ^ 『新生銀行決選投票土壇場で考えた事』 北尾吉孝日記 2021年11月25日
- ^ 公的資金の返済果たす 「新生銀と心一つ」―北尾SBI社長時事通信社 2021年11月26日
- ^ 新生銀社長が来年2月の退任表明「ホっとしている」産経新聞 2021年11月25日
- ^ 新生銀へのTOB終了 SBI、連結子会社化の方針朝日新聞 2021年12月10日
- ^ 東証一部上場企業のSBIホールディングス(代表取締役社長:北尾吉孝)による清水銀行を利用した『5―ALA』製造工場を不正乗っ取り疑惑 その33 SBIHD北尾吉孝の連結子会社管理や監督能力に懸念はないのだろうか?米議決権行使助言会社から子会社のSBIソーシャルレンディングが金融庁から業務改善命令を受けたことを例示されて「子会社管理や監督能力に懸念がある」とまで言い切られていただけでなく、預金保険機構の三井秀範理事長からは、非上場化による公的資金の返済の検討を「心外だ」と不快感を示された。いずれにせよ、SBIHD北尾吉孝には、連結子会社化した新生銀行を軸に据えた「第四のメガバンク構想」を、国民や国に「資本の論理」だとの懸念を持たれることのないように、公益を第一義に進めていってほしいものだ。週刊報道サイト 2021年12月27日
- ^ “SBI、堀江貴文氏ら創業のロケット開発ベンチャーに出資”. 日本経済新聞 (2022年12月26日). 2022年12月31日閲覧。
- ^ a b c d e 企業兼大株主SBIホールディングス 【東証1部:8473】「証券業」 - Ullet
- ^ a b c 理念なきベンチャーは去れ - ベンチャー通信ONLINE
- ^ “必ず、「なぜ、君ほどの人が……」と言い添えよ -SBI HD CEO 北尾吉孝”. PRESIDENT Online(プレジデントオンライン) (2013年1月12日). 2020年12月8日閲覧。
- ^ 『実践版 安岡正篤』自著、プレジデント社、37ページ
- ^ a b c SBIホールディングス株式会社 代表取締役執行役員CEO 北尾 吉孝 - ニッポンの社長
- ^ 協会概要 日本STO協会
- ^ “『人事興信録』データベース 北尾清七 (第8版 [昭和3(1928)年7月 の情報)]”. 名古屋大学大学院法学研究科. 2021年6月28日閲覧。
- ^ “ソフトバンク孫 SBI北尾と完全決別”. J-CAST ニュース (2006年8月12日). 2022年1月10日閲覧。
- ^ “SBIホールディングス、ソフトバンクと資本解消。ただし今後も友好な関係を維持”. ビジネス+IT. 2006年8月3日閲覧。
- ^ “沿革|企業情報・SBIグループ|SBIホールディングス”. www.sbigroup.co.jp. 2022年1月10日閲覧。
- ^ JBpressインタビュー:中国古典の薦め
- ^ 「金融界のカリスマ・ミスター豪腕が語る『ビジネスマンよ!大志を抱け』」 - テレビ東京 2006年5月15日
- ^ 「村上龍×金融危機 スペシャル企画 今、日本は何をすべきか?」 - テレビ東京 2008年11月10日
関連項目
[編集]- SBIホールディングス
- ソフトバンク
- SBI証券(2008年7月、SBIイー・トレード証券より商号変更)
- 野村證券
- 安岡正篤
- 孫正義
- J SPORTS - 設立時の代表取締役社長(当時の社名はスカイエンターテイメント株式会社)。