Wikipedia:創作物を基にした逐次的な編集
この文書は私論です。一部のウィキペディアンが助言や意見を記したものです。広く共有されている考え方もあれば、少数意見の見解もあります。内容の是非については慎重に検討してください。 |
この方針の要旨: 創作物の記事を速報的に編集したり、将来の予定や現在進行中の事柄を逐次的に追記したりしないでください。 |
ここでは、創作物を基にした逐次的な編集とは何であるかを定義し、それを避けるべき理由やそのような編集にどのように対処すればよいかを説明します。
基本的な概念
この私論は、主に将来の予定ないし現在進行中の事項に関係する記事において、新しい事項が逐次的に追記されることを制限するためのものです。
そもそもウィキペディアは百科事典を作成するプロジェクトであり、そのための指針として「Wikipedia:検証可能性」「Wikipedia:中立的な観点」「Wikipedia:独自研究は載せない」の3つの指針のほか、百科事典の定義から外れる例として「Wikipedia:ウィキペディアは何ではないか」が設けられています。創作物による逐次的な編集によってこれらに反する記述がされる恐れがありますが、これらは一般的な記事作成のための指針であり、解釈の違いを生んでしまう余地がありました。
たとえば、アニメ・漫画などの関連記事において、とあるキャラクターのセリフはどのような背景から出てきたのか記事の中に加えようとした場合、公式に発表された世界設定やそれまでの作品中で発表されたキャラクター設定情報などから総合的に判断して記事が作成されることが多くあります。また、公式に発表された情報のみならず、個人が開設したファンサイトや、同人誌などの情報をもとにした編集がされることもあります。
こうした記事の編集は特定の観点を推進するような、発表済みの情報の合成、ないしは未確定の事項にあたるとして除去しようとする執筆者と、「それぞれは現時点では検証可能な事象であり、独自研究ではない」とする執筆者との間で編集合戦となることがあり、結果として編集保護となることもあります。
そして、ウィキペディアのシステムならびにGFDLのライセンス上では、特定版削除などの例外を除き、改版履歴をすべて残すシステムとなっています。そのため、瑣末な事項の追加・編集・整理を繰り返すことによって改版履歴が膨大となり、サーバの負担となるのみならず、編集者にとっても履歴追跡が困難になります。
その上、逐次的に記事を追加していく行為は、記事全体を通読した時に冗長な文章となることが非常に多くあります。このため、記事全体を俯瞰して適切な分量に編集を行う必要が出てくる場合が大いにあります。しかしその際に、編集によってある項目を削除しようとする執筆者と、削除された項目を復活させようとする執筆者との間で編集合戦となってしまうケースも想定されます。
さらに、上記のような編集を先を争うように行うことで追加する文章の推敲がおろそかになり、避けるべき表現、不適切なマークアップ、マニアックすぎてわかりにくい記述、雑多な文章の箇条書きなどが現れる原因となります。
以上のようなリスクを避けるため、上記に該当する編集を自粛してもらうようにお願いします。
速報的な編集には出典を
ウィキペディアは紙製の百科事典ではないためタイムリーな編集が可能です。しかし、特に速報的な編集では「定説」が形成されていないため独自研究に陥りやすく、一方的な思い入れによる中立的な観点に欠けた記載も多く見られます。それを防ぐためには、ウィキペディアでは全ての記事に検証可能性を満たす事が求められており、信頼できる情報源に基づいた文章を求めています。
従って、タイムリーな編集を行なう場合には必ず出典を明記して下さい。しかしたとえ事実であっても、出典を伴わない編集は性急な編集と見なされ、差し戻される事があります。
出典のない速報的編集を見つけた時は
まず検証可能性に基づき出典の明示を求めて下さい。もし出典の確認が取れない場合は、検証可能性に基づき記述の除去等の対応を行なって下さい。
適用範囲と対象
- 未放送・未発売または週一・月一などのように定期的に放送・発行されるアニメ、ドラマ、ラジオ番組、テレビ番組、マンガ(雑誌など)、小説などを含む全メディア媒体で未完のもの
- 上記の他、映画などの作品も含む
対象となる行動
各項目の理由は理由の節をご覧下さい。
- (ケースa)未放映/未発売の作品や製品に対し、制作発表段階や発売前から記事を作成・編集する
- (ケースb)作品中のキャラクタや設定に関する情報を発表中小出しに更新し続ける行為
- (ケースc)提供側からの情報が正式に発表される・もしくは新しい事実が現れる毎にそれを付加する行為
- (ケースc-1)1話分放映終了毎にその内容分だけ記事を加筆していく・それを続ける
- (ケースc-2)正規の発売日より1日以上早く売る不正行為、フライングゲットで購入した雑誌・書籍からの情報・試写会による内容の漏洩など
- (ケースd)放映が進む・設定が明確化される事等によって後々明らかになる物事・正式発表前の情報等未確定の部分に対して憶測・推測を交えて記述する
理由
適用範囲の例外の節もご覧下さい。
- ケースa、ケースc-2、ケースdに関しては単なる宣伝としてWikipedia:即時削除の方針に該当するケースが多い。また宣伝とならないような記述を行ったとしても検証可能性を満たさない、独自研究となる可能性が高いため。ただし、検証可能性を満たし、なおかつ単なる宣伝に当たらない場合は例外となる。
- ケースdに該当する編集はウィキペディアでは認められない(Wikipedia:出典を明記する、Wikipedia:検証可能性、Wikipedia:独自研究は載せない、などを参照)。
- ケースb、ケースcにあたる場合、冗長な記事の原因となる。また、ある程度まとめて投稿した方が効率がよく、履歴の追跡が容易となる。
- ケースb、ケースc-1はしばしば中立的な観点によらない編集となることがある。
- ケースc-1、ケースc-2は、ファイル共有ソフト経由で違法に入手した、もしくは動画共有サービスで公式に配信されていない動画を違法に視聴したものを基にした編集など、著作権侵害となる編集を誘発する可能性が高い。またそのような編集は信頼できる情報源に基づいたものとは言い難い。
適用期間
適用期間とその間の編集に関しては以下のようにしてください(要検討)。
- 連載・放送などが予定されてから完了するまで
- 長期間連載・放送されているものに関しては目安として1クールまたは2~3ヶ月程度毎の更新は認められる。ただし、ある程度判明している部分のみ
- 作品が編や章に分かれて発表されている、または複数の媒体で発表されることが明言されているときはその単位で編集して良い
対象となる行動があった際の対処
対象となる行動があった場合は以下のように対応してください(要検討)。
- 基本
- その記事のノートや執筆者の会話ページで速報記事に関するお知らせをする(執筆者の会話ページにはお知らせ定型文が利用できます。個人攻撃をしないようにお願いします)。
- 編集合戦になった場合は理由を「編集合戦のため」あるいはより適切なものにしてページの保護を依頼する(保護することなどを目的として編集合戦を意図的に引き起こさないようにしてください)。
- 未発表作品に関する記事があった場合
- 単なる宣伝とならないように、百科事典の記事としてふさわしい編集を行う。ただし、編集を行った結果、スタブ未満となった場合、または宣伝的記述しか残らないと認められた場合においては即時削除もあり得る。
- Wikipedia:論争の解決にしたがい、その編集を行った編集者と対話を試みる。
- 編集合戦にならないように十分留意し、独断での削除などはしないこと。ただし、芸能人などに関する批判的な記述、ないしはプライベートに関する記述でソースが皆無か、あっても「テレビで観たことがある」「ラジオで聴いた」といったような貧弱なソースしか存在しない場合についてはこの限りではない(これに関しては3RRが適用されません)。
- 新しく作られた、あるいは元々リダイレクトであった記事等で新規に文章が記述され、且つ対象となる行動があった場合
- 適切な記事(作品記事等)へのリダイレクトにする事を検討する。
- その他、ケース毎の対応
お知らせ定型文とテンプレート
利用者の会話ページに記述するお知らせ定型文。
適用範囲の例外
- 定期的でないものや年単位など期間がある程度あいているものは別途ノートページで議論してください。
- 各記事のノート、または個別のウィキプロジェクトなどで、速報的な記述に関して合意が形成された場合、上記ガイドラインの例外として認められます。ただし、合意意見が圧倒的に多い場合を除いて自粛が推奨されます(あくまで自粛であり、禁止ではない点に注意してください)。