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如懿伝 ~紫禁城に散る宿命の王妃~の登場人物
[編集]如懿伝 ~紫禁城に散る宿命の王妃~の登場人物(にょいでん ~しきんじょうにちるしゅくめいのおうひ~のとうじょうじんぶつ)では、中国のテレビドラマ『如懿伝 〜紫禁城に散る宿命の王妃〜』に登場する人物について述べる。 なお、声優名の後に付く(普)は普通話版での、(粤)は粤語版での声優であることを示す。
主要人物
[編集]- 演 - 周迅(幼少期:黄楊鈿甜)、声 - 周迅(普)、曾佩儀(粤)
- 本作の主人公。清朝第6代皇帝・乾隆帝(愛新覚羅弘暦)の竹馬の友であり、後にその皇后となる。第12皇子・永璂、第5公主・璟兕、第13皇子・永璟の実母。第1皇子・永璜と第5皇子・永琪の養母。雍正帝皇后の姪。満州正黄旗。
- 階級
- 宝親王側福晋(第2話~第4話)→嫻妃(第4話~第18話)→嫻貴人(第18話~第20話)→庶人(第20話~第27話)→嫻妃(第27話~第33話)→嫻貴妃(第33話~第42話)→嫻皇貴妃(第42話~第47話)→皇后(第47話~第83話)→翊坤宮娘娘(第83話~第87話)→継皇后(第87話)
- 居所
- 烏拉那拉府(第1話)→宝親王府(第2話~第4話)→延禧宮(第4話~第20話)→冷宮(第20話~第27話)→翊坤宮(第27話~第87話)
- 名前
- 初名は青桜(せいおう)。第4話で皇太后から「如懿」という名を賜り改名した。懿には「静かなる美」という意がある。
- 人物
- 誠実かつ温厚な性格で、悪事を嫌い、正義感に富んでいる。名門の出身で、それに相応しい優雅な物腰の持ち主。弘暦と永遠の愛を貫くことを何よりの願いとしている。己を曲げない剛毅な人物であるが、それが過ぎてやや意固地になることもある。梅の花を好み、特に緑梅を気に入っている。誰に対しても誠実かつ公平に振る舞い、侍女や太監にも寛容に接する。
- 漢詩を始めとして古典に通じ、料理や刺繍、書画などにも造詣があるなど、深い教養を持つ。聡明で機知にも富んでいる。敵に対して巧妙な策や罠を仕掛けることもあるが、自衛や反撃を目的とする場合がほとんどで、自ら進んで策略を仕掛け他人を陥れることは嫌う。とりわけ子どもを利用あるいは標的とする陰謀には、例え自らに利するものであったとしても強い嫌悪感を示す。
- 序盤では自由奔放で天真爛漫な少女として描かれる。また、弘時の福晋選びの場でわざと放屁する、叔母が所蔵していた貴重な望遠鏡を勝手に持ち出して弘暦と遊ぶ、弘暦の福晋選びに刻限直前に参加するなど、お転婆な一面もあった。その後、弘暦に嫁ぎ後宮で様々な経験を積む内に、穏やかで冷静沈着な人柄に変化した。
- 活躍
- 那爾布と郎佳氏の間に生まれる。幼い頃、叔母である雍正帝皇后の伝手で紫禁城を訪れ、崑劇『牆頭馬上』を観劇して弘暦と出会う。それをきっかけに弘暦と交流を深め、楽しい幼少期を過ごした。
- 成長後、叔母の推薦で弘時の福晋候補となったがわざと失態を晒して落選。その後、弘暦の福晋選びに誘われて渋々出席し、そこで嫡福晋(正室)の証である如意を渡されたが、叔母の失脚・幽閉により結局はその座を富察琅嬅に明け渡すことになった。だが、結局は弘暦の嘆願により側福晋(側室)として嫁ぐことが決まる[ep 1]。輿入れの際には琅嬅から高晞月ともども零陵香が仕込まれた翡翠の腕輪を贈られるが、その夜に弘暦と初夜を共にした[ep 2]。このことで琅嬅や晞月からは敵視され、鈕祜禄氏からは警戒され続けたが、一方で海蘭、蘇緑筠、陳婉茵と出会い親交を深めた。
- 雍正帝の崩御後は叔母の禁足を解くよう弘暦を説得したが[ep 2]、これに激怒した皇太后(鈕祜禄氏)によって叔母は死に追いやられ、青桜はその死を看取ることになった。弘暦が即位すると、青桜は皇太后から叔母への服喪を名目に3年間王府に幽閉されることになった[ep 3]。その後、皇太后に反発した弘暦に和解を説得したことが評価され、禁足は解除となり紫禁城入りが許された。また、その際に如懿という名前を賜って改名した[ep 4]。
- 演 - 霍建華(幼少期:徐王子)、声 - 彭堯(普)、黄啓昌(粤)
- 雍正帝第4皇子→宝親王→皇帝
- 清の第6代皇帝・乾隆帝。内政・外交ともに多大な功績を上げ、清王朝の最盛期を築いた。如懿とは幼馴染の間柄であり、彼女を妃に迎えてからは深い愛情を注いでいる。名君と名高い一方、皇室の体面を異常なまでに気にしており、その執着が最愛の人であるはずの如懿を深く傷つけていくことになる。目的を達成するためならば陰険な策を平気で弄するなど、冷酷・無慈悲さも併せ持つ。
- 公式上の生母は皇太后鈕祜禄氏とされているが、実際の生母は酒に酔った雍正帝のお手付きとなった宮女・李金桂である。生まれて間もなくして母は亡くなり、一連の出来事を恥じた雍正帝からは疎まれて育った。その後、鈕祜禄氏に引き取られようやく皇子に相応しい扱いを受けて育つことになった。皇太后とは仲睦まじい親子仲であることを臣民向けに演出する一方で、互いに互いを利用しあう打算的な関係でもある。
- 登場当初は幼馴染の青桜を自分の正室に娶りたいと強く願っており、福晋選びの場で青桜を嫡福晋に選ぶが、彼女の叔母が禁足となったために破談となる。その後、父・雍正帝に直接懇願した結果、側福晋として娶るという条件付きで結婚を許可され、同時に宝親王に封じられた(第1話)。その後、正室である琅嬅を差し置いて青桜を初夜の相手に選ぶ。その6年後、父の崩御を受けて第6代皇帝に即位した。
- 即位直後は父によって幽閉された青桜の叔母・烏拉那拉皇后の処遇に頭を悩ませることになる。青桜の助言を採って秘密裏に皇后を盛京行宮へ送ることとするが、計画が皇太后に露見。その後、皇后は皇太后に迫られて自害し、その死後の待遇を巡っても皇太后と意見が対立。即位早々不穏な空気を漂わせた。
- 演 - 張鈞甯、声 - 徐暢繁(普)、詹健兒(粤)
- 如懿の親友。弘暦の側室の一人。第5皇子・永琪の実母。
- 階級
- 宝親王府刺繍女官→宝親王格格→海常在→海貴人→愉嬪→愉妃
- 居所
- 宝親王府(第2話~第4話)→咸福宮(第4話~第7話)→延禧宮(第7話~第87話)
- 人物
- 慎ましく聡明で落ち着いた雰囲気の女性である。当初は柔弱な性格で、晞月や玉妍に虐げられ、唯一頼れる如懿に依存することも多かった。だが、彼女が冷宮へ送られたのを機に、強かさを併せ持った逞しい妃へと成長していく。如懿のことは「お姉様」と呼び、恋にも近い深い友愛の情を生涯に亘って貫き通した。常に如懿のことを第一に考え、彼女を助けるためならば自身や弘暦はおろか実の子である永琪をも利用し、時には人の命を奪うような冷酷な行動も厭わない。
- 活躍
- 家柄は低く、当初は内務府に選ばれて宝親王府で働くことになった刺繍女官だった。ある夜、酒を飲んだ弘暦のお手付きとなり、彼の体面を保つためにその妃(格格)となった。その経緯から弘暦に対しては真心を全く抱いておらず、彼からの寵愛も薄かった。その際に青桜(如懿)の庇護を受けたことにより、彼女に対して深い敬意と親愛の情を抱くことになった。
- 演 - 董潔、声 - 董潔(普)、曾秀清(粤)
- 宝親王嫡福晋→皇后→孝賢皇后(追諡)
- 弘暦の1人目の皇后。父は察哈爾部総管・李栄保。名門の出身である。第1公主、第2皇子・永璉、第3公主・璟瑟、第7皇子・永琮の母。長春宮に住む。
- 表向きは聡明で温厚篤実な後宮の主だが、その本性は陰湿で独善的な小物。正室の座に固執し、またその座を奪われることを非常に恐れている。そのため、弘暦の寵愛を深く受ける如懿に対しては嫉妬と恐怖を覚え、晞月や玉妍らと共謀して彼女を何度も窮地に陥れる。
- 弘暦の福晋選びに参加し、彼の養母・熹貴妃から推薦を受け、更には弘暦の本命である青桜(如懿)が姿を見せなかったこともあって嫡福晋に決まる。しかし、嫡福晋の象徴である如意を弘暦から手渡されようとしたその瞬間、青桜が会場に到着したことでその座を彼女に奪われてしまった。その後、烏拉那拉皇后禁足の影響により結果的に嫡福晋に選ばれた(第1話)ものの、この出来事は彼女の深いトラウマとなり、如懿に対する恐怖心の源となった。この時点で側室への強い警戒心が芽生え、如懿と晞月に対して避妊薬を仕込んだ翡翠の腕輪を贈っている。その夜、弘暦の初夜の相手が自分ではなく如懿だったことに動揺するが、正室の風格を示すことでその座を守り抜くことを決める。
- 演 - 辛芷蕾、声 - 辛芷蕾(普)、鄭麗麗(粤)
- 宝親王格格→嘉貴人→嘉嬪→嘉妃→嘉貴妃→嘉嬪→嘉貴人→嘉嬪→嘉貴妃→金答応→嘉貴妃→庶人→淑嘉皇貴妃(追諡)
- 弘暦の側室の一人。北方の隣国・玉氏[注釈 1]から清へ献上された貢女。第4皇子・永珹、第8皇子・永璇、第9皇子、第11皇子・永瑆の母。啓祥宮に住む。後宮一の美貌と称される容貌を持ち、母国で仕込んだ北琴や歌舞を用いて弘暦を魅了する。母国の世子に強い想いを抱いており、彼や故郷の地位を高めるため、琅嬅や晞月、阿箬らを利用して宮中で暗躍する。
- 演 - 童瑶、声 - 陸庚宜(普)、張頌欣(粤)
- 宝親王格格→宝親王側福晋→慧貴妃→慧皇貴妃→慧賢皇貴妃(追諡)
- 弘暦の側室の一人。如懿・琅嬅とほぼ同時に入内した最古参の妃。咸福宮に住む。傲慢で高飛車な性格で、あまり聡明とも言えないが、漢詩に通じたり琵琶の名手でもあるなど教養はある。父は両淮塩運使(後に河道総督)・高斌で、所謂成り上がりの家柄。弘暦の福晋選びの場では側室にすら選ばれず周囲の失笑を買ってしまったが、結局は雍正帝と熹貴妃のとりなしによって格格として弘暦に嫁ぐ(第1話)。輿入れの際に、琅嬅から避妊薬が仕込まれた翡翠の腕輪を贈られた。その夜、弘暦が正室の琅嬅ではなく青桜と初夜を過ごしたことを知り、その琅嬅に避妊薬を盛られていると知らないまま彼女の味方になることを決めた。輿入れから6年後、側福晋に昇格している。
- 宝親王府時代から青桜とは相当な不仲だった。雍正帝の大葬後、青桜が皇太后の命で紫禁城入りを許されず宝親王府に軟禁された時には彼女を揶揄する発言をしていた。
乾隆帝後宮
[編集]清代の後宮には身分の高い順に、皇后(1名)、皇貴妃(1名)、貴妃(2名)、妃(4名)、嬪(6名)、貴人(定員なし)、常在(定員なし)、答応(定員なし)、官女子(定員なし)の9つの位がある。また、皇子の妃には身分が低い順に嫡福晋(正室に相当)、側福晋、格格(ゲゲ)の3つの位がある。
- 富察 諸瑛(フチャ しょえい)
- 宝親王格格→哲妃(追封)→哲憫皇貴妃(追封)
- 言及のみに登場。弘暦の皇子時代の妃。第1皇子・永璜と第2公主の母。富察琅嬅の遠縁に当たるが、彼女とは違い低い家柄の出身。弘暦が即位する3ヶ月前、難産の末に第2公主を出産するが、産後の肥立ちが悪く母娘ともに薨去した。弘暦は即位後に彼女を哲妃と追諡し、晞月が亡くなった際に哲憫皇貴妃と再追諡した[ep 5]。
- 直接登場していないため生前の人柄や交友関係については不明な点が多いが、玉妍によると黄綺瑩と親交があったという。また、生前は永璜が皇太子になることを期待しており、彼が野心家になる遠因を作った。琅嬅には嫌われており、それが原因となり諸瑛と公主の死に琅嬅が関与したとする噂が広まった。当の琅嬅はこの噂を最期まで否定しており、本編の中で真相が明らかになることはなかった[注釈 2]。
- 蘇 緑筠(そ りょくいん)
- 演 - 胡可、声 - 胡可(普)、陳琴雲(粤)
- 宝親王格格→純嬪→純妃→純貴妃→純皇貴妃→純恵皇貴妃(追諡)
- 如懿の友人の一人。鍾粋宮に住む。弘暦に皇子時代から仕える古参の妃。温厚で争いを好まず、後宮の諍いに巻き込まれないよう慎重に生活している。一方で人の話を疑わず簡単に唆されてしまうのが弱点。第3皇子・永璋、第6皇子・永瑢、第4公主・璟妍の実母で、如懿が冷宮に送られてからは代わりに第1皇子・永璜の養母となった。実子に対しては深い愛情を注ぐ一方で、永璜に対しては時折冷淡な態度を取ることがある。
- 陳 婉茵(ちん えんいん)
- 演 - 曹曦文、声 - 曹曦文(普)、林元春(粤)
- 宝親王格格→婉答応→婉常在→婉貴人→婉嬪
- 弘暦に皇子時代から仕える古参の妃。鍾粋宮に住む。物静かで大人しい人柄。弘暦のことは純粋に恋い慕っているが、彼からの寵愛は薄い。口下手で寡黙な性格が災いして弘暦に自分の気持ちを上手く伝えられず、日夜彼の肖像画を描いて気を紛らわしている。寵愛が薄く家柄も低いため、彼女を敵視する者は皆無に等しく、侘しいながらも穏やかな日々を過ごしている。同じ鍾粋宮に住む蘇緑筠と親しく、如懿や海蘭とも親交がある。
- 黄 綺瑩(こう きえい)
- 演 - 韓丹彤、声 - 謝軼輝(普)、魏恵娥(粤)
- 宝親王嫡福晋侍女→宝親王格格→儀貴人→儀嬪(追封)
- 弘暦に皇子時代から仕える古参の妃。景陽宮に住む。初めは宝親王府で富察琅嬅に仕える侍女だったが、弘暦の寵愛を受け側室となった。富察諸瑛と仲が良かった。琅嬅・高晞月・金玉妍に取り入り、彼女たち同様に海蘭を見下している。優柔不断で強きにおもねる風見鶏のような人物。
- 索綽倫 阿箬(ソチョロン あじゃく)
- 演 - 曾一萱、声 - 呉羨婷(粤)
- 宝親王側福晋侍女→嫻妃侍女→御前侍女→慎常在→慎貴人→慎嬪→庶人
- 高斌(高晞月の父)の部下・索綽倫桂鐸の娘。烏拉那拉家で如懿の侍女として仕え、主が弘暦に嫁いだ際にもこれに従った。野心が強く栄華を夢見ており、後に主を裏切り自らが妃となる。妃となってからは啓祥宮で暮らす。
- 如懿の寵愛を傘に着て傲慢に振る舞うことが多く、噂好きで分を弁えない振る舞いが多い。また惢心のことを見下しており、事あるごとに小言を言い嫌がらせをする。
皇族
[編集]- 愛新覚羅 胤禛(アイシンギョロ いんしん)
- 演 - 張豊毅、声 - 招世亮(粤)
- 清の第5代皇帝・雍正帝。弘暦らの父。
- 第1話では長子の弘時に皇位簒奪の意思があると看做し、その皇籍を剥奪した。また、弘時の養母である皇后にも「死しても見えぬ」と宣言し景仁宮に幽閉する。その後、弘暦の福晋選びが行われている絳雪軒へ赴き、皇后の姪である如懿が弘暦の嫡福晋となることを禁じて彼女を紫禁城から追い出した。しかし弘暦の懇願を受け、如懿を側福晋として娶ることを結局許可する。その際、弘暦に「皇族というものは何一つ思うままにならぬ」、「決断を下して何かを得る時、必ずや犠牲を伴うのだ」と教誨を与えた。
- 雍正13年(1735年)に崩御(第2話)。皇位は四男の弘暦が継承した。
- 烏拉那拉氏(ウラナラ氏)
- 演 - 陳冲、声 - 郝幽玥(普)、陸恵玲(粤)
- 雍正帝皇后→景仁宮皇后
- 雍正帝の皇后。前作の烏拉那拉宜修。如懿(青桜)の父方の叔母で、弘時の養母。居所は景仁宮。栄華に固執し、権力争いに余念がない。そのため権勢に関心の薄い青桜に対してはその不甲斐なさを嘆く言動も多い。一方で雍正帝のことは心から愛しており、死後は同じ陵墓で眠ることを強く願っている。
- 熹貴妃鈕祜禄氏と激しく対立し、長年にわたって死闘を繰り広げた。青桜を弘時や弘暦に嫁がせることで烏拉那拉氏の繁栄を図ったが、鈕祜禄氏の策により弘時もろとも失脚。勅命により景仁宮に終身禁足を命じられ、雍正帝から絶縁を言い渡された。その後、青桜が弘暦に嫁ぐことを知り一族の希望を彼女に託す[ep 1]。
- それから雍正帝が崩御するまでの6年を幽閉の身で過ごしたが、なお夫への愛情は衰えなかった。雍正帝が崩御すると、喪服に着替えてその死と大葬に参列できない我が身を嘆きつつ、青桜や弘暦を利用して復権と復讐を企む。しかし、これ以上叔母を政争に関わらせたくないと考えた青桜の働きかけで盛京行宮への隠居が決定。これは烏拉那拉氏自身の意思にも反することだったが、計画を知った鈕祜禄氏の怒りも買ったことで計画は頓挫した[ep 2]。
- このことがきっかけとなり、鈕祜禄氏から青桜の命と引き換えに自死を強要される。その晩、青桜の目の前で毒をあおり、皇后となるよう遺言して壮絶な最期を遂げた[ep 3]。葬儀は妃の待遇で執り行われ、遺体は妃陵(側室用の墓地)に埋葬された。彼女の存在は史書から抹消され、雍正帝と同じ墓で眠るという願いも果たされることはなかった。
- 死後は如懿の夢に度々現れるようになる。第24話では冷宮に入れられ何度も奸計に嵌まる如懿を叱責した。第28話では周到な策を用いて冷宮から生還した如懿を称え、そのまま皇后になるよう励まし、第48話では遂に皇后になった如懿を褒め称えた。第82話では断髪し禁足となった如懿を責めるが、逆に反論され、唖然とした表情を浮かべていた。
- 鈕祜禄氏(ニオフル氏)
- 演 - 鄔君梅、声 - 黄玉娟(粤)
- 熹貴妃→崇慶皇太后(聖母皇太后)
- 雍正帝の側室。弘暦の養母、端淑長公主・恒娖と柔淑長公主・恒媞の実母。前作の主人公・鈕祜禄甄嬛であるが、前作よりも狡猾な策略家である一面が強調されるなど、設定には差異がある。
- 皇后烏拉那拉氏と対立し、長年死闘を繰り広げてきたが、朝臣たちを利用して遂に彼女とその養子・弘時を陥れた(第1話)。また皇后の姪である如懿も疎んじている。弘暦の福晋選びの場では嫡福晋に琅嬅を推すも、如懿が選ばれ不快感を催した。結局烏拉那拉氏が処罰を受けたことにより琅嬅が嫡福晋となったが、それでも弘暦が雍正帝に懇願して如懿を側福晋として娶ったことを知り、「頑固な如懿と不和が生じた時には後悔するかもしれない」と忠告した(第1話)。
- 愛新覚羅 弘時(アイシンギョロ こうじ)
- 演 - 李解(少年期:馬啓越)、声 - 劉奕希(粤)
- 雍正帝第3皇子→庶人
- 生母は斉妃、養母は皇后烏拉那拉氏。三男であるが兄は二人とも夭折したため事実上の長子として扱われている。弘暦・弘昼・恒娖・恒媞の異母兄。如懿にはあまり慕われていない。嫡福晋に董鄂氏を迎えた直後、養母と対立する熹貴妃の策略に嵌まり、朝臣と結託して皇位簒奪を図ったと雍正帝に疑いをかけられる。烏拉那拉皇后が取りなしをしたが許されず、皇籍剥奪の上庶人に落とされた(第1話)。
- 董鄂氏(ドンゴ氏)
- 雍正帝第3皇子嫡福晋
- 言及のみに登場。弘時の嫡福晋に選ばれたが、間もなくして夫は庶人に落とされた。
- 愛新覚羅 恒娖(アイシンギョロ こうさく)
- 演 - 宣璐
- 端淑長公主
- 皇太后の長女、弘暦の妹で恒媞の姉。前作の朧月公主。後に兄とは不仲になるが、幼い頃の関係は良好だった。弘暦が即位する前、高斌らの提言によりジュンガル部の達爾扎と政略結婚させられた。その後、夫が達瓦斉の反乱に遭い殺害され、自身は達瓦斉との再婚を迫られる。そこで兄にジュンガル出兵を要請する文を出したものの、戦いを避けたいと考えていた弘暦に黙殺され、結局夫の仇と再婚する羽目になる[ep 6]。
- 達瓦斉が清に降伏し北京に入ると、恒娖も彼とともに入京したが、既に一子を身ごもって5ヶ月になっていたため離婚することができなかった。その代わり、屋敷で酒浸りとなっている達瓦斉と別居し、慈寧宮で皇太后と暮らすことを許された。
- その後、皇太后や弘暦と20年ぶりの再会を果たした。皇太后とは抱擁し合い、涙を流してその再会を喜ぶ一方、自らを見捨てた弘暦に対しては冷淡な態度を取っていた[ep 7][ep 8]。
乾隆帝の皇子・公主
[編集]- 乾隆帝の17男10女の子の内、第10公主固倫和孝公主[注釈 3]以外は全員が登場あるいは言及されている。
- 愛新覚羅 永璜(アイシンギョロ えいこう)
- 演 - 丁橋(幼少期:王柬禾 少年期:葉凱文)
- 第1皇子→定安親王(追諡)
- 生母は富察諸瑛。養母は烏拉那拉如懿、後に蘇緑筠。第2公主の実兄。聡明で思慮深い一方、長子としての自負は強く、時折皇太子への野心を垣間見せる。幼くして母と妹を失い、父の即位後は擷芳殿で暮らしていた。諸瑛を嫌悪していた嫡母・琅嬅には疎まれ、その意を汲んだ素練の指図により養育係から虐待同然の扱いを受けていた。
- その後、機転を利かせて自らの窮状を弘暦に訴えたことによって如懿に引き取られ養子となる[ep 9]。しばらくは如懿や海蘭とともに延禧宮で穏やかな日々を過ごしていたが、如懿が冷宮に入れられたことでその生活は終焉を迎え、蘇緑筠に引き取られた[ep 10]。
- 第1公主
- 生母は富察琅嬅。永璉、璟瑟、永琮の実姉。言及のみに登場。夭折した。
- 愛新覚羅 永璉(アイシンギョロ えいれん)
- 演 - 于垚
- 第2皇子→端慧皇太子(追諡)
- 生母は富察琅嬅。第1公主の実弟、璟瑟と永琮の実兄。弘暦の嫡男であり、両親から大きな期待を寄せられている。名付け親は雍正帝であり、「璉」という字には皇位を継承する者という意味が込められている。
- 第2公主
- 生母は富察諸瑛。永璜の実妹。言及のみに登場。難産の末に生まれたが、間もなくして母娘ともども亡くなった。後に、諸瑛を快く思わない琅嬅がこの母娘の死に関与したという噂が宮中で広まった。
- 愛新覚羅 璟瑟(アイシンギョロ けいしつ)
- 演 - 関雪盈(幼少期:劉思瑩、少女期:呉玉珏)、声 - 趙夢嬌(普)、成瑶孆(粤)
- 第3公主→固倫和敬公主
- 生母は富察琅嬅。第1公主と永璉の実妹、永琮の実姉。幼い頃は内気で無口な少女だったが、母の影響を強く受けた結果、嫡出であることを傘に着た傲慢な人物に変貌する。母を敬愛している一方、側室や庶子たちには高圧的な態度を取る。とりわけ母が敵視する如懿に対しては異常なまでの憎悪を募らせている。琅嬅の産んだ二男二女のうち唯一成人した子であるため、弘暦からは鍾愛されている。
- 愛新覚羅 永璋(アイシンギョロ えいしょう)
- 演 - 程星源(幼少期:何鸞輝、少年期:劉澤宇)
- 第3皇子→循郡王(追封)
- 生母は蘇緑筠。永瑢と璟妍の実兄。幼い頃、琅嬅の計略により母と引き離されて擷芳殿へ送られた。そこで甘やかされて育ったため、あまり勉学や武芸が得意ではない。
- 白蕊姫の皇子
- 第12話で白蕊姫が懐妊した皇子。名前については、弘暦の相談を受けた如懿によって永琋(えいき)と命名されたが(第14話)、正式なものではない。金玉妍の陰謀により母体から朱砂を摂取し続けた結果、奇形を持って誕生するが、母体から出てすぐに亡くなってしまった(第14話)。公式には死産とされ、奇形児であったことは伏せられた。また、出産の場に居合わせた者たちには緘口令が敷かれた。
乾隆帝の皇子・公主の家族
[編集]- 色布騰巴勒珠爾(スプタン・バルジュル)
- 演 - 不明
- 璟瑟の夫、慶佑の父。モンゴル・ホルチン部の世子。輔国公。幼い頃から紫禁城で暮らし、清の皇子たちとともに尚書房で学んでいた。第37話で清の嫡出公主(即ち恒媞と璟瑟のどちらか)との縁談を希望し、璟瑟を娶る。当初の夫婦仲は良かったが、難産が原因で妻が不妊体質に陥ってからは次第に心が離れ、妾を作るようになった。その後、阿睦爾撒納の反乱を察知できず平定に失敗したことを罪に問われ、本来ならば死罪に処せられるところであったが、璟瑟を哀れんだ弘暦の温情により助命された。その代わり爵位を剥奪され、妻子とは別居させられることになった(第68話)。第75話では木蘭囲場での宴に出席し、その時は同席した璟瑟と親しげに盃を交わしていた。
雍正帝後宮
[編集]- 敦粛皇貴妃(とんしゅくこうきひ)
- 年氏。前作の年世蘭に当たる。故人で、言及のみに登場。翊坤宮に住み、熹貴妃(皇太后)とは不仲だった。第4話で弘暦が如懿に翊坤宮を宛てがおうとした際に、琅嬅は彼女を敦粛皇貴妃と同じ宮に住まわせれば皇太后を刺激すると指摘し、代わりに養心殿から離れた延禧宮を如懿に宛てがうよう誘導した。
- 太妃たち
- 雍正帝の側室たち[注釈 4]。後宮での諍いを生き延び、現在は寿康宮で余生を送っている。人数は10人弱ほど。不祥事により子どもの養育権を奪われた妃たち(金玉妍や衛嬿婉など)に代わり、皇子・公主たちの世話役を担うことが多い。
宮女
[編集]- 惢心(ずいしん)
- 演 - 陳小繧、声 - 陳小繧(普)、何宝珊(粤)
- 烏拉那拉如懿の侍女。後に江与彬の妻となる。阿箬とは対照的に穏和な気性で、主の意志を正確に察知することができる利口で忠実な侍女。江与彬と李玉とは郷友であり、二人からは想いを寄せられている。如懿からの信頼も厚いが、彼女が弘暦の屋敷に嫁いだ際に宛てがわれた侍女であるため、先輩の阿箬からは見下されている。
- 福珈(ふくか)
- 演 - 郭虹、声 - 伍秀霞(粤)
- 皇太后鈕祜禄氏の侍女。
- 綉夏(しゅうか)
- 演 - 張棪琰
- 皇后烏拉那拉氏の侍女。主ともども如懿の世話に手を焼いている。主人が禁足されてからも変わらず奉仕する忠実な侍女。雍正帝の崩御を嘆く皇后に、この機会を復権に利用すべきだと助言したが果たせず(第2話)、最期は皇后に殉死した(第3話)。
- 蓮心(れんしん)
- 演 - 王小橙、声 - 王小橙(普)、廖杏茵(粤)
- 富察琅嬅の侍女。王府から宛てがわれた。素練とは違い善良で穏和な性格。幼くして両親を失い、弟妹たちを富察家に奉公させている。王欽から一方的に好意を寄せられ、拒絶していたが、主の思惑により半強制的に彼と結婚させられる[ep 11]。その後、阿箬を初めとする女官たちから陰で嘲笑され、王欽からは凄惨な虐待を受ける。それによって精神的に追い詰められ、事故を装って入水自殺を図るが偶然通りかかった如懿たちに救助された[ep 12]。その後、虐待を知った如懿や李玉らと協力のもと王欽を告発し、彼を死罪に追いやった[ep 13][ep 14]。
- 王欽の死後は婚姻解消が認められ、もとの琅嬅に仕える生活に戻ったが、彼女にとって自らがただの駒でしかなかったと悟り、忠誠心が揺らぎ始める。
- 如懿が琅嬅らによって冷宮に入れられた際は複雑な表情を浮かべていたが、弟妹たちが富察家に人質同然の状態で仕えていたため、恩人を助けることができなかった。同時に自らの一生を台無しにした琅嬅への恨みは日に日に深まっていった[注釈 5]。
- その後、琅嬅に従って東巡に赴いた。琅嬅が白蕊姫の策謀によって河に転落した様子を遠くから目撃したが、助けずにその場から逃げ去ってしまった[ep 15]。琅嬅の死後、主の悪行について弘暦と如懿から証言を求められ、主が如懿を恨んでいたことは認めたが陰謀への直接の関与は否定した。
- 聴取が終わると、弘暦から暇を与えられて自由の身となった。その後、琅嬅や王欽を恨む一方で主を見殺しにしたことを悔い、相反した心情を抱きながら湖に身を投げて殉死した[ep 16]。
- 星璇(せいせん)
- 演 - 李夢洋
- 高晞月が実家から連れてきた侍女。
太監
[編集]- 王 欽(おう きん)
- 演 - 胡明、声 - 潘文柏(粤)
- 養心殿副総管。弘暦には皇子時代から仕えている。当初は真面目に働いていたが、弘暦が即位した頃を境に本性を現す。養心殿の首領太監に就任できなかったことを不満に思い、才覚を示す弟子の李玉に嫉妬して折檻を加えることもあった[ep 17]。また、宮中では使用を禁じられている阿肌蘇丸(あきそがん)という強力な媚薬を密かに服用しており、毎晩のように錯乱状態に陥っている。
- 蓮心に一方的な好意を寄せており、琅嬅の思惑も相まって結婚を認められた。その後も阿肌蘇丸を服用し、結婚を嫌がる蓮心に残酷な虐待を加えた[ep 11]。
- その後、白蕊姫の皇子の秘密を高晞月に漏らし[ep 18]、更にはその責任を如懿に転嫁して禁足に追い込んだ[ep 13]。しかし、蓮心と李玉の策略に嵌り、錯乱状態のまま晞月を妻と見間違えて襲撃して捕らえられ、弘暦の御前に引き出される。そこで今までの悪事が全て発覚し、激怒した弘暦によって加官進爵の刑[注釈 6]に処された[ep 14]。処刑は見せしめのために紫禁城中の宦官を集めた上で執行された。
- 蘇 培盛(そ ばいせい)
- 演 - 沈保平
- 雍正帝の首領太監。弘暦の福晋選びの場から追い出された青桜に懇願され、内密に烏拉那拉皇后との面会を許可した。その後、青桜が側福晋に選出されたことを皇后、熹貴妃、烏拉那拉家に報告した(第1話)。
侍衛
[編集]- 張 宝鉄(ちょう ほうてつ)
- 演 - 宗楷霖
- 冷宮侍衛。冷宮侍衛の中では凌雲徹と趙九宵に次いで出番が多く、二人の先輩に当たる。雲徹・九宵とは違い如懿の護衛を命じられていないため、しばしば如懿や惢心に冷淡な態度を取る。第24話では凌雲徹を呼ぼうとする如懿と口論になった。
- 李 金柱(り きんちゅう)
- 演 - 晋松
- 冷宮侍衛の一人。
廷臣・命婦
[編集]- 烏拉那拉 那爾布(ウラナラ ナルブ)
- 演 - 王勁松、声 - 張炳強(粤)
- 如懿の父。官位は佐領。雍正帝皇后烏拉那拉氏の兄弟に当たる(兄か弟かは不明)。皇后が幽閉された際に、彼女から一族連座を防ぐため皇帝への嘆願はしないよう要請された。その後、蘇培盛から如懿が弘暦の側福晋に選ばれたことを知らされた(第1話)。堤防工事の視察中、高斌の計略により川に転落し亡くなった(第24話)。
- 那爾布夫人
- 演 - 方暁莉、声 - 黄麗芳(粤)
- 如懿の母。郎佳氏。如懿を含めて一男二女がいる。雍正帝皇后とともに如懿が良縁に恵まれることを願っている。二度も福晋選びに落選した如懿の嫁ぎ先を心配していたが、蘇培盛から娘が弘暦の側福晋に選ばれた報せを聞き安堵していた(第1話)。
- 張 廷玉(ちょう ていぎょく)
- 演 - 秦焰、声 - 葉振声(粤)
- 康熙帝の時代から仕える元老。弘暦からも一定の信頼を寄せられている。皇太后とは対立関係にあり、烏拉那拉皇后を支持している。
- 富察 馬斉(フチャ マチ)
- 琅嬅の伯父にして後ろ盾。第24話で病没した。
モンゴル諸部
[編集]- 達爾扎(ダルジャ)
- 言及のみに登場。ジュンガル部の首領で、恒娖の最初の夫。達瓦斉の反乱に遭い敗死する(第56話)。
- 阿睦爾撒納(アムルサナ)
- 言及のみに登場。ホイト部の首領。第68話で清に反乱を起こした。璟瑟の夫・色布騰巴勒珠爾はこの反乱を察知できなかったことを罪に問われ、爵位を剥奪された。
その他
[編集]- 瓜爾佳氏(グワルギャ氏)
- 第1話にのみ登場。戸部侍郎・塞克の娘。弘暦の福晋選びに参加した秀女の一人。
注釈
[編集]- ^ モデルは李氏朝鮮。
- ^ 小説版では諸瑛の死は金玉妍の陰謀によるものであり、後に彼女がその罪を琅嬅に着せたことになっているが、ドラマ版の玉妍にそのような描写はない。
- ^ 小説版では愛新覚羅 璟嫻(アイシンギョロ けいかん)の名で登場。璟兕に容貌がよく似ているという設定である。
- ^ 前作の端妃、敬妃、欣嬪らのことであるかは明言されておらず不明。
- ^ 小説版では海蘭や蘇緑筠と共謀して永璉暗殺の実行犯を請け負い、後には金玉妍や白蕊姫と共謀し永琮暗殺にも関与して琅嬅を精神的に追い詰めたが、いずれの場面もドラマ版では省略された。
- ^ 受刑者の顔の上に湿らせた布を一枚ずつ被せていき、時間をかけて緩やかに窒息死させる酷刑。
参照話数
[編集]- ^ a b 第1話
- ^ a b c 第2話
- ^ a b 第3話
- ^ 第4話
- ^ 第33話
- ^ 第56話
- ^ 第62話
- ^ 第63話
- ^ 第11話
- ^ 第20話
- ^ a b 第12話
- ^ 第13話
- ^ a b 第15話
- ^ a b 第16話
- ^ 第38話
- ^ 第39話
- ^ 第8話
- ^ 第14話
淑嘉皇貴妃
[編集]淑嘉皇貴妃(しゅくかこうきひ、1713年9月14日 - 1755年12月17日)は、清の乾隆帝の側室。姓は金氏。索羅豁満州(高麗佐領)包衣、後に満州正黄旗。上駟院卿金三宝の娘、吏部尚書金簡の妹。
愛新覚羅永璜
[編集]愛新覚羅永璜 | |
---|---|
愛新覚羅氏 | |
称号 | 定安親王 |
出生 |
雍正6年5月28日 (1728年7月5日) |
死去 |
乾隆15年3月15日 (1750年4月21日) |
配偶者 | 伊拉里氏(尉徳海の娘) |
伊爾根覚羅氏(明泰の娘) | |
子女 | 愛新覚羅綿億、愛新覚羅綿恩 |
父親 | 乾隆帝 |
母親 | 哲憫皇貴妃 |
愛新覚羅 永璜(あいしんかくら えいこう、アイシンギョロ・ヨンホァン、満洲語:
ᠠᡞᠰᡞᠨ ᡤᡞᠣᠷᠣ
ᠶᠣᠩ ᡥᡠᠸᠠᠩ、転写:Aisin-gioro Yong Huwang)は、清の皇族。清朝第6代皇帝乾隆帝の第1皇子。母は哲憫皇貴妃富察氏。
生涯
[編集]雍正6年5月28日(1728年7月5日)、乾隆帝(当時は宝親王)とその側室哲憫皇貴妃富察氏との間に生まれる。永璜は乾隆帝の最初の子供だった。雍正9年(1731年)、富察氏は永璜の同母妹となる女児を出産したが、この娘は間もなく夭折した。
雍正13年(1735年)、母の富察氏が病死した。同年、乾隆帝が即位し永璜は皇子となった。
乾隆13年(1748年)、嫡母の孝賢純皇后が亡くなった。永璜と第3皇子永璋はその死を深く悼まなかったため、乾隆帝の怒りを買った。2人は皇太子候補から外され、衝撃を受けた永璜は鬱病に陥った。
乾隆15年(1750年)2月、永璜の病状が悪化した。重篤に陥った皇族は紫禁城外へ出され別荘で療養するのが通例であったが、乾隆帝は永璜が紫禁城内で療養することを特別に許可した。
同年3月15日(4月21日)、永璜は心を閉ざしたまま薨去した。乾隆帝はその死を悔やみ、彼を定親王に追封し、安と追諡した。
妻子
[編集]妻妾
[編集]- 嫡福晋伊拉里氏(軽車都尉尉徳海の娘)
- 側福晋伊爾根覚羅氏(七品官明泰の娘)
子女
[編集]- 次男綿恩-母は伊爾根覚羅氏。乾隆41年(1776年)、兄が爵位を剥奪された後、定親王の位を継いだ。祖父から鍾愛を受けた。
関連作品
[編集]テレビドラマ
[編集]- 『如懿伝 〜紫禁城に散る宿命の王妃〜』(2018年、中国)、演:丁橋
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