利用者:JohnDoe9579/オーツ・スタジオ
https://en-two.iwiki.icu/wiki/Oats_Studios
業種 | 映画製作 |
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設立 | 2017年 |
創業者 | ニール・ブロムカンプ |
本社 | カナダ、ブリティッシュコロンビア州、リッチモンド |
主要人物 |
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ウェブサイト |
oatsstudios |
オーツ・スタジオ(Oats Studios)は、2017年に映画監督のニール・ブロムカンプによって設立されたカナダの独立系映画スタジオ。同スタジオは、YouTubeやSteamを通じて実験的な短編映画を無料で配信し、コミュニティの関心や、長編映画への展開が可能かどうかのフィードバックを得ることを目的として設立された[1]。そのため、どの作品にも明確な結末は無く、物語に続きがある終わり方となっている。
また、Steamでは同スタジオが作成した3Dモデルやコード、音響素材といった編集用アセットが購入できる[2]。通常、こうした映画制作の舞台裏は公開すらされない。この試みは、学生や個人のクリエイターが、自由にアセットへアクセスできるような環境の構築を目的としている。使用ツールは主にUnityやオートデスク社製品(Maya、Max、ShotGridなど)[3]。
作品の多くが短編映画にもかかわらず、シガニー・ウィーバー、カーリー・ポープ、シャールト・コプリー、ジェイソン・コープ、マイケル・ロジャース、ホセ・パブロ・カンティージョ、ダコタ・ファニングなど、有名俳優も多数出演している。
短編
[編集]爬虫類のようなエイリアンが地球を侵略し、その武力と人を操る能力で人類を奴隷にした。生存者は繁殖施設でエイリアンの子どもを産ませられるか、被検体として人体実験される。ジャスパー(シガニー・ウィーバー)率いる反乱軍は負け戦を強いられるが、唯一の実験の生き残りである青年アミール(ユージン・クンバニーワ)を見つける。彼には予知能力があり、その力によって戦況が変わろうとする。
同作の主人公にシガニーを起用しているのは、企画段階で頓挫した『エイリアン5』の名残である。ブロムカンプが脚本を手がける予定だった企画が中止された直後、彼は主演候補だったシガニーに『Rakka』の台本を送ったという。つまり、『ラッカ』はブロムカンプが『エイリアン5』として世に送り出せなかったアイデアを再構築した別の姿とも言える[4]。
「Rakka」は、日本語の「落下」、そしてアイスランド語で「男」を意味する単語。つまり本作のタイトルは、2つの意味を併せて「Fall of Man=人間の堕落」を意味している。
2017年6月14日公開[5]
ビルの楽しいクッキング
[編集]深夜の料理インフォマーシャルをパロディとしたブラックコメディ。ビルが紹介する商品はどれも役に立たないもので、出来上がる料理も不快なものばかり。
密林の悪魔
[編集]1969年のベトナム戦争のアーカイブ映像では、1万5,212人の兵士と2,425台の軍用車両が、未知の力によって空中に浮かび破壊されている。死亡したベトコン数名の体内は、昆虫のような硬い殻に変化していた。この事件は直ちに機密扱いとなり、CIAによって”オメガ事件”と名付けられた。
1970年、ハインズ軍曹(スティーブ・ボイル)は、蘇った米軍兵士のようなものを殺すが、彼らの皮膚の下も昆虫のような生物であることが判明する。その後、CIAのジェイコブ・パーマー(ニック・ラインド)に回収されカンボジアとの国境にある軍の野戦病院に移送される。そこで、「リバー・ゴッド」と呼ばれる謎の生命体と遭遇した唯一の生き残りのブラッケン中尉(クリス・ウィリアム・マーティン)に話を聞く。ブラッケンは、ターヒール基地でのベトコンとの小競り合いの最中、「リバー・ゴッド」に遭遇したと話す。「リバー・ゴッド」と目が合うと、チャールストンの飛行場に瞬間移動し、そこでソ連の実験的戦闘機に攻撃され火だるまになった。その後、再びベトナムのジャングルに戻り、軍の仲間が消火を手伝ってくれた。撤退する直前、「リバー・ゴッド」が倒れた仲間を生き返らせたと回想した。
その日の夜、パーマーはハインズに「リバー・ゴッド」の正体について話し始める。「リバー・ゴッド」は元々はベトナムの普通の村人であり、紛争に巻き込まれ妻と子を亡くした罪のない者であったと話す。悲しみに打ちひしがれた彼は、現実と時空を歪める能力やサイコキネシスを手に入れ、メコンデルタを下りながら双方に大混乱をもたらした。ハインズは「リバー・ゴッド」との交戦に備え、レールガンと時空の歪みから守るための磁場発生装置を手にする。これらの武器で武装したハインズは、悪魔になったものとの戦いに挑む。
2017年6月28日公開[10]
神の戯れ: 現代/原始
[編集]神(シャールト・コプリー)とその執事(ジェイソン・コープ)が会話しながら、台の上に並べられたミニチュアの人間や動物がすることの実況をしたり、それに反応したりする。
融合体
[編集]20年前、カナダ北部とロシアにミネラルを豊富に含んだ大きな小惑星が墜落した。ノースウエスト準州のケルベロス鉱業が運営する採掘基地で、未知の生命体が襲いかかり98人の隊員のうち2人のみ生き残る。その生命体は、死亡した隊員の遺体を吸収しながら大きくなっていく。
生存者のジョン・クイン(ホセ・パブロ・カンティージョ)と "炭鉱のカナリア"として生み出された人造人間バークレイ(ダコタ・ファニング)は、安全だと思われるアルファ棟に乗り込む。体に異変が起き始め逃げきれないと判断したクインは、バークレイに自分を置いて逃げるよう促し、さらに彼女は人造人間ではなく、それより安価な代替品として会社が購入した孤児であることを明かす。彼女が地下シェルターに入るのに必要な生体認証を突破するため、自分の指を切り落とし渡す。
バークレイはシェルターに辿り着きクインの指を生体認証にかざすが、彼の階級でもまだ低く扉は開かない。クリーチャーと対峙した彼女は一時的に無力化させ、クリーチャーの体から腕を切り落とし、上級階級の指を見つけ生体認証を突破しシェルターに逃げ込む。
2107年7月12日公開[13]
キャプチャー: バッタ
[編集]『怪しい伝説』や『トップ・ギア』など、さまざまなハイテク関連の実験番組のパロディ。民間兵器メーカー「キャプチャー」の興奮しすぎた科学者ゲイリーとジェフの2人が、新開発兵器のデモンストレーションを撮影しているという構成となっている。2人は、米国防総省と連邦刑務所局と特別な契約を結び、囚人を被験者として使用できることを告げる。
”フルーク”と名付けられた最新兵器は、ベースステーションと送信機が一体となっており、送信機はショットガンで発射することができる。被験者のマイクは足を撃たれ、送信機が埋め込まれる。神経接続を作動させると、マイクの体を完全にコントロールでき、マイクが見ている景色を見ることが出来るようになる。2人はマイクを敵本部に見立てた小屋に誘導し、装置の自爆システムを作動させる。2人の科学者は陽気に新兵器の成功に喜んでいる。
2つ目の兵器は、バッタの神経に電子機器を接続し、リアルタイムで操作できるというもの。バッタには爆弾も取り付けられており、”空飛ぶ爆弾”として機能する。例によって囚人の被験者が連れて来られる。レーザー照準器を被験者に当て標的を決めると、バッタの大群が被験者に向かって飛んでいき、爆発し被験者は死亡する。2人は、またしてもデモンストレーションの成功に興奮する。
2017年8月3日公開[14]
アダム: エピソード2
[編集]”アダム(ジェイソン・コープ)”が属す、マントをまとったアンドロイド(ケン・ローソン)率いる犯罪アンドロイド集団は、大規模な石油火災が頻発する砂漠を進む。砂嵐が吹き荒れる中、激しく損傷した一体のアンドロイドが息絶える。やがて、一行は他のアンドロイドが警備する廃墟に辿り着く。
中に入ると、マントのアンドロイドが、自分たちアンドロイドがどういう存在なのかを説明し始める。アンドロイドは元々人間だった。「コンソーシアム」と呼ばれるコミュニティが統治する壁に囲まれた都市で、重罪を犯した人間は身体と臓器を摘出され、他の市民を救うために使われる。人間の体で唯一”汚染”されている脳は、安価なアンドロイドの殻に入れられ、記憶は消され壁外の荒れ地に放棄される。なぜ殺されないのかは不明。マントのアンドロイドは、人間だった頃の痕跡や犯罪歴を読み取ること出来るという人間とアンドロイドのハイブリッド”ミラー(アリソン・ウォーカー)”を紹介する。
”ミラー”は”アダム”の過去を読み取り、城壁内タコマでの反逆罪とテロリズムの有罪判決を受けたことを明かし、”アダム”が反体制派であったことが分かる。
なお、エピソード1はゲームエンジンUnityで製作された[15][16][17]。
2017年10月3日公開[18]
Praetoria
[編集]巨大な銀河の物語。全編3DCG。
2017年11月3日公開[19]
Migrants
[編集]同スタジオが愛するアーティストによる短編映画プレイリストの第1弾で[20]、ポール・チャダイソンが選ばれた。彼は『DUNE/デューン 砂の惑星』や『ザ・クリエイター/創造者』などのコンセプトアートを担当しており、『ファウンデーション』では美術監督組合から贈られる優秀プロダクション・デザイン賞にノミネートされた。
2020年1月10日公開[21]
最低大統領: 原油流出/ブツ
[編集]アリゾナ州立大学の卒業生であるウィリアム・”ビリー”・コルトランは、別のタイムラインで合衆国大統領になりパーティーに訪れる。
グダニスク
[編集]ポーランドのアーティストヤクブ・ロザルスキーの作品『1410[24]』にインスパイアされた、中世の巨人シリーズの第1弾。全編3DCG。
2017年11月21日公開[25]
アダム: エピソード3
[編集]マリアン(カーリー・ポープ)という、病に侵され亡命しようと企んでいた人間の女性が、預言者(マイケル・ロジャース)の下に連れて来られる。彼女の協力者が預言者に密告したという。彼の下で暮らす信者たちは、防護マスクを着けずとも健康に暮らせている。マリアンの弟ジェイコブ(コールトン・ジャクソン)は、病人の薬を盗みコミュニティを追われていた。男は、自信への忠誠を証明するために、マリアンに1体のアンドロイドを殺すように命令する。そのアンドロイドは弟のジェイコブだったが、彼女は殺害を遂行する。その後、防護マスクを外し、男が手をかざすと病が瞬時に治る。男が地下施設に入ると、皮膚が剥がれアンドロイドだったことが分かる。
2017年11月30日公開[26]
Conviction
[編集]アクションRPG「Anthem」の発売に先立ち公開された、ゲームから数10年前を舞台に描いた短編実写映画。
2019年2月14日公開[27]
OFF THE GRID - Switcher part 1
[編集]ニール・ブロムカンプ監督作品。バトルロワイヤルTPS「Off The Grid」の短編映画化第1弾。ユニバーサル・プロダクション・パートナーズがVFXを担当した。なお、同ゲームの監督もブロムカンプが務めた。
2022年8月25日公開[28]
Lima
[編集]多国籍企業、政府の秘密計画、失敗した科学実験などのアイデアを探る。現在、トレーラー映像のみ公開されている[29]。
公開未定
映画
[編集]同スタジオ初の長編映画。コロナウイルス感染症によるパンデミックの中、密かに撮影が行われた。2021年8月20日に公開されると同時に、VODやAmazon Prime Videoでも配信された。
脚注
[編集]- ^ Alexander, Julia (June 15, 2017). “District 9 director wants Steam users to watch movies for free, but purchase DLC”. Polygon. July 31, 2022閲覧。
- ^ “Steam:Oats Studios - Volume 1 Assets”. store.steampowered.com. 2023年10月27日閲覧。
- ^ “クリス・ハーヴェイが語るニール・ブロムカンプ監督のオーツスタジオ”. AREA JAPAN (2018年2月20日). 2023年10月27日閲覧。
- ^ Nast, Condé (2017年6月24日). “『第9地区』ブロムカンプ監督が「無料のショートフィルム」で伝えたいもの”. WIRED.jp. 2023年10月27日閲覧。
- ^ (日本語) Oats Studios - Volume 1 - Rakka 2023年10月26日閲覧。
- ^ (日本語) Oats Studios - Volume 1 - Cooking With Bill: Damasu 950 2023年10月26日閲覧。
- ^ (日本語) Oats Studios - Volume 1 - Cooking With Bill: Sushi 2023年10月26日閲覧。
- ^ (日本語) Oats Studios - Volume 1 - Cooking With Bill: PrestoVeg 2023年10月26日閲覧。
- ^ (日本語) Oats Studios - Volume 1 - Cooking With Bill: Smoothie 2023年10月26日閲覧。
- ^ (日本語) Oats Studios - Volume 1 - Firebase 2023年10月26日閲覧。
- ^ (日本語) Oats Studios - Volume 1 - God: Serengeti 2023年10月26日閲覧。
- ^ (日本語) Oats Studios - God: City 2023年10月27日閲覧。
- ^ (日本語) Oats Studios - Volume 1 - Zygote 2023年10月26日閲覧。
- ^ (日本語) Oats Studios - Volume 1 - Kapture: Fluke 2023年10月26日閲覧。
- ^ Technologies, Unity. “Introducing Adam - A Unity Short Film Rendered in Real Time” (英語). unity.com. 2023年10月26日閲覧。
- ^ Efremov, Veselin (2016-06-20), Adam, Ovanes Torosian, Stanimir Stamatov, Unity Technologies 2023年10月26日閲覧。
- ^ (日本語) Adam | Unity 2023年10月26日閲覧。
- ^ (日本語) ADAM: Episode 2 2023年10月26日閲覧。
- ^ (日本語) Oats Studios - Praetoria 2023年10月26日閲覧。
- ^ “Oats Studios presents short films from artists we love - YouTube”. www.youtube.com. 2023年10月26日閲覧。
- ^ (日本語) OATS STUDIOS PRESENTS – MIGRANTS – a Short Film by Paul Chadeisson 2023年10月26日閲覧。
- ^ (日本語) OATS STUDIOS - BAD PRESIDENT - OIL SPILL 2023年10月26日閲覧。
- ^ (日本語) OATS STUDIOS - BAD PRESIDENT - ALL MY SH*T 2023年10月26日閲覧。
- ^ “1410” (英語). Jakub Rozalski. 2023年10月26日閲覧。
- ^ (日本語) Oats Studios - Gdansk 2023年10月26日閲覧。
- ^ (日本語) ADAM: Episode 3 2023年10月26日閲覧。
- ^ (日本語) Conviction – An Anthem Trailer From Neill Blomkamp 2023年10月26日閲覧。
- ^ Blomkamp, Neill (2022-08-25), Switcher - Off the Grid Cinema, Amira Anderson, Milena Brewster, Artine Tony Browne, Gunzilla Games, Oats Studios 2023年10月26日閲覧。
- ^ (日本語) Oats Studios - LIMA Trailer 2023年10月26日閲覧。
外部リンク
[編集]- 公式サイト
- Oats Studios - IMDb
- Oats Studios - YouTubeチャンネル
- Oats Studios - Volume 1 on Steam