利用者:小石川人晃/人
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ウィキペディアを編集していると、他の利用者と論争となり、ときにトラブルに発展している場面をよく見かけます。人間は、過去の体験や自分の好み、いわゆる「自分のモノサシ」で物事に意味づけをしまいがちです。この「自分のモノサシ」のことを心理学的には「私的論理」とよんでいて、誰しもが持っている感覚です。私的論理がウィキペディア・コミュニティの中でうまく機能しているうちは平穏なのですが、他の利用者が持つ考え方や物事の捉え方と、自分の考え方が噛み合わなくなってきたときに、深刻なトラブルに発展することが往々にしてみられます(Wikipedia:コメント依頼#利用者の行為についてのコメント依頼、Wikipedia:投稿ブロック依頼)。
この私的論理ですが、自分のモノサシによる誤った思い込みのことを「ベイシック・ミステイクス」というそうです。日常生活のなかでも起こりうることですが、自己保身のために自身が持つ考え方にあまりにも縛られすぎると、ベイシック・ミステイクスに自分が陥ってしまう可能性があります。人間が陥りやすいベイシック・ミステイクスの例を下記に示します[1]。
- 決めつけ - 起こってもいないことなのに、勝手に決めつけて相手にレッテルを貼る。
- 誇張 - 物事を悪い方向に拡大解釈して大げさに誇張する。
- 見落とし - 相手の一部の悪い面だけを見て、他の良い面を見ようとしない。
- 過度の一般化 - 特定の現象を全般に当てはめてしまう。
- 誤った価値観 - 理不尽で非論理的な価値観に陥る。
ベイシック・ミステイクスは短絡的に相手の感情を刺激し、相手に理解されることはなく怒りや暴言を生む元凶となります(個人攻撃)。人によってはハラスメントと捉えられることでしょう。ベイシック・ミステイクスに陥らないようにするためには、建設的で現実に即した考えに基づいた「共通感覚」を養い、自分のモノサシだけを基準とすることなく、視点を変えて第三者の視点で物事を見たり、考えたりすることが大切です。自分自身が“自分の意味づけの癖”を知っておくことは、自身が悪い方向への意味づけを行っていることに気づいて、共通感覚で見直すきっかけとなるので便利です。できるだけ、建設的に物事を考えることが大切です(Wikipedia:議論が白熱しても冷静に)。
共通感覚が身につくようになると、自身の誤った思い込みや極端な考え方を手放すことができます。自分視点で考えていたときには気づかなかったことに気づけるようになり、激しい思い込みや、自身が決めた決まり事(いわゆる「俺ルール」)の相手への押しつけ、「自身ががやらなきゃ誰がやる」などの切迫観念から縛りを解くことができ、ココロが楽になれます[1]。
脚注
[編集]- ^ a b 永藤かおる 2017, pp. 48–49.
参考文献
[編集]- 永藤かおる『図解 勇気の心理学 アドラー超入門』ディスカヴァー・トゥエンティワン、2017年4月20日。ISBN 978-4-7993-7066-7。