利用者:加藤勝憲/今良
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< 利用者:加藤勝憲
令制で、官戸、官奴牌など官有の賤民が解放されて、新たに良民とされた者[1]。名籍は主殿寮にあり、諸宮司に配分されて、水汲み、掃除などの雑役に従事し、衣糧を官給される。
※続日本紀‐天平宝字五年(761)八月己卯「以二今良三百六十六人一。編二附左右京。大和。山背。伊勢。参河。下総等職国一」 [補注]「今良」のよみ方は未詳。他に「いままいり」「いまよし」「いまろう」「いまおおみたから」「こんら」「ごんりょう」等と試みられているが一定しない。
古文書に見られる「今良」。
「延喜縫殿寮式」 凡寮直今良廿四人。男二人。女二人。其衣服幷粮米不経主殿寮。寮家直受充。(延喜式 巻14 縫殿寮 517頁)
とある今良女二十二人は、恐らく縫殿寮の女嬬の助手として、同寮で製作する衣服の縫製に従事せしめられたものであろう、と瀧川政次郎は述べている[2]。
脚注・参考文献
[編集]脚注
[編集]- ^ 「第四章 古代の奴婢について」『日本古代社会構成史論』、297 - 370頁 。
- ^ 瀧川政次郎『日本奴隷経済史』刀江書院、1930年、92 - 93頁。doi:10.11501/1280340 。
参考文献
[編集]- 『続日本紀考証 : 巻1-12 巻7-9』。doi:10.11501/1919207 。「今良 延喜式古本傍注云謂放賤徒良者」
- 『延喜式 巻25 主計下』〈国史大系 第13巻〉明治33、757頁。doi:10.11501/991103 。「依議所進爲議益一放賤從良之類〓議損等人還課。及依例所損以爲例損。正丁」
- 物集高見 編『皇学叢書 : 新註 12巻 苐三巻』広文庫刊行会、昭和2、383頁。doi:10.11501/1912545 。「【今良】一度過ちて賤民となり更に許されて良民に編入せられしをいふより転じて、新参者を云い、主殿寮に属する男女の下部也。」
- 瀧川政次郎『日本奴隷経済史』刀江書院、1930年。doi:10.11501/1280340 。
- 瀧川政次郎『日本奴隷経済史』乾元社、1948年。
- 瀧川政次郎『新版 日本奴隷経済史』刀江書院、1972年。doi:10.11501/11932287。
- 瀧川政次郎『増補 日本奴隷経済史』名著普及会、1985年。doi:10.11501/13097749。
- 瀧川政次郎『律令賤民制の研究』角川書店〈法制史論叢 第3冊〉、1967年。doi:10.11501/2998671。
- 瀧川政次郎『律令賤民制の研究』(復刻版)名著普及会〈法制史論叢 第3冊〉、1986年。
- 吉田晶「第四章 古代の奴婢について」『日本古代社会構成史論』塙書房、1968年、297 - 370頁。doi:10.11501/3024422 。
- 直木孝次郎「寺奴の職掌と地位について」『奈良時代史の諸問題』塙書房、1968年、86 - 103頁。doi:10.11501/2967558 。
- 直木孝次郎「奴婢の有償解放」『奈良時代史の諸問題』塙書房、1968年、351 - 354頁。doi:10.11501/2967558 。
- 川上多助「第2章 部の分化、第3章 古代賤民制に就いての一考察、第4章 古代戸籍考」『日本古代社会史の研究』河出書房、1947年。doi:10.11501/1041677 。
- 【大宝律令、養老律令、令集解、令義解、三代格 本文関連】
- 「令義解」『新訂増補 国史大系 普及版』吉川弘文館。
- 新訂増補 國史大系 普及版 律
- 新訂増補 国史大系 普及版 続日本紀 前・後篇
- 新訂増補 国史大系 律 普及版
- 瀧川政次郎『律令格式の研究』名著普及会〈法制史論叢 第1冊〉、1986年。doi:10.11501/11932127 。
- 経済雑誌社 編『令集解、類聚三代格』経済雑誌社〈国史大系 第12巻〉、1900年。doi:10.11501/991102 。
- 「類聚三代格」『国史大系 第12巻』経済雑誌社、1900年。doi:10.11501/991102 。
- 「類聚三代格」『国史大系 第25巻 新訂増補』国史大系刊行会、1936年。doi:10.11501/3431640 。