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猛禽類医学研究所 | |
---|---|
情報 | |
英語名称 | Institute for Raptor Biomedicine Japan |
主な診療動物 | 野生猛禽類 |
開設年月日 | 2005年 |
所在地 |
〒084-0922
北海道釧路市北斗2-2101 環境省 釧路湿原野生生物保護センター内 |
地理座標 | 北緯43度3分58.11秒 東経144度17分52.07秒 / 北緯43.0661417度 東経144.2977972度猛禽類医学研究所)座標: 北緯43度3分58.11秒 東経144度17分52.07秒 / 北緯43.0661417度 東経144.2977972度猛禽類医学研究所) |
公式サイト | http://www.irbj.net/index.html |
SNS | |
法人番号 | 6460001004254 |
プロジェクト:獣医学 |
傷病鳥類の受け入れ
[編集]環境省の委託を受け、怪我を負った野生鳥類を保護し、治療、リハビリテーション、野生復帰に向けた訓練ののち放鳥を行っている[1]。毎年50羽ほどの猛禽類を保護している[2]。また収容された死体については病理解剖を始めとする調査を行い、死因の究明にも努めている[3][4]。
放鳥の際に衛星送信機を装着しており[1]ラジオテレメトリーによる追跡調査をおこなっている[4]。
自動車との衝突、鉄道事故、送配電線での感電、鉛弾の破片を取り込んだことによる鉛中毒等により野生鳥類が運び込まれ[3]傷病原因のほとんどは人間によるものである[5]。
終生飼育個体
[編集]リハビリ後も野生復帰ができない個体を「終生飼育個体」として飼育している[6][3]。その数は2022年1月時点で三十数羽で[6]輸血ドナーや、事故防止用器具の開発・検証に役立っている[1]。終生飼育個体のの飼育・管理費は環境省の保護増殖事業に含まれないため、環境調査受託などで調達している[6]。
シマフクロウのちび
[編集]生物 | シマフクロウ |
---|---|
性別 | オス[7] |
孵化 | 2011年4月8日[8] 十勝振興局管内の森[7][8] |
死没 | 2019年9月4日[9][10] 猛禽類医学研究所 |
職業 | シマフクロウ親善大使 |
所属 | 猛禽類医学研究所 |
活動期間 | 2012年6月[2] - 2019年 |
公式サイト | 終生飼育個体について【シマフクロウ】 |
2011年春に、ちびは環境省のシマフクロウ保護増殖事業で十勝振興局管内の繁殖地に設置した巣箱の中で見つかった[7][11]。先に生まれた雛に比べて発育が遅く、その雛が巣立つ頃になっても成長度合いが改善しなかった[11]。観察を続けるうちに栄養不良や貧血、活動性の低下等が認められたため[11]環境省釧路湿原野生生物保護センターに保護された[7]。
保護されてから数日間は、夜になるとリハビリ中のシマフクロウの鳴き声に応えるように鳴いていた[11]。職員はちび飲み込みやすいように小さく切った魚を与えて栄養改善に努めたが、全体的に成長が芳しくなかった[11]。成育異常が栄養性の問題であれば、改善後に親元に戻す計画でいたが、正常な幼鳥より一回りほど小さいまま成長が止まった[11]。体の右側が小さく左右非対称であることや、ストレス時に頭がどんどん傾くという神経症状が判明し、野生復帰は困難と判断された[7][11]。
終生飼育個体となったちびは人間に慣れる訓練を受け[7]、人間の世界とシマフクロウを繋ぐ親善大使として活動を始めた[2]。北海道各地のイベントに出演し[7]、2013年にはテレビの生放送に出演した[2]。共に講演活動を行っていた獣医師は「ちびと一緒に講演に行くとインパクトが大きく、ただ話すのとは反応が違う」と話していた[7]。
年度 | 件数 | 活動内容 |
---|---|---|
2012 |
|
|
2013 | ||
2014 | 8[12] | |
2015 | 5[13] | |
2016 | 2[14] | |
2017 | ||
2018 | ||
2019 |
2019年8月下旬から食欲不振などの体調不良がみられた。日に日に反応の鈍麻化や瞳孔散大などの神経症状が顕著となり、2019年9月4日に獣医に看取られ亡くなった[10]。
環境への取組
[編集]鳥類の感電事故を防ぐため、電力会社と協力して道内約2500カ所の電柱に鳥を電線に接触させないための障害物「バードチェッカー」を設置した[3]。
また、電車に轢かれた鹿の死体が線路脇に放置されることでワシなどが集まり、後続列車にひかれる事例が多発している。そのため、シカの死骸をシートで覆い、終生飼育個体の反応を見る実験も行っている[3]。
調査研究
[編集]平成22年に環境省の委託でロシアとのオオワシの共同調査[15]、猛禽類等の鉛中毒事故実態調査[16]を行った。
鉛弾
[編集]運び込まれてくる個体の死亡傷病原因のほとんどは、人間によるものだとし[5]同研究所では特に、「鉛中毒の根絶」に力を入れているという[5]。
猛禽類医学研究所(釧路市)代表で獣医師の斉藤慶輔さんは「原因と対策がここまではっきりしている希少動物の被害は他にない。根絶しなければならない」と国に働き掛けている[17]。
ライフル銃や散弾銃の鉛製の弾丸を口にして起こるオオワシなど猛禽(もうきん)類の鉛中毒が、使用が禁止された後の北海道で依然として多発していることが北海道大や猛禽類医学研究所(釧路市、斉藤慶輔代表)などの研究グループによる2015/6/23日までの調査で明らかになった[18]。研究グループは絶滅の危機にある猛禽類の新たな脅威となるおそれがあると指摘している[18]。2015/6/24日から札幌市で開かれる環境化学討論会で調査結果を発表する[18]。グループは1993年から2015年にかけて北海道で死んだオジロワシやオオワシなど絶滅危惧種を含む8種128個体、本州や四国のイヌワシやオオタカなど13種45個体の肝臓や血液中の鉛濃度を分析した[18]。
北海道では鉛弾の使用が条例で禁止された04年以降も、肝臓の中の濃度が1キロ当たり2ミリグラムと鉛中毒の基準を超えた例がオオワシ18羽、オジロワシ10羽で確認された[18]。
北海道以外でも、岩手県のイヌワシ1羽から中毒基準を超える鉛が検出された[18]。さらに、血液や肝臓中の鉛濃度が高く、大量の鉛を摂取した可能性が高い例がイヌワシ2羽(岩手県と山形県)、トビ(高知県)とオオタカ(宮城県)各1羽から見つかった[18]。調査には栃木県立博物館と愛媛大も参加した[18]。
「猛禽類医学研究所」(北海道釧路市)によると、特に北海道で1990年代以降、鉛中毒が相次ぎ[19]、同研究所は200羽以上の鉛中毒死を確認した[19]。鉛弾を撃ち込まれたエゾシカの死体を猛禽類が食べて鉛を取り込むケースが多いという[19]。
2018、19年の2月と20年11月、大規模越冬地の関東地方にある猟場2か所で計309羽を捕獲して血液の鉛濃度を調べた[20]。その結果、43羽(13・9%)で、人為的に生じたとみられる濃度(0・1ppm以上)が確認された[20]。このうち3羽は基準値(0・6ppm)超で、急性鉛中毒と診断された[20]。20年11月に捕獲したカモ類のうち、鉛汚染が確認された6羽に発信器を付けて追跡調査したところ、4羽は猛禽類か哺乳類に捕食されていたことも判明した[20]。北海道では1990年代後半、鉛弾で撃たれたエゾシカの肉を食べたオオワシやオジロワシなどが鉛中毒を発症する問題が発生[20]。本州でもクマタカ、イヌワシなどで鉛中毒が確認されており[20]、食物連鎖による鉛中毒拡大が懸念されている[20]。環境省は2025年度以降に鉛弾の使用を段階的に規制し、2030年度までに野鳥の「鉛中毒ゼロ」を目指す[20]。
活動資金
[編集]2021年のクラウドファンディングでは1696人の支援者から2816万円を集め、飼育環境の整備や傷病個体を搬送する自動車の更新などに活用した[21]。
2022年のクラウドファンディングの目標金額は1000万円で[21]老朽化した医療機器の買い替え、終生飼育個体の飼育費用、放鳥する個体の追跡機器に充てる予定でいる[21][注釈 1]。返礼品としてオオワシのステッカーやシマフクロウのぬいぐるみなどを用意している[21]。
教育活動
[編集]全国の獣医学科(高学年)の学生を対象にした実習を開催している。実践的で質の高い内容を維持するため、研究所主催の野外調査等があるときを中心に、少人数をインターネットなどで募集している[22]。内容は専門的な講義による学習、日常業務、野外調査など[22]。 (社)北海道獣医師会などの要請を受け、野生動物の救護技術に関する講習会を毎年実施している[22]。
釧路湿原野生動物保護センターで講義や体験型イベントを開催している[23]。学校への出張授業や地元イベントにも参加している[23]。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b c 「傷ついたオオワシ、野生に戻そう 猛禽類医学研究所が支援金募る」『毎日新聞』2021年12月31日。2022年12月14日閲覧。
- ^ a b c d e f "【MIKIOジャーナル】天然記念物 シマフクロウ 日本初スタジオ生出演". HTB北海道ニュース. 21 June 2013. 北海道テレビ放送. 2022年12月17日閲覧。
- ^ a b c d e 「【フォト特集】共生への伝言 生かせ野生の「声」 釧路「猛禽類医学研究所」」『産経新聞』2022年5月1日。2022年12月14日閲覧。
- ^ a b “希少種の救護”. 猛禽類医学研究所. 2022年12月14日閲覧。
- ^ a b c 「そういえば見たことない!ワシの耳が思っていたより大きいと話題」『FNNプライムオンライン』2018年11月7日。2022年12月14日閲覧。
- ^ a b c 「野生復帰できぬ鳥に生きる道と活躍の場を 釧路の研究所が資金募る」『朝日新聞』2022年1月5日。2022年12月14日閲覧。
- ^ a b c d e f g h 「障害持つシマフクロウ「ちび」、森の親善大使に」『十勝毎日新聞』2015年6月1日。2022年12月17日閲覧。
- ^ a b “終生飼育個体について【シマフクロウ】”. 猛禽類医学研究所. 2022年12月17日閲覧。
- ^ “令和元年度シマフクロウ保護増殖検討会” (PDF). 2023年1月2日閲覧。
- ^ a b “シマフクロウ親善大使“ちび”逝去のお知らせ”. 猛禽類医学研究所. 2022年12月17日閲覧。
- ^ a b c d e f g “シマフクロウの保護”. 2023年1月2日閲覧。
- ^ “平成26年度シマフクロウ保護増殖事業実施結果” (PDF). 環境省. 環境省北海道地方環境事務所 釧路自然環境事務所 (平成27-03). 2023年1月2日閲覧。
- ^ “平成27年度シマフクロウ保護増殖事業実施結果” (PDF). 環境省. 環境省北海道地方環境事務所 釧路自然環境事務所. 2023年1月2日閲覧。
- ^ “平成28年度シマフクロウ保護増殖事業実施結果” (PDF). 環境省. 環境省北海道地方環境事務所 釧路自然環境事務所. 2023年1月2日閲覧。
- ^ “平成22年度 委託調査費に関する支出状況(第2四半期)” (PDF). 環境省. 2023年1月2日閲覧。
- ^ “平成22年度 委託調査費に関する支出状況(第3四半期)” (PDF). 2023年1月2日閲覧。
- ^ 「希少ワシの鉛中毒深刻 撃たれたシカの肉摂取で」『日本経済新聞』2013年4月22日。2022年12月14日閲覧。
- ^ a b c d e f g h 「猛禽類の鉛中毒減らず 弾丸使用禁止の北海道、依然多発」『日本経済新聞』2015年6月23日。2022年12月14日閲覧。
- ^ a b c 「狩猟で使う「鉛」銃弾、相次ぐ鳥類の中毒死…獣医師「知識不十分なハンターも多数」」『読売新聞』2021年10月19日。2022年12月14日閲覧。
- ^ a b c d e f g h 「関東で捕獲した渡り鳥のカモ、7羽に1羽が鉛汚染…散弾の誤飲が原因か」『読売新聞』2022年3月22日。2022年12月14日閲覧。
- ^ a b c d 「野生鳥類保護活動へCF 釧路・猛禽類研究所 医療機器に活用」『北海道新聞』2022年11月29日。2022年12月14日閲覧。
- ^ a b c “専門教育”. 猛禽類医学研究所. 2022年12月14日閲覧。
- ^ a b “環境教育”. 猛禽類医学研究所. 2022年12月14日閲覧。
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<references>
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[編集]新聞記事
[編集]関連項目
[編集]- 釧路市動物園 - タンチョウの保護増殖事業を行っている。
外部リンク
[編集]- 釧路湿原野生生物保護センター - 環境省
- 国内生息絶滅危惧鳥類(ヤンバルクイナ、ライチョウ、シマフクロウ、ニホンイヌワシ)からiPS細胞を樹立岐阜大
- 「国内生息絶滅危惧鳥類(ヤンバルクイナ、ライチョウ、シマフクロウ、ニホンイヌワシ)からiPS細胞を樹立 細胞による絶滅危惧鳥類の保全研究に新展開」『』(共同通信)2022年10月25日。2022年12月14日閲覧。