内閣官房
Cabinet Secretariat | |
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内閣府庁舎と中央合同庁舎第8号館(右奥) | |
役職 | |
内閣総理大臣 | 石破茂 |
長官 | 林芳正 |
副長官 |
橘慶一郎(政務) 青木一彦(政務) 佐藤文俊(事務、内閣人事局長、内閣感染症危機管理監) |
その他の役職 |
国家安全保障局長 秋葉剛男 内閣危機管理監 小島裕史 内閣官房副長官補 ・阪田渉(内政) ・市川恵一(外政) ・鈴木敦夫(事態対処) 内閣広報官 小林麻紀 内閣情報官 原和也 内閣サイバーセキュリティセンター長 鈴木敦夫 |
組織 | |
上部組織 | 内閣 |
内部組織 |
内閣人事局 国家安全保障局 内閣感染症危機管理統括庁 内閣総務官室 内閣広報室 内閣情報調査室 (内閣衛星情報センター) 内閣サイバーセキュリティセンター 内閣官房副長官補室 |
概要 | |
法人番号 | 3000012010001 |
所在地 |
〒100-8968 東京都千代田区永田町一丁目6番1号 |
定員 |
1,478人[1] (内閣の機関[注釈 1]の定員1,558人から内閣法制局の定員80人[2]を控除したもの。) |
年間予算 | 1016億1014万7千円[3](2024年度) |
設置 | 1924年(大正13年)12月20日 |
ウェブサイト | |
内閣官房 |
内閣官房(ないかくかんぼう、英: Cabinet Secretariat[4]、略称: CS)は、日本の行政機関のひとつ。内閣の庶務、重要政策の企画立案・総合調整、情報の収集調査などを所管する[5]。
内閣法に基づき、内閣に置かれる。内閣総理大臣を主任の大臣とし、国務大臣たる内閣官房長官が事務を統括する[6]。
概要
内閣官房の入る内閣府庁舎の所在地は、東京都千代田区永田町一丁目6番1号(通称「本府ビル」[7])。幹部の執務室や内閣広報室など、内閣官房の内部組織の一部は、この庁舎から道を隔てて隣にある総理大臣官邸に置かれる。
内閣官房は、内閣の補助機関であり、内閣総理大臣を直接補佐および支援する機関として、閣議事項の整理、内閣の庶務、行政各部の施策の総合調整、内閣の重要政策に関する情報の収集分析などを行っている[5]。内閣総理大臣を主任の大臣とし、国務大臣たる内閣官房長官が事務を統括する。内閣官房長官は、「総理の右腕」と呼ばれることもあり、組閣の際には真っ先に任命されて、首相の右腕として働く[8]。
官僚組織としては、すべての府省よりも上位に位置する組織[要出典]とされ、官僚のトップである事務担当の内閣官房副長官は副大臣級の認証官であり、総務省、警察庁、厚生労働省、国土交通省の旧内務省系官庁の事務次官経験者が任命されることが多い。
沿革
- 1924年(大正13年)12月20日:内閣所属部局及職員官制(大正13年勅令第307号)を制定して、内閣官房を設置する。
- 1947年(昭和22年)5月3日:内閣法(昭和22年法律第5号)を根拠とする内閣官房を設置する。
- 1957年(昭和32年)8月1日:内閣参事官室、内閣審議室、内閣調査室を設置する。
- 1973年(昭和48年)5月1日:内閣広報室を設置する。
- 1986年(昭和61年)7月1日:内閣審議室、内閣調査室、内閣広報室を廃止して、内閣内政審議室、内閣外政審議室、内閣安全保障室、内閣広報官室、内閣情報調査室を設置する。
- 1998年(平成10年)4月9日:内閣安全保障室を改組し内閣安全保障・危機管理室を設置する。
- 2000年(平成12年)2月29日:情報セキュリティ対策推進室を設置する。
- 2001年(平成13年)1月6日:中央省庁再編により、内閣参事官室、内閣内政審議室、内閣外政審議室、内閣広報官室、内閣安全保障・危機管理室を廃止して、内閣総務官室、内閣官房副長官補室[注釈 2]、内閣情報調査室、内閣広報室を設置する[11]。
- 2005年(平成17年)4月25日:情報セキュリティ対策推進室を改組し、情報セキュリティセンターを設置する。
- 2014年(平成26年)
- 2015年(平成27年)1月9日:情報セキュリティセンターを改組し、内閣サイバーセキュリティセンターを設置する。
- 2021年(令和3年)8月31日:デジタル庁設置に伴い、この日限りで内閣情報通信政策監、 内閣官房情報通信技術総合戦略室を廃止する。
- 2023年(令和5年)9月1日:内閣感染症危機管理統括庁を設置する。
現任
- この節は、内閣官房ホームページの幹部紹介[12]を参照。
幹部
- 内閣総理大臣
- 石破茂(いしば しげる)
- 内閣官房長官
- 林芳正(はやし よしまさ)
- 内閣官房副長官(政務)
- 内閣官房副長官(事務)兼 内閣人事局長 兼 内閣感染症危機管理監
- 佐藤文俊(さとう ふみとし)
- 内閣官房副長官補
- 国家安全保障局長 兼 内閣特別顧問
- 秋葉剛男(あきば たけお)
- 内閣危機管理監
- 小島裕史(こじま ひろし)
- 内閣広報官
- 小林麻紀(こばやし まき)
- 内閣情報官
- 原和也(はら かずや)
- 内閣総務官
- 須藤明夫(すどう あきお)
内閣総理大臣補佐官
組織
- 内閣総理大臣(1人)
- 内閣官房長官(1人)
- 内閣官房副長官(3人 政務担当2、事務担当1)- 内閣人事局
- 国家安全保障局長(1人)- 国家安全保障局
- 内閣危機管理監(1人)
- 内閣官房副長官補(3人)
- 危機管理審議官(1人)
- 内閣広報官(1人) - 内閣広報室
- 内閣広報室内閣副広報官(1人)
- 内閣広報室企画官(1人)
- 内閣広報室調査官(1人)
- 内閣情報官(1人) - 内閣情報調査室
- 内閣情報調査室次長(1人)
- 内閣情報調査室調査官(8人)
- 内閣情報調査室内閣衛星情報センター所長
- カウンターインテリジェンス・センター[13]
- 内閣総務官室
- 内閣サイバーセキュリティセンター[14]
- 内閣人事局
- 内閣人事局長(内閣総理大臣が内閣官房副長官の中から指名する者をもつて充てる)
- 人事政策統括官(3人。うち1人は併任)
- 内閣人事局長(内閣総理大臣が内閣官房副長官の中から指名する者をもつて充てる)
- 内閣感染症危機管理統括庁
- 内閣官房副長官補室
- 内閣官房参与
- 各省大臣以外の国務大臣秘書官(各1人)
首相補佐官・秘書官
- 内閣総理大臣補佐官(5人以内)
- 内閣総理大臣秘書官(定数5人[17]、当分の間8人[18])
- 内閣総理大臣秘書官補
その他の組織
内閣官房副長官補のもとに32の組織[19][20][21]が置かれている。
内閣官房副長官補(内政・外交)付
- アイヌ総合政策室
- 郵政民営化推進室
- 沖縄連絡室
- 原子力発電所事故による経済被害対応室
- 国土強靭化推進室
- 拉致問題対策本部事務局[22]
- 2006年(平成18年)9月29日設置。内閣拉致問題対策本部の事務局で、北朝鮮による日本人拉致問題に関する庶務を担当する。
- 行政改革推進本部事務局
- 領土・主権対策企画調整室
- 健康・医療戦略室
- TPP(環太平洋パートナーシップ)等政府対策本部
- 水循環政策本部事務局
- 産業遺産の世界遺産登録推進室
- 観光立国推進室
- 特定複合観光施設区域整備推進室
- 地理空間情報活用推進室[23]
- ギャンブル等依存症対策推進本部事務局
- 就職氷河期世代支援推進室
- デジタル市場競争本部事務局
- 国際博覧会推進本部事務局
- 新しい資本主義実現本部事務局
- デジタル田園都市国家構想実現会議事務局
- 2021年(令和3年)11月設置[25]。
- 経済安全保障法制準備室
- 2021年(令和3年)11月19日設置。
- 令和5年経済対策物価高対応支援、令和4年物価・賃金・生活総合対策世帯給付金及び令和3年経済対策世帯給付金等事業企画室
- 教育未来創造会議担当室
- 全世代型社会保障構築本部事務局
- 船舶活用医療推進本部設立準備室
- GX実行推進室
- グローバル・スタートアップ・キャンパス構想推進室
- 海外ビジネス投資支援室
- 技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する検討室
- サイバー安全保障体制整備準備室
- 2023年(令和5年)1月31日設置。
- デジタル行財政改革会議事務局
内閣官房副長官補(事態対処・危機管理)付
- 空港・港湾水際危機管理チーム
過去に設置されていた組織
- 内閣審議室[注釈 3]
- のち「内閣内政審議室」、「内閣外政審議室」に分離 → 内閣官房副長官補に統合
- 内閣参事官室
- 廃止
- 内閣安全保障室
- のち「内閣安全保障・危機管理室」に改称 → 内閣官房副長官補(事態対処・危機管理担当)に統合
- 情報セキュリティ対策推進室
- 2000年(平成12年)2月29日~2005年(平成17年)4月25日。のち機能を強化し、情報セキュリティセンターに改組 → 内閣サイバーセキュリティセンターに格上げ
- 行政改革推進事務局
- 内閣官房郵政民営化準備室
- 司法制度改革推進準備室
- 大陸棚調査対策室
- 総合海洋政策本部事務局設立準備室
- 2007年(平成19年)7月3日~7月19日。総合海洋政策本部事務局の設立準備を目的に設置され、大陸棚調査対策室と統合した。
- 都市再生本部事務局[1]
- 構造改革特区推進室[2]
- 地域再生推進室[3]
- 2003年(平成15年)10月24日~2007年(平成19年)10月8日。内閣地域再生本部の庶務を担当。関連する組織と統合し、地域活性化統合事務局に移行した。
- 中心市街地活性化本部事務局[4]
- 「美しい国づくり」推進室[5]
- 教育再生会議担当室[6]
- 行政支出総点検会議
- 司法制度改革推進室
- 再チャレンジ担当室[7]
- 消費者行政一元化準備室[8]
- 教育再生懇談会担当室[9]
- イラク復興支援推進室
- 被災地復興に関する法案等準備室
- 震災ボランティア連携室
- 東日本大震災復興対策室
- 復興庁設置準備室
- 2011年(平成23年)8月25日設置。
- 情報通信技術(IT)担当室[10]
- 2000年(平成12年)8月7日設置。情報通信技術に関する事務を担当する。内閣高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部の庶務も担当する。
- 行政改革推進室
- 地域活性化統合事務局[11]
- 遺棄化学兵器処理対策室[12]
- 公文書管理検討室
- 2008年(平成20年)2月29日設置。公文書の管理体制や国立公文書館の拡充等の検討を担当する。
- 情報公開法改正準備室
- 医療イノベーション推進室
- 社会的包摂推進室
- 東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会事務局
- 放射性物質汚染対策室
- 2011年(平成23年)8月25日設置。
- PFI法改正法案等準備室
- 社会保障・税一体改革情報発信推進室
- 行政改革実行本部
- 宇宙開発戦略本部事務局
- 知的財産戦略推進事務局
- 内閣官房情報通信技術総合戦略室
- IT担当室と政府CIO室を統合して2013年6月4日設置。デジタル庁の設置に伴い2021年8月31日に廃止された。
- 新型コロナウイルス等感染症対策推進室
- 2021年(令和3年)11月、「新型コロナウイルス感染症対策推進室」「新型インフルエンザ等対策室」「国際感染症対策調整室」を統合し設置[25]。内閣感染症危機管理統括庁の設置に伴い2023年8月31日に廃止された[29]。
- 孤独・孤立対策担当室
- 2021年(令和3年)2月19日設置[30]。2024年(令和6年)3月31日に内閣府の孤独・孤立対策推進室に引き継がれ廃止された。
所管法人
内閣官房が主管する独立行政法人、特殊法人及び特別の法律により設立される民間法人(特別民間法人)は存在しない[31][32]。
財政
2024年度(令和6年度)一般会計当初予算における内閣官房所管の歳出予算は、1016億1014万7千円である[3]。
国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府、復興庁、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省及び防衛省所管[注釈 4]の東日本大震災復興特別会計を内閣として共管する。
職員
一般職の在職者数は2023年7月1日現在、内閣官房全体で1,169人(男性950人、女性219人)である[33]。
行政機関定員令に定められた内閣官房の定員は、内閣法制局と合わせて、内閣の機関として定められており、特別職17人を含めて1,558人である[1]。
2024年度一般会計予算における予算定員は特別職38人、一般職1,460人の計1,498人である[3]。
内閣官房の一般職の職員は非現業の国家公務員なので、労働基本権のうち争議権と団体協約締結権は国家公務員法により認められていない。団結権は認められており、職員は労働組合として国家公務員法の規定する「職員団体」を結成し、若しくは結成せず、又はこれに加入し、若しくは加入しないことができる(国家公務員法第108条の2第3項)。
2024年3月31日現在、人事院に登録された職員団体の数について資料[34]に内閣官房の項はない。
脚注
注釈
出典
- ^ a b 行政機関職員定員令(昭和44年5月16日政令第121号)(最終改正、令和6年7月31日政令第254号) - e-Gov法令検索
- ^ 令和6年度歳出概算要求書第3表令和6年度概算要求定員表 (PDF) 内閣法制局
- ^ a b c 令和6年度一般会計予算 (PDF) 財務省
- ^ “内閣官房組織等英文名称一覧”. 内閣官房. 2020年10月18日閲覧。
- ^ a b 内閣法第12条
- ^ 内閣法第15条、第25条
- ^ 下村健一『首相官邸で働いて初めてわかったこと』(朝日新書、2013年)
- ^ 総理の右腕 官房長官に加藤勝信氏が就任…重要ポストに地元からも喜びの声【岡山】 | OHK 岡山放送
- ^ 官制沿革表 国立国会図書館
- ^ 省庁組織変遷図 Archived 2016年3月4日, at the Wayback Machine.、国立公文書館。
- ^ 中央省庁等改革のための内閣関係政令等の整備に関する政令 (PDF)
- ^ 幹部紹介内閣官房ホームページ
- ^ “カウンターインテリジェンス機能の強化に関する基本方針(平成19年8月9日カウンターインテリジェンス推進会議決定)” (2007年8月9日). 2024年4月24日閲覧。
- ^ “NISCの組織体制”. 2024年7月20日閲覧。
- ^ a b c “内閣サイバーセキュリティセンターにセンター長代理等を置く規則 ”. 内閣総理大臣決定 (2016年3月31日). 2024年7月20日閲覧。
- ^ a b “内閣サイバーセキュリティセンターに企画官等を置く規則”. 内閣総理大臣決定 (2016年3月31日). 2024年7月20日閲覧。
- ^ “内閣官房組織令第11条(昭和32年政令第219号)”. e-Gov法令検索. 2021年5月7日閲覧。
- ^ “内閣官房組織令の一部を改正する政令(令和3年政令第196号)による改正後の内閣官房組織令附則第5項”. 国立印刷局 (2021年7月8日). 2021年7月9日閲覧。 “令和3年7月8日付け官報本紙第530号2面”
- ^ “「官房分室」、過去最多の40に 菅政権はどうする?:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2022年2月5日閲覧。
- ^ “「一億総活躍」「働き方改革」安倍政権の看板、推進室がひっそりと幕 組織乱立は岸田政権でも:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2022年2月5日閲覧。
- ^ “組織図(令和6年4月1日現在)”. 内閣官房. 2024年4月24日閲覧。
- ^ 拉致問題
- ^ 地理空間情報
- ^ 新しい資本主義実現本部/新しい資本主義実現会議内閣官房HP、2021年10月17日閲覧
- ^ a b “政府、安倍政権の看板部署廃止 一億総活躍など4室”. 日本経済新聞 (2021年11月12日). 2021年11月13日閲覧。
- ^ 『ある大蔵官僚の回想』(大島寛一、図書出版社、1991年10月31日) P256 ~ P257。
- ^ “地方創生、次官級ポスト新設 職員を2倍の300人に”. 日本経済新聞. (2015年1月20日)
- ^ “知的財産戦略本部”. web.archive.org (2011年5月22日). 2021年11月26日閲覧。
- ^ “感染症対応の司令塔「統括庁」9月1日発足 危機管理監に栗生氏、対策会議も一新”. 科学技術振興機構 (2023年8月28日). 2023年9月20日閲覧。
- ^ “政府が「孤独・孤立対策担当室」を設置 コロナ禍で問題顕在化”. 産経新聞. (2021年2月19日) 2024年8月9日閲覧。
- ^ “独立行政法人一覧(令和6年4月1日現在)” (PDF). 総務省. 2024年4月5日閲覧。
- ^ “所管府省別特殊法人一覧(令和6年4月1日現在)” (PDF). 総務省. 2024年4月5日閲覧。
- ^ 一般職国家公務員在職状況統計表 (PDF) (令和5年7月1日現在)
- ^ 令和6年度 年次報告書(公務員白書) 「第1編第3部第6章:職員団体 - 資料6-2;職員団体の登録状況。2024年3月31日現在。 (PDF)