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信欣三

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
信欽三から転送)
しん きんぞう
信 欣三
信 欣三
本名 信 金蔵
別名義 信 欽三
生年月日 (1910-07-09) 1910年7月9日
没年月日 (1988-12-26) 1988年12月26日(78歳没)
出生地 日本の旗 日本東京府東京市
職業 俳優
ジャンル 映画、テレビドラマ、舞台
配偶者 赤木蘭子[1]
主な作品
帝銀事件 死刑囚』 
受賞
第6回芸術祭奨励賞
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信 欣三(しん きんぞう、1910年7月9日 - 1988年12月26日)は、日本俳優。本名は信 金蔵。1960年代半ばから1970年代半ばにかけては、信 欽三の芸名でも活動した。脚本家・小説家の筒井ともみは義理の姪。墓所は谷中霊園

来歴・人物

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東京市出身。銀座の泰明小学校、東京府立第一商業学校(現、東京都立第一商業高等学校)卒業。東京左翼劇場を経て、1933年に『河向ふの青春』で映画に初出演した。1934年9月、新協劇団の旗揚げに参加。第1回公演『夜明け前』から主な舞台のほとんどに出演。1939年、同劇団の女優・赤木蘭子と結婚する。1940年8月19日、新劇弾圧により村山知義久保栄滝沢修、妻の赤木らとともに治安維持法違反で検挙され、劇団も強制解散された。

1942年宇野重吉清水将夫らと瑞穂劇団を結成。団長として、農村漁村を巡演するが、その最中に召集を受ける。復員後は、妻とともに俳優座へ入団した。また、『日本戦歿学生の手記 きけ、わだつみの声』などの独立プロ作品を中心に映画にも出演した。1951年に俳優座公演『夜の訪問者』の演技で芸術祭奨励賞を受賞した。

1955年に妻とともに俳優座を退団し、宇野らが創立していた劇団民藝に加入。1966年に民藝を退団し、以後はフリーとして活躍するも、再度俳優座に所属する。

映画ではもっぱら脇役を主としたが、1964年公開の『帝銀事件 死刑囚』では平沢貞通役で主演し、人々に強い印象を与えた。またテレビドラマでも独特の風貌を活かし、長く名脇役として活躍した。

出演作品

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映画

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帝銀事件 死刑囚』(1964年)
  • 空想部落(1939年、南旺映画)
  • 煉瓦女工(1946年、南旺映画) - 先生
  • 白鳥は悲しからずや(1949年、えんらく社) - 校長
  • 日本戦歿学生の手記 きけ、わだつみの声(1950年、東横) - 大木二等兵
  • わが一高時代の犯罪(1951年、東映) - 木谷教授
  • 純白の夜(1951年、松竹) - 沢田
  • 八ツ墓村(1951年、東映) - 多治見久彌
  • 海の花火(1951年、松竹) - 水産庁博多出張所長
  • 黎明八月十五日(1952年、東映) - 山田二等兵
  • 二つの花(1952年、松竹) - 山口進吉
  • 泣虫記者(1952年、東映) - 遊軍記者柳井
  • ひめゆりの塔(1953年、東映) - 平良先生
  • 韋駄天記者(1953年、東映) - 阿部副部長
  • 悲劇の将軍 山下泰文(1953年、東映) - 父
  • 新書太閤記 流転日吉丸(1953年、東映) - 弥右衛門
  • 黒豹(1953年、大映) - 李秋英
  • 広場の孤独(1953年、新東宝) - 編集局次長
  • 暴力市街(1953年、大映)
  • 早稲田大学(1953年、東映)
  • 日の果て(1954年、八木プロ) - 清水一等兵
  • 或る女(1954年、大映) - 内田牧師
  • 金色夜叉(1954年、大映) - 鴨沢隆三
  • 足摺岬(1954年、近代映画協会) - 松木
  • 母時鳥(1954年、大映) - 家庭裁判所の判事
  • どぶ(1954年、近代映画協会) - 忠さん
  • 太陽のない街(1954年、新星映画) - 中井
  • 黒い潮(1954年、日活) - 東野村記者
  • からたちの花(1954年、日活) - 牧野先生
  • 月よりの使者(1954年、大映) - 浅木院長
  • 億万長者(1954年、青俳プロ) - 贋十二
  • 若い人たち(1954年、全国銀行従業員組合) - 飯島三郎
  • 母千草(1954年、大映) - キミの夫誠一
  • 女の一生(1955年、松竹) - 院長
  • 坊ちゃん記者(1955年、日活)
  • おふくろ(1955年、日活)
  • お嬢さん先生(1955年、大映) - 保坂先生
  • 哀しき富士の白雪よ(1955年、大映) - 白川所長
  • 楊貴妃(1955年、大映) - 侍従
  • 少年死刑囚(1955年、日活) - 吉良看守長
  • (1955年、近代映画協会) - 山本秀夫
  • 荒木又右衛門(1955年、松竹) - 津田豊後
  • 青銅の基督(1955年、松竹) - 富井孫四郎
  • 逆光線(1956年、日活) - 金子教授
  • 病妻物語 あやに愛しき(1956年、民藝) - 小早川武吉
  • 壁あつき部屋(1956年、松竹) - 川西
  • 沖縄の民(1956年、日活) - 野村校長
  • 女優(1956年、近代映画協会) - 八島元雄
  • 東京暮色(1957年、松竹) - 沼田康雄
  • 悪魔の顔(1957年、松竹)
  • 鳴門秘帖(1957年、大映) - 酒井三右衛門
  • 青空娘(1957年、大映)
  • 美徳のよろめき(1957年、日活) - 牧田
  • 地上(1957年、大映) - 里宮教師
  • 気違い部落(1957年、松竹) - 木崎三造
  • 江戸っ子祭(1958年、大映) - 笹尾喜内
  • 忠臣蔵(1958年、大映) - 小野寺十内
  • 巨人と玩具(1958年、大映) - 矢代光平
  • 炎上(1958年、大映) - 副司
  • 白鷺(1958年、大映) - 津川作造
  • 不道徳教育講座(1959年、日活)
  • 細雪(1959年、大映) - 辰雄
  • 祈るひと(1959年、日活)
  • 絞首台の下(1959年、日活) - 多田
  • その壁を砕け(1959年、日活) - 裁判長
  • 若い傾斜(1959年、日活) - 礫伊三郎
  • 風のある道(1959年、日活) - 近藤先生
  • 歌行燈(1960年、大映)
  • 白い肌と黄色い隊長(1960年、松竹) - 高桑弁護人
  • あした晴れるか(1960年、日活)
  • 武器なき斗い(1960年、大東映画) - 三浦
  • ガラスの中の少女(1960年、日活) - 杉太郎
  • 処刑前夜(1961年、日活) - 北村
  • 警察日記 ブタ箱は満員(1961年、日活) - 米倉町長
  • 風に逆らう流れ者(1961年、日活)
  • 抵抗の年齢(1961年、桜映画社)
  • 天使と野郎ども(1962年、日活) - 赤木
  • からみ合い(1962年、松竹) - 石母田
  • やっちゃ場の女(1962年、大映)
  • いつでも夢を(1963年、日活)
  • 波止場の賭博師(1963年、日活) - 須賀
  • 何か面白いことないか(1963年、日活) - 編集長
  • 野獣の青春(1963年、日活)
  • 関東無宿(1963年、日活) - 腕文
  • その人は遠く(1963年、日活) - 細川叔父
  • 泥だらけのいのち(1963年、日活) - 塚田組組長
  • 帝銀事件 死刑囚(1964年、日活) - 平沢貞通
  • 砂の上の植物群(1964年、日活) - 山田理髪師
  • 仇討(1964年、東映) - 西田三郎兵衛
  • 執炎(1964年、日活) - 父
  • 愛・その奇跡(1964年、松竹) - 山田産科部長
  • この声なき叫び(1965年、松竹) - 裁判長
  • 北国の街(1965年、日活)
  • 太陽が大好き(1966年、日活) - 杉本
  • 赤いグラス(1966年、日活) - 戸場
  • 処刑の島(1966年、大映) - 黒木
  • 非行少年 陽の出の叫び(1967年、日活) - 院長
  • あかね雲(1967年、松竹) - 二木の父
  • 囁きのジョー(1967年、斎藤プロ) - 浮浪者
  • まぼろし黒頭巾 闇に飛ぶ影(1967年、東映) - 城野伊勢守
  • 黒部の太陽(1968年、日活) - 武本
  • 人生劇場 飛車角と吉良常(1968年、東映) - 黒馬先生
  • 燃えつきた地図(1968年、大映) - 「つばき」の主人
  • 必殺博奕打ち(1969年、東映)
  • ごろつき部隊(1969年、東映) - 望月教授
  • さくら盃 仁義 (1969年、日活) - 根岸又一
  • 新選組(1969年、三船プロ) - 本命堂
  • 富士山頂(1970年、石原プロ) - 初老の男
  • 明日また生きる(1970年、俳優座)
  • ある兵士の賭け(1970年、石原プロ) - 老医師
  • 甦える大地(1971年、石原プロ) - 土屋源作
  • 忍ぶ川(1972年、東宝) - 志乃の父
  • 襤褸の旗(1974年、同映画製作委員会) - 斎藤巡査
  • 砂の器(1974年、松竹) - 桑原研究員
  • サンダカン八番娼館 望郷(1974年、東宝) - 一條実孝
  • 鬼の詩(1975年、ATG) - 鍼灸医
  • 日本の熱い日々 謀殺・下山事件(1981年、松竹) - 国原鋼材主任
  • 時代屋の女房2(1985年、松竹) - 初老の占い師
  • 密約 外務省機密漏洩事件(1988年[2]) - 東京地裁裁判長

テレビドラマ

[編集]
  • 東芝日曜劇場(TBS)
    • 第48話「ぶっつけ本番」(1957年)
    • 第260話「囮」(1961年)
    • 第350話「土曜日の少年」(1963年)
    • 第518話「海はこたえず」(1966年)
    • 第519話「こわれない椅子」(1966年)
    • 第781話「初恋」(1971年)
    • 第881話「刀傷」(1973年)
  • ヤシカゴールデン劇場 / 研究室(1958年、NTV)
  • 東芝土曜劇場(CX)
    • 第1話「左の腕」(1959年)
    • 第12話「薔薇ものがたり」(1959年)
    • 第81話「殺される男」(1960年)
  • 日立劇場 第30話「帰郷」(1960年、KR)
  • ゴールデン劇場(NTV)
    • いのちありて(1961年)
    • 白い刺 ある女の嘘(1961年)
  • 富士ホーム劇場 / 私の家族(1961年、CX)
  • 松本清張シリーズ・黒い断層 第46話「青のある断層」(1961年、TBS
  • 文芸劇場(NHK)
    • 第4話「ちちははの記」(1961年)
    • 第104話「人さまざま」(1964年)
    • 第105話「本日休診」(1964年)
  • 女の園 第12話「ふたーりだけのちっちゃなツリー」(1961年、NHK)
  • テレビ劇場 / 早春(1962年、NHK)
  • 文芸アワー / 田舎教師(1962年、NTV)
  • 舞踊ホール / 青銅の基督(1962年、NHK)
  • 判決(NET)
    • 第3話「生活の斜面」(1962年)
    • 第47話「或る離婚」(1963年) - 宗形久造
    • 第64話「永遠の人」(1964年) - 悟平
    • 第96話「いつか来た道」(1964年)
    • 第130話「故郷は遠く」(1965年)
    • 第135話「若い波」(1965年)
    • 第143話「九日間の休暇」(1965年) - 湊俊吉
    • 第149話「師の名において」(1965年) - 慎介
    • 第167話「メリークリスマス」(1965年)
    • 第175話「誕生日」(1966年)
    • 第176話「おさななじみ」(1966年)
    • 第178話「ああ庶民の大学よ」(1966年)
    • 第189話「海の男」(1966年)
    • 第198話「この道だけは」(1966年)
  • 七人の刑事 第62話「親子」(1962年、TBS)
  • テレビ指定席(NHK)
    • 被害者(1963年)
    • 鳥人幸吉(1963年)
    • 父の恋人(1964年)
    • 質屋いそっぷ(1964年)
    • 20歳(1966年)
  • 近鉄金曜劇場(TBS)
    • 修善寺物語(1963年)
    • この生命ある限り(1966年)
    • そしてふたたび朝を(1966年)
    • ある団地の物語(1966年)
    • 終わりなき生命を(1967年)
  • 嫁ぐ日まで 第32話「香住氏の三人娘」(1963年、CX)
  • 新日本百景 第25話「浅間三宿 軽井沢」(1963年、NHK)
  • 娘の結婚 第10話「命ありけり」(1963年、NTV)
  • NHK大河ドラマNHK
  • ポーラ名作劇場 第52話「法王の牙」(1964年、NET) - 瀬内川利明
  • 一千万人の劇場 / ある母の記録(1964年、CX)
  • おかあさん 第289話「遠い鏡」(1965年、TBS)
  • 風雪 / サラリーマン誕生(1965年、NHK) - 青山部長
  • 事件記者 第265話「花道」(1965年、NHK)
  • シオノギテレビ劇場(CX)
    • 城砦(1966年)
    • 失踪(1967年)
  • 木下恵介アワー / 記念樹(1966年、TBS) - 小池清吉
  • 日産スター劇場(NTV)
    • かあさん握手だ(1966年)
    • 結婚について語りましょう(1966年)
    • 京都で逢った人(1968年)
  • NHK劇場(NHK)
    • ソクラテスの妻(1966年)
    • よみがえる夏(1966年)
    • 霧の化身(1967年)
    • 青葉の頃(1967年)
    • 或る少年の場合(1967年)
  • ああ!!コメディアン(1966年、ABC) - 都勝之助
  • 剣 第14話「天一坊と伊賀亮」(1967年、NTV)
  • 三匹の侍 第5シリーズ 第23話「紙人形」(1968年、CX) - 佐次兵衛
  • 朝の連続テレビ小説 / あしたこそ(1968年 - 1969年、NHK)
  • ローンウルフ 一匹狼 第31話「恐怖のめぐり逢い」(1968年、NTV
  • からくり儀右衛門(1969年、NHK) - 伊能忠敬
  • 五番目の刑事 第2話「けだもの狩り」(1969年、NET) - 鈴木刑事
  • 銭形平次 第211話「おぼろ駕籠」(1970年、CX) - 若狭屋孝右ヱ門
  • 宮本武蔵(1970年、NET / 東映) - 柳生石舟斎
  • 男は度胸(1970年、NHK)
  • 徳川おんな絵巻 第11話「女は度胸で勝負する」・第12話「女のいくさ」(1970年、KTV
  • 日本怪談劇場 第8話「怪談 首斬り浅右ヱ門」(1970年、12ch) - 石出帯刀
  • 大忠臣蔵(1971年、NET)
  • 水戸黄門(TBS / C.A.L
    • 第2部 第25話「黄門様の子守唄 -鳥取-」(1971年3月15日) - 伊右ヱ門 ※信欽三名義
    • 第3部 第12話「消えた密書 -宮-」(1972年2月14日) - 喜平
  • 知らない同志 (1972年、TBS) -新作
  • 大岡越前 第3部 第25話「義賊かまいたち」(1972年12月4日、TBS / C.A.L) - 幸吉
  • 無宿侍 第11話「逃亡街道」(1973年、CX / 国際放映) - 和田
  • 太陽にほえろ! 第96話「ボスひとり行く」(1974年、NTV) - 三田村平吉
  • 新・座頭市 第1シリーズ 第23話「幽霊が市を招いた」(1977年、CX)
  • 新・必殺仕置人 第35話「宣伝無用」(1977年、ABC)- 浜田屋弥左ヱ門
  • 砂の器(1977年、CX) - 桐原小十郎
  • 青春の門(1977年 - 1978年、MBS
  • 大江戸捜査網 第354話「白昼に消えた死体の謎」(1978年、12ch) - 白木屋市兵衛
  • 土曜ワイド劇場ANB
  • ぬかるみの女(1980年、THK
  • 蒼き狼 成吉思汗の生涯(1980年、ANB)
  • 特捜最前線 第220話「張り込み 閉ざされた唇!」(1981年、ANB)
  • 淋しいのはお前だけじゃない 第8話「雪之丞変化」(1982年、TBS)
  • 火曜サスペンス劇場 / バックミラーの中の女(1982年、NTV)
  • ポーラテレビ小説 / 白き牡丹に(1982年 - 1983年、TBS) - 源兵ヱ
  • 時代劇スペシャル / 剣客商売 「誘拐」(1983年、CX)
  • 時代劇スペシャル / 松本清張の西海道談綺(1983年、TNC / CX / 国際放映) - 佐野寛右衛門
  • 金曜女のドラマスペシャル / 有吉佐和子の乱舞(1985年、CX)
  • 武蔵坊弁慶(1986年、NHK) - 東光坊阿闍梨

脚注

[編集]
  1. ^ 『コンサイス日本人名辞典 第5版』、10頁。編集委員:上田正昭、津田秀夫、永原慶二、藤井松一、藤原彰(三省堂、2009年)
  2. ^ 元版は1978年にテレビ朝日で製作された番組

外部リンク

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