今井兼文 (2代)
表示
二代目 今井 兼文[1][注 1] (いまい かねふみ、1866年6月23日(慶應2年5月11日)[1] - 1939年(昭和14年)8月17日[3])は、日本の実業家、鳥取県多額納税者[1][4][5][6]、地主[注 2]。合名会社米子今井書店代表社員[9][10]。米子商工会議所副会頭[10]。旧姓・岡田。
経歴
[編集]鳥取県の岡田家に生まれる[注 3]。今井兼文の養子となり、1901年に家督を相続し、前名・国松を改め襲名する[1]。遺業を継承し今井郁文堂経営主となり、島根県松江市にその支店を設置して書籍、雑誌の卸・小売を営む[1]。
小学校教科書が国定となるのを見て、直ちに鳥取島根両県特約販売店の権利を得て益々業務を発展させる[1]。米子市内に内藤書店、すゞや書店等の支店を開設、その商勢は頗る盛況を呈する[1]。
鳥取県書籍雑誌商組合の役員をつとめ[注 4]、同業の福祉増進、親睦融合に尽瘁する[1]。直接国税1200余円を納めて鳥取県多額納税者に列する[1]。
人物
[編集]今井兼文について、『商工資産信用録 第30回 大阪府ほか』には「職業・書籍文具、調査年月・1929年7月、正身身代・Q、信用程度・C」とある[12]。
家族
[編集]- 今井家
- 養父・初代兼文(1828年 - 1901年、医師、和漢洋書籍商兼活版印刷業)
- 妻・せい(1867年 - ?、養父・兼文の三女)[1][6]
- 養子
- 長女・康子[6](1892年 - 1978年、歌人)
- 三女・美都子(1898年 - ?)[6]
- 孫[6]
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 1938年9月13日、兼文はその名を兼徳と、養子の寿雄はその名を兼文と変更した[2]。
- ^ 1912年(大正元年)に刊行された『山陰実業名鑑』によると、今井兼文の地価所有高は「1363円69銭」である[7]。『米子経済九十年の歩み』によると、1916年(大正5年)の地主層(地価1000円から2000円の部)に今井兼文の名前がみえる[8]。
- ^ 『財界二千五百人集 本編』には岡田徳十郎の三男[1]、『人事興信録 第8版』には岡田清十郎の三男とある[6]。
- ^ 『現代出版業大鑑』には「1919年(大正8年)11月9日、33名の組合員を以てその創立総会を開いた。当時の役員は山本鉄五郎、今井兼文、徳岡長蔵、横山敬次郎、花原健彦、内藤順、桑田信蔵であった。」とある[11]。
出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k 『財界二千五百人集 本編』359 - 360頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2023年10月6日閲覧。
- ^ 『官報 1938年10月22日』官報 第3541号 49頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2023年10月8日閲覧。
- ^ 『官報 1939年10月24日』官報 第3841号 23頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2023年10月8日閲覧。
- ^ 『日本紳士録 第31版』付録 全国多額納税者 島根県56頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2023年10月7日閲覧。
- ^ 『日本紳士録 第37版附録 多額納税者名簿』58頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2023年10月6日閲覧。
- ^ a b c d e f g h 『人事興信録 第8版』イ206頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2023年10月6日閲覧。
- ^ 『山陰実業名鑑』59頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2024年9月21日閲覧。
- ^ 『米子経済九十年の歩み』77頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2024年9月21日閲覧。
- ^ 『米子商工案内 昭和9年版』22頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2023年10月6日閲覧。
- ^ a b c d 『人事興信録 第14版 上』イ225頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2023年10月6日閲覧。
- ^ 『現代出版業大鑑』296 - 297頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2023年10月7日閲覧。
- ^ 『商工資産信用録 第30回 大阪府ほか』鳥取県い之部2頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2024年5月7日閲覧。
- ^ 『帝国信用録 第34版』島根県2頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2023年10月7日閲覧。
参考文献
[編集]- 『山陰実業名鑑』帝国興信所米子支所出版部、1912年。
- 交詢社編『日本紳士録 第31版』交詢社、1927年。
- 人事興信所編『人事興信録 第8版』人事興信所、1928年。
- 『商工資産信用録 第30回 大阪府ほか』商業興信所、1929年。
- 交詢社編『日本紳士録 第37版附録 多額納税者名簿』交詢社、1933年。
- 財界二千五百人集編纂部編『財界二千五百人集 本編』財界二千五百人集編纂部、1934年。
- 『米子商工案内 昭和9年版』米子商工会議所、1934年。
- 出版タイムス社ほか共編『現代出版業大鑑』現代出版業大鑑刊行会、1935年。
- 大蔵省印刷局編『官報 1938年10月22日』日本マイクロ写真、1938年。
- 大蔵省印刷局編『官報 1939年10月24日』日本マイクロ写真、1939年。
- 人事興信所編『人事興信録 第14版 上』人事興信所、1943年。
- 帝国興信所『帝国信用録 第34版』帝国興信所、1943年。
- 米子商工会議所編『米子経済九十年の歩み』米子商工会議所、1981年。