井奥成彦
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人物情報 | |
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全名 |
井奥 成彦 (いおく しげひこ) |
生誕 |
1957年??月??日 日本・広島県 |
出身校 | 明治大学大学院 文学研究科史学専攻博士課程単位取得退学 |
学問 | |
研究分野 | 経済史 |
研究機関 | 慶應義塾大学 |
学会 | 経営史学会・三田史学会・社会経済史学会 |
主な受賞歴 | 企業家研究フォーラム賞(2016年) |
井奥成彦(いおく しげひこ、1957年[1] - )は、日本の歴史学者、史学博士(明治大学)。慶應義塾大学文学部教授を経て、同大学名誉教授[1]。慶應義塾福沢研究センター所長を歴任。専門は経済史。
経歴
[編集]- 1957年 - 広島県生まれ
- 1980年 - 慶應義塾大学文学部史学科卒業
- 1982年 - 慶應義塾大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了
- 1986年 - 明治大学大学院文学研究科史学専攻博士課程単位取得退学
- 1986年 - 九州大学石炭史料センター助手(〜1992年)
- 1992年 - 摂南大学経営情報学部助教授(〜1994年)
- 1994年 - 流通経済大学経済学部助教授(〜1998年)
- 1998年 - 流通経済大学経済学部教授(〜2002年)
- 2002年 - 京都産業大学経済学部教授(〜2006年)
- 2006年 - 慶應義塾大学文学部教授(〜現在)
- 2011年 - 経営史学会 学会賞選考委員(〜2014年)
- 2011年 - 経営史学会 評議員(〜現在)
- 2013年 - 三田史学会 編集委員(〜2015年)
- 2015年 - 経営史学会 理事(〜現在)
- 2015年 - 社会経済史学会 理事(〜現在)
受賞歴
[編集]- 2016年 - 企業家研究フォーラム賞 近代日本の地方事業家―萬三商店小栗家と地域の工業化―[2]
学位論文
[編集]- 「近世後期における村落構造の変質と「小買商人」―下総国海上郡足川村を素材として―」,修士論文(慶應義塾大学),1982年
- 「19世紀日本の地域市場―農業,農産加工業の発展と市場―」,博士論文(明治大学),2003年
著作
[編集]単著
[編集]- 『19世紀日本の商品生産と流通』日本経済評論社、2006年
共著
[編集]- 「明治初期における農業生産の地域構造」,西南地域史研究会編『西南地域の史的展開 近代篇』,思文閣出版,1988年,83―127頁
- 「第3章 醤油原料の仕入先及び取引方法の変遷」,林玲子編著『醤油醸造業史の研究』,吉川弘文館,1988年,93―129頁
- 「鉄道開通以降の筑豊石炭の輸送について」,荻野喜弘編著『戦前期筑豊炭鉱業の経営と労働』,啓文社,1990年,277―307頁
- 「堀川と川艜」・「石炭の運送」,中間市史編纂委員会編『中間市史(中巻)』,中間市,1992年,695―721頁
- 「綿と干鰯が近世社会をどう変えたか」,青木美智男・保坂智編著『新視点日本の歴史5近世編』,新人物往来社,1992年,114―121頁
- 「河岸と村落生活―大林村柳戸河岸とその周辺―」,木村礎編著『村落生活の史的研究』,八木書店,1994年,187―200頁
- 「第6章 近世南山城の綿作と浅田家の手作経営」,石井寛治・林玲子編著『近世・近代の南山城―綿作から茶業へ―』,東京大学出版会,1998年,245―283頁
- 「近代における地方醤油醸造業の発展とその特質―福岡県の場合―」,林玲子・天野雅敏編著 『東と西の醤油史』,吉川弘文館,1999年,231―255頁
- 「はじめに」・「一 古代・中世日本の衣料と木綿」・「二 十七世紀日本の綿作の発展」・「真壁をめぐる綿の流通」・「四 近世・近代真壁の綿作」・「おわりに」,真壁町歴史民俗資料館『真壁で綿が作られていたころ』,2000年,1―56頁
- 「河川水運」,西日本文化協会編纂『福岡県史 通史編 福岡藩2』,福岡県,2002年,859―885頁
- 「第8章 鉄道の開通と醤油醸造家の動向―房総の造家を事例として―」,中西聡・中村尚史編著『商品流通の近代史』,日本経済評論社,2003年,277―300頁
- 「醸造業」,西日本文化協会編纂『福岡県史 通史編 近代産業経済1』,福岡県,2003年,63―99頁
- 「醤油の味のちがい」・「福岡の醤油の歴史」,林玲子・天野雅敏編著『日本の味 醤油の歴史』,吉川弘文館,2005年,169―190頁
- 「近代泉南農業の変容と廣海家」,石井寛治・中西聡編著『産業化と商家経営―米穀肥料商廣海家の近世・近代』,名古屋大学出版会,2006年,409―430頁
- 「第五章 房総の農産加工業」・「コラム30」,千葉県史料研究財団『千葉県の歴史 通史編 近世1』,千葉県,2007年,994―1019頁,1020―1022頁
- 「第一編 占領期の千葉県 第三章 経済の民主化と復興 第一節 敗戦直後の産業復興二 醤油醸造業の復興」・「第二編 一九五〇年代の千葉県 第二章 一九五〇年代の開発と地域経済 第二節 在来産業と金融・商業の発展 一 醤油醸造業の発展とその他の在来産業」・「第三編 高度成長期の千葉県 第二章 高度成長期の開発と諸産業の展開 第二節 内陸工業と醸造業・金融・商業の展開 二 醤油醸造業の展開」,千葉県史料研究財団『千葉県の歴史 通史編 近現代3』,千葉県,2009年,185―189頁,398―405頁(市原博と共著), 686―691頁
- 「2,田沼時代から松方財政まで」,浜野潔・井奥成彦・中村宗悦・岸田真・永江雅和・牛島利明『日本経済史1600―2000―歴史に読む現代―』,慶應義塾大学出版会,2009年,49―93頁
- 「序章 近代日本の地方事業家と工業化」・「第8章 近代期の醤油醸造経営」,井奥成彦・中西聡編著『近代日本の地方事業家―萬三商店小栗家と地域の工業化―』,日本経済評論社,2015年,1―8頁(中西聡と共著),343―373頁
- 「序章 近代日本資本主義と醤油醸造業」・「第11章 高梨家醤油の地方販売の展開」・「総括と展望」,井奥成彦・中西聡編著『醤油醸造業と地域の工業化―髙梨兵左衛門家の研究―』,慶應義塾大学出版会,2016年,1―79頁(高梨節子・中西聡と共著),461―487頁,535―564頁(中西聡と共著)
- 「序」・「1,ヤマサ醤油 7 代目店主・濵口梧陵―家業経営 と社会貢献―」,井奥成彦編著 『時代を超えた経営者たち』,日本経済評論社,2017年,1―17頁
- 「2,田沼時代から松方財政まで」,浜野潔・井奥成彦・中村宗悦・岸田真・永江雅和・牛島利明『日本経済史1600―2015―歴史に読む現代―』,慶應義塾大学出版会,2017年,49―97頁
論文
[編集]単著
[編集]- 「幕末・維新期九十九里における「小買商人」について―下総国海上郡足川村鈴木家の事例を中心に―」,地方史研究協議会『地方史研究』第36巻第1号,1986年,39―53頁
- 「幕末期利根川水系における「新河岸」の形成―小貝川の場合―」,交通史学会『交通史研究』第15巻,1986年, 71―72頁
- 「出稼ぎ漁と干鰯」,朝日新聞社『週刊朝日百科日本の歴史』第73巻第 7号,1987年,212―217頁
- 「幕末期における小河岸形成の意義―常州大林村新井家「諸荷物船積入帳」の分析を中心に―」,三田史学会『史学』第57巻第4号,1988年, 641―657頁
- 「近世遠賀川水運史に関する覚書―福岡藩焚石会所設置まで―」,九州大学『エネルギー史研究 : 石炭を中心として』第15巻,1991年, 36―58頁
- 「幕末期銚子・ヤマサ醤油における原料調達と製品販売」,市場史研究会『市場史研究』第11号,1992年,53―61頁
- 「幕末・明治期東関東における中地主の経営―下総国(千葉県)香取郡鏑木村鏑木瀧十郎の経営を事例として―」,摂南大学『摂大学術 B 人文科学・社会科学編』第11巻,1993年, 85―109頁
- 「解説(六)」,西日本文化協会編纂『福岡県史 近代史料編 福岡県地理全誌(六)』,福岡県,1995年,5―22頁
- 「近世―近代村方地主の消費生活―下総国香取郡鏑木村鏑木治郎兵衛家を素材として―」,『千葉県史研究』第8号,千葉県,2000年,114-126頁
- 「豪農平山家の経営と生活に関するノート」,『千葉県史研究』第10号別冊「房総の近世」1,千葉県,2002年,98―108頁
- 「醤油の多様性と地域の食文化に関する歴史的考察―特に西日本の「再仕込醤油文化圏」について―」,財団法人味の素食の文化センター『食文化助成研究の報告』第12巻,2002年,1―8頁
- 「醤油醸造業史研究の課題」,九州大学経済学会『経済学研究』第69巻第3/4号,2003年, 83―95頁
- 「問屋・仲買と流通機構」,有斐閣『日本経営史の基礎知識』,2004年,124―125頁
- 「京都産業大学『授業改善のヒント』作成の経緯と工夫」,京都大学『京都大学高等教育研究』第12巻,2006年,85―91頁
- "Local Markets and the Development of Agriculture and the Agricultural Processing Industry in 19th Century Japan",Japanese Yearbook on Business History,vol.24, 2007,pp.77―96
- 「勲功華族仁禮景範家の塩業経営」,三田史学会『史学』第81巻第1号,2007年, 301―313頁
- 「明治期畿内の老農にとっての綿作と養蚕―山城国相楽郡祝園村松田弥三郎を素材として―」,同志社大学『経済学論叢』,第64巻第4号,2013年, 1017―1033頁
- 「地域産業の基礎をつくった人々(第5回) 濱口梧陵の醤油醸造業と社会貢献」,日本経済研究所『日経研月報』,第418巻, 2013年,26―31頁
- 「萬三商店の醤油醸造経営と販売戦略」,社会経済史学会『社会経済史学』第79巻第1号,2013年,45―62頁
- 「近代の鉄道と醤油醸造業者の販路開拓―明治三六年の中央東線甲府延伸をめぐって―」 ,交通史学会『交通史研究』第82巻,2014年,44―53頁
共著
[編集]- 「1992年の日本経営史」,東京大学出版会『経営史学』第29巻第1号,1994年,56―62頁(永江眞夫・藤田誠久・西川浩司・鈴木恒夫と共著)
- 「近代日本の庶民金融―東京市芝区 T 質店の研究―」,社会経済史学会『社会経済史学』第80巻第3 号,2014年,291―296 頁(鎮目雅人と共著)
書評
[編集]- 「川名登『近世日本水運史の研究』」,駿台史学会『駿台史学』,第65巻,1985年,170―176頁
- 「長谷川彰『近世特産物流通史論―龍野醤油と幕藩制市場―』」,社会経済史学会『社会経済史学』,第60巻第4号,1994年,542―544頁
- 「古田悦造『近世魚肥流通の地域的展開』,吉川弘文館『日本歴史』,第594号,1997年,110―112頁
- 「原直史『日本近世の地域と流通』」,社会経済史学会『社会経済史学』第65巻第4号,1999年, 440―442頁
- 「上村雅洋『近江商人の経営史』」,社会経済史学会『社会経済史学』第67巻第5号,2002年, 605―607頁
- 「白川部達夫『江戸地廻り経済と地域市場』」,社会経済史学会『社会経済史学』第70巻第3号,2004年,348―350頁
その他の執筆活動
[編集]辞典
[編集]- 『日本史大事典』,平凡社,1994年 執筆項目:「まぐろ」(第6巻,276―277頁)
- 『日本歴史人物事典』,朝日新聞社,1994年 執筆項目:「安部熊之助」(66頁),「猪口万右衛門」(187頁),「草野又六」(574頁),「栗林次兵衛」(597頁),「田代重栄」(1018頁),「成富兵庫」(1242頁),「茂木佐平次(3代)」(1691頁),「笠九郎兵衛」(1804頁)
- 『地方史事典』,弘文堂,1997年 執筆項目:「利根川水系の中小河岸」(227頁)
- 『日本歴史大事典』,小学館,2000年 執筆項目:「藍」(第1巻,9頁),「麻」(第1巻,37頁),「油」(第1巻,83頁),「油粕」(第1巻,83頁),「居坐機」(第1巻,157頁),「織機」(第1巻,557頁),「刈敷」(第1巻,747頁),「厩肥」(第1巻,886頁),「金肥」(第1巻,956―957頁),「桑」(第1巻,1031頁),「肥灰」(第2巻,71頁),「五穀」(第2巻,71頁),「座繰」(第2巻,248頁),「雑穀」(第2巻,260頁),「蚕種」(第2巻,303頁),「渋」(第2巻,400頁),「四木三草」(第2巻,405頁),「下肥」(第2巻,421頁),「除虫菊」(第2巻,592頁),「蘇芳(1)」(第2巻,669頁),「石灰」(第2巻,747頁),「高機」(第2巻,933頁),「煙草」(第2巻987頁),「野老(薢)」(第3巻,86頁),「菜種油」(第3巻,178頁),「鰊粕」(第3巻,230頁),「バッタン」(第3巻,388頁),「肥料」(第3巻,493頁),「秣場」(第3巻,741頁),「綿実油」(第3巻,907頁)
- 『歴史学事典』,弘文堂,2006年 執筆項目:「醸造業(日本の)」(第13巻, 282―283頁)
- 『慶應義塾史事典』,慶應義塾大学出版会,2008年 執筆項目:「池田成彬」(606頁),「幸田成友」(661―662頁),「小林一三」(665頁),「野村兼太郎」(718―719頁),「山辺丈夫」(773―774頁)
- 『福沢諭吉事典』,慶應義塾大学出版会,2010年 執筆項目:「酒造論」(250頁)
- 『日本生活史辞典』,吉川弘文館,2016年 執筆項目:「厩肥」(180頁),「金肥」(190頁),「地廻」(300頁),「〆粕」(301頁),「醤油」(334―335頁),「酢」(357 頁)
脚注
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