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亀山龍樹

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亀山 龍樹(かめやまたつき、1922年6月10日 - 1980年3月23日)は、日本翻訳家作家

人物

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佐賀県生まれ。東京帝国大学文学部インド哲学科卒業。第二次世界大戦学徒兵として出征。

戦後は白木茂の下訳をし、小谷剛の同人誌『作家』に拠って小説を書いていた。

日本児童文芸家協会理事、少年文芸作家クラブ会長を務める。表記には亀山竜樹もある。 息子に、写真家の亀山哲郎がいる[1]

翻訳業の概要

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翻訳家としては英文和訳を専門とした。 英語以外の作品は、恐らく他人の翻訳をリライトしたものだが、これは児童文学の世界ではよくあることである。

最初に刊行された訳書はアップルトン『空中列車地球号』か、もしくはエラリー・クイーン『金色のわしの秘密』である(いずれも1957年)。 以後も英米のジュブナイルの翻訳、一般向けのSFミステリ・冒険小説を児童向けに抄訳することを主たる仕事とした。 代表的な訳書にスターリング・ノースはるかなるわがラスカル英語版』(アニメ「あらいぐまラスカル」の原作)、ギャリコ「ハリスおばさんシリーズ」、ネルスン・ボンド『宇宙人ビッグスの冒険』、ジョン・クリストファー三本足シリーズ」など。

訳書の総数は、20年強の活動期間に対して100冊前後。

翻訳

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  • 『空中列車地球号』(Sky Train、アップルトン(Victor Appleton)、講談社、少年少女世界科学冒険全集26) 1957
  • 『謎のロボット星』(Phobos, The Robot Planet、ポール・カポン(Harry Paul Capon)、講談社、少年少女世界科学冒険全集29) 1957、のち角川文庫
  • 『洪水』(The Flood of Fear、ジョン&ウォード・ホーキンズ(John & Ward Hawkins)、早川書房、ハヤカワ・ミステリ) 1958
  • 『恐怖の27日間』(The 27th Day、J・マントレイ(John Mantley)、講談社、S.F.シリーズ) 1958
  • 『少年キムの冒険』(Kim、キップリング、講談社) 1960
  • 『宇宙人ビッグスの冒険』(Lancelot Biggs: Spaceman、ネルスン・ボンド、岩崎書店、少年少女宇宙科学冒険全集7) 1960、のち改題『宇宙飛行士ビッグスの冒険』(岩崎書店、SF名作コレクション11)2006
  • 『火星救助隊』(Mission to Mars、P・ムーア(Patrick Alfred Moore)、岩崎書店、少年少女宇宙科学冒険全集8) 1961
  • 『幽霊衛星テミス』(Lancelot Biggs, Spaceman、ネルソン・ボンド、岩崎書店、少年少女宇宙科学冒険全集16) 1962
  • 『空想騎士の冒険』(マーク・トウェーン、岩崎書店、マーク・トウェーン名作全集7) 1962
  • 名探偵ルコック』(ガボリオー、講談社、世界名作全集73) 1963
  • シートン動物記』(シートン偕成社) 1964
  • 名犬ラッシー』(E・M・ナイト(Eric Mowbray Knight)、講談社、世界の名作3) 1964、のち少年少女講談社文庫 1975
  • 『世界最悪の旅 / ピアリーの北極探検』(チエリ・ガラード(Apsley Cherry-Garrard) / グリーン、偕成社、少年少女世界の名著16) 1964
  • 『消えた大陸のなぞ / ピラミッドの秘密』(チャーチワード / カーター、偕成社、少年少女世界のノンフィクション4) 1964
  • 『ルシンダの日記帳』(ソーヤー 、講談社、世界少女名作全集4) 1964
  • 『ラ・プラタの博物学者』(The Naturalist in La Plata、W・H・ハドソン国土社、少年少女科学名著全集12) 1965
  • 地球さいごの日』(フィリップ・ワイリー&エドウィン・バーマー、講談社、世界の科学名作3) 1965
  • 『X線カメラのなぞ / マルタの鷹』(ガードナー / ハメット、あかね書房、少年少女世界推理文学全集15) 1965
  • 『別れの歌』(ウィラ・キャサー、講談社) 1966
  • 宝島』(スチーブンソン、講談社) 1966
  • 『世界最大のショー』(ケラー、講談社、少年少女世界の名著8) 1966
  • 『アラスカ犬・死への挑戦 / シベリアの密林を行く』(テーラー / アルセーニエフ、偕成社、少年少女世界のノンフィクション17) 1966
  • 『わたしのアントニーア』(My Ántonia、ウィラ・キャサー、講談社) 1967
  • 白鯨』(メルビル、岩崎書店、ジュニア版世界の文学11) 1967
  • 火星のプリンセス』(バローズ、講談社、火星シリーズ1) 1967
  • 宇宙の超高速船』(E・E・スミス、岩崎書店、SFこども図書館15) 1967
  • トム・ソーヤーの冒険』(マーク・トウェーン、講談社、世界の名作図書館15) 1967
  • 『宇宙からのSOS』(The Wailing Asteroid、ラインスター、偕成社、SF名作シリーズ9) 1967
  • 『ラスティと宇宙怪ぶつ』(Rusty's space ship、ランプマン(Evelyn Lampman)、偕成社、世界のこどもエスエフ1) 1968
  • 『すてきな夏休み』(オギルビー(Elisabeth Ogilvie)、偕成社、少女ロマン・ブックス14) 1968
  • 『病院の怪事件』(パトリック(Patrick Quentin)、ポプラ社、ジュニア世界ミステリー16) 1968
  • 『ミッキーくんの宇宙旅行』(フレドリック・ブラウン、岩崎書店、SFえどうわ6) 1968
  • 『ぼくらの恐りゅうデカ』(The Shy Stegosaurus of Cricket Dreek、ランプマン、偕成社) 1968
  • 『ぼくらがまもった金塊 ナチをあざむく少年たちの活躍』(マクスィーガン(Marie McSwigan)、偕成社、世界のこどもノンフィクション6) 1969
  • 『赤いロボット自動車』(Sally、アシモフ、偕成社、名作アニメート絵話13) 1969
  • 銀河王国の地球人』(エドマンド・ハミルトン、集英社、ジュニア版世界のSF5) 1969
  • 『恐竜の発見 - よみがえる前世紀動物』(エドウィン・ハリス・コルバート小畠郁生共訳、早川書房) 1969、のち文庫
  • 『毒には毒を / 山のにせ札事件』(ダシール・ハメット / レイモンド・チャンドラー、鶴書房盛光社、ミステリ・ベストセラーズ) 1970
  • 『アフリカ冒険旅行』(セオドア・ワルデック(Theodore J. Waldeck)、学習研究社、アドベンチャー・ブックス5) 1970
  • 『はるかなるわがラスカル』(Rascal、スターリング・ノース、角川文庫) 1970、のち小学館ライブラリー
  • 『風あらきトロイア シュリーマン』(マージョリー・ブレイマー(Marjorie Braymer)、学習研究社、世界の伝記3) 1971
  • アーサー王とあった男』(マーク・トウェーン、岩崎書店) 1971
  • 『大峡谷の小さなロバ』(マルガリーテ・ヘンリー(Marguerite Henry)、旺文社、旺文社ジュニア図書館) 1971
  • 『スパイ大作戦』(オルセン(Oluf Reed Olsen)、集英社、ジュニア版・世界の冒険4) 1971
  • アリバイを追え』(アイリッシュ、集英社、ジュニア版世界の推理16) 1972
  • 『なぞの海底怪獣』(Secret Under the Sea、ディクソン、偕成社、SF名作シリーズ29) 1972
  • 『ボタン貝船の兄弟』(G&K・スオーサウト(Glendon Fred Swarthout / Kathryn Swarthout)、講談社、世界の児童文学名作シリーズ) 1972
  • マルタの鷹』(ハメット、あかね書房推理・探偵傑作シリーズ8) 1973
  • 『アルプスの歌ごえ』(マリア・トラップ、偕成社、世界のこどもノンフィクション15) 1973
  • 『ねらわれたスミス』(Smith、リアン・ガーフィールド、岩崎書店、ジュニア・ベスト・ノベルズ15) 1974
  • 二都物語』(ディケンズ、集英社) 1975
  • ジョニイの奇妙な冒険英語版』(サイラス・フィッシャー英語版、岩崎書店) 1975
  • 宇宙の超高速船』(E・E・スミス、岩崎書店) 1976
  • 『タイムスリップ』(ブルース・スチュアート、J&R・ボズウェル、角川文庫) 1977
  • 『消えた人々のゆくえ SF傑作短編集』(三省堂) 1977年
  • 黄金虫 / 黒ねこ』(ポー春陽堂書店) 1977
  • 黒衣の花嫁』(アイリッシュ、文研出版) 1977
  • ドリトル先生アフリカへ行く』(ロフティング暁教育図書、少年少女世界の文学5) 1978
  • 『ものぐさドラゴン』(ケネス・グレーアム金の星社、世界こどもの文学) 1978
  • 『子どもが戦争をやめさせた』(ジャン・ワール、文研出版、文研じゅべにーる) 1978
  • 怪談』 (ハーン、春陽堂書店、春陽堂少年少女文庫) 1980
  • 「おんぼろ宇宙船シリーズ」(ブライアン・アーンショウ(Brian Earnshaw)、学習研究社)
    『おんぼろ宇宙船ときえた子どもたち』(Dragonfall 5 and the Empty Planet) 1980
    『おんぼろ宇宙船とさらわれた王女さま』(Dragonfall 5 and the Hijackers) 1980

エラリー・クイーン

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ジュール・ヴェルヌ

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アーサー・コナン・ドイル

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ジョン・ロウ・タウンゼンド

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  • 『ぼくらのジャングル街』(Gumbie's Yard、ジョン・ロウ・タウンゼンド(John Rowe Townsend)、学習研究社、少年少女学研文庫19) 1969
  • 『さよならジャングル街』(Goodbye to Gumble's Yard、タウンゼンド、学習研究社、少年少女学研文庫20) 1970
  • 『北風の町の娘』(ジョン・R・タウンゼンド、学習研究社、ジュニア世界の文学6) 1971

「ハリスおばさん」シリーズ

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  • 『ハリス夫人パリへ行く』 (Flowers for Mrs. Harris、ポール・ガリコ、講談社) 1967

、のち改題『ハリスおばさんパリへ行く』(少年少女講談社文庫)1973、(講談社文庫)1979、(講談社セシール文庫)1981、(講談社青い鳥文庫)1983

  • 『ハリスおばさんニューヨークへ行く』(Mrs. Harris Goes to New York、ポール・ガリコ、講談社) 1975、のち講談社文庫
  • 『ハリスおばさん国会へ行く』(Mrs. Harris Goes to Parliament、ポール・ガリコ、講談社) 1978、のち講談社文庫
  • 『ハリスおばさんモスクワへ行く』(Mrs. Harris Goes to Moscow、ポール・ガリコ、遠藤みえ子共訳、講談社文庫) 1982

「ダニーくんのSFぼうけん」シリーズ

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  • 「ダニーくんのSFぼうけん」(J・ウィリアムズ(Jay Williams)、R・アブラスキン(Raymond Abrashkin)、岩崎書店)
    1)『A・G宇宙船SOS』(Danny Dunn and the Anti-Gravity Paint) 1970
    2)『無人島の少年科学者』(Danny Dunn and a Desert Island) 1970
    4)『雨ふらせ作戦』(Danny Dunn and the Weather Machine) 1970
    5)『ウニ号の海てい探検』(Danny Dunn and the Ocean Floor) 1970
    7)『レーザー光線作戦』(Danny Dunn and the Heat Ray) 1970

「ハルとロジャーの冒険大作戦」シリーズ

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  • 『火口探検船』(ウイラード・プライス(Willard Price)、集英社、ハルとロジャーの冒険大作戦3) 1973
  • 『密猟王黒ひげ』(プライス、集英社、ハルとロジャーの冒険大作戦6) 1974
  • 『白い巨象のなぞ』(プライス、集英社、ハルとロジャーの冒険大作戦7) 1974
  • 『決死の捕鯨船』(プライス、集英社、ハルとロジャーの冒険大作戦10) 1974

グレアム・オークリー

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  • 『ねずみのアーサーとなかまたち』(グレアム・オークリー(Graham Oakley)、ポプラ社、世界のほんやくえほん4) 1976
  • 『ねこのサムソンみなみのしまへ』(グレアム・オークリー、ポプラ社、世界のほんやくえほん5) 1976
  • 『ねずみのアーサー月へいく?』(オークリー、ポプラ社、世界のほんやくえほん6) 1977
  • 『ねずみのアーサーそらをとぶ』(オークリー、ポプラ社、世界のほんやくえほん7) 1977

「トリポッド」シリーズ

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その他の著述業

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ノンフィクションを中心に約20冊の著書・編著があり、創作の著書としては児童向けの『宇宙海ぞくパプ船長』と『ぞうのなみだ』の二作がある。

著書

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一般向け

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  • 『インド・インカ古代史考』(鷺の宮書房) 1969

児童向け創作

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児童向けノンフィクション

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  • 『世界の文化遺産 5 - インカ編』(宝文館) 1958
  • 『世界の文化遺産 1 - インド編』(宝文館) 1959
  • 『世界名作物語』(白木茂編・亀山龍樹ほか著、岩崎書店) 1961
  • 『宇宙時代の夜明け』(岩崎書店) 1968
  • 『古代文字のひみつ』(岩崎書店) 1969
  • 『空とぶドクター』(文研出版) 1969
  • 『10人の探検家』(実業之日本社) 1972
  • 湯川秀樹』(集英社、母と子の世界の伝記19) 1973

編纂

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  • 三省堂らいぶらりぃ
    • 『なぞの古代文字』 1978
    • 『まぼろしの文明』 1978
    • 『遺跡はかたる』 1978
    • 『うしなわれた都市』 1978
    • 『かくされた財宝』(山主敏子と共編) 1978
    • 『世界の魔物たち』(山主敏子と共編) 1978
    • 『世界のミステリーゾーン』(山主敏子と共編) 1978
    • 『世界奇人ものがたり』(山主敏子と共編) 1978

出典

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関連項目

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