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乳房山

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
乳房山
沖港から見る乳房山(左奥)
標高 462.6 m
所在地 東京都小笠原村母島
位置 北緯26度39分34秒 東経142度09分41秒 / 北緯26.65944度 東経142.16139度 / 26.65944; 142.16139座標: 北緯26度39分34秒 東経142度09分41秒 / 北緯26.65944度 東経142.16139度 / 26.65944; 142.16139
山系 海嶺
乳房山の位置(日本内)
乳房山
プロジェクト 山
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乳房山(ちぶさやま)は、東京都小笠原村母島中央部にある標高462.6 mしま山100選選定[1]小笠原諸島の有人島の最高峰無人島を含めると標高916 mの南硫黄島が最高峰)であり、山頂からは母島諸島、遠方に父島諸島が見える。母島一帯は小笠原国立公園に指定されている。

第二次世界大戦アメリカ軍が不要弾を投下した爆発跡や、塹壕跡などが見られる。山頂からの初日の出は、一般人が立ち入り可能な場所[注 1]としては日本で最も早い時間に見ることができる。

生物相

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シマオオタニワタリ(島大谷渡、学名Asplenium nidus L.)[2]、セキモンウライソウ(石門烏來麻、学名:Procris boninensis 母島固有種)[2]、セキモンノキ(石門の木、学名:Claoxylon centinarium 小笠原固有種)[2]、オガサワラグワ(小笠原桑、学名:Morus boninensis Koidz. 小笠原固有の高木種)[2]、コブガシ[2]ウドノキ[2]マルハチ[2][3]ガジュマル[3]タコノキ[3]、ムニンシュスラン[3]、オガサワラビロウ[3]テリハボク[3]オガサワラシジミ[2]、オガサワラオカモノアラガイ(今では母島にのみ残存する小笠原固有種。貝殻が小さく退化しており、体のほうが大きいため殻からはみ出してしまっているのが際立った特徴)[2]、オガサワラトカゲ、アカガシラカラスバト[2]、オガサワラノスリ[2]などが見られる。

侵略的外来種としては、第二次世界大戦前に植林されて薪などに利用されていたものの、需要がなくなった後、侵略的増殖をしてしまっている高木種のアカギ[2]を始めとして、イエシロアリ[2]アフリカマイマイグリーンアノール(原産地はカリブ海周辺地域で、グアム島を経由して小笠原へ侵入した種)[2]、野生化したヤギ[2]、野生化したイエネコ[2]などが問題となっている。アカギは、伐採してもわずかな切り株から芽を出して再生・繁茂する[2]。以前は小笠原固有の高木種であるオガサワラグワを主としていた森も、今ではそれらが駆逐されて、アカギばかりが目立つ森が形成されている[2]

登山

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島内の元地集落から、上記の爆発跡、山頂、剣先山(標高245 m)を経由して一周する登山ルートがあるが、2019年に確認された斜面崩落により、同年7月から山頂東側のルートが一部通行止めになっているため、爆発跡を経由する西側のルートを往復する形式のみとなっている[4]。周回する場合の所要時間は、集落から登山口まで10分、登山道一周が約4時間である[1]

外来生物の侵入を防ぐため、登山口にはマットと酢酸スプレーが備え付けられており、登山者はマットで靴底の土を落としスプレーで消毒を行うことが求められている[3]。また、事前に母島観光協会で申し込みをしたうえで登頂した登山者には、観光協会より登頂記念証が有料で発行される[1]

脚注

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注釈

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  1. ^ 元日に限らず日本で最も日の出が早い場所は南鳥島であるが、一般人は上陸することができない。乳房山山頂より東に位置する南崎・小富士は日本一初日の出が早い場所であるとしてトレッキングツアーなどが実施されているが、乳房山と南崎の経度差が約0.01度(日の出時間への効果は3秒程度)に対し標高差が376m(同113秒程度)あるため標高が高い乳房山の方が早くなる。また、319mである父島・中央山山頂も南崎より初日の出が早い。

出典

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  1. ^ a b c 乳房山【ちぶさやま】 母なる島の大きな胸に抱かれに行こう”. 小笠原母島観光協会. 2023年2月19日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 講師 松本忠夫放送大学 講座『生物圏の科学』(2012年度開設)第14回「日本での生態系再生の例」2015年7月10日放送・視聴。
  3. ^ a b c d e f g 小笠原諸島の固有種が多く残る、母島・乳房山トレッキングツアー”. 日本の世界自然遺産. 公益財団法人東京観光財団. 2023年2月19日閲覧。
  4. ^ 乳房山登山道の一部通行止めについて”. 小笠原母島観光協会 (2019年7月15日). 2023年2月19日閲覧。

外部リンク

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