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パグアサ島

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
中業島から転送)
外交紛争のある島
現地名:
タガログ語: Pag-asa Island
中国語: 中業島
英語: Thitu Island
ベトナム語: đảo Thị Tứ / 島市肆
中央の島がパグアサ島
地理
パグアサ島の位置(南シナ海内)
パグアサ島
所在地南シナ海 北緯11度03分11.9秒 東経114度17分6.4秒 / 北緯11.053306度 東経114.285111度 / 11.053306; 114.285111座標: 北緯11度03分11.9秒 東経114度17分6.4秒 / 北緯11.053306度 東経114.285111度 / 11.053306; 114.285111
所属群島南沙諸島
実効支配
 フィリピン
パラワン
自治体カラヤン英語版
領有権主張
 中華人民共和国
 中華民国
 ベトナム

パグアサ島タガログ語: Pag-asa Island: Thitu Island中国語: 中業島ベトナム語đảo Thị Tứ / 島市肆)は、スプラトリー諸島(南沙諸島タガログ語ではカラヤーン群島)にある。「パグアサ」は、フィリピン語(タガログ語)で「希望」という意味。日本が領有宣言をしていた新南群島時代の旧称は三角島

地理

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南沙諸島の中では2番目に大きいとされる島[1]太平島に次ぐ)。三角おむすび形の平坦な島。面積は0.37 km2

パラワン島の西方海上に位置し、約25キロメートル南西には中国が造成により拡張して兵器を配備しているスービ礁があり、気象条件がよければ簡易な双眼鏡で同島にある人口構造物を見ることが出来る[1]。島の北西5kmの沖合に砂洲があり、パグアサ島の漁師によると不自然に砂洲が拡大しているとされ、同砂洲はフィリピンと中国とで鋭く対立している。

領有に関する主張

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1971年からフィリピン実効支配しているが[2]、他に中華人民共和国台湾およびベトナム領有権を主張している[3]2023年10月16日中国外交部毛寧報道官は定例記者会見で「中業島は中国の領土だ。フィリピンは中業島を不法に占拠していており、中国の主権を著しく侵害している」としてフィリピンを批判した[4]

フィリピンによる実効支配

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フィリピン軍の兵士や沿岸警備隊の隊員約50 - 80名が交替で配備されているほか、漁民ら一般住民も約100人(2019年時点)島[1] 暮らしていて、多くはフィリピン政府の募集に応じて移り住んでいる[5]2012年には、小学校の開設や埠頭の建設が予定されていると伝えられている[6]

島内には1970年代に未舗装の1,400m滑走路を持つ飛行場が建設されている。2014年6月18日には、フィリピン海軍幹部が海水による浸食が進んだ滑走路を補修する計画を明らかにしている[7]

2017年5月、フィリピン軍がセメント・木材などの建設資材を搬入し、計画しながら中断していた埠頭の接岸施設の整備・滑走路の補修に着手した[8]

2019年7月23日、ロレンザーナ国防相が記者会見でホテル建設計画を公表した。フィリピン政府は、周辺海域を「西フィリピン海」と呼称している[1]

2020年8月14日、同島を管轄するカラヤアン町は、島周辺の砂州4カ所を「パグアサ砂州」1~4番、岩礁2カ所を「パグアサ礁」1~2番と命名した[9]。フィリピン政府は2040年までにリゾート地を整備する計画である。

歴史

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  • ~1971年 - 中華民国の実効支配
  • 1971年 - フィリピンの実効支配。
  • 2022年11月20日 - フィリピン軍が同島付近の海上で、浮遊物を回収して持ち帰ろうとしたフィリピン軍のボート中国海警局の船が妨害し、浮遊物を強奪したと発表した。浮遊物は中国が打ち上げたロケットの残骸だとの情報が報じられている[10][11]

脚注

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  1. ^ a b c d 「比、南シナ海に観光地 スプラトリー諸島/中国に対抗 軍事拠点化も」『読売新聞』朝刊2019年7月31日(国際面)。
  2. ^ “【地球人間模様】@南沙諸島「孤島に生きる」”. 47NEWS (全国新聞ネット). http://www.47news.jp/47topics/ningenmoyou/169.html 2017年4月8日閲覧。 
  3. ^ 「南シナ海 中国をけん制/フィリピン 領有権争う島 滑走路改修」日本経済新聞』朝刊2019年1月10日(国際面)2019年1月26日閲覧。
  4. ^ 中国軍艦の中業島近海の航行は「理にかない、法にかなう」=外交部”. CRJ online (2023年10月16日). 2023年10月16日閲覧。
  5. ^ “比、南沙で滑走路整備へ 中国に対抗し実効支配強化”. MSN産経ニュース (産経新聞社). (2013年12月4日). オリジナルの2013年12月4日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20131204140040/http://sankei.jp.msn.com/world/news/131204/asi13120421370001-n1.htm 
  6. ^ “フィリピンが南沙諸島に小学校 6月、中国反発も”. 47NEWS. 共同通信 (全国新聞ネット). (2012年4月25日). オリジナルの2012年11月11日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20121111091825/http://www.47news.jp/CN/201204/CN2012042501002084.html 
  7. ^ “南沙諸島の滑走路補修へ=比”. 時事ドットコム (時事通信社). (2014年6月18日). オリジナルの2014年9月13日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/20140913001323/http://www.jiji.com/jc/zc?k=201406/2014061800931 
  8. ^ “南シナ海で対中抑止力 ベトナム、日本の護衛艦が寄港 フィリピン、南沙で滑走路を改修”. 日本経済新聞電子版 (日本経済新聞社). (2017年6月2日). http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM01H5F_01062017FF1000/ 2017年6月3日閲覧。 
  9. ^ 「比自治体、南沙砂州に命名 中国拠点化化に対抗」『読売新聞』朝刊2020年8月19日(国際面)
  10. ^ “中国、ロケット残骸を強奪か フィリピン軍の回収を妨害”. 東奥日報. (2022年11月21日). http://www.toonippo.co.jp/articles/-/1427555 2022年11月24日閲覧。 
  11. ^ “中国、ロケット残骸を強奪か フィリピン軍の回収を妨害”. 佐賀日報. (2022年11月21日). http://www.saga-s.co.jp/articles/-/950728 2022年11月24日閲覧。 

関連項目

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外部リンク

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