コンテンツにスキップ

中条駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
中条駅
東口(2021年9月)
なかじょう
Nakajō
金塚 (3.8 km)
(5.6 km) 平木田
地図
所在地 新潟県胎内市表町7-22
北緯38度02分59.80秒 東経139度23分53.60秒 / 北緯38.0499444度 東経139.3982222度 / 38.0499444; 139.3982222座標: 北緯38度02分59.80秒 東経139度23分53.60秒 / 北緯38.0499444度 東経139.3982222度 / 38.0499444; 139.3982222
所属事業者
所属路線 羽越本線
キロ程 39.1 km(新津起点)
電報略号 ナヨ
駅構造 地上駅橋上駅
ホーム 2面3線
乗車人員
-統計年度-
1,016人/日(降車客含まず)
-2023年-
開業年月日 1914年大正3年)6月1日[1]
備考 業務委託駅
テンプレートを表示
西口(2021年9月)

中条駅(なかじょうえき)は、新潟県胎内市表町にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・日本貨物鉄道(JR貨物)羽越本線である。

胎内市の中心駅で、中条市街地(旧中条町)に位置する。特急いなほ」の全列車観光列車海里」が停車する等、大半の旅客列車が停車する。

歴史

[編集]

中条駅周辺整備事業

[編集]
橋上駅舎化前に先行して整備された東口駅前広場(2016年2月)

2002年、当時の中条町は「都市計画マスタープラン」を策定し、交通結節機能強化等を目的として当駅前に約5000㎡の駅前広場を新設する事業に着手。県と町が1998年から既に事業化していた県道中条停車場線改良と合わせ各種整備を実施し(中条駅前広場整備事業[11][12][13])、2007年度末に全面竣工した。

一方、中条地区は市街地化が進捗した一方で当駅周辺には羽越本線を横断する手段が乏しく、当駅を利用する駅西側の住民は踏切を渡るか、大きく迂回して跨線橋を通行するしか無い状況が長らく続いていた。特に踏切付近では朝ラッシュ時には列車通過待ちに伴う渋滞もしばしば発生していた。

胎内市新設合併後である2006年には市の施策計画として「第一次胎内市総合計画[14]」が策定され、それを踏まえて都市計画マスタープラン[15]も策定された。このマスタープランには東側のみにしか駅舎が無かった当駅に新たに西口を新設する「中条駅西口周辺整備事業」が新規事業として盛り込まれた。基本構想案では駅西側に西口駅前広場を整備し、自由通路を併設した橋上駅舎を建設するというもので、敷地にはJR貨物の廃線敷が活用されることとなった。

この事業は第13回まち交大賞(部門賞 まちづくりシナリオ賞)を受賞[16]。2018年7月に橋上駅舎・自由通路・西口広場の一部使用開始が行われた。

駅構造

[編集]

東側より順に、単式ホーム1面1線、島式ホーム1面2線、合計2面3線を有する列車交換待避・折返し可能な地上駅。両ホームは橋上駅舎で連絡している。この他、ホームが無い側線が3番線西側に複数敷設されていた(撤去済)。

村上駅管理の業務委託駅JR東日本新潟シティクリエイト(JENIC)受託)。駅舎2Fには自動券売機指定席券売機[10]自動改札機待合室(改札内)[17]トイレ(改札内)[17]等があり、東西を連絡する自由通路には胎内の旬を発信する大型ディスプレイ[17]が設置されている。1階にはトイレ(東西両方)[17]の他、東口側には待合機能や観光案内機能を備えた「観光交流室」があり、レンタサイクル取扱もある。東口・西口エントランス部と両ホームには階段[17]の他エレベータ[17]が設置されている。

のりば

[編集]
番線 路線 方向 行先
1 羽越本線 上り 新発田新津新潟方面
2 (待避線)
3 下り 村上鶴岡酒田秋田方面

(出典:JR東日本:駅構内図

貨物取扱

[編集]
中条オフレールステーション
入換作業中の電気機関車(2007年7月)

JR貨物の駅は、コンテナ貨物(12フィートコンテナのみ)と、臨時車扱貨物取扱駅となっている。コンテナ輸送はトラック便によって行われる。

中条オフレールステーション

[編集]

中条オフレールステーション(略称・中条ORS)は、JR貨物中条駅に属し、駅舎南側にあるコンテナ集配基地である。新潟貨物ターミナル駅との間でトラック便が1日3.5往復(当駅発が3本)運行されている。

以前はコンテナも列車で輸送されていたが、1996年平成8年)3月からトラック代行となり、自動車代行駅となった。

専用線

[編集]

以前は構内西側の側線から本線西側へ沿って北へ伸び、クラレ中条事業所へ至る専用線が分岐していた。専用線はタンク車による化学薬品輸送に使用され、苛性ソーダ塩酸(両者共に酒田港駅発送)等が到着していたが、2008年(平成20年)3月に廃止された。1996年まではコンテナ輸送も行われていた。

また、駅南側にある水澤化学工業中条工場への専用線もあったが、1990年代後半に廃止された。

利用状況

[編集]

JR東日本によると、2023年度(令和5年度)の1日平均乗車人員1,016人である[旅客 1]

1965年度(昭和40年度)、1970年度(昭和45年度)、1975年度(昭和50年度)、2000年度(平成12年度)以降の推移は以下のとおりである。

乗車人員推移
年度 1日平均
乗車人員
出典
1965年(昭和40年) 2,038 [旅客 2]
1970年(昭和45年) 1,797 [旅客 3]
1975年(昭和50年) 1,761 [旅客 4]
2000年(平成12年) 1,596 [旅客 5]
2001年(平成13年) 1,504 [旅客 6]
2002年(平成14年) 1,449 [旅客 7]
2003年(平成15年) 1,444 [旅客 8]
2004年(平成16年) 1,414 [旅客 9]
2005年(平成17年) 1,368 [旅客 10]
2006年(平成18年) 1,326 [旅客 11]
2007年(平成19年) 1,330 [旅客 12]
2008年(平成20年) 1,300 [旅客 13]
2009年(平成21年) 1,254 [旅客 14]
2010年(平成22年) 1,236 [旅客 15]
2011年(平成23年) 1,213 [旅客 16]
2012年(平成24年) 1,232 [旅客 17]
2013年(平成25年) 1,261 [旅客 18]
2014年(平成26年) 1,193 [旅客 19]
2015年(平成27年) 1,214 [旅客 20]
2016年(平成28年) 1,199 [旅客 21]
2017年(平成29年) 1,191 [旅客 22]
2018年(平成30年) 1,189 [旅客 23]
2019年(令和元年) 1,155 [旅客 24]
2020年(令和02年) 901 [旅客 25]
2021年(令和03年) 929 [旅客 26]
2022年(令和04年) 1,008 [旅客 27]
2023年(令和05年) 1,016 [旅客 1]

貨物

[編集]

「新潟県統計年鑑」によると、1993年度(平成5年度)以降の貨物輸送の推移は以下の通り。なお、発送貨物単位は、1993年度 - 1998年度(平成5年度 - 平成10年度)はトン、1999年度(平成11年度)以降は千トンである。

貨物輸送推移
年度 発送貨物 出典
1993年(平成05年) 80,341 [貨物 1]
1994年(平成06年) 87,468
1995年(平成07年) 79,670
1996年(平成08年) 70,558
1997年(平成09年) 68,081
1998年(平成10年) 68,276 [貨物 2]
1999年(平成11年) 66.8-- [貨物 3]
2000年(平成12年) 66.1--
2001年(平成13年) 59.0--
2002年(平成14年) 54.7--
2003年(平成15年) 53.8--
2004年(平成16年) 47.9-- [貨物 4]
2005年(平成17年) 51.1--
2006年(平成18年) 39.7--
2007年(平成19年) 34.9--
2008年(平成20年) 37.9--
2009年(平成21年) 37.3-- [貨物 5]
2010年(平成22年) 40.7--
2011年(平成23年) 42.4--
2012年(平成24年) 46.0--
2013年(平成25年) 50.6--
2014年(平成26年) 51.3-- [貨物 6]
2015年(平成27年) 55.1--
2016年(平成28年) 56.1--
2017年(平成29年) 59.0--
2018年(平成30年) 58.4--

駅周辺

[編集]

前述の事業に伴い東口及び西口に駅前広場が整備され、ロータリー化されている。東口には広場に隣接してパークアンドライドとしても利用できる駐車場[20]が設けられている。また、12月 - 2月頃まで東口の桜ライトアップが行われる。

東口側

[編集]

古くからの宿場町・中条の市街地である。

西口側

[編集]
西口のれん街(2021年9月)

西口新設に合わせて宅地分譲が行われている他[21]、飲食店街「西口のれん街」が整備された。

バス路線

[編集]
西口の無料観光巡回バス「くるっと胎内」のりば(2021年9月)

東口ロータリー内からはデマンド型交通が、西口ロータリー内からは観光バスが発着する。以前は新潟交通観光バスの一般路線バスも運行されていたが2017年秋以降はデマンド型交通へ一本化された。

  • 予約制のりあい自動車「のれんす号[22] - 市内ほぼ全域をカバーするデマンド型交通。市民のみならず市外在住の人や観光の足としての利用も想定されている[23]
  • 無料観光バス「くるっと胎内」[24][25] - 季節限定で土・日・祝のみ運行。

その他

[編集]

隣の駅

[編集]
東日本旅客鉄道(JR東日本)
羽越本線
快速「べにばな
新発田駅 - 中条駅 - 坂町駅
快速
新発田駅 - (上りの一部は加治駅) - 中条駅 - 坂町駅
普通
金塚駅 - 中条駅 - 平木田駅

脚注

[編集]

記事本文

[編集]
  1. ^ a b c d e f g 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日、559頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  2. ^ “中条駅が装い新たに”. 交通新聞 (交通協力会): p. 2. (1967年2月21日) 
  3. ^ “中条駅に「みどりの窓口」”. 交通新聞 (交通協力会): p. 2. (1979年4月6日) 
  4. ^ Suicaの一部サービスをご利用いただける駅が増えます』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2013年11月29日https://www.jreast.co.jp/press/2013/20131114.pdf 
  5. ^ “中条駅西口周辺整備事業 JR中条駅 仮駅舎建築工事”. 胎内市公式サイト. (2016年12月7日). オリジナルの2017年5月7日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20170507061759/https://www.city.tainai.niigata.jp/kurashi/sekatsu/toshikekaku/project/p-eki.html 2017年5月7日閲覧。 
  6. ^ 羽越本線 中条駅「橋上駅舎」7月21日(土)開業!』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道新潟支社、2018年5月29日https://www.jreast.co.jp/niigata/press/20180529nakajyouekikyoujyouekisya.pdf 
  7. ^ 中条駅新駅舎が開業 胎内 記念式典にぎわう(新潟日報 2018年7月22日付) - ウェイバックマシン(2018年7月26日アーカイブ分)
  8. ^ 市報たいない No.310 2018年7月15日号 p.1 7月21日 中条駅西口広場の一部供用開始 - 胎内市
  9. ^ 市報たいない No.326 2019年3月15日号 p.1 4月1日 中条駅に新たな施設がオープン - 胎内市
  10. ^ a b c 駅の情報(中条駅):JR東日本”. 東日本旅客鉄道. 2024年2月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年2月5日閲覧。
  11. ^ 中条町の都市計画:駅前広場整備事業(中条町)(2005年7月28日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  12. ^ 胎内市の都市計画:駅前広場整備事業(胎内市)(2014年2月12日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  13. ^ 中条駅前広場整備事業」(PDF)『まちだよりなかじょう』第781号、中条町、2003年10月1日、2-3頁。 
  14. ^ 第1次胎内市総合計画”. 胎内市. 2019年12月30日閲覧。
  15. ^ 胎内市都市計画マスタープラン”. 胎内市. 2019年12月30日閲覧。
  16. ^ 平成29年度 都市再生整備計画事業事例集実施地区 中条駅周辺地区 - 国土交通省北陸地方整備局.2019年12月30日閲覧。
  17. ^ a b c d e f 市報たいない No.311 2018年8月1日号 pp.1-3 あたらしい中条駅が完成しました - 胎内市
  18. ^ 中条駅にストリートピアノを設置します”. 胎内市. 2021年10月3日閲覧。
  19. ^ “「駅ピアノ」お披露目 調べで交流 胎内・中条駅通路に設置”. 新潟日報. (2021年6月17日). https://www.niigata-nippo.co.jp/news/local/20210617623242.html 
  20. ^ 中条駅前自動車駐車場”. 胎内市. 2019年12月30日閲覧。
  21. ^ “新潟県胎内市で「ウエストタウン中条」が建設中”. にいがた経済新聞. (2019年8月14日). https://www.niikei.jp/20960/ 
  22. ^ 予約制のりあい自動車「のれんす号」”. 胎内市. 2019年12月30日閲覧。
  23. ^ 予約制のりあい自動車 のれんす号 のご案内”. 胎内市観光協会. 2021年5月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年12月30日閲覧。
  24. ^ 無料観光バスくるっと胎内”. 胎内市. 2021年5月2日閲覧。
  25. ^ “新潟・胎内市、無料観光バス運行 外国人客を誘致”. 日本経済新聞. (2019年4月22日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44054320S9A420C1L21000/ 

利用状況

[編集]

旅客

[編集]
  1. ^ a b 各駅の乗車人員(2023年度)”. 東日本旅客鉄道. 2024年7月21日閲覧。
  2. ^ 鉄道統計年報昭和40年版p100 新潟鉄道管理局
  3. ^ 鉄道統計年報昭和45年版p90-91 新潟鉄道管理局
  4. ^ 鉄道統計年報昭和50年版p64-65 新潟鉄道管理局
  5. ^ 各駅の乗車人員(2000年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月25日閲覧。
  6. ^ 各駅の乗車人員(2001年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月25日閲覧。
  7. ^ 各駅の乗車人員(2002年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月25日閲覧。
  8. ^ 各駅の乗車人員(2003年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月25日閲覧。
  9. ^ 各駅の乗車人員(2004年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月25日閲覧。
  10. ^ 各駅の乗車人員(2005年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月25日閲覧。
  11. ^ 各駅の乗車人員(2006年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月25日閲覧。
  12. ^ 各駅の乗車人員(2007年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月25日閲覧。
  13. ^ 各駅の乗車人員(2008年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月25日閲覧。
  14. ^ 各駅の乗車人員(2009年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月25日閲覧。
  15. ^ 各駅の乗車人員(2010年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月25日閲覧。
  16. ^ 各駅の乗車人員(2011年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月25日閲覧。
  17. ^ 各駅の乗車人員(2012年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月25日閲覧。
  18. ^ 各駅の乗車人員(2013年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月25日閲覧。
  19. ^ 各駅の乗車人員(2014年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月25日閲覧。
  20. ^ 各駅の乗車人員(2015年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月25日閲覧。
  21. ^ 各駅の乗車人員(2016年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月25日閲覧。
  22. ^ 各駅の乗車人員(2017年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月25日閲覧。
  23. ^ 各駅の乗車人員(2018年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年7月21日閲覧。
  24. ^ 各駅の乗車人員(2019年度)”. 東日本旅客鉄道. 2020年7月13日閲覧。
  25. ^ 各駅の乗車人員(2020年度)”. 東日本旅客鉄道. 2021年7月25日閲覧。
  26. ^ 各駅の乗車人員(2021年度)”. 東日本旅客鉄道. 2022年8月8日閲覧。
  27. ^ 各駅の乗車人員(2022年度)”. 東日本旅客鉄道. 2023年7月12日閲覧。

貨物

[編集]
  1. ^ 第10章 運輸” (Excel). 第109回 新潟県統計年鑑 1998. 新潟県. 2020年8月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月13日閲覧。
  2. ^ 第10章 運輸” (Excel). 第110回 新潟県統計年鑑 1999. 新潟県. 2020年8月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月13日閲覧。
  3. ^ 第11章 運輸” (Excel). 第115回 新潟県統計年鑑 2004. 新潟県 (2005年3月). 2020年8月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月13日閲覧。
  4. ^ 第11章 運輸” (PDF). 第120回 新潟県統計年鑑 2009. 新潟県. p. 216 (2010年3月). 2020年8月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月13日閲覧。
  5. ^ 第11章 運輸” (PDF). 第125回 新潟県統計年鑑 2014. 新潟県. p. 208 (2015年3月). 2020年8月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月13日閲覧。
  6. ^ 第11章 運輸” (PDF). 第130回 新潟県統計年鑑 2019. 新潟県. p. 208 (2020年3月). 2020年8月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月13日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]