コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

下村陽子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
下村陽子
生誕 (1967-10-19) 1967年10月19日(57歳)
出身地 日本の旗 日本 兵庫県
学歴 大阪音楽大学短期大学部音楽科器楽専攻卒業
ジャンル ゲームミュージック
職業 作曲家
編曲家
担当楽器 ピアノ
活動期間 1988年 -
事務所 MSエンタテインメント
共同作業者 ALPH LYLA
公式サイト http://www.midiplex.com/

下村 陽子(しもむら ようこ、1967年10月19日 - )は、日本作曲家編曲家兵庫県生まれ。大阪音楽大学短期大学部音楽科器楽専攻卒業。

主にゲームミュージックの作曲活動で知られる。担当作品に『ストリートファイターII』、『スーパーマリオRPG』『マリオ&ルイージRPG』シリーズ、『キングダム ハーツ シリーズ』、『ファイナルファンタジーXV』など。

カプコンスクウェア(現スクウェア・エニックス)を経て、フリー。ゲーム以外にも映画テレビアニメ舞台作品に関わり、活躍の場を広げている。

来歴

[編集]

4歳の頃にピアノを始める。小学6年生の時に本人いわく「スイッチが入って」練習に熱を入れるようになり、中学からは音楽漬けの生活を送る。高校の時には指揮を習い、ブラスバンドではフルートを担当した[1]大阪音楽大学短期大学部でピアノを専攻。また、副専攻で作曲を学んだ[2][3]

卒業後、カプコンに入社。『ストリートファイターII』など数々の音楽を手がける。しかし、コンシューマーゲームの制作から外れ、アーケードゲームの担当に移ったことや、「RPGが作りたかった」という理由から、1993年スクウェアに転職[4][5]。念願のファンタジーRPGである『聖剣伝説 LEGEND OF MANA』をはじめ数々の音楽を手がける[6][7]

2002年末にスクウェアを退社し、フリーとして活動を行う[8][9]。その後も、古巣のカプコン、スクウェアの後継会社であるスクウェア・エニックス任天堂の作品など、ゲーム音楽を中心に活動を行っている。

人物

[編集]

自分自身を『直情型』と評するように[10]、直感的な作曲傾向が見られるが、『パラサイト・イヴ』では感情を封印した曲作りを行っている[11]。同作の制作中からMacintoshを仕事に取り入れるようになり、楽曲制作にはDigital Performerを使用している[12]通称「下村節」と呼ばれ最も得意としているのは16ビートのバトル曲。[要出典]

最も感動したゲーム音楽には『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』の「おおぞらをとぶ」(すぎやまこういち作曲)を挙げており、「これほどの曲が作れたなら、その瞬間に死んでも構わない」と思わせる程の衝撃であったと語っている[13]。また、凄いと思ったミュージックコンポーザーに任天堂近藤浩治[13]クラシックの分野で好きな作曲家にラフマニノフショパンらを挙げている[14]

担当作品

[編集]

ゲームソフト

[編集]

※印が付いている作品は数曲のみの一部参加タイトル。また、印が付いていないタイトルも、一部他の作曲者による楽曲が含まれているものがある。

カプコン在籍時代

[編集]

カプコンサウンドチーム「ALPH LYLA」の一員としての仕事のため、メイン担当作品でも他のコンポーザーの曲が含まれている作品も存在する。この頃は「ぴぃ♪」「SHIMO P」などの名前で活動していた。

スクウェア(現スクウェア・エニックス)在籍時代

[編集]

フリー以降

[編集]
メイン担当作品
[編集]

メインコンポーザーとして関わったタイトル。他の作曲家との共同担当を含む。

一部参加作品
[編集]

ゲストコンポーザーとして参加したタイトル。1曲、あるいは数曲の提供が中心。

映画

[編集]

テレビアニメ

[編集]

テレビ番組

[編集]

舞台作品

[編集]
  • Pures 「終わらない僕たちの夜〜The spring time of life〜」(2006年
  • R:MIX 「魔王降臨」(2006年)
  • Puresセカンドエディション 「バレンタイン☆キッス」(2007年) - 複数の作曲家と共作、数曲担当
  • R:MIX 「ストラルドブラグ」(2007年、2010年) - 複数の作曲家と共作、数曲担当
  • R:MIX 「魔王転生」(2008年) - 複数の作曲家と共作、数曲担当
  • 宝塚歌劇団天は赤い河のほとり」(2018年) - 2曲提供

ソロアルバム

[編集]
  • drammatica -The Very Best of Yoko Shimomura- (2008年) - 作曲家20周年記念アルバム。
  • memória! The Very Best of Yoko Shimomura (2014年) - 作曲家25周年記念アルバム。

アレンジアルバム

[編集]
  • parasite eve remixes (1998年)
  • STREET FIGHTER Tribute Album(2003年)
  • Piano Collections KINGDOM HEARTS (2009年)
  • Piano Collections KINGDOM HEARTS FIELD & BATTLE (2010年)
  • 聖剣伝説 LEGEND OF MANA Arrangement Album -Promise- (2015年)
  • Piano Collections FINAL FANTASY XV (2017年)

楽曲提供

[編集]

作品解説

[編集]
マリオ&ルイージRPGシリーズ
マリオ&ルイージRPGシリーズ』のBGMは元の『マリオシリーズ』の雰囲気を踏襲したラテンテイストのものが主だが、ラストバトルのBGMはそれまでの雰囲気とは一変した非常に重厚なBGMとなっている。これは「自分の世界とは違う異質なものを作るため、それまで作ってきた世界観を忘れて作曲しているから」だと語っている[24]

備考

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ 下村陽子さんが音楽の出会いを告白! 『ピアコレ KH』インタビュー前編電撃オンライン(2009年5月)
  2. ^ 下村陽子インタビューredbull(2014年9月)
  3. ^ 『Keyboard magazine 2017年 SUMMER Vol.397』リットーミュージック、2017年、p62
  4. ^ スペシャルインタビュー第5回 下村陽子「3回 カプコン退職、スクウェアへ」 ジーエー・コア(2010年6月20日時点のアーカイブ
  5. ^ 「ストII」「キングダム ハーツ」の楽曲を手掛けた下村陽子さん「今も自信はないんです」求められることに全力で応えて広げた世界(2020年)
  6. ^ 「『聖剣伝説』25th Anniversary Concert」の開催に向け,作曲家の伊藤賢治氏,菊田裕樹氏,下村陽子氏に作曲当時のことを振り返ってもらった 4gamer.net(2016年12月)
  7. ^ 鳴っているか分からないぐらいでいい 名曲を生み出してきた下村陽子がアニメ「ハイスコアガール」で目指した意外な曲作り。 ねとらぼ(2018年9月)
  8. ^ スペシャルインタビュー第5回 下村陽子「下村陽子のこれまでと、これから」ジーエー・コア(2010年6月20日時点のアーカイブ
  9. ^ 田渕亮「特集ゲームオンガク INTERVIEW下村陽子」『DTM magazine 2014年9月号』寺島情報企画、2014年、p33-35
  10. ^ サウンドトラックCD『ライブ・ア・ライブ オリジナル・サウンド・ヴァージョン』ライナーノーツより
  11. ^ サウンドトラックCD『パラサイト・イヴ オリジナル・サウンドトラック』ライナーノーツより
  12. ^ 田渕亮「特集ゲームオンガク INTERVIEW下村陽子」『DTM magazine 2014年9月号』寺島情報企画、2014年、p35
  13. ^ a b 週刊ファミ通 2010年3月11日増刊号』 エンターブレイン刊 「すばらしきゲームミュージックの世界」ミュージックコンポーザーインタビューより
  14. ^ マジカル・プラネット: 菊田裕樹 & 下村陽子 Archived 2012年11月5日, at the Wayback Machine.ジェリアスカ.com(2009年8月)
  15. ^ ステージBGMのうち1曲(サガットステージ)と、システムBGMのうち2曲を別の人物が担当。マジカル・プラネット: 菊田裕樹 & 下村陽子 - ジェリアスカ.com Archived 2012年11月5日, at the Wayback Machine.より
  16. ^ ゲームミュージック・コア スペシャルインタビュー 第5回 下村陽子 インタビュー 3/4回 - 1 - ジーエー・コア(2009年6月14日時点のアーカイブ
  17. ^ ゲームミュージック・コア スペシャルインタビュー 第5回 下村陽子 インタビュー 3/4回 - 2 - ジーエー・コア(2009年6月14日時点のアーカイブ
  18. ^ ブレイブリーゲート 〜時の妖精と不思議な迷宮〜 - 制作実績 _ ゲームサウンド制作 株式会社ノイジークローク
  19. ^ 『月刊アプリスタイル』2015年12月号、P56。
  20. ^ midiplexの2023年6月21日のツイート2023年6月21日閲覧。
  21. ^ 週刊ファミ通 2015年7月9日号「桜井政博のゲームについて思うこと Vol.481 リュウ、ロイ、リュカ参戦!!」P251。
  22. ^ midiplexのツイート(1175040663546560512)
  23. ^ Rugby World Cup 2019 選手入場曲「暁に咲く - Blooming in the Dawn -」 - YouTube(下村陽子オフィシャルYouTubeチャンネル)
  24. ^ クラブニンテンドーの会員オリジナルグッズ『マリオ&ルイージRPG サウンドセレクション』(非売品)のライナーノーツより
  25. ^ ゲームミュージック・コア スペシャルインタビュー 第5回 下村陽子 インタビュー 1/4回 - 1 - ジーエー・コア(2011年8月17日時点のアーカイブ
  26. ^ “ありがとう”って何回言っても足りない…『キングダム ハーツ』『ストII』等の作曲家・下村陽子さんの25周年記念ライブレポート。 インサイド(2014年2月)
  27. ^ 1/23放送の『COOL JAPAN~発掘!かっこいいニッポン~』は日本ゲームのこだわりに迫る 電撃オンライン(2022年1月)

参考文献

[編集]
  • 田渕亮「特集ゲームオンガク SPECIAL INTERVIEW 2 下村陽子 楽曲が彩るのはゲームの世界観」『DTM magazine 2014年9月号』寺島情報企画、2014年。
  • 「ゲーム・ミュージックのメロディ職人たち Yoko Shimomura Interview」『Keyboard magazine 2017年 SUMMER Vol.397』リットーミュージック、2017年。
  • 田中“hally”治久、糸田屯『ゲーム音楽家インタヴュー集──プロのベテラン18人が語るそれぞれのルーツ』Pヴァイン、2023年。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]