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ロシア連邦大統領

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ロシアの大統領から転送)
ロシアの旗 ロシア連邦
大統領
Президент Российской Федерации
大統領章
大統領旗
現職者
ウラジーミル・プーチン(第4代)
Владимир Владимирович Путин

就任日 2012年5月7日
呼称Господин президент(大統領)
Товарищ Президент Российской Федерации(ロシア連邦大統領同志
所属機関ロシア連邦国家評議会ロシア語版
ロシア連邦安全保障会議
担当機関大統領府
庁舎ロシア大統領官邸クレムリン
官舎ノボ・オガリョヴォロシア語版
任命直接選挙(ロシア大統領選挙
任期6年(3選禁止)[注 1]
根拠法令ロシア連邦憲法
前身ソビエト連邦大統領
創設1991年7月10日 (33年前) (1991-07-10)
初代ボリス・エリツィン
職務代行者連邦政府議長
ミハイル・ミシュスチン
俸給年額 8,885,886ルーブル[1]
ウェブサイトпрезидент.рф(ロシア語)
eng.kremlin.ru(英語)

ロシア連邦大統領(ロシアれんぽうだいとうりょう、ロシア語: Президент Российской Федерации)は、ロシア連邦元首たる大統領

選出

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国民による直接選挙で選ばれる。被選挙権は、ロシアに10年以上居住した35歳以上のロシア国民であること。過半数に達する候補者が不在の場合は、上位2名で決選投票を行う(二回投票制)。

任期は当初4年であったが、2008年ロシア連邦憲法改正により任期は6年に延長され、2012年ロシア連邦大統領選挙の当選者から適用された。3選禁止の為、連続就任できる上限は12年。ただし、他の人間を挟めば同一人者が何度でも大統領には当選可能である。

大統領には弾劾手続きが存在しており、大統領に国家反逆罪または別の重大犯罪の容疑の告発についてロシア連邦議会上下院(連邦院国家院)でそれぞれ3分の2以上の賛成を経て、最高裁判所及び憲法裁判所で審査が行われた上で弾劾されることが可能となっている。

また2020年1月15日に行われたウラジーミル・プーチン大統領による年次教書演説では、「連続2期までとなっている大統領就任への制限を、最大2期までに変更するべきである」との方針が示された[2]

大統領代行

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大統領職務代行は、ロシア連邦首相が務める。

権限

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フランス半大統領制をモデルとしており、非常に大きな権限を有している。

就任式

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大統領就任式は、クレムリン大宮殿のゲオルギーの間・アレクサンドロフの間・アンドレーエフの間で挙行される。大統領連隊によって守られながら2つの連邦大統領旗・大統領勲章・ロシア連邦憲法の特別写本が運ばれる。連邦大統領旗は大統領執務室と大統領官邸であるカザコフ館にそれぞれ掲揚されるため2つある。大統領勲章は就任式で授与されると、クレムリンの勲章ホールで保管される。憲法の特別写本は新大統領がこれに手を置いて宣誓するためのみに使用される。

就任式には、連邦議会連邦院議長・国家院議長及び憲法裁判所長官が立ち会う。一方、前大統領は大統領連隊を大聖堂広場に召集し、最後の閲兵を行う。新大統領を乗せた自動車がクレムリン大宮殿に到着すると、大統領連隊長が就任式の準備が完了したことを宣言し、新大統領をクレムリン大宮殿に招き入れる。

この頃には大統領連隊の閲兵を済ませた前大統領は就任式会場に姿を現しており、前大統領の歓迎を受ける形で新大統領が会場に登場する。ゲオルギーの間・アレクサンドロフの間・アンドレーエフの間を新大統領が歩く際にはピョートル・チャイコフスキーの『戴冠式祝典行進曲』が演奏される。新大統領が大統領勲章と憲法の特別写本が載せてある演台に上がると、前大統領が演台にて新大統領への挨拶の演説を行う。それが終了すると、憲法裁判所長官から新大統領がロシア連邦憲法第82条第2項によって大統領就任の宣誓を行うこと、宣誓の文言(以下)は憲法で定められていることが表明される。このあと新大統領は、憲法の特別写本に手を置いて以下の宣誓を行う。

「私はここに、憲法典を遵守し、またこれを擁護し、大統領の権限を行使する際に、国民の自由と権利を尊重し、またこれらを擁護し、ならびに国家の主権と独立、安全と統一を護ることを宣誓する」 — ロシア連邦大統領就任宣誓の文言

宣誓が終了するとロシア連邦国歌が歌唱される中、連邦大統領旗がカザコフ館のドーム屋根の旗竿に掲揚される。その後、大統領による最初の就任演説が行われる。演説が終了すると大統領連隊によってロシア連邦軍の大統領への忠誠を示す31発の礼砲が放たれる。新大統領はミハイル・グリンカの『栄光あれ』が流れる中でクレムリン大宮殿を後にし、大聖堂広場で大統領連隊の閲兵に臨む。

新大統領が閲兵に臨む前に、クレムリン大宮殿の一室で前大統領から新大統領へと「核のボタン」の入ったトランクの引継ぎが行われる。その後、前・新大統領は大聖堂広場に移動し、新大統領による最初の大統領連隊の閲兵が行われる。その後、新大統領はモスクワ総主教のいる聖ブラゴヴェシェンスキー大聖堂を訪れる。

大統領就任式に使用される統領勲章と大統領宣誓のためのロシア連邦憲法特別写本は、ロシア大統領の権威の象徴である。
(2012年5月7日)
演台の左側に置かれた憲法の特別写本に手を置いて宣誓を行うウラジーミル・プーチン新大統領。演台の右側には大統領勲章が置かれている。
(2012年5月7日)

歴代大統領一覧

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     無所属         ソビエト連邦共産党(CPSU)         我が家ロシア(NDR)         祖国・全ロシア(OVR)         統一         統一ロシア(ER)

大統領 所属政党 在任期間 備考 首相
001 ボリス・エリツィン
Борис Ельцин
1931–2007
(76歳没)
無所属 1 1991年7月10日
- 1996年8月9日
5年 + 30日 イワン・シラーエフ
ボリス・エリツィン(兼任)
エゴール・ガイダル(代行)
ヴィクトル・チェルノムイルジン
0 アレクサンドル・ルツコイ
Александр Руцкой
B. 1947
(77歳)
無所属 1993年9月22日
– 1993年10月4日
12日 大統領代行
副大統領
[注 2]
0(1) ボリス・エリツィン
Борис Ельцин
1931–2007
(76歳没)
無所属 2 1996年8月9日
- 1996年11月5日
88日
(計 5年 + 118日)
0 ヴィクトル・チェルノムイルジン
Виктор Черномырдин
1938–2010
(72歳没)
我が家ロシア 1996年11月5日
- 1996年11月6日
1日 大統領代行
首相
[注 3]
0(1) ボリス・エリツィン
Борис Ельцин
1931–2007
(76歳没)
無所属 1996年11月6日
- 1999年12月31日
3年 + 55日
(計 8年 + 174日)
セルゲイ・キリエンコ
ヴィクトル・チェルノムイルジン(代行)
エフゲニー・プリマコフ
セルゲイ・ステパーシン
ウラジーミル・プーチン
0 ウラジーミル・プーチン
Владимир
Путин

B. 1952
(72歳)
無所属 1999年12月31日
- 2000年5月7日
128日 大統領代行
(首相)
ミハイル・カシヤノフ(代行)[注 4]
002 3 2000年5月7日
- 2004年5月7日
8年 + 0日 ミハイル・カシヤノフ
ミハイル・フラトコフ
4 2004年5月7日
- 2008年5月7日
ヴィクトル・ズプコフ
003 ドミートリー・メドヴェージェフ
Дмитрий
Медведев

B. 1965
(59歳)
無所属 5 2008年5月7日
- 2012年5月7日
4年 + 0日 ウラジーミル・プーチン
004 ウラジーミル・プーチン
Владимир
Путин

B. 1952
(72歳)
統一ロシア 6 2012年5月7日
- 2018年5月7日
12年 + 237日 ヴィクトル・ズプコフ
0(4) 無所属 ドミートリー・メドヴェージェフ
7 2018年5月7日
- 2024年5月7日
ミハイル・ミシュスティン
8 2024年5月7日
- (現職)


ロシア

ロシアの政治


  • 憲法裁判所
  • 最高裁判所
  • 最高仲裁裁判所(2014年廃止)
行政区画

その他の国 · 地図

大統領の年表

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ウラジーミル・プーチンドミートリー・メドヴェージェフヴィクトル・チェルノムイルジンアレクサンドル・ルツコイボリス・エリツィン


ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国及びロシア連邦の指導者別政権下でのロシア人平均寿命の変化のグラフ

退任後の公務

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2人の大統領は、大統領職退任後に他の高官を務めた。

大統領 在任期間 退任後の役職
ウラジーミル・プーチン 2000–2008 首相 (2008–2012)
大統領 (2012–在任中)
ドミートリー・メドヴェージェフ 2008–2012 首相 (2012–2020)
安全保障会議副議長 (2020–在任中)

大統領官邸・公邸

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クレムリンの官邸で執務中のプーチン大統領(2018年)

ロシア連邦大統領の官邸モスクワ・クレムリン内北部にあるロシア大統領官邸で、帝政時代には元老院が入居していた。公邸モスクワ州オジンツォボ地区(モスクワ西郊外)の「ノボ・オガリョヴォロシア語版」である。家族はモスクワ市内のアパートが支給される[3]

モスクワ以外のロシア各地に次のような官邸・公邸(別荘)もある[4]

など

脚注

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注釈

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  1. ^ 2012年の大統領就任者から適用。それ以前は4年。
  2. ^ 10月政変の期間中。権限はボリス・エリツィンの承認を得なかった。
  3. ^ ボリス・エリツィンの心臓手術中の大統領代行。
  4. ^ 2000年5月17日まで首相代行。

出典

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関連項目

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外部リンク

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