リターン・オブ・ザ・マンティコア
『リターン・オブ・ザ・マンティコア』 | ||||
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エマーソン・レイク&パーマー の コンピレーション・アルバム | ||||
リリース | ||||
ジャンル | プログレッシブ・ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | ヴィクトリー | |||
プロデュース | - | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
エマーソン・レイク&パーマー アルバム 年表 | ||||
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『リターン・オブ・ザ・マンティコア』(The Return of the Manticore)は、エマーソン・レイク・アンド・パーマー(ELP)が1993年に発表したCD4枚組のボックスセットである。
内容
[編集]ELPのデビュー・アルバムから1992年の『ブラック・ムーン』までの代表曲をほぼ全て網羅しており、加えて、1970年代の未発表音源と1993年に録音した特典音源が収録されている。
1970年代の未発表音源は3曲収録された[1]。ライブ録音の「ロンド」[注釈 1]は、キース・エマーソンがELP結成の前に在籍したザ・ナイスの作品で、デイヴ・ブルーベックの'Blue Rondo à la Turk'の改作である。ザ・ナイスや1970年代のELPのコンサートで頻繁に取り上げられ、冒頭でヨハン・ゼバスティアン・バッハ作曲の「イタリア協奏曲」第三楽章の最初の24小節が、中間部でヨハン・ゼバスティアン・バッハ作曲の「トッカータとフーガ ニ短調 BWV 565」の一節が、それぞれ演奏された。スタジオ録音の「プレリュード・アンド・フーガ」[注釈 2]はフリードリヒ・グルダの作品で、ELPが1974年に発表したライブ・アルバム『レディース・アンド・ジェントルメン』の「ピアノ・インプロヴィゼイション」[注釈 3]でも一部が演奏されていた。「ボ・ディドリー」は3人が共作したインストゥルメンタルのスタジオ録音[注釈 4]である。
特典音源
[編集]1993年7月と8月にロサンゼルスのグッドナイト LA スタジオで録音された以下の6曲[注釈 5]がDisc 1に特典音源として収録された[2]。
#1. タッチ・アンド・ゴー - Touch and Go
エマーソンとグレッグ・レイクが1985年にドラマーのコージー・パウエルと結成したエマーソン・レイク・アンド・パウエルの『エマーソン・レイク・アンド・パウエル』(1986年)の収録曲のカバー[注釈 6]。オリジナルはハ短調であったが、本作ではイ短調に転調されてキーがかなり低くなっている。
#2. ハング・オン・トゥ・ア・ドリーム - Hang on to a Dream
アメリカのシンガーのティム・ハーディンがデビュー・アルバムTim Hardin 1(1966年)に収録した'How Can We Hang On to a Dream'のカバー。ザ・ナイスがサード・アルバム『ジャズ+クラシック/ロック=ナイス』 (1969年)で取り上げた[注釈 7]。
#3. 21世紀のスキゾイド・マン - 21st Century Schizoid Man
レイクがELPの前に在籍したキング・クリムゾンのファースト・アルバム『クリムゾン・キングの宮殿』(1969年)の収録曲のカバー[注釈 8]。
#4. ファイアー - Fire
カール・パーマーがELPの前に在籍したクレイジー・ワールド・オブ・アーサー・ブラウンのファースト・アルバム (1968年)[注釈 9]の収録曲[注釈 10]のカバー。
#5. 展覧会の絵 - Pictures at an Exhibition
ELPが『展覧会の絵』(1971年)に発表した組曲の一部をカットして約15分に短縮し、キーを低くした[注釈 11]。
#6. 夢みるクリスマス - I Believe in Father Christmas
レイクが1975年に発表したソロ作品[注釈 12]のカバー。
収録曲
[編集]- Disc 1
- タッチ・アンド・ゴー – Touch and Go (Emerson, Lake)
- ハング・オン・トゥ・ア・ドリーム – Hang on to a Dream (Tim Hardin)
- 21世紀のスキゾイド・マン – 21st Century Schizoid Man (Robert Fripp, Ian McDonald, Lake, Michael Giles, Peter Sinfield)
- ファイアー – Fire (Arthur Brown, Vincent Crane, Peter Ker, Mike Finesilver)
- 展覧会の絵:プロムナード/こびと/プロムナード/賢人/バーバ・ヤーガの小屋/キエフの大門 – Pictures at an Exhibition : Promenade (Modest Mussorgsky) / The Gnome (Mussorgsky, Palmer) / Promenade (Mussorgsky, Lake) / The Sage (Lake) / The Hut of Baba Yaga (Mussorgsky) / The Great Gates of Kiev (Mussorgsky, Lake)
- 夢みるクリスマス – I Believe in Father Christmas (Lake, Sinfield)
- イントロダクトリー・ファンファーレ/ピーター・ガン – Introductory Fanfare (Emerson, Palmer) /Peter Gunn Theme (Henry Mancini)
- 孤独なタイガー – Tiger in a Spotlight (Emerson, Lake, Palmer, Sinfield)
- トッカータ – Toccata (Alberto Ginastera, arr. Emerson, Palmer)
- トリロジー – Trilogy (Emerson, Lake)
- タンク – Tank (Emerson, Palmer)
- ラッキー・マン – Lucky Man (Lake)
- Disc 2
- タルカス:噴火/ストーンズ・オブ・イヤーズ/アイコノクラスト/ミサ聖祭/マンティコア/戦場/アクアタルカス – Tarkus : Eruption (Emerson) / Stone of Years (Emerson, Lake) / Iconoclast (Emerson) / Mass (Emerson, Lake) / Manticore (Emerson) / Battlefield (Lake) / Aquatarkus (Emerson)
- フロム・ザ・ビギニング – From the Beginning (Lake)
- 石をとれ/ラッキー・マン/ピアノ・インプロヴィゼイション/石をとれ(コンクルージョン) – Take a Pebble (Lake) / Lucky Man (Lake) /Piano Improvisation (Emerson) /Take a Pebble (Conclusion) (Lake)
- ナイフ・エッジ – Knife Edge (music: Leoš Janáček arr. Emerson; lyrics: Lake, Richard Fraser)
- ペイパー・ブラッド – Paper Blood (Emerson, Lake, Palmer)
- ホウダウン – Hoedown (Aaron Copland, arr. Emerson, Lake, Palmer)
- ロンド – Rondo (Dave Brubeck, arr. Emerson)
- Disc 3
- 未開人 – The Barbarian (Béla Bartók, arr. Emerson, Lake, Palmer)
- スティル…ユー・ターン・ミー・オン – Still...You Turn Me On (Lake)
- 永遠の謎 パート1/フーガ/永遠の謎 パート2 – Endless Enigma Part 1 (Emerson, Lake) / Fugue (Emerson) / Endless Enigma Part 2 (Emerson, Lake)
- セ・ラ・ヴィ – C'est la Vie (Lake, Sinfield)
- 邪教の神,そして悪の精の踊り – Enemy God (Dances With the Black Spirit) (Sergei Prokofiev, arr. Emerson, Lake, Palmer)
- ボ・ディドリー – Bo Diddley (Emerson, Lake, Palmer)
- ビッチズ・クリスタル – Bitches Crystal (Emerson, Lake)
- タイム・アンド・プレイス – Time and a Place (Emerson, Lake, Palmer)
- リヴィング・シン – Living Sin (Emerson, Lake, Palmer)
- 悪の教典#9:第1印象/第2印象/第3印象 – Karn Evil 9 : 1st Impression (Emerson, Lake) / 2nd Impression (Emerson) / 3rd Impression (Emerson, Lake, Sinfield)
- ホンキー・トンク・トレイン・ブルース – Honky Tonk Train Blues (Meade "Lux" Lewis, arr. Emerson)
- Disc 4
- 聖地エルサレム – Jerusalem (Hubert Parry, William Blake, arr. Emerson, Lake, Palmer)
- 庶民のファンファーレ – Fanfare for the Common Man (Copland, arr. Emerson, Lake, Palmer)
- ブラック・ムーン – Black Moon (Emerson, Lake, Palmer)
- 君を見つめて – Watching Over You (Lake, Sinfield)
- ピアノ協奏曲第1番第3楽章トッカータ・コン・フォコ – Piano Concerto No.1 Third Movement: Toccata con Fuoco (Emerson)
- おまえのために – For You (Lake, Sinfield)
- プレリュード・アンド・フーガ – Prelude and Fugue (Friedrich Gulda)
- 将校と紳士の回顧録:プロローグ~紳士の教え/愛を感じた時/最前線からの手紙/栄光の歩兵中隊(行進曲) – Memoirs of an Officer and a Gentleman : Prologue/The Education of a Gentleman (Emerson, Sinfield) / Love at First Sight (Emerson, Sinfield) / Letters from the Front (Emerson, Sinfield) / Honourable Company (Emerson)
- 海賊 - Pirates (Emerson, Lake, Sinfield)
- アフェアズ・オブ・ザ・ハート – Affairs of the Heart (Lake, Geoff Downes)
エピソード
[編集]このボックスセットのプロモーションのため、エマーソンが1993年の末に来日している。同時期、ディープ・パープルが来日公演を行っていたため、キーボードマガジンの企画により、エマーソンとジョン・ロードという、70年代のロックシーンに大きな実績を残す二人のキーボード奏者の対談が実現した。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 1970年12月9日、ロンドンのライセウム劇場にて収録。
- ^ 1971年10月に録音。
- ^ 本作のDisc 2に収録されている。
- ^ 1975年4月に録音。
- ^ キース・オルセンがプロデューサーを務めた。オルセンは引き続いて次作『イン・ザ・ホット・シート』もプロデュースした。
- ^ ELPは1990年代後半のステージでこの曲を度々取り上げた。
- ^ 当時の邦題は「夢を追って」。
- ^ ELPは1990年代後半のステージでこの曲をアンコールで演奏した。エマーソンがコーラスを担当した。
- ^ パーマーが加入する前の作品である。
- ^ 英米でシングル・カットされて大ヒットした。
- ^ この音源は、翌1994年に発表されたELPの新作アルバム『イン・ザ・ホット・シート』のCDに、ドルビー・サラウンドに音響処理されてボーナス・トラックとして収録された。
- ^ シングルとして発表されてイギリスで最高位2位を記録した。ELPが1977年に発表した『作品第2番』には、オーケストラを含まずイントロダクションとコーダが異なるバージョンが収録された。
出典
[編集]- ^ Macan (2006), p. 680.
- ^ Macan (2006), pp. 563–568.
引用文献
[編集]- Macan, Edward (2006). Endless Enigma: A Musical Biography of Emerson, Lake and Palmer. Chicago and La Salle: Open Court. ISBN 978-0-8126-9596-0