ラーセン・オープニング
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ラーセン・オープニング(Larsen's Opening)は、チェスのオープニングの1つ。デンマークのチェスプレーヤー・ベント・ラーセンが得意としていたオープニングだったため、1.b3の指し手だけで「ラーセン・オープニング」という名前が付いている[1]。「ニムゾヴィッチ・ラーセン・アタック」あるいは短く「ニムゾ・ラーセン・アタック」とも言われる。
右図はその基本形である[2]。割合手数が長くなるオープニングである[3]。
主な変化
[編集]1.… e5 2.Bb2 Nc6 3.e3 Nf6 4.Bb5 d6 5.Ne2 g6 6.d4 Nd7[4]
黒の1手目は他に1.… e6[3]や1.… d5[1][3]、1.… c5[1][3]、1.… b6[1]、1.… Nc6[3]それに1.… Nf6[1][3]等がある。
白の2手目は当然の1手。ナイトの前のポーンを進めたら、すぐ次の手でビショップを動かしフィアンケットするのが最善手[1][3]。
黒の2手目では2.… d6とe5のポーンを守る手も良い[3][5]。
白の3手目で3.c4と指す手はラーセン自身が得意としていた。1970年にベオグラードで開催されたソ連チーム対世界チーム戦[6]での対ボリス・スパスキー戦と同年にジーゲンで開催されたチェス・オリンピアードでの対ポルティッシュ戦でもともに白番だったラーセンが1.b3 e5 2.Bb2 Nc6 3.c4 Nf6と指している[3][7]。その後ラーセンは4手目で対スパスキー戦では4.Nf3と[7]、対ポルティッシュ戦では4.e3と指したが[3]、対スパスキー戦では17手で[7]、対ポルティッシュ戦では22手でラーセンが投了している[3]。
3.Nf3は3.… e4 4.Nd4 Nf6 5.c4 Bc5 6.e3 0-0 7.Be2 Re8で黒が指しやすい[3]。
4.g3と指し次に5.Bg2と指すのはダブル・フィアンケットと呼ぶ[3]。
参考文献
[編集]- 有田謙二 著 『チェス・マスター・ブックス 1 定跡と戦い方』 河出書房新社、1980年1月25日初版発行、1995年10月25日改訂版初版発行[8]、2010年9月30日新装版初版発行[9]
- 有田謙二 著 『チェス・マスター・ブックス 5 やさしい実戦集』 河出書房新社、1976年6月15日初版発行、1996年6月20日改訂版初版発行[10]、2011年1月18日新装版初版発行[11]
脚注・出典
[編集]- ^ a b c d e f 『やさしい実戦集』、175頁。
- ^ 『定跡と戦い方』、200頁。
- ^ a b c d e f g h i j k l m 『定跡と戦い方』、202頁。
- ^ 『定跡と戦い方』、201頁。
- ^ 『やさしい実戦集』、176頁。
- ^ ソ連とソ連以外の国のトッププレーヤー10人が同一相手と4局ずつ対戦し、ソ連1カ国と世界との強さを競い合う大会。
- ^ a b c 『やさしい実戦集』、174-184頁。
- ^ ISBNコードはISBN 978-4-309-72171-2。
- ^ ISBNコードはISBN 978-4-309-73141-4。
- ^ ISBNコードはISBN 978-4-309-72175-0。
- ^ ISBNコードはISBN 978-4-309-73145-2。