ラリー北海道
ラリー北海道 (Rally Hokkaido) は、日本の北海道十勝総合振興局(旧十勝支庁)で開催されるラリーイベント。2018年現在アジアパシフィックラリー選手権 (APRC) 、日本スーパーラリーシリーズ(JSR)、全日本ラリー選手権 (JRC) の3シリーズを併催している。
沿革
[編集]足寄郡陸別町は1986年に陸別サーキット[1]がオープンするなど、国内オフロードレースのメッカとして知られていた[2]。そこで培われた人脈や自治体の受け入れ態勢を基盤として、世界ラリー選手権 (WRC) 日本開催に向けて2000年に誘致準備会が発足。十勝地方の中心である帯広市を拠点としたラリーイベントが始まる。
2001年9月にインターナショナルラリーイン北海道として初開催。スペシャルステージ (SS) を主体とする国際格式ラリーの国内開催は、同年5月の第19回日本アルペンラリー(群馬県)に続く2件目となった[3]。2002年には大会名称をラリー北海道と改め、アジア・オセアニア地域選手権APRCのカレンダーに加わる。
3年間の運営実績が認められ、2004年7月には日本初の世界選手権ラリーイベント、ラリージャパン開催が実現。WRCとAPRCが併催され、3日間にのべ21万人の観客を集めた[4]。
2005年には同じ十勝地方でラリー北海道(7月)とラリージャパン(9月)が別々に開催されることになり、ラリー北海道は「ラリージャパン出場予定者にとっての前哨戦」という意味を持つことになる[5]。また、 この年からラリー北海道はAPRCと国内選手権JRCを併催する形式となる。
2008年にはラリージャパンが札幌市を中心とした道央圏に移転。2009年はインターコンチネンタル・ラリー・チャレンジ (IRC) の1戦に予定されていたラリージャパンが中止となり、ラリー北海道がIRCのサポートイベントに指定された。その後、十勝へのIRC誘致を目指す支援活動もあったが[6]、実現には至らず。
2011年には大会発足10周年を迎え、75台のエントリー、68,500人の観客動員を記録するなど[7]、ローカルスポーツイベントとして定着している。開催時期は2010年は5月、2011年以降は9月となっている。
2017年には日本初の国際格ラリーシリーズである日本スーパーラリーシリーズ(JSR)も併催されることになった。(競技の格式は、FIA公認国際格式競技であるが、FIAのシリーズ戦には含まれておらず、あくまでも日本国内の1シリーズとしての名称である)
特徴
[編集]十勝管内の5市町(帯広市・陸別町・音更町・本別町・足寄町)が舞台となる。帯広市街の南にある北愛国広場にサービスパークを設置し、初日と最終日に隣接する特設コースでスーパーSSが行なわれるほか、セレモニーや各種イベントも催される[8]。2日目には陸別サーキットにリモートサービスが設置される。
SSは山間部の林道を使用するハイスピード主体のグラベルコース。両脇に木々が生い茂る狭いコースながら、平均速度100km/hを超えるステージもある[4]。全行程約1,000km、SS合計約230kmという国内最大規模で行なわれ[9]、JRC独自のポイントシステムでは最大係数の2.5倍が掛けられるため、選手権争いにおいて重要な1戦となる。
年度別勝者
[編集]注記:APRCはシリーズ年間登録の有無に関係なく、総合優勝者を記載する。
- 2001年9月14-16日 インターナショナルラリーイン北海道
- JRC - 石田正史 / 石田さゆり(三菱・ランサーエボリューション)
- 2002年9月6-8日 APRC第4戦 ラリー北海道2002
- APRC - ポッサム・ボーン / マーク・ステイシー(スバル・インプレッサ)
- 2003年9月12-14日 APRC第3戦 ラリー北海道2003
- APRC - 新井敏弘 / トニー・サーカム(スバル・インプレッサ)
- 2004年9月3-5日 WRC第11戦 APRC第4戦 ラリージャパン2004
- 2005年7月22-24日 APRC第4戦 JRC4輪駆動部門第3戦 ラリー北海道2005
- APRC - 田口勝彦 / マーク・ステイシー(三菱・ランサーエボリューション)
- JRC - 鎌田卓麻 / 加勢直毅(スバル・インプレッサ)
- 2006年7月7-9日 APRC第4戦 JRC第6戦 ラリー北海道2006
- APRC - 新井敏弘 / トニー・サーカム(スバル・インプレッサ)
- JRC - 奴田原文雄 / 小田切順之(三菱・ランサーエボリューション)
- 2007年7月6-8日 APRC第4戦 JRC第6戦 ラリー北海道2007
- 2008年7月11-13日 APRC第4戦 JRC第6戦 ラリー北海道2008
- 2009年7月10-12日 APRC第4戦 JRC第5戦 ラリー北海道2009
- 2010年5月21-23日 APRC第2戦 JRC第3戦 ラリー北海道2010
- 2011年9月30日-10月2日 APRC第5戦 JRC第7戦 ラリー北海道2011
- 2012年9月14-16日 APRC第5戦 JRC第7戦 ラリー北海道200
- 2013年9月27-29日 APRC第5戦 JRC第7戦 ラリー北海道2013
- APRC - ガウラブ・ギル / グレン・マクニール(シュコダ・ファビアS2000)
- JRC - 勝田範彦 / 足立さやか(スバル・インプレッサ)
- 2014年9月25-28日
- 2015年9月18-20日
- 2016年9月23-25日
- APRC - ガウラブ・ギル / ステファン・プレボ(シュコダ・ファビアR5)
- JRC - 新井敏弘 / 田中直哉(スバル・WRX STI)
- 2017年9月15-17日
脚注
[編集]- ^ "陸別サーキット". 陸別町商工会.
- ^ "まちマイNEWS 陸別編 今日の話題「観光」 陸別サーキット". 十勝毎日新聞.(2013年7月19日)2014年3月23日閲覧。
- ^ "北海道ラリー 事前情報". 三菱自動車.(2001年9月8日)2014年3月23日閲覧。
- ^ a b "【ラリーアート】ラリーガイド ラリー北海道2009 「今年こそ、ラリー北海道を楽しもう!」". オートスポーツweb.(2009年7月8日)2014年3月23日閲覧。
- ^ "2005全日本ラリー選手権4輪駆動部門第3戦 ラリー・北海道 - 北海道 7/22~24". SUBARUモータースポーツ.(2005年7月26日)2014年3月24日閲覧。
- ^ "帯広「成功させる会」発足 ラリー北海道". 十勝毎日新聞.(2010年3月27日)2014年3月24日閲覧。
- ^ "2011全日本ラリー選手権 第7戦 Rally Hokkaido". Car@Nifty.(2011年10月3日)2014年3月24日閲覧。
- ^ "ラリー北海道:北愛国SPでチャリティライブ開催". RALLY PLUS.NET.(2012年9月23日)2014年3月25日閲覧。
- ^ "2013年全日本ラリー選手権第7戦 大波乱の最終SS、勝利の女神は勝田範彦に微笑む". JRCA.(2013年10月2日)2014年3月25日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- ラリー北海道 公式サイト(英語・日本語)