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ラップウィング級掃海艇

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ラップウィング級掃海艇
USS Penguin
艦級概観
艦種 掃海艇
艦名 鳥類
運用者  アメリカ海軍
建造期間 1918-1920年
前級
次級 レイブン級掃海艇
計画 54隻
建造 51隻
中止 3隻
排水量 15ft (4.6m)
全長 187ft 10in (57.25m)
全幅 35ft 5in (10.80m)
吃水 15ft (4.6m)
機関 レシプロエンジン
速力 14kn
乗員 75名
武装 3インチ50口径単装砲2門

ラップウィング級掃海艇 Lapwing-class minesweeper)は、アメリカ海軍掃海艇の艦級。アメリカ海軍が最初に建造した航洋型の掃海艇で、鳥の名を冠することから「バード級」とも呼ばれる(但し、第二次世界大戦時にアドロイト級が就役するまで、アメリカ海軍の掃海艇はすべて鳥の名である)。

1918年‐1920年にかけて54隻計画され、3隻をキャンセルしたため計51隻が就役した。ワシントン海軍軍縮条約を受け、1922年に一時退役した艇もあり、29番艇オスプレイ (USS Osprey, AM-29)はアメリカ沿岸警備隊に譲渡されるが、1930年代に現役復帰した。第二次世界大戦の開戦までに、座礁・衝突事故で4隻を喪失。第二次世界大戦中に日本・ドイツとの交戦で8隻が戦没した。日本では自沈処分後に日本海軍の手によって浮揚され、「第百三号哨戒艇」として1945年1月12日に戦没するまで活動した9番艇フィンチ (USS Finch, AM-9)が知られている。

戦争末期にはオーク級量産型に本来の掃海任務を譲り、小型水上機母艦 (AVP)・潜水艦救難艦 (ASR)・修理救難艦 (ARS)・艦隊曳船 (AT)・設網艇(YNG)に改造の上、支援任務に回った。終戦とともに退役し、最後に救難艦ヴァイキングに改名していた32番艇フラミンゴ (USS Flamingo, AM-32→ARS-1)が退役したのは1953年である。

同型艇

[編集]
  • ラップウィング (USS Lapwing, AM-1→AVP-1)
由来の鳥はチドリ科タゲリ属。1918年6月12日就役、1945年11月29日退役
  • オウル (USS Owl, AM-2→AT-137)
由来の鳥はフクロウ目。1918年7月11日就役、1946年7月26日退役
  • ロビン (USS Robin, AM-3→AT-140)
由来の鳥はヤブコマドリ類などヒタキ科の小鳥。1918年8月29日就役、1945年11月9日退役
  • スワロー (USS Swallow, AM-4)
由来の鳥はツバメ科。1918年10月8日就役、1938年2月19日、アリューシャン列島カナガ島沖で座礁喪失。
  • タナジャー (USS Tanager, AM-5)
由来の鳥はフウキンチョウ科。1918年6月28日就役、1942年5月4日、バターン半島沖で日本軍の陸上砲により戦没。
  • カーディナル (USS Cardinal, AM-6)
由来の鳥はショウジョウコウカンチョウ科。1918年8月23日就役、1923年6月6日、アラスカ湾チリコフ島沖で座礁喪失。
  • オリオール (USS Oriole, AM-7→AT-136)
由来の鳥はムクドリモドキ科。1918年11月5日就役、1946年2月6日退役
  • カーリュー (USS Curlew, AM-8)
由来の鳥はシギ科ダイシャクシギ属。1919年1月7日就役、1925年12月15日、パナマ東岸モスキート岬沖で座礁喪失。
  • フィンチ (USS Finch, AM-9)
由来の鳥はアトリ科。1918年9月10日就役、1942年4月10日、コレヒドール島沖で日本軍の空襲により戦没。
  • ヘロン (USS Heron, AM-10→AVP-2)
由来の鳥はサギ科。1918年10月30日就役、1946年2月12日退役
  • コンドア (USS Condor, AM-11)
由来の鳥はコンドル科の一部。建造中止
  • プロヴァー (USS Plover, AM-12)
由来の鳥はチドリ科チドリ属。建造中止
  • ターキー (USS Turkey, AM-13→AT-143)
由来の鳥はキジ科シチメンチョウ属。1918年12月13日就役、1945年11月6日退役
  • ウッドコック (USS Woodcock, AM-14→AT-145)
由来の鳥はシギ科ヤマシギ属。1919年2月19日就役、1946年9月30日退役
  • クエール (USS Quail, AM-15)
由来の鳥はキジ科ウズラ属。1919年4月29日就役、1942年5月5日、コレヒドール島沖で自沈。
  • パートリッジ (USS Partridge, AM-16→AT-138)
由来の鳥はキジ科シャコ類。1919年6月17日就役、1944年6月11日、ノルマンディー上陸作戦従事中、ドイツSボートの雷撃により戦没。
  • アイダー (USS Eider, AM-17→YNG-20)
由来の鳥はカモ科ケワタカモ属。1919年1月23日就役、1945年11月28日退役
  • スラッシュ (USS Thrush, AM-18→AVP-3)
由来の鳥はツグミ科。1919年4月25日就役、1945年12月13日退役
  • アヴォセット (USS Avocet, AM-19→AVP-4)
由来の鳥はセイタカシギ科ソリハシセイタカシギ属。1918年9月17日就役、1945年12月10日退役
  • ボボリンク (USS Bobolink, AM-20→AT-131)
由来の鳥はムクドリモドキ科コメクイドリ属。1919年1月28日就役、1946年2月22日退役
  • ラーク (USS Lark, AM-21→AT-168)
由来の鳥はヒバリ科。1919年4月12日就役、1946年2月7日退役
  • ウィジョン (USS Widgeon, AM-22→ASR-1)
由来の鳥はカモ科マガモ属ヒドリ類。1918年7月27日就役、1947年2月5日退役
  • ティール (USS Teal, AM-23→AVP-5)
由来の鳥はカモ科マガモ属コガモ類。1918年8月20日就役、1945年11月23日退役
  • ブラント (USS Brant, AM-24→AT-132)
由来の鳥はカモ科コクガン属。1918年9月5日就役、1945年12月19日退役
  • キングフィッシャー (USS Kingfisher, AM-25→AT-135)
由来の鳥はカワセミ科。1918年5月27日就役、1946年2月6日退役
  • レイル (USS Rail, AM-26→AT-139)
由来の鳥はクイナ科。1918年6月5日就役、1946年4月29日退役
  • ペリカン (USS Pelican, AM-27→AVP-6)
由来の鳥はペリカン科。1918年10月10日就役、1945年11月30日退役
  • ファルコン (USS Falcon, AM-28→ASR-2)
由来の鳥はハヤブサ目。1918年11月12日就役、1946年6月18日退役
  • オスプレイ (USS Osprey, AM-29→ARS-2)
由来の鳥はミサゴ科。1919年1月7日就役、1947年2月13日 1922-1941年、アメリカ沿岸警備隊測量船パイオニア。復帰後救難艦クルセイダーに改名。
  • シーガル (USS Seagull, AM-30→AT-141)
由来の鳥はカモメ科。1919年3月7日就役、1946年9月5日退役
  • ターン (USS Tern, AM-31→AT-142)
由来の鳥はカモメ科アジサシ亜科。1919年5月17日就役、1945年11月23日退役
  • フラミンゴ (USS Flamingo, AM-32→ARS-1)
由来の鳥はフラミンゴ目。1919年2月12日就役、1953年3月17日退役 救難艦ヴァイキングに改名。
  • ペングウィン (USS Penguin, AM-33)
由来の鳥はペンギン目。1918年11月21日就役、1941年12月8日、グァム島で自沈。
  • スワン (USS Swan, AM-34→AVP-7)
由来の鳥はカモ科ハクチョウ属。1919年1月31日就役、1945年12月13日退役
  • ウィップアーウィル (USS Whipporwill, AM-35→AT-169)
由来の鳥はヨタカ科コモンヨタカ属の通称。1919年4月1日就役、1946年4月17日退役
  • ビターン (USS Bittern, AM-36)
由来の鳥はサギ科サンカノゴイ亜科。1919年5月28日就役、1941年12月10日、キャビテ港で日本軍の空襲により大破後バターン半島沖で自沈。
  • サンダーリング (USS Sanderling, AM-37)
由来の鳥はシギ科ミユビシギの通称。1918年12月4日就役、1922年5月2日
  • オーク (USS Auk, AM-38→ARS-3)
由来の鳥はウミスズメ科の一部。1919年1月31日就役、1947年1月28日退役 救難艦ディスカバラーに改名。
  • チーウィンク (USS Chewink, AM-39→ASR-3)
由来の鳥はホオジロ科ワキアカトウヒチョウの通称。1919年4月9日就役、1947年2月4日退役
  • コーモラント (USS Cormorant, AM-40→AT-133)
由来の鳥はウ科。1919年5月15日就役、1946年3月29日退役
  • ガネット (USS Gannet, AM-41→AVP-8)
由来の鳥はカツオドリ科シロカツオドリ属。1919年7月10日就役、1942年6月7日、バミューダ諸島沖でドイツ潜水艦の雷撃により戦没。
  • ゴスホーク (USS Goshawk, AM-42)
由来の鳥はタカ科ハイタカ属オオタカ類。建造中止
  • グリーブ (USS Grebe, AM-43→AT-134)
由来の鳥はカイツブリ科。1919年5月1日就役、1942年12月6日、フィジー諸島で座礁喪失。
  • マラード (USS Mallard, AM-44→ASR-4)
由来の鳥はカモ科マガモ。1919年6月25日就役、1946年12月10日退役
  • オートラン (USS Ortolan, AM-45→ASR-5)
由来の鳥はホオジロ科ズアオホオジロの通称。1919年9月17日就役、1947年3月18日退役
  • ピーコック (USS Peacock, AM-46)
由来の鳥はキジ科クジャク類。1919年12月27日就役、1940年8月24日、コロンビアカルタヘナ港でノルウェー商船と衝突沈没。
  • ピジョン (USS Pigeon, AM-47→ASR-6)
由来の鳥はハト科の一部。1919年7月15日就役、1942年5月4日、コレヒドール島沖で日本軍の空襲により戦没。
  • レッドウィング (USS Redwing, AM-48)
由来の鳥はヒタキ科ワキアカツグミ。1919年10月17日就役、1943年6月29日、チュニジアビゼルト港で触雷戦没。
  • レイブン (USS Raven, AM-49)
由来の鳥はカラス科の大型種。建造中止
  • シュライク (USS Shrike, AM-50)
由来の鳥はモズ科。建造中止
  • サンドパイパー (USS Sandpiper, AM-51→AVP-9)
由来の鳥はシギ科の一部。1919年10月9日就役、1945年12月10日退役
  • ヴィレオ (USS Vireo, AM-52→AT-144)
由来の鳥はモズモドキ科。1919年10月16日就役、1946年4月18日退役
  • ウォーブラー (USS Warbler, AM-53→ARS-11)
由来の鳥はウグイス科などムシクイ類。1919年12月22日就役、1946年3月29日退役
  • ウィレット (USS Willet, AM-54→ARS-12)
由来の鳥はシギ科ハジロオオシギ。1920年1月29日就役、1947年12月1日退役

出典

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