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ヨジババ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ヨジババ学校の怪談都市伝説の一つ。東京都大阪府愛知県滋賀県などにおいて、1970年代前半には語られていた[1][2]

概要

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怪談の内容をおおまかに表現すると、午後4時頃、学校内の特定の場所にいると、正体不明の老婆に襲われるというものである。この老婆は子供をさらうこともあり、四次元に引きずり込む[3][4]、何もない世界へ連れて行くとも言われている[1]

老婆に遭うと金縛りに遭う、トイレに閉じ込められるともいう[1]。人間を殺すともいい、赤いマフラーで絞殺される[3]、鎌で斬り殺されるといった説もある[2]

他の怪談話と同様、設定のバリエーションに富んでおり、出現時刻が「午後4時」「午後4時4分」「午後4時44分44秒[1][2]」「4月4日4時44分44秒[1]」などまちまちであったり、その表記や読みも「ヨジババア」「よじばば」「4時ババ[5]」「四時ババ[3]」「四次元ばばあ[3][4]」などの揺れがあったり、その出現場所も4番目のトイレ[3]黒板、竹薮などかなりの違いも見られるが[2]、「午後4時」と「老婆」を共通点として各地の学校に伝わる怪談である[5][6]

赤い紙、青い紙」のような色に関するモチーフが加えられている場合もあり、4時にトイレに入ると「赤、青、黄、どれがいる?」と声がし、「赤」と答えると赤いマフラーで絞殺され、「青」と答えると血を抜かれて真っ青になり、「黄」と答えると助かる[7] などともいう。色についての問いに対し「四字ババ色と肌色」と答えなければ殺されるともいう[3]

老婆の姿について語っている例は少ないものの、血だらけの老婆[1]、人骨を積んだ乳母車を押している[2]、透き通った目だけで現れる[3]、などの説がある。

名前や場所、時刻に「4」が絡むのは、「4」が「死」を連想させることが、この老婆の恐ろしさを暗示しているとの指摘もある[1]

城陽市のヨジババ

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ヨジババの怪談が全国的に流行したのは1990年代前半であるが、京都府城陽市近隣では比較的古く[注釈 1] から子どもの間で語り継がれてきた伝承が存在する[8][9]。同市寺田にある水度神社の境内には、古びた着物を着た老婆の姿が描かれた、縦1メートル×横1.5メートル程度[9] の大きな絵馬が奉納されており、江戸時代のものと伝えられている[8]。この絵馬に描かれている、夜叉[8] あるいは山姥[9] が「ヨジババ」とされ、午後4時までに帰宅しない子どもをさらうと言い伝えられている。2009年には、この伝承を元に東義久が創作人形劇「こうの巣山のヨジババ」を城陽市の図書館司書と共同で制作し、城陽市内の小学校で上演されている[8][9]

四次婆

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東京テレメッセージ(初代)のポケットベル事業において、かつて学生生徒向けに提供されていたコンテンツに四次婆シリーズ(よじばばシリーズ)があった。当初に提供されたのは「四次婆神社」と題したコンテンツで、これは4次元世界に住んでるという架空のキャラクター「四次婆」とポケットベルでメッセージをやり取りするという内容であり、提供ターゲットとされた女子中学生女子高生から一定の評価があった。[10] メッセージの配信時刻が午後4時4分4秒に設定されているなど、要所でヨジババの怪談話を踏まえたコンテンツであった。

後にこのシステムを拡張して、受験生向けにさまざまな入試問題を配信する「四次婆ゼミナール」などのコンテンツも配信された[11]

注釈

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  1. ^ ただし、この怪談が普及するためには、「午後4時」すなわち太陽暦が普及していることが前提である。

出典

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  1. ^ a b c d e f g 魔女の伝言板』、110-113頁。 
  2. ^ a b c d e 映画「学校の怪談」によせられたこわーいうわさ』、60頁。 
  3. ^ a b c d e f g 学校の怪談大事典』、76頁。 
  4. ^ a b 本当にいる日本の「現代妖怪」図鑑』、153頁。 
  5. ^ a b 「毎日新聞」1997年12月5日 函館地方版
  6. ^ 「北海道新聞」1996年5月7日 夕刊全道6面
  7. ^ 映画「学校の怪談」によせられたこわーいうわさ』、98頁。 
  8. ^ a b c d 「京都新聞」2011年3月4日 朝刊20面
  9. ^ a b c d 「朝日新聞」2011年4月14日 朝刊大阪地方版 京都28面
  10. ^ 緊急特集「さらばポケベル」番外編 ポケベルが鳴りすぎて - ITmediaエンタープライズ 2007年3月30日
  11. ^ 「毎日新聞」1998年6月11日 東京朝刊10面

関連項目

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参考文献

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  • 近藤雅樹『魔女の伝言板』白水社、1995年。ISBN 978-4-560-04048-5 
  • 日本民話の会・学校の怪談編集委員会『学校の怪談大事典』ポプラ社、1996年。ISBN 978-4-591-04964-8 
  • ポプラ社編集部編 渡辺節子構成『映画「学校の怪談」によせられたこわーいうわさ』ポプラ社〈学校の怪談シネマブックス〉、1996年。ISBN 978-4-591-05146-7 
  • 山口敏太郎『本当にいる日本の「現代妖怪」図鑑』笠倉出版社、2007年。ISBN 978-4-7730-0365-9