マイヅルソウ属
表示
(ユキザサ属から転送)
マイヅルソウ属 | |||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
分類(クロンキスト体系) | |||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||
学名 | |||||||||||||||||||||
Maianthemum F.H.Wigg.[1] | |||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||
種 | |||||||||||||||||||||
|
マイヅルソウ属(マイヅルソウぞく、学名:Maianthemum、漢字表記:舞鶴草属)は、ユリ科の属の1つ[4]。
APG植物分類体系では、マイヅルソウ属は、ユリ目ユリ科からキジカクシ目キジカクシ科に分類される。また、属として独立していた旧ユキザサ属(ユキザサぞく、学名:Smilacina、漢字表記:雪笹属)を本属に含める[5]。
特徴
[編集]多年草。地下に根茎がある。茎は1本立ちし、葉は2個または複数互生する。花は2数性で花被片、雄蕊が4個で、子房が2室のものと、3数性で花被片、雄蕊が6個で、子房が3室のものがあり、両性または雌雄異株で単性の種がある。果実は球状の液果になり赤色に熟す[4]。
分布
[編集]種
[編集]和名はYListに、学名はYList またはThe Plant Listによる。
日本に分布する種
[編集]- 旧マイヅルソウ属
- 花は2数性
- ヒメマイヅルソウ Maianthemum bifolium (L.) F.W.Schmidt - 雌雄同株。マイヅルソウと比べ、茎の上部や葉の裏面に突起毛がある。日本では本州中北部と北海道に分布し、亜高山帯に稀に生育する。世界では朝鮮半島、中国大陸、サハリン、カムチャツカ、シベリアに分布する[4]。
- マイヅルソウ Maianthemum dilatatum (A.W.Wood) A.Nelson et J.F.Macbr. - 雌雄同株。葉は2個互生し、花は茎先に総状花序につける。日本では、北海道、本州、四国、九州に分布し、山地や亜高山帯の針葉樹林の林床に生育する。国外では、朝鮮半島、中国大陸東北部、千島列島、サハリン、シベリア東部、カムチャツカ、北アメリカに広く分布する[4]。
- 旧ユキザサ属
- 花は3数性
- ユキザサ Maianthemum japonicum (A.Gray) LaFrankie - 雌雄同株。茎の高さは20-70cmになり、花は白色。日本では、北海道、本州、四国、九州に分布し、山地の落葉広葉樹林の林床に生育する。国外では、朝鮮半島、中国大陸、ウスリー、アムールに分布する[4]。
- ハルナユキザサ Maianthemum robustum (Makino et Honda) LaFrankie - 雌雄同株。茎の高さは80-150cmになり、花は白色で花被片はユキザサより幅が広い。日本固有種で、群馬県の榛名山、栃木県日光の男体山のほか、本州中部地方に分布し、落葉広葉樹林の林床に生育する[4][7][8]。
- ヤマトユキザサ Maianthemum hondoense (Ohwi) LaFrankie - 雌雄異株。茎の高さは35-70cmになり、全体に軟毛が多く、花被片は緑白色。日本固有種で、本州の東北地方南部から中部地方までと奈良県に分布し、亜高山帯下部の針葉樹林の林床に生育する[4][7][9]。
- ヒロハユキザサ Maianthemum yesoense (Franch. et Sav.) LaFrankie - 雌雄異株。茎の高さは45-70cmになり、全体に毛が少なく、花被片は緑色を帯びる。日本固有種で、本州の東北地方から中部地方に分布し、亜高山帯針葉樹林の林床に生育する[4][7][9]。
その他の主な種
[編集]- エビチャザサ Maianthemum bicolor (Nakai) Cubey
- カナダマイヅルソウ Maianthemum canadense Desf.
- カラフトユキザサ Maianthemum dahuricum (Fisch. et C.A.Mey.) LaFrankie
- タイワンユキザサ Maianthemum formosanum (Hayata) LaFrankie
- トナカイソウ Maianthemum trifolium (L.) Sloboda
ギャラリー
[編集]脚注
[編集]- ^ Maianthemum F.H. Wigg., Tropicos
- ^ E. C. Stuart Baker (1864–1944; 鳥類学者) もしくはジョン・ギルバート・ベイカー (1834–1920; 植物学者)
- ^ Maianthemum synonyms, Tropicos
- ^ a b c d e f g h i 『日本の野生植物 草本I単子葉類』,pp.48-49
- ^ a b 大場『植物分類表』pp.54-57
- ^ Maianthemum, The Plant List
- ^ a b c 「朝日百科『世界の植物』8」,pp.2364-2366
- ^ 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』,p.144
- ^ a b 『日本の固有植物』,p.160
参考文献
[編集]- 北村四郎他総監修「朝日百科『世界の植物』8」、1978年、朝日新聞社
- 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他編『日本の野生植物 草本I単子葉類』、1982年、平凡社
- 大場秀章編著『植物分類表(初版第3刷訂正入)』、2011年、アボック社
- 加藤雅啓・海老原淳編著『日本の固有植物』、2011年、東海大学出版会
- 門田裕一監修、永田芳男写真、畔上能力編『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』、2013年、山と溪谷社
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- Tropicos
- The Plant List