ヤマツツジ
ヤマツツジ | ||||||||||||||||||||||||
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福島県会津地方 2012年5月
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Rhododendron kaempferi Planch. var. kaempferi (1853)[1] | ||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||
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和名 | ||||||||||||||||||||||||
ヤマツツジ(山躑躅) |
ヤマツツジ(山躑躅[7]、学名: Rhododendron kaempferi var. kaempferi)はツツジ科ツツジ属の半落葉低木。山地や丘陵の林内に生える。別名、エゾヤマツツジ[1]、テリハヤマツツジ[1]。
分布と生育環境
[編集]北海道南部、本州、四国、九州に分布し、丘陵や低山地の疎林内、林縁、日当たりのよい尾根筋、草原などに生育する[7][8]。日本の野生ツツジの代表種で、日本の野生ツツジでは分布域がもっとも広い。酸性土壌に向くツツジが多い中、本種はその代表的な種である[7]。
特徴
[編集]半落葉広葉樹。低木で高さは1 - 4メートル (m) になる[7]。若い幹は赤褐色から褐色で、滑らかである[8]。成木になると樹皮が浅く割れて薄くはがれる[8]。若い枝は赤褐色で上向きで淡褐色の伏した剛毛が密生する[8]。
葉は互生し、葉柄は長さ1 - 3ミリメートル (mm) になる。春葉と夏葉の別があり、春葉は春に出て秋に落葉し、夏葉は夏から秋に出て一部は越冬する[7][8]。春葉は長さ2 - 5センチメートル (cm) 、幅0.7 - 3 cmになり、卵形、楕円形、長楕円形、卵状長楕円形など形状や大きさに変化が多く、先は短くとがり先端に腺状突起があり、基部は鋭形、葉の両面、特に裏面の脈上に長毛が生える。夏葉は春葉より小型で、長さ1 - 2 cm、幅0.4 - 1 cmになり、倒披針形、倒披針状長楕円形で、先は丸く先端に腺状突起があり、基部はくさび形、葉の両面に毛が生える。
花期は4 - 6月[7]。枝先の1個の花芽に2 - 3個の花をつける[7]。花色は、ややオレンジ色がかった赤色がふつうで[9]、品種・変種によっては赤、紅紫色など濃いものや淡いもの、まれに白色がある。花柄は長さ3 - 4 mmになり、花冠の筒はやや太く、径3 - 4 cmの漏斗形で5中裂する[7]。花冠の上側内面に濃色の斑点があり、内面に短毛が散生する。雄蘂は5本[7]。花柱は長さ3 - 4 cmになり無毛。
果実は蒴果で長さ6 - 8 mmの長卵形で、8 - 10月に熟し裂開する。冬でも裂開した果実が枝に枯れ残っていることも多い[8]。
冬芽(花芽)は越冬葉に囲まれる[8]。葉痕は三角形から半円形で、維管束痕が1個つく[8]。
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群生(大和葛城山)
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春葉と花冠
下位分類
[編集]- ヤエザキヤマツツジ Rhododendron kaempferi Planch. f. komatsui (Nakai) H.Hara
- シキザキヤマツツジ Rhododendron kaempferi Planch. f. semperflorens H.Hara
- シロヤマツツジ Rhododendron kaempferi Planch. var. kaempferi f. album Nakai -花冠が白色で斑点が緑色の品種。
- オオシマツツジ Rhododendron kaempferi Planch. var. macrogemma Nakai -夏葉は光沢があり革質で冬も残る。花はやや肉質。伊豆七島、伊豆半島南部に分布する。
- ミカワツツジ Rhododendron kaempferi Planch. var. mikawanum (Makino) Makino -葉、花が小型で花の色に変化が多い。愛知県三河地方に分布する。
- サイカイツツジ Rhododendron kaempferi Planch. var. saikaiense (T.Yamaz.) T.Yamaz. -葉、花が小さい。長崎県の五島列島、鹿児島県の甑島に分布する。
- ヒメヤマツツジ Rhododendron kaempferi Planch. var. tubiflorum Komatsu -葉、花が小さく、花筒が長い。広島県、山口県に分布する。
- ケラマヤマツツジ Rhododendron kaempferi Planch. × R. scabrum G.Don –ヤマツツジとケラマツツジの交雑種。
脚注
[編集]- ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rhododendron kaempferi Planch. var. kaempferi ヤマツツジ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年3月23日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rhododendron kaempferi Planch. f. latisepalum (Nakai) H.Hara ヤマツツジ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年3月23日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rhododendron scabrum G.Don var. kaempferi (Planch.) Nakai ヤマツツジ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年3月23日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rhododendron obtusum (Lindl.) Planch. var. kaempferi (Planch.) E.H.Wilson f. purpuriflorum T.Yamaz., nom.nud. ヤマツツジ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年3月23日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rhododendron obtusum (Lindl.) Planch. var. kaempferi (Planch.) E.H.Wilson ヤマツツジ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年3月23日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rhododendron kaempferi Planch. var. lucidusculum (Nakai) Sugim. ヤマツツジ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年3月23日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i 西田尚道監修 学習研究社編 2000, p. 16.
- ^ a b c d e f g h 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 76
- ^ 辻井達一『続・日本の樹木』中央公論新社〈中公新書〉、2006年2月25日、166頁。ISBN 4-12-101834-6。
参考文献
[編集]- 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、76頁。ISBN 978-4-416-61438-9。
- 西田尚道監修 学習研究社編『日本の樹木』学習研究社〈増補改訂ベストフィールド図鑑 5〉、2000年4月7日、16頁。ISBN 978-4-05-403844-8。
- 佐竹義輔ほか 編『日本の野生植物 木本Ⅱ』平凡社、1989年2月。ISBN 4-582-53505-4。
- 茂木透 写真、高橋秀男・勝山輝男 監修『樹に咲く花:合弁花・単子葉・裸子植物』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑 5〉、2001年7月。ISBN 4-635-07005-0。