モノフルオロ酢酸
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モノフルオロ酢酸 | |
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IUPAC名 | モノフルオロ酢酸 |
別名 | フルオロ酢酸 |
分子式 | C2H3FO2 |
分子量 | 78.04 |
CAS登録番号 | 144-49-0 |
形状 | 無色の固体。針状の結晶。(20℃) |
密度と相 | 1.37 g/cm3, |
融点 | 35.2 °C |
沸点 | 165 °C |
SMILES | C(C(=O)O)(F)([H])[H] |
出典 | 国際化学物質安全性カード |
モノフルオロ酢酸(モノフルオロさくさん)は化学式C2H3FO2の化学物質で、カルボン酸の一種である。フルオロ酢酸(fluoroacetic acid)、gifblaar poison とも呼ばれる。
酢酸のメチル基を構成する水素の1つが、フッ素原子に置き換わったものである。
日本では毒物及び劇物取締法(毒劇法)により、特定毒物に指定される物質である。
毒性
[編集]フッ素の原子半径は小さいため、モノフルオロ酢酸は酢酸と間違えられて好気性代謝(酸素呼吸)の経路に取り込まれる。やがてフルオロクエン酸へと変換を受け、これが細胞の主たるエネルギー生産手段であるクエン酸回路を阻害、結果としてその生物を死に至らしめる[1]。
この毒性は、上記代謝に依存する生物であれば動物、植物を問わない。
用途
[編集]モノフルオロ酢酸ナトリウム(別名:1080)が殺鼠剤に、モノフルオロ酢酸アミドが殺虫剤に使われる。
いずれもモノフルオロ酢酸の単体と同様、上記の法律で特定毒物に指定されている。
所在
[編集]南半球を中心に、モノフルオロ酢酸塩(カリウム塩)を含む有毒植物が産する。別名の由来となった gifblaar (カイナンボク科、学名:Dichapetalum cymosum) は、南アフリカ等のアフリカ南部産の有毒植物である。この植物の周囲の土壌には上述の物質が含まれるため、他の植物は全く生育できず、土が剥き出しになるほどである。有機フッ素化合物が天然に存在する数少ない例の一つである。
脚注
[編集]- ^ Ernest Kun (1982). “MONOFLUOROACETIC ACID (COMPOUND 1080), ITS PHARMACOLOGY AND TOXICOLOGY”. Proceedings of the Tenth Vertebrate Pest Conference: 34-41 .