メトロポリタン美術館
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座標: 北緯40度46分46秒 西経73度57分47秒 / 北緯40.77944度 西経73.96306度
メトロポリタン美術館 | |
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施設情報 | |
正式名称 | The Metropolitan Museum of Art |
愛称 | The Met |
来館者数 | 7,006,859人 (2016年)[1] |
開館 | 1870年[2] |
所在地 | ニューヨーク |
外部リンク | 公式ウェブサイト |
プロジェクト:GLAM |
メトロポリタン美術館(メトロポリタンびじゅつかん、英: The Metropolitan Museum of Art、通称:The Met)は、アメリカ合衆国ニューヨーク市マンハッタンにある世界最大級の美術館。5番街(ミュージアム・マイルの区間)に面するセントラル・パークの東端に位置する。
来歴
[編集]メトロポリタン美術館の設立構想は、1864年、パリで7月4日のアメリカ独立記念日を祝うために集まったアメリカ人たちの会合の席で提案された。この会合の参加者のひとりだったジョン・ジョンストンは、アメリカに国際的規模の美術館が存在しないことを憂い、メトロポリタン美術館の設立構想を訴えたが、この時点では美術館の建物はおろか、1点の絵画さえ所有していなかった。
美術館は6年後の1870年に開館。その後は基金による購入や、様々なコレクターからの寄贈によって収蔵品数は激増し、関係者達の努力の結果、現在では絵画・彫刻・写真・工芸品ほか家具・楽器・装飾品など300万点の美術品を所蔵。全館を一日で巡るのは難しいほどの規模を誇る、世界最大級の美術館のひとつとなっている。
特色
[編集]メトロポリタンの特色は、そのコレクションの幅が極めて広く、古今東西問わずあらゆる時代、地域、文明、技法による作品を収集していることにある。そして最大の特色は、これだけの規模の美術館が、国立でも州立でも市立でもない、純然とした私立の美術館である点である。
入館料は長いあいだ「希望額」として掲示されているのみだったが、2018年3月以降、ニューヨーク市民およびニューヨーク近郊の住民以外は支払いが義務化された(大人25ドル、65歳以上17ドル、学生12ドル、12歳未満は無料)[3][4]。
美術館の運営管理は理事会によって行われている。創立100周年の1970年から始まった大改修計画により、美術館の総床面積は倍増し、さらに充実した展示が可能となった。
ミュージアムショップの充実ぶりも有名。関連書籍、ミニチュア、雑貨などはインターネットによる通信販売でも購入できる。
また、マンハッタン北部ワシントンハイツ地区のフォート・トライオン・パークにはメトロポリタン美術館の別館、「クロイスターズ」があり、フランスやスペインの廃僧院を解体輸送して再構築した建物内には、中世ヨーロッパ美術が展示されている。
更に、旧ホイットニー美術館の建物をリースして、ピカソ作品などのキュビズムを中心としたモダンアート・コンテンポラリーアートの展示を行う別館、 「メット・ブロイヤー」を2016年3月より開館した。
構成
[編集]- 本館 (Main Building)
- 常設展示 (Permanent Collections)
- アメリカ装飾芸術部門 (American Decorative Arts)
- アメリカ絵画と彫刻部門 (American Paintings and Sculpture)
- 古代近東芸術部門 (Ancient Near Eastern Art)
- 武器・鎧部門 (Arms and Armor)
- アフリカ・オセアニア・アメリカ芸術部門 (Arts of Africa, Oceania, and the Americas)
- アジア芸術部門 (Asian Art)
- 衣装研究所部門 (The Costume Institute)
- スケッチ・絵画部門 (Drawings and Prints)
- エジプト芸術部門 (Egyptian Art)
- ヨーロッパ絵画部門 (European Paintings)
- ヨーロッパ彫刻・装飾芸術部門 (European Sculpture and Decorative Arts)
- ギリシャ・ローマ芸術部門 (Greek and Roman Art)
- イスラム美術部門 (Islamic Art)
- 中世芸術部門 (Medieval Art)
- 現代美術部門 (Modern Art)
- 楽器部門 (Musical Instruments)
- 写真部門 (Photographs)
- ロバート・レーマン・コレクション (Robert Lehman Collection)
- 特別展示 (Special Exhibitions)
- 図書館 (The Libraries)
- 常設展示 (Permanent Collections)
- 別館:クロイスターズ (The Cloisters)
主な収蔵品
[編集]-
ドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャ『聖母子』1300年
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オッセルヴァンツァ聖堂の画家『金の山に誘惑される聖アントニウス』1435年頃
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フィリッポ・リッピ『玉座の聖母子と二人の天使』1440年
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アンドレア・マンテーニャ『羊飼いの礼拝』1451年-1452年
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アンドレア・デル・ヴェロッキオの工房『聖母子像』1470年
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ジョヴァンニ・ベッリーニ『聖母子』1480年代後半
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サンドロ・ボッティチェッリ『聖ヒエロニムスの最後の聖体拝領』1494年-1495年頃
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ラファエロ・サンツィオ『コロンナの祭壇画』1504年-1505年頃
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ヴィットーレ・カルパッチョ『キリストの受難の瞑想』1510年頃
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アルブレヒト・デューラー『聖アンナと聖母子』1519年
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アーニョロ・ブロンズィーノ『本を持つ青年の肖像』1540年
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ピーテル・ブリューゲル『穀物の収穫』1565年
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アンニーバレ・カラッチ『猫をからかう二人の子ども』1587-1588年頃
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ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ『奏楽者たち』1595年頃
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ピーテル・パウル・ルーベンス『狼と狐狩り』1616年頃
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アンソニー・ヴァン・ダイク『自画像』1620年–1621年頃
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フランス・ハルス『ヨンケル・ランプと恋人』1623年
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アルテミジア・ジェンティレスキ『アハシュエロス王の前のエステル』1620年代
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ジョルジュ・ド・ラ・トゥール『女占い師』1632年–1635年頃
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ニコラ・プッサン『日の出を探す盲目のオリオン』1658年
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ヨハネス・フェルメール『水差しを持つ女』1662年–1663年頃
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尾形光琳『八橋図屏風』1711年–1714年頃
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アントワーヌ・ヴァトー『メズタン』1718年-1720年頃
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ジャック=ルイ・ダヴィッド『ソクラテスの死』1787年
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フランシスコ・デ・ゴヤ『マヌエル・オソーリオ・マンリーケ・デ・スニガの肖像』1787年–1788年
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鈴木其一『朝顔図屏風』19世紀前半
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トーマス・コール『オックス・ボウ』1836年
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ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー『ヴェネツィアの大運河』1850年
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エマヌエル・ロイツェ『デラウェア川を渡るワシントン』1851年
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フレデリック・エドウィン・チャーチ『アンデスの中心』1859年
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ギュスターヴ・クールベ『波の中の女』1868年
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エドガー・ドガ『ダンス教室』1872年
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アルフレッド・シスレー『ヴィルヌーヴ=ラ=ガレンヌの橋』1872年
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エドゥアール・マネ『ボート遊び』1874年
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アルノルト・ベックリン『死の島』1880年
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ジョン・シンガー・サージェント『マダムXの肖像』1883年-1884年
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ジョルジュ・スーラ
『サーカスの客寄せ』1887年–1888年 -
フィンセント・ファン・ゴッホ『糸杉』1889年
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ピエール=オーギュスト・ルノワール『若い女の子の入浴』1892年
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トマス・エイキンズ
『考える人』1900年
分館
[編集]- クロイスターズ美術館
- マンハッタン北部のフォート・トライオン・パークの丘の上に建つ。フランスとスペインの廃僧院を解体移送して再構築した館内には中世ヨーロッパ美術が展示されている。
脚注・出典
[編集]- ^ “The Art Newspaper Ranking VISITOR FIGURES 2016” (PDF). The Art Newspaper. 2017年10月16日閲覧。
- ^ The Metropolitan Museum of Art: About (Report). ARTINFO. 2008. 2008年12月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年7月30日閲覧。
- ^ 入館料の支払い義務化へ 米メトロポリタン美術館『日本経済新聞』夕刊2018年1月4日(共同通信による配信)
- ^ “Ticketing and Admission Policies”. The Metropolitan Museum of Arts. 2019年5月19日閲覧。
関連項目
[編集]- スペイン芸術文学勲章
- 大貫妙子 - 大貫が本美術館を訪れて作った楽曲が『メトロポリタン美術館』で、NHK「みんなのうた」で広く知られる。
- メットガラ - メトロポリタン美術館のコスチュームインスティテュート(服飾研究所)主催のファッションの祭典。